老後資金はいつから貯める?必要な金額や貯め始める年齢での注意点も

人生100年時代、老後の生活期間はかつてのイメージよりずっと長くなっています。長期間の老後に備えるためには、ライフプランを明確にして早い時期から資産形成に着手することが必要です。まずはこの記事を参考にライフイベントを考えながら老後の収支計画を整理することからはじめてはいかがでしょうか。

老後資金はいつから貯める?必要な金額や貯め始める年齢での注意点も

長期間にわたる老後には早めの準備が必要

長期間にわたる老後には早めの準備が必要

年々平均寿命が延び、定年退職後の時間が長くなっている現在、老後の準備はできるだけ早い時期から着手するべきです。従来は、退職とともにリタイアして、それまでの預貯金や退職金などの蓄えを切り崩していく人が多かったのですが、長寿高齢化の社会を考えると、長期間の老後生活の途中で資産が底をついてしまう恐れもあります。

「老後2,000万円問題」として話題になった金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の試算でも使用された2015年のデータでは、60歳(当時)の78.1%が80歳まで、46.4%が90歳まで生存する推計となっており、定年が65歳とすると25年以上の老後期間があると考えなければなりません。

長期間にわたる老後の資産を短期間で準備するのは容易なことではありません。20代・30代などできるだけ早い時期から貯蓄していく必要があり、定年が迫る40代・50代でもさらなる貯蓄も考えなくてはなりません。

とはいえ、上記の「老後2,000万円問題」に対して指摘があったように、一人ひとり必要な老後資金は異なります。そこで、自分に必要な老後資金を考えるために、一度自身の老後の収支を整理してライフプランを立ててみましょう。

【参考】金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」 詳しくはこちら

老後の主な収支を棚卸しする

老後の主な収支を棚卸しする

いきなり正確なライフプランを立てることは難しいでしょう。まずは、老後の収支を明らかにして、必要な老後資産の概算を予測してみることが必要です。
定年時の収入を把握するためには、勤務先企業の退職金制度と年金受給額の確認が必要です。退職金については就業規則などに記載しており計算ができますが、老後の主な収入源である年金の確認方法を紹介します。

「ねんきん定期便」で見込み額と加入期間の確認を

日本年金機構から被保険者に「ねんきん定期便」が毎年誕生月に届けられます。
50歳未満の方に届けられるねんきん定期便では、これまでの年金保険料の納付実績や将来受け取ることができる年金額の目安などが確認できます。記載されているのは、現在までに支払った保険料に基づいた、1年間に受け取ることができる年金額ですので、納付を続ければ、もらえる年金額も増えていきます。
50歳以上の人に届けられるものは、60歳で年金加入をやめるということを想定して作成されています。これまでの加入期間とともに、現在の給与水準で60歳まで働き続けたと仮定した給付見込み額が記載されています。
ねんきん定期便を受け取ったら、加入期間などに間違いがないかなどをチェックしてください。
また、35歳、45歳、59歳の人には封書でより詳細な情報が届けられることになっています。

【参考】日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」 詳しくはこちら

老後の支出を予測する

次に、老後の主な支出について確認します。総務省が発表している「家計調査」の最新データでは、二人以上世帯の場合27万2,424円、単身世帯の場合17万5,242円が毎月の平均支出額となっています。この消費支出を目安として、上記の収入を照らし合わせれば、おおよその老後資産の必要金額が予測できるでしょう。

老後資産の必要金額予測

項目2人以上世帯単身世帯
消費支出27万2,424円17万5,242円

※「二人以上世帯」は60歳〜70歳の平均、「単身世帯」は65歳〜の平均

【参考】総務省「家計調査 家計収支編(2019年):二人以上の世帯」 詳しくはこちら

【参考】【参考】総務省「家計調査 家計収支編(2019年):単身世帯」 詳しくはこちら

年齢によって資産形成の工夫が必要

年齢によって資産形成の工夫が必要

老後資産の必要金額が把握できれば、後はそれに向けて資産形成をしていきますが、資産形成を始める年齢によって工夫が必要です。若年代であれば定年までの期間が長いのでコツコツと貯蓄を増やしていくこともでき、ライフプランの変更機会も多いので、リスクを取って大きなリターンを追求していく資産運用も可能です。

年齢を重ねてから老後に備えて資産形成を考えると、定年までの短い期間で資産を準備しなければなりません。また、ライフプランどおりに行かなかった場合に立て直す期間が短く、大きなリスクのある資産運用には慎重になるべきだといえます。
そのため短期間で資産を残していくには、支出を減らして貯蓄に回す額を増やしたり、老後の支出を減らす検討をしたり、定年後に再雇用などで収入を増やすなどの工夫が必要になります。

まずは、資産運用も視野にいれながら、今のうちから蓄えを増やしていくこと、さらにライフイベントを考えながら収支の計画を整理しておきましょう。ライフプランを明確にすることで、必要なお金も明確になります。気をつけなければならないことは、定期的に現状を見直し、状況の変化に応じてライフプランを変更していくことです。

まとめ

人生100年時代を迎え、老後資金をどのように準備していくかは大きな課題です。準備すべき額は人によって異なるので、まずは自身のライフプランを棚卸しして現状を理解することで、現実的な課題として捉えることが大切です。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ