購入前に知るべきお墓の新常識~お墓の値段や墓地の選び方、しまい方まで~

死は多くの場合、ある日突然訪れます。そのときお墓が用意されていなければ、遺族は通夜や葬式などのあわただしい中、お墓の購入も考えなくてはなりません。遺族に迷惑をかけず、人生の最期を美しく飾るためにも、お墓のことを真剣に考えましょう。

購入前に知るべきお墓の新常識~お墓の値段や墓地の選び方、しまい方まで~

お墓の購入には3つの費用が必要

お墓を購入するには、墓石代、永代使用料、管理料の3つの費用がかかります。

①墓石代
墓石の値段は、石の種類や使用料、墓石のデザインなどによって大きく違います。また、お墓の中心に建つ竿石や台石だけと思われがちですが、これに外柵・納骨棺・花立て・香炉などの石材一式、彫刻料(家名など)・据え付け工事費用・金物付属品(香皿など)代を含めた総額が墓石代となります。当然、オプション品や加工を追加すれば、その費用が上乗せされます。

②永代使用料
1948年に制定された「墓地、埋葬等に関する法律」により、地方自治体が認可した場所だけにしかお墓を建てることができなくなりました。お墓を建てるには公営・民営の霊園や寺院の墓地を使用するしかなく、霊園や寺院に「永代使用料」を払わなくてはなりません。
永代使用料とは、場所を利用する使用料であり、実は、必ずしも永代、つまり子々孫々にわたって使用できる権利が得られるわけではありません。
永代使用料は霊園・寺院の立地条件や設備、あるいは建てる墓地の広さなどによって設定されるため、かなり価格差があります。お墓を購入するときは、永代使用料の1平方メートル当たりの価格で複数のお墓を比較するといいでしょう。

③管理料
お墓を購入した後は、管理料を霊園や寺院に支払います。この管理料で、霊園や寺院の休憩所・トイレ・水飲み場などの管理費用がまかなわれます。多くは1年分の前払いですが、霊園・寺院によっては数年分ないし数十年分をまとめて納めることもあります。
注意したいのは、管理料の滞納です。滞納が一定期間以上続くとお墓の使用権(永代使用権)が取り消されることがあります。つまり、お墓を永代にわたって使用するためには、管理料を払い続ける必要があるのです。

墓石購入の費用の平均は約160万円

お墓の費用については、お墓の相場を調査する団体によっても多少差があるようです。
ここでは、一般社団法人 全国優良石材店の会が行った「2019年お墓購入者アンケート調査」(有効回答数2,157サンプル)の結果を見てみましょう。同法人では、所属する全国約300社の石材店で実際にお墓を購入した人を対象に、毎年アンケート調査を実施しており、お墓に関する調査では、最大規模クラスとなっています。

今回の調査では、墓石の購入価格の平均は160.7万円と過去10年間で最安値となっています。かつてお墓といえば「○○家之墓」などと彫刻された縦長のお墓が一般的でしたが、最近は横幅のある洋型のお墓が増えています。洋型のお墓は、縦長の和型のお墓より価格がリーズナブルであることから、墓石の購入価格の平均も抑えられているのではないかと推測されます。

【参考】一般社団法人 全国優良石材店の会「2019年お墓購入者アンケート調査」 詳しくはこちら

知っておくべきお墓選びのコツ

お墓を購入する際には、自分がどんなお墓に入りたいのかだけでなく、子供や親族がお墓参りをしやすい場所にあるか、管理料は手ごろであるか、よく考えて選ぶ必要があります。ポイントは次の3つです。

ポイント①後継者の事情を優先的に考える
お墓は、お墓の後継者がいる限り永久的に引き継がれていきます。今の自宅の近くや駅にこだわるのではなく、後継者となる子供たちの利便性を優先的に考える必要があります。
また、永代使用権は、管理料を払う後継者が絶えれば取り消されてしまいます。お墓の購入時には、できれば子供や親族の中から後継者を決めておき、その後継者の事情を優先してお墓を選ぶといいでしょう。

ポイント②後継者がいない場合は「新しい形のお墓」を考える
子供や親族などの後継者がいない人もいることでしょう。そうした人のために、最近は新しいスタイルのお墓が増えています。例えば、家族の代わりに霊園管理者が供養してくれる「永代供養墓地」、遺骨を預かってもらえる「納骨堂」といった形態のお墓なら価格が安く、後継者がいらないことが多いというメリットがあります。

ポイント③予算内で購入する
立派なお墓を建てたいと願う人も多いでしょう。しかし、お墓の購入後もお葬式・初七日、四十九日、一周忌、3回忌と法事は続き、当然、お金がかかります。お墓の購入は自分の経済状態に合った予算内に収めることが大切です。

増えている「墓じまい」の最新事情

増えている「墓じまい」の最新事情

墓じまいとは、その名のとおり現在のお墓を撤去して、遺骨を他の墓地に移転したり、永代供養墓地に改葬したりすることをいいます。
お墓を維持していくためには、管理料がかかります。しかし、管理料を払い続けてくれる子や孫などの親族にあてがなかったり、子や孫に負担をかけたくないと考えたりして、自分の代で墓じまいをしようとする人が増えています。ちなみに、墓じまいをするには墓石を取り壊し更地にして返す必要があり、工事費用がかかります。

そんな中、注目されているのが、後継者が絶えてもお寺などが永久的に供養してくれる「永代供養墓地」です。中には年会費・管理料込みで販売しているところもあります。

まとめ

お墓は自分一代のことではありません。これからお墓を購入する場合には、墓石代・永代使用料がかかり、お墓を継続していくかぎり管理料がかかります。お墓参りしやすいなど、子供や孫に負担がかからない墓を選ぶか、後継者がいない場合には、墓じまいを検討するのもいいでしょう。
また、遺言を活用することで祭祀主宰者の指定が可能ですので、遺言の利用も考えてもいいかもしれません。その際は、専門家と相談の上ご活用ください。

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