資産運用で差が出る!複利と単利の大きな違いを知ろう

資産運用をする上で知っておきたい利息の計算方法の違いについて解説しています。単利と複利の意味やそれぞれの運用シミュレーション、複利効果を活かすコツなどを記事内で説明しています。

資産運用で差が出る!複利と単利の大きな違いを知ろう

資産運用に重要な「単利」と「複利」

資産運用に重要な「単利」と「複利」

資産運用をしていく上で、単利・複利のことについてどれだけ知っているでしょうか。両方とも金利の付き方を表す言葉で、どちらを選ぶかによって最終的な資産の増え方が変わってきます。特に複利効果を活かせると将来的に大きな資産を積み上げやすいので、ぜひ知っておきましょう。まずは、単利と複利の用語について簡単に説明します。

単利とは

単利は元本だけに利息がつきます。運用で得た配当や利息は元本に組み込まれません。単利を計算式で表すと「元本×金利」です。常に同じ元本をもとに利息が決まります。複利と違い、元本の額がそのまま維持されるため、利息も毎回同じ金額で積み重なっていきます。

複利とは

複利では元本+利息の額面にさらに利息がつきます。計算式に表すと「(元本+前年利息)×金利」です。単利との違いは、元本と利息込みの額面に利息がつく計算をするところにあります。元本に利息が組み込まれるため、利息がつくたびに元本が増え、利息の金額も上がっていくのが複利の特徴です。

単利と複利の違いをシミュレーション!

単利と複利の違いをシミュレーション!

単利と複利どちらかを選んで運用した場合の試算を次に掲載します。

単利の場合の資産シミュレーション

単利の利息計算で元本100万円、利回り10%で10年運用した場合の例を説明します。

単利の場合の資産シミュレーション

まず1年目で受け取れる利息は100万円×0.1(10%)で10万円で、100万円の元本と10万円の利息が手元にあるということになります。2年目になっても同じことで、1年目と同じ10万円の利息がもらえます。手元には元本100万円と利息が合計20万円分あるということです。3年目以降も同じことで10年目になると元本と同額の100万円の利息が残ります。
つまり、10年後は元本と利息の金額を合計して「200万円」ある状態です。

試算すると分かるように、元本の金額はそのままで毎回同額の利息がもらえるというのが単利です。

複利の場合の資産シミュレーション

同様に複利の利息計算で元本100万円、利回り10%で10年運用した場合の例を次で説明します。

複利の場合の資産シミュレーション

1年目で受け取れる利息は100万円×0.1(10%)で10万円です。手元には元本100万円と利息の10万円が残ります。複利では発生した利息が元本に組み込まれるため、元本は元の金額より増加して110万円になります。2年目では元本110万円に利息がつきます。110万円×0.1(10%)で受け取れる利息は11万円です。もらった利息は元本に組み込まれ、元本が121万円に増えます。3年目以降も同様に繰り返されます。
つまり、10年目になると元本が「259万3,742円」になっています。

単利運用と比較すると、10年目の金額は200万円でした。同じ10年でも、元本が増え続ける複利運用の方が手元に多くの資産が残ることが分かるはずです。

単利と複利の比較

単利と複利の比較

差額は、259万3,742円-200万円=59万3,742円になり、約60万円の差があります。同じ10年でこれだけ差が出ることを考えると、長い目で見れば複利を選んだ方が資産形成しやすいことがよく分かるのではないでしょうか。

運用は複利効果を最大限に活用するべし

運用は複利効果を最大限に活用するべし

これまで説明したように、複利とは元本に利息を足していく運用方法です。資産運用ではこの複利を上手に活用すると資産を増やしやすいです。

複利効果を上手に活かすコツは、入ってきたお金を使わずに再投資し、長期運用することです。長く運用すればするほど、元本の額が段々上がっていきます。複利の仕組みを利用し、元本を増やしながら利益を積み重ねていくことで、雪だるま式に資産が増加してくのです。

利息の発生間隔が短いほど複利効果は大きくなる

複利効果は運用期間が長いほど効果が高くなるため、始めるなら早い方がお得です。また、複利が発生して元本に加えられる期間には1年複利、半年複利などの種類があり、間隔が短い方が得られる複利効果が大きくなります。


例えば、元本100万円を年利5%、一年複利で運用した場合、1年後に5万円の利息を受け取れます。利息が元本に組み込まれて105万円になり、翌年になるとまた利息が付きます。2年目の利息は5万2,500円です。
同様に年利5%を半年複利で運用した場合、半年後に2万5,000円の利息を受け取り、もう半年後にもらえる利息が2万5,625円です。合計すると1年で5万625円受け取れます。利息が発生する間隔が短いため、1年複利よりも半年複利の方が受け取れる利息金額が増加するのが早いです。数年程度では微々たる差ですが、年数をもっと重ねることで金額に大きな差が出てきます。

上記のような複利効果を理解して資産運用していくと、効率的に資産を形成できます。

複利で資産運用するならiDeCoがオススメ

複利で資産運用するならiDeCoがオススメ

複利効果を実感するためには、実際に自分で金融商品を選んで資産運用していく必要があります。ですが、投資できる商品というのは多くあるため、どれを選べばいいか迷うという方も少なくありません。もし複利効果を利用した資産の長期運用を検討しているなら、iDeCoを活用して投資信託を投資先に考えてみるのはいかがでしょうか。

利息も非課税で再投資される

iDeCoは個人型確定拠出年金制度のことで、公的年金に加えて個人で掛けられる年金制度です。制度内で投資信託などの商品を選び、長期運用することで将来積み立てたお金を受け取れます。iDeCoを始めることで税金面でのメリットもあります。掛金は全額所得控除になるため所得税や住民税の負担が軽減されます。

また、本来なら金融商品の運用益は課税対象ですが、iDeCoでは2021年現在、運用期間中に得た運用益は非課税で再投資されるため、複利効果が高まります。また、iDeCoは一度始めたら基本的に60歳までは受け取れないため、早く始める事で長期運用が行える事になります。

投資信託で複利効果を活かすには再投資型

投資信託を選んだ場合は、投資の専門家が投資家に変わって運用をしてくれます。投資信託で運用する場合には、分配金を受け取るか、再投資するかどちらかのタイプを選べます。投資信託で複利効果を活かしたい場合は、無分配のものか分配金を受け取らない再投資型を選択して長期運用すると良いでしょう。

まとめ

まとめ

資産運用を行う際には、単利と複利の2つの金利があり、違いは元本のみか元本+利息の額面に金利がつくかどうかが異なります。将来的に多くの資産を積み上げやすいのは複利の方です。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ