老後資金にも使える個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を総まとめ!

「人生 100年時代」といわれる現代では、老後の長期化を想定して老後資金を準備する必要があります。その方法の1つとして注目されているのが「iDeCo(イデコ)」。iDeCoとは個人型確定拠出年金の愛称で、税制上のメリットを受けながら、積み立てで老後資金を準備する制度です。

老後資金にも使える個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を総まとめ!

iDeCo(イデコ)って何?

iDeCo(イデコ)って何?

厚生年金や国民年金などの公的年金に対し、iDeCoは公的年金の上乗せとして任意に加入できる私的年金で、2002年1月より制度がスタートしました。

iDeCoは自分で掛金の額を決め、自分で商品を選んで運用します。掛金は最低5,000円以上で個人条件によって上限があり、毎月同額を積み立てる、あるいはボーナス月など月によって金額を変えることもできます。60歳になるまで掛金を拠出することができ、掛金とその運用益の合計額を60歳以降に老齢給付金として受け取ります。

iDecoに加入できる人と掛金上限

基本的に60歳未満の人はiDeCoに加入できますが、勤務先の企業型確定拠出年金に加入している人はiDeCoに加入できないことがあります。具体的には次の条件に当てはまる人です。また、掛金の上限も自分の入っている年金の種別によりそれぞれ異なります。

国民年金の第1号被保険者の掛金上限

対象者掛金上限
自営業者の人年間81.6万円
(国民年金基金または国民年金付加保険料との合算)

厚生年金保険の被保険者(※)の上限

対象者掛金上限
勤務先に企業年金制度のない会社員年額27.6万円
企業型年金規約でiDeCoの
同時加入を認めている
企業型確定拠出年金の加入者
年額24万円
確定給付企業年金・
厚生年金基金の加入者
年額14.4万円
公務員の共済組合員年額14.4万円

※ 60才未満の場合。
規約でiDeCoの同時加入を認めていない企業型確定拠出年金の加入者は加入不可

国民年金の第3号被保険者の掛金上限

対象者掛金上限
専業主婦(夫)や社会保険の扶養の範囲内で働いている人年額27.6万円

iDeCoの運用商品

iDeCoでは、運用商品を「元本確保商品」と「投資信託」の中から自分で選びます。

元本確保商品とは、約束した期限が来たときに元金以上の金額が戻ってくる商品で、定期預金や保険商品があります。

投資信託とは、投資家からお金を集め、運用の専門家が株式や債券などで運用する商品で、その運用収益が投資家各々の投資額に応じて分配される仕組みです。投資対象とする資産や地域により、国内債券型、外国債券型、国内株式型、外国株式型などに分けられるほか、複数の資産を組み合わせたバランス型と呼ばれるタイプもあります。

受け取り方法

老齢給付金の受け取り方法は、老齢年金方式で5年以上20年以下の期間で受け取るか、または老齢一時金として一括で受け取るかを選択できます。年金と一時金を組み合わせて受け取ることも可能です。

iDeCoはメリットたくさん!

iDeCoはメリットたくさん!

iDeCoには3つの税制優遇メリットに加えて、転職時や起業しても資産を移動できるというメリットもあります。

メリット① 掛金は全額所得控除になる

掛金全額が所得控除の対象となります。例えば毎月の掛金が1万円の場合、所得税(税率20%とする)、住民税(10%)の合計で年間3.6万円、税金が軽減されます。

メリット② 運用益が非課税になる

通常、金融商品は運用による利益に課税されますが(税率20.315%)、iDeCo内の運用商品の運用益については、非課税とされています(※)。

メリット③ 受け取る時も税金が軽減される

年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。

メリット④ 転職や起業しても持ち運べる(ポータビリティー)

結婚して会社員から専業主婦になった、あるいは退社して自営業者になった、などの場合でも、引き続きiDeCoの加入者として掛金を拠出し、資産を運用することができます。
また、転職して勤務先が変わり、新たに勤務先の企業型確定拠出年金に加入する場合には、iDeCoの年金資産を企業型確定拠出年金に移管することもできます。

※2020年6月現在で、2023年(令和5年)3月31日まで凍結予定の「特別法人税(積立金に一律1.173%)」も非課税

実はiDeCoにも注意点がある

実はiDeCoにも注意点がある

メリットの多いiDeCoですが、注意するべき点もあります。主に次の2つをあげることができます。

注意点① 60歳まで受け取れない

60歳になるまで、原則として資産を引き出すことはできません。住宅ローンや子どもの教育費などの負担が大きい人は、将来、手元のお金が不足しないかを慎重に考えて、加入や掛金の額を判断しましょう。

注意点② 手数料がかかる

iDeCoでは、加入時の手数料や口座管理手数料、受け取る時の給付手数料などがかかります。特に口座管理手数料は毎月差し引かれるため、掛金が少額だと運用成果への悪影響が出る可能性があります。口座管理手数料は、加入する金融機関により異なります。

iDeCoへの加入手続き

iDeCoへの加入手続き

iDeCoへの加入手続きは、「運営管理機関」となっている金融機関で行います。窓口で対応をしている金融機関は少なく、インターネットやコールセンターで必要書類を取り寄せて加入するのが一般的です。インターネットだけで手続きを全て完了することはできず、届いた書類に必要事項を記入して返送します。

会社員や公務員の場合は、勤務先に記入してもらう書類もあるため、書類が届いたら総務部や人事部などに確認しましょう。

なお、金融機関により、手数料や選べる運用商品が異なるため、比較して自分に合った金融機関を選ぶことが重要です。

まとめ

まとめ

税金の軽減効果により実質的な拠出を抑えながら、老後資金を積み立てることができるiDeCoは、老後の資金不足への対策として優れていますが、積み立てにお金を回すため、60歳までは手元のお金が減ってしまうという側面もあります。まず、自分の公的年金の状況を確認し、老後の生活費に対して不足する金額がどのくらいかをイメージした上で、iDeCoの加入や掛金の額を判断しましょう。特に子育て世代であれば、教育費の支払いに差し障りのない範囲で考えることも重要です。

なお、2020年3月にiDeCoの加入要件の見直しを行う法案が国会に提出されており、2022年にはiDeCoの加入可能年齢が65歳未満に引き上げられる、企業型確定拠出年金の加入者がiDeCoにも加入できる要件が緩和されるなど、制度が改定される見込みです。
これからiDeCoに加入を検討している人は、今後の制度改正もチェックしてみてください。

【参考】厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案の概要」詳しくはこちら
【参考】厚生労働省「簡易生命表の概況(平成30年)」詳しくはこちら

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