老後資金として独身女性に必要な金額とは

今の時代、老後にどれだけの資金があれば生活していけるのか、不安に思う独身女性も多いのではないでしょうか。必要な老後資金は、約1,300万円~2,600万円と考えられています。そのため、40代、50代のうちから計画的に資金の確保を行うことが大切です。ここでは、金額のシミュレーションを交えながら、分かりやすくご説明します。

老後資金として独身女性に必要な金額とは

独身の女性が老後にもらえる年金はいくらくらい?

独身の女性が老後にもらえる年金はいくらくらい?

老後の資金のうち、主たる収入は年金です。
この年金がいくらもらえるかを知るには、まず年金の制度から知ることが大切です。年金は一般的に公的年金を指し、国民年金と厚生年金の二つに分けられます。

国民年金は20歳以上であれば加入が義務づけられており、学生であれば学生納付特例という制度を活用することで納付猶予が受けられます。また、学生以外の若年層を対象にした納付猶予制度や、所得に応じて納付の免除が受けられる保険料免除制度もあります。

厚生年金は、企業に入社する際に会社の規模や雇用条件によっては、加入が義務付けられています。厚生年金は月々の給与に対する保険料率が定められており、給与額によって支払う保険料と受け取る年金額が異なります。厚生年金保険料の半額は、企業の負担によって賄われています。

国民年金と厚生年金は、それぞれ「一階部分」と「二階部分」と呼ばれることがあります。いくらもらえるかを知るためには、自分が一階部分の国民年金のみの対象なのか、それとも二階部分の厚生年金も対象なのかを知る必要があります。

独身の女性と一口に言っても、自営業と会社員・公務員とでは年金の受給金額が異なります。以下では、自営業の場合と、会社員・公務員の場合とで分けて受給金額をみていきます。

年度別の国民年金平均受給額

年度老齢年金(25年以上)
2013年度54,622円
2014年度54,497円
2015年度55,244円
2016年度55,464円
2017年度55,615円

【参考】厚生労働省年金局「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 詳しくはこちら

日本国内に住む20歳以上の全員が加入する国民年金は、年度によって受給額に多少の増減がありますが、ここ数年の傾向を見る限り、概ね月額で約5万5,000円前後となっています。

厚生年金保険受給者の平均月額 ※1

年度老齢年金
2013年度148,409円
2014年度147,513円
2015年度147,872円
2016年度147,927円
2017年度147,051円

※1:厚生年金保険(第1号)

【参考】厚生労働省年金局「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 詳しくはこちら

続いて、厚生年金に加入している場合をみてみます。厚生年金に加入している人が受け取れる年金額は2013年度以降、約14万7,000円以上となっています。
ただ、この金額は現役時代の給与額によって変わるため、あくまで平均値となります。
自営業の独身女性であれば国民年金のみの受給となるため総額で約5万5,000円、会社員や公務員などの独身女性であればそれに約14万7,000円が加算されるため、約20万円の受給となります。

このように、同じ「独身女性」であっても自営業なのか会社員・公務員であるかによって老後にもらえる年金は大きく異なります。

実際に老後の生活にはどれくらいのお金が必要?

実際に老後の生活にはどれくらいのお金が必要?

老後に安定した不自由のない生活を送るためには、どれくらいのお金が必要になるのでしょうか。総務省統計局のデータによると、65歳以上の女性単身世帯の一ヶ月間の支出額は約15万円となっています。内訳は以下の通りです。

65歳女性の一ヶ月間の支出額

項目金額
食費35,469円
住居16,196円
光熱・水道13,506円
家具・家事用品5,499円
被服及び履物4,950円
保健医療8,864円
交通・通信13,642円
教育娯楽16,026円
その他の消費支出37,268円
合計151,421円

【参考】総務省統計局「家計調査 家計収支編 第2表 男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯) 2018年」詳しくはこちら

これは必ずしも「月に15万円あればそれで大丈夫」ということを示したデータではありません。例えば、「保健医療」が8,864円となっていますが、これだけでは大きなケガや事故に備えることは現実的にほぼ不可能です。また、住居費の16,196円は持ち家と賃貸の平均値を表しています。賃貸の人の場合、さらに費用がかかるため注意が必要です。冠婚葬祭や旅行などの大きなイベントへの備えも、上記には含まれていないと考えたほうがよいでしょう。余裕のある老後を過ごすためには、上記の金額にプラス5万~10万円ほどを想定しておくことが理想的です。目安としては、最低限の生活を送る場合は月に15万円、安定した生活を送る場合は20万円、娯楽の多い充実した生活を送る場合は25万円ほどを想定するとよいでしょう。

厚生労働省のデータによると、女性の平均寿命は平成30年度で87.32歳です。65歳で定年になることを考えると、老後の平均期間は約22年ということになります。

【参考】厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」 詳しくはこちら

独身女性に必要な老後の資金額は?

上記で紹介した年金受給額と、老後に必要な生活費、老後の平均期間から、老後に必要な資金額を計算してみましょう。月の年金受給額が約20万円の人の場合、娯楽の多い充実した生活を送るのであれば、65歳までに必要な貯蓄は(25万円-20万円)×12ヶ月×22年で、約1,300万円となります。国民年金のみの受給者の場合、収入が約5万円となるため、老後の生活のためには少なくとも(15万円-5万円)×12ヶ月×22年で、約2,600万円は必要となります。娯楽の多い充実した生活を送るのであれば、(25万円-5万円)×12ヶ月×22年で、約5,300万円が必要です。

老後資金の準備はいつからすべきか

老後資金の準備はいつからすべきか

老後に必要な資金は高額です。今すぐにでも少しずつ貯めていく必要があります。老後資金の準備は、「収入を増やすこと」と「支出を減らすこと」の両方から考えることが大切です。このうち、その日から始められるのは「支出を減らすこと」。不要なものは購入しない、生活必需品は少しでも安く購入する、贅沢品や交際費は抑える、といった節約術を試していきましょう。また固定費と呼ばれる、定額制のサービスや通信費の基本料金の見直しも効果的です。

老後資金を確保する方法

老後資金を確保する方法

続いて「収入を増やすこと」についても考えてみましょう。収入を増やすには計画性が大切です。近年では副業が解禁されている企業も多くなってきました。また、投資や貯蓄型の保険など、資産運用も盛んになっています。副業の時間を確保できないという人には、お金を預けることでお金を生み出していく資産運用がおすすめでしょう。

投資

資産を増やすためには、積極的な投資も選択肢のひとつです。株式や投資信託、債券、為替取引など、さまざまな種類の金融商品があります。現在では10万円以下で始められる商品も多く、初心者でも取り組みやすくなっています。投資は、中長期的に行っていくことで利益がさらに利益を生むという「複利」が期待できます。貯蓄型の保険商品と比べてリスクは大きい場合もありますが、それだけ多くのリターンも期待できます。なお、投資する銘柄の分散や地域の分散、さらには投資時期をずらす時間の分散によってリスクを減らすことが可能です。

貯蓄型の保険

貯蓄型の保険

数多くある保険商品の中には、「貯蓄型保険」と呼ばれるものもあります。貯蓄型保険の特徴は、万が一の保障の役割を果たすだけでなく、一定の条件を満たしたときにお金を受け取ることができるという点にあります。主な種類には終身保険や老齢保険、学資保険、個人年金保険などがあります。

メリットとしては、保険料が掛け捨てにならないという点や、将来的な資産形成になるという点が挙げられます。デメリットとしては保険料が貯蓄型でない保険と比べて割高になるという点や、解約する時期によっては解約返戻金が少ないといった点があります。

資産運用する上で活用したい制度

近年、資産運用で注目を集めているのはNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。資産運用に興味を持っている人であれば、一度は聞いたことがあるかもしれません。

NISAは、2014年1月から始まった、少額で投資を行う人向けの非課税制度です。NISA口座で購入した金融商品の配当金や譲渡益が非課税となるため、その分だけ多くの収益が得られるのが魅力です。日本に住んでいる20歳以上の人であれば誰でも口座を開設できる手軽さが人気の理由のひとつ。非課税の投資枠は新規の投資額で毎年120万円まで可能で、最長で5年間にわたって課税が免除されます。

iDeCoは、私的な年金制度です。申し込み、掛け金の拠出、運用方法の選択を自身で行い、掛け金と運用益を老後に受け取ることができます。原則60歳まで引き出せないことに注意する必要がありますが、利益を受け取るときには税制上の優遇措置があり、それが魅力のひとつとなっています。また、掛け金は全額が所得控除になるというメリットも。国民年金や厚生年金と組み合わせることで、老後の生活をより豊かにすることができます。

まとめ

老後に必要となる費用を知ることで、普段の生活を見直すことにつながります。独身女性が老後に必要な貯蓄額は、前述の計算によれば約1,300万円~2,600万円。これだけの資産を貯めるためには、老後の人生設計を退職後ではなく、40代・50代のうちから早めに準備しておくことが大切です。

ご留意事項
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