毎年もらう住民税決定通知書って何?必要性や見るべきポイントを解説

住民税の決定通知書を会社から受け取った、あるいは郵送で届いたという方の中には、住民税決定通知書がどういうものなのか分からず、放置してしまっている、ということも多いのではないでしょうか。この記事では、住民税決定通知書とはどのようなものなのか、目を通しておきたいポイントの説明や、よくある疑問にお答えします。

毎年もらう住民税決定通知書って何?必要性や見るべきポイントを解説

住民税決定通知書とは?

住民税決定通知書とは?

住民税決定通知書(住民税額決定通知書)とは、毎年2月16日~3月15日に行う確定申告によって決定された所得に基づいて、その年度の住民税がいくらに決まったのかを通知する書類です。

給与所得者の場合には、5月中旬頃から、6月頃までの給与支給時期に、勤務先から住民税決定通知書が手渡されます。フリーランスや自営業などの場合には、6月の上旬頃には住民税決定通知書と納付書が各市区町村から送られてくるでしょう。

そもそも住民税はどうやって決まる?

住民税は所得割と均等割の2つによって決定されています。

所得割分は、前年の所得に応じて変動します。一般的な標準税率は、市町村民税および特別区民税が6%、道府県民税および都民税が4%の計10%です。そのため、所得の多い人が多くの住民税を納める仕組みとなっています。

均等割とは、所得の大小に関係なく一律で負担する住民税です。市町村民税および特別区民税が3,500円/年、道府県民税および都民税が1,500円/年です。ただし、住んでいる都道府県や市区町村によっては、上記と異なる場合があるので注意しましょう。

以上の2つをあわせたものが、その年の住民税額です。

普通徴収と特別徴収について

住民税の納付方法には普通徴収と特別徴収の2種類があります。

普通徴収とは、住民税決定通知書とともに届く納付書の指示に従って行う納付方法です。年4回(6月、8月、10月、1月)の分割払い、一括払いのいずれかを選択し、金融機関やコンビニエンスストアなどの指定場所にて納付します。会社員(給与所得者)以外は、原則普通徴収です。

特別徴収とは、給与から天引きされる納付方法です。普通徴収は年4回ですが、特別徴収は毎月給与から天引きされます。住民税は前年の所得が一定金額以上ある場合に課税されるため、前年の所得がない新入社員であれば、2年目の6月から天引きが始まります。

※住民税の徴収方法について、詳しくは住民税の普通徴収と特別徴収はどう違う?切り替えの方法もの記事もチェック

住民税決定通知書の見るべきポイント

住民税決定通知書の見るべきポイント

住民税決定通知書は、所得、所得控除、課税標準、税額の大きく4つで構成されています。
それぞれの見るべきポイントについて詳しく見ていきましょう。

1. 所得を確認

1. 所得を確認

※総務省「表第三号様式別表」より作成

所得の項目では、前年1月~12月の所得に関する情報を把握できます。

給与収入の欄に記載されているのは会社から支払われた給料(年収)です。給与所得の欄には、年収から給与所得控除を引いた金額が記載されます。給与所得控除の金額は年収に応じて決定されています。

給与収入以外の収入がある人はその他の所得の欄に金額が記載されます。給与所得とその他の所得を全て合算した額が「総所得金額①」です。

2. 所得控除を確認

所得控除の項目では、所得に対しどのような所得控除が認められているかを把握できます。

誰でも受けられる基礎控除以外にも、社会保険料を支払っていれば社会保険料控除、条件を満たしている配偶者や扶養家族がいれば配偶者控除や扶養控除など全部で14種類の控除が所得控除として認められています。

年末調整や確定申告で控除を申告している場合は、該当する各所得控除の欄に控除金額が記載されているので誤りがないか確認しておきましょう。

全ての所得控除の合計金額は「所得控除合計②」で確認できます。

3. 課税標準を確認

課税標準の項目では、住民税を算出する基準となる課税所得を把握できます。

1と2で説明した「総所得金額①」から「所得控除合計②」を引いて算出したのが「総所得③」です。「総所得③」に山林所得や分離短期(長期)譲渡といった他の所得を加えた合計金額が住民税の課税対象となります。

4. 税額を確認

4. 税額を確認

※総務省「表第三号様式別表」より作成

税額の項目では、6月以降(本年度)に納める住民税の内訳を把握できます。
3で説明した課税所得に対して、住民税の税率をかけて求めたのが「税額控除前所得割額④」です。

ふるさと納税をした、住宅ローンを支払っているなどの場合、「税額控除前所得割額④」から控除(「税額控除額⑤」)が受けられます。控除分を引いて最終的に算出された住民税の所得割分が「所得割額⑥」です。

「均等割額⑦」は原則一律(前述したとおり市町村民税および特別区民税が3,500円/年、都道府県民税および都民税が1,500円/年※自治体により変動あり)です。

控除対象であるにもかかわらず、反映されていないということがないよう「税額控除額⑤」を確認しておきましょう。

※給与所得者以外の場合の住民税決定通知書例はこちら

住民税決定通知書 Q&A

住民税決定通知書 Q&A

住民税決定通知書について、よくある疑問をピックアップしました。

どんなときに必要になる?

住民税決定通知書は、収入を証明できる書類です。そのため、本当に収入があるのかどうかを第三者が見抜く必要があるときに提出を求められます。

例えば、住宅ローンやカードローンの申し込みです。住宅ローンやカードローンなどでは、融資を実行した金融機関は融資を回収できないリスクを伴います。

回収できないリスクを避けるには、本人に収入があるかどうかを確認する必要があるため、源泉徴収票や住民税決定通知書などの提出を求められる可能性があります。

再発行は可能?

住民税決定通知書は、一度紛失すると再発行できません。課税内容を確認したい場合には、本人または同居親族が市役所の市民税課で確認するか、課税額や所得額の証明に利用できる課税証明書や所得証明書を発行するしかありません。
全く同じ住民税決定通知書は再発行できないのでなくさないように注意しましょう。

住民税に控除などはある?

住民税に控除などはある?

住民税の負担を少しでも軽減するためにどんな控除が受けられるのか具体的に知りたいと考えている人も多いと思います。住民税に適用される所得控除は前述したとおり14種類あります。
中でも生命保険控除や、小規模企業共済等掛金控除(個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金など)は、将来に備えた上で控除も受けられるため節税テクニックとして紹介されることが多いです。
ただし、控除を受けられるからと必要以上に掛金を上げてしまってはよくありません。必要な範囲で活用しましょう。

一方、控除を受けられ、なおかつお得なサービスを受けられるふるさと納税は非常におすすめです。こちらは居住地以外の自治体に寄附を行うと、最低負担金2,000円を引いた寄附金額が全額控除されます。さらに自治体から特産品などの返礼ももらえるため、とてもお得です。

まとめ

まとめ

住民税決定通知書はその年度に納める住民税がいくらなのかを通知する書類です。

確定申告の内容に基づいて住民税が決まりますが、控除が正確に反映されていない場合は無駄な税金を納めることになるため、住民税決定通知書の内容をきちんと確認しましょう。

また、紛失した場合は再発行できません。紛失しないよう注意しましょう。

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