初心者でもわかる!資産運用の種類とそれぞれのメリット・デメリット

低金利時代において、将来のために資産運用を考える人は増えています。とはいえ、資産運用と言ってもさまざまな種類があるため、よくわからないという人も多いでしょう。そこで、この記事では資産運用の種類や、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

初心者でもわかる!資産運用の種類とそれぞれのメリット・デメリット

資産運用とは?

資産運用とは?

そもそも資産運用とは、簡単にいうと「資金を運用し、そのお金を増やしていくこと」です。資産運用方法には株式投資・投資信託・FXなどがあり、損失が発生する可能性があるという「リスク」と収益を得られることを示す「リターン」という概念があります。

超低金利時代といわれる昨今、預金以外の資産運用を行う重要性がますます高まっています。また、政府も将来に備えて個人が資産運用しやすくなるような法整備などを行っており、特定の資産運用の場合には優遇制度が設けられていることもあるので、個人の資産運用においてもある程度の知識が必要になってきています。

資産運用の基本的な考え方

資産運用の基本的な考え方

資産運用をする際には、リスク・投資期間・種類をよく考えることが大切です。
投資には基本的にリスクがつきものなので、損失が生じる可能性もあることはしっかり心に銘記しておかなければなりません。高いリターンを求めると、リスクも高くなる傾向があることは理解しておきましょう。

一つの投資先に資産を集中させるのではなく、いくつかの種類に分散投資すればリスクを軽減できます。また、運用方法によってはすぐにお金を引き出せないものもあるため、お金の使い道と投資期間を考慮しながら、合うものを選ぶようにしましょう。

主な資産運用の種類

資産運用には様々な種類がありますが、主な資産形成の種類は以下の通りです。

・預金・外貨預金
・株式投資
・投資信託
・FX
・債券
・税制優遇制度(iDeCo、NISA)

その他にも、不動産投資や仮想通貨、ソーシャルレンディング、金投資といった様々な資産運用があります。

預金(貯金)

預金(貯金)は銀行などの金融機関に金銭を預けることです。預ける金融機関によって「預金」と「貯金」とで呼称が異なります。

お金を安全に保管する「預金(貯金)」も資産運用の1つ

預金も、預けていると各銀行の設定に応じた利息が発生するため、実は資産運用のひとつです。しかし、銀行預金や定期預金の利率は現在非常に低く設定されています。多くの資産運用がお金を増やすことを目的にしているのに対し、低金利時代における預金は、お金を安全に保管することが主たる目的になる、という違いがあります。

近い将来に資金が必要な場合や、緊急な出費に備えたい場合などは、すぐに引き出しにくい資産運用方法を選ぶよりも、預金にその分の資金を割り当てるべきでしょう。逆にいえば、そういった状況でない限り、その他の資産運用のメリットを生かす余地があるということです。

預金(貯金)のメリット

銀行に預金する場合、元本が保証されていて安全性が高いことが大きなメリットです。普通預金であればいつでも引き出しができるため、緊急時のために準備している資金を安全に保管しておくことに向いています。

預金(貯金)のデメリット

一方、デメリットは金利が低く、リターンが非常に少ないことです。インフレリスクを考慮すると、微々たる利息を得たとしても、資産価値としては目減りをしてしまう可能性もあります。
定期預金を利用する場合は、基本的に期間満了するまで資金が拘束されることに注意しましょう。中途解約も可能ですが、受け取れる利息は当然少なくなります。また、基本的に金利は低いため、インフレリスクに対処できない可能性が高いです。

外貨預金

お金を海外の銀行に預ける外貨預金なら、日本国内の通常預金よりも高い金利を受けられます。金利だけでなく、為替の変動から利益が生じることもあります。一方で、預金保険制度の適用外であることや、為替手数料がかかること、為替変動によって損失が生じる可能性があることなどはデメリットと言えるでしょう。

株式

株式投資

株式投資とは、上場企業が資金調達のために発行する株式を購入して、株価が上昇したタイミングで売って売買差益を得たり(キャピタルゲイン)、配当により利益を得たり(インカムゲイン)するものです。今後成長が見込める会社や応援したい会社、株主優待が魅力的な会社など、投資先は自分で選べます。日本の企業の他、海外の企業に投資をすることも可能です。

株式のメリット

株式のメリットは、株価の値上がりによる売買差益のほかに、配当金や株主優待などを得られることです。株式は、保有しているだけで配当や株主優待を享受できるものもあるうえ、株価が上向きの場合には大幅な利益を得られる可能性もあります。

株式のデメリット

株式のデメリットは、小型株やミニ株などもありますが、一般的にはある程度、まとまったお金が必要なことです。また投資資金が少ない場合は、幅広く投資が出来ない為に、結果として1つの企業に集中投資することになり、分散投資ができないというリスクを抱える場合も考えられます。そのため、資金が少ない方で株式投資に興味がある方は、投資信託をまずはおすすめします。

投資信託

投資信託とは、資産運用会社に資産運用を信託する投資方法です。資産運用会社には一般的にファンドマネージャーと呼ばれる資産運用のプロが管理を担当し、多様な投資先を常時検討・監視して、利益の最大化を追求します。

投資信託のメリット

投資信託にはタイプがあり、株式・債券・不動産など複数の投資対象に資金を分散させるものや、株式や債券などの投資対象に特化し、そのなかで高いリターンが期待できる銘柄を選んで運用するものがあります。
いずれにしても資産を分散させるため、個人が特定銘柄に資金を集中させるよりもリスクを低下させられる傾向があります。当然ですが運用先や銘柄などはすべて資産運用のプロであるファンドマネージャーが選ぶため、投資に関する知識が少ない初心者も選びやすい資産運用の方法です。少額の資金からでも始めることができ、毎月少しずつ積み立てていく方法もあります。

投資信託のデメリット

一方、デメリットは、口座開設手数料や信託報酬などのコストがかかることです。また、元本は保証されていないため、価格変動に伴い元本割れとなるリスクもあります。

FX

FX

FXとは「外国為替証拠金取引」のことで、ドルやユーロ、香港ドルなどの外国為替に投資して、その価格変動や金利による利益を得る資産運用方法です。

FXのメリット

FXのメリットは、資金以上の取引ができる「レバレッジ」という効果により、大きな利益を得られる可能性があることです。日本では、証拠金に対して25倍までのレバレッジを設定でき、資金効率を大きく高めることができます。株式のように取引時間も決まっておらず、24時間いつでも取引が可能です。

FXのデメリット

デメリットは、ハイリスク・ハイリターンな運用方法であり、初心者には向かないことです。レバレッジは負の方向にも作用するため、損失が発生した場合には元本割れとなるだけでなく、証拠金以上の損失、つまり借金が発生するおそれもあります。

債券

債券は、国や企業などが資金調達のために発行する有価証券です。債券を購入すると、満期時には元本と利息を受け取れます。

債券のメリット

債券のメリットは、額面金額が払い戻されるためリスクが小さいことです。特に、国が発行する国債は発行元が破綻するリスクが企業等に比べて低く、安全性が高いとされています。

債券のデメリット

デメリットは、社債を購入した場合は、発行元が倒産してしまう可能性があることです。満期を待たずに途中売却する場合には、価格変動により元本割れが起きるかもしれません。外国債を運用する際は、大幅な為替変動やデフォルトのリスクなどもあるため、海外の政治情勢や経済動向などに注視しておく必要があります。

税制優遇制度(iDeCo、NISA)

税制優遇制度(iDeCo、NISA)

ここからは、資産運用に役立つ税制優遇制度として、「iDeCo」と「NISA」をご紹介します。

iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」の愛称で、老後に備える個人向け年金制度のことです。

iDeCoのメリット

iDeCoの大きなメリットは、掛け金が全額所得控除の対象となるなど、税制面での優遇が受けられることです。運用期間中の運用利益も非課税(*令和5年3月31日まで、特別法人税が凍結されているため)なうえ、受け取りの際にも基本的には60歳を超えていれば、受け取り時には税制優遇もあります。原則20歳以上60歳未満で国民年金を納めていることなどが加入条件で、多くの人が加入できます。

iDeCoのデメリット

デメリットは、原則60歳にならないとお金を引き出すことができず、途中解約もできないことなどです。また、金融商品は自分で指定しますが、商品によっては元本割れをする可能性もあります。掛け金には上限があり加入資格により変わるため、いくらまで積み立てできるのかチェックしておくことも大切です。

NISA(ニーサ)

NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)とは、毎年、一定金額の投資により得られる利益にかかる税金が非課税になる制度です。一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの3種類の制度があります(2021年8月現在)。

NISAのメリット

NISAのメリットは、まずNISA口座で購入した金融商品の配当金、譲渡益等が非課税になること、つまり非課税で資産形成ができることが挙げられます。

NISAのデメリット

NISAのデメリットとして、利用する上の注意点があります。まず、NISA口座は1人1口座しか開設できません。また、非課税枠の再利用はできず、売却した分に相応する非課税投資枠を同年に再利用したり、使い切っていない投資枠を翌年に繰り越すことはできません。また、NISA口座で損失が生じても、損益通算(※)ができないことも注意が必要です。

※損益通算とは、一定期間内の利益から損失を相殺して課税計算をすること

まとめ

超低金利時代において老後の備えをするには、賢く資産を運用することが大切です。資産運用にはさまざまな種類があるため、それぞれの魅力や注意点をよく把握しつつ、投資期間や税制度なども考慮に入れながら、自分に合うものを選びましょう。

ご留意事項
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