50代から資産運用をはじめるための3つのポイント

ようやく少し生活にゆとりがでてくる50代。間近に迫る退職後の生活に備えて、資産運用をはじめたいとは思うものの、何をしたらよいかわからない人も少なくないようです。ここでは50代からはじめる資産運用のポイントと検討してみたい非課税制度をご紹介します。

50代から資産運用をはじめるための3つのポイント

50代からでも遅くない!これから資産運用をはじめるためのポイント

50代からでも遅くない!これから資産運用をはじめるためのポイント

50代で資産運用をはじめる際のポイントを整理してみます。

ポイント1:余裕資金で気軽にはじめる

50代はお金が貯まりやすい時期といわれています。子育てにかかる費用が少なくなり、早い人なら住宅ローンも完済して、支出をぐっと抑えられるようになるためです。
まずは、この浮いたお金を無理なく資産運用に回すことからはじめます。近い将来、手に入るはずの退職金運用の予行練習として、投資に慣れておくという意味もあります。

ポイント2:収益を追いつつも、資産が目減りするリスクをなるべく抑える

投資の経験が浅い人は、次の「3つの分散」でリスクをなるべく抑えた運用を心がけたいところです。

資産の分散

株式、債券、REITなど、値動きの異なる複数の資産を組み合わせて運用することで価格変動リスクの軽減を図ることができます。

地域の分散

特定の地域の資産だけに投資してしまうと、その地域独自のリスク(地政学リスク)にさらされる可能性があります。なるべく多くの国や地域の資産に分散させることで、特定の地域の地政学リスクの軽減を図ることができます。

時間の分散

一括で投資するのに比べて投資のタイミングをなるべく多く分散することで、高値づかみのリスクを抑えることができます。

ポイント3:資産を育てる楽しみを学ぶ

投資をはじめると、その時の状況によって手持ち資産の価値が増減します。短期的には資産価値が上昇、下落を繰り返しながらも、長期的には資産価値が上昇することを少額の投資で体験しておいて、本格的な退職金の運用などに備えるのがよいでしょう。

50代からでも検討したい非課税制度の活用

50代からでも検討したい非課税制度の活用

先の3つのポイントを満たし、さらに非課税のメリットもある制度を紹介します。

少額からでも始められる「NISA・つみたてNISA」

NISA・つみたてNISAとは、国が設けた非課税制度のことです。まとまったお金を工面しにくいという人には、つみたてNISAが向いているかもしれません。

つみたてNISAの対象となるのは少額からでもはじめられる投資信託(ETFを含む)で、投資した年から20年間は運用益等が非課税になります。非課税投資枠は年間最大40万円です。つみたてNISAの対象となる投資信託は、長期、積立、分散投資に適した商品となるよう法令上の制限がありますので、前述の3つのポイントを兼ね備えた、50代から資産運用を開始する方にとって好ましい制度といえそうです。

一方、NISAは、投資をした年から5年間は配当金・分配金や譲渡益が非課税となる制度で、非課税投資枠は年間最大120万円です。対象商品は国内・外国株式、投資信託などです。すでにまとまった資金があるという人はこちらを利用するのもよいでしょう。

50代が利用できるNISA口座には「つみたてNISA」と「一般NISA」の2種類がありますが、併用はできないのでいずれかを選択する必要があります。

また、2024年には一般NISAに変更が加えられるため合わせてチェックしておきましょう。以下の表では2023年までの一般NISAを「NISA」、2024年に変更後の一般NISAを「新NISA」としています。

2つのNISAの概要

つみたてNISANISA新NISA
年間限度額40万円/年120万円/年122万円/年
非課税運用可能期間20年5年
(ロールオーバー可)
5年
(ロールオーバー可)
優遇措置運用益等が非課税運用益等が非課税運用益等が非課税
投資可能期間2042年まで2023年まで2024年から
2028年まで

【参考】金融庁「令和2年度税制改正について」詳しくはこちら

※新NISAについて、詳しくは「2024年から大変更!ジュニアNISAの廃止や新NISA制度をFPが解説」の記事もチェック

短い期間でもメリットがある「iDeCo」

iDeCoは個人が自分で掛金を拠出し、運用方法を選んで運用する個人型確定拠出年金の愛称です。運用益が非課税であるという点ではつみたてNISA、NISAと同じですが、iDeCoは60〜65歳(加入期間に応じて受給可能な年齢が異なる)まで原則引き出しができない代わりに、拠出金は全額が所得控除の対象、運用益は非課税、受給時には公的年金等控除、退職所得控除の対象といった税制上の優遇措置があります。

65歳くらいまで生活資金に余裕があり、かつ現在それなりの所得があるという方は検討してみてもよいかもしれません。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要

iDeCo
年間の拠出上限額加入資格区分による
(最大81万1,000円/年)
税制上の優遇措置拠出時:全額所得控除の対象
運用時:運用益が非課税
受給時:公的年金等控除、退職所得控除の対象
受給開始年齢原則60歳以降*

*通算加入者等期間が10年に満たない場合は、受給可能な年齢が加入期間に応じて繰り下げられます

まとめ

まとめ

長い老後を楽しみながら暮らしていくためには相応のお金も必要となります。人生100年といわれる時代、50代から資産運用をはじめるのも決して遅すぎるということはありません。まだという方はこの機会にぜひ投資や資産運用について考えてみてはいかがでしょうか。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ