信託銀行とは?普通銀行との違いや信託口座メリットを解説

信託銀行では、遺言信託や贈与信託など一般の銀行にはないさまざまな業務を行っています。この記事では、信託銀行と普通銀行の違いや信託銀行口座の活用方法を紹介します。終活の一環となる生前贈与に関する主な信託商品や、遺言サービスも紹介しているので、参考にしてみてください。

信託銀行とは?普通銀行との違いや信託口座メリットを解説

信託銀行とは?終活をするなら、信託銀行を有効活用

終活をするなら、信託銀行を有効活用

信託銀行とは「銀行業務」のほかに「信託業務」と「併営業務」を行っている銀行のことです。

信託銀行では、預金や貸し付け、口座間のお金の移動を行う為替業務などの普通の「銀行業務」に加えて、「信託業務」や「併営業務」が「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(兼営法)」により認められています。

終活では、銀行口座の断捨離と信託銀行の活用がおすすめ

終活のひとつに、「銀行口座の断捨離」があります。定年退職を迎えるころになると、住宅ローンや教育ローン、会社からの給与振り込みなどに使っていた銀行口座の必要がなくなります。そのため、銀行口座を使わないなら解約されることを検討してみては如何でしょうか。

2019年1月からは「休眠預金等活用法」により、10年以上取引のない預金等は、民間公益活動に利用されるようになりました。引き出すには身分証明書の提示が必要になったり、預金の引き出しに日数がかかったりすることもあります。今後は、口座維持手数料が導入される可能性もあり、これもまた銀行口座の断捨離が推し進められる理由となっています。

利用しない銀行口座は整理しつつ、一方で新たに口座開設を検討してみても良いのが「信託銀行」です。以下で信託銀行が扱う商品について解説していきます。

相続税の節税ができる「生前贈与」に関する信託商品

相続税の節税ができる「生前贈与」に関する信託商品

終活のひとつとして、子や孫などに財産をゆずる「生前贈与」が注目されています。
年間(暦年)110万円までの贈与には贈与税がかからない「暦年贈与」をはじめ、教育資金や結婚資金、子育て資金の贈与には非課税枠が設けられており、有効に活用することで、相続税を大幅に節税することができます。

ところが、これら非課税枠のある贈与制度を利用するには、適用条件があったり、期間が限定されていたりすることがあります。
また、制度を利用する際の書類の作成など、生前贈与を行うには税制だけではなく、法制度に対する正確な知識も必要です。こうした理由から、「生前贈与をするなら、信託銀行の商品を利用しよう」と考える人が増えています。

相続税の節税ができる「生前贈与」に関する信託商品

信託銀行の生前贈与に関する主な信託商品

信託銀行の生前贈与に関する主な信託商品は、以下の3つです。

暦年贈与信託

年間(暦年)110万円までの非課税枠を毎年、金融機関より贈与の意思確認の連絡があることで、忘れることなく贈与の検討が可能になります。

教育資金贈与信託

一人あたり1,500万円までが非課税で、子や孫に教育資金を贈与できます。

結婚・子育て支援信託

一人あたり1000万円までが非課税で、子や孫に贈与できます。

「遺言書」の作成から管理、執行までを依頼

「遺言書」の作成から管理、執行までを依頼

遺産相続のトラブルを防ぐために、あらかじめ遺言書を作成し、財産の分割について意思表明しておこうと考える人は多いでしょう。しかし、自分で遺言書を作成しても、内容に不備があると、法的に無効とされてしまうこともあります。

また、仮にその遺言書が法的に有効であっても、その内容が家族にとって良いものかは別の話になります。遺言書を残すことによって、かえって家族間で問題が起きる可能性や、相続税をきちんと納められるか、などの観点も必要です。

信託銀行では、遺言の作成から保管、執行までを行っています。信託銀行では経験豊富な専門家に相談することもできるので、その点でも口座を開設する価値があるでしょう。

信託銀行の遺言書に関する主な商品

信託銀行の遺言書に関する主な商品は以下の2つです。

遺言信託

遺言書作成の事前相談から、保管、遺言の執行までの相続に関する手続きを信託できます。

遺言代用信託

通常、遺産分割協議が整うまで口座は凍結されますが、受取人を指定して一時金の給付などを契約しておくことで速やかな支払いが可能となります。

信託銀行は一部の不動産業務も手がける

信託銀行は一部の不動産業務も手がける

信託銀行では、所有するアパートやマンションの仲介も行っています。また、アパート建設やマンション購入といった提案から、実行、管理までを託すことができるのも信託銀行ならではの業務です。

まとめ

信託銀行を活用する最大のメリットは、自分の持っている金融資産から不動産まで、資産を一括で管理・運用できることです。また遺言信託などを活用すれば、生きているときばかりでなく、自分に万一の事があった後のことも託すことができます。
50歳を過ぎ、定年退職やセカンドライフを意識するようになった際には、相続対策を考えるきっかけづくりとして、信託銀行での口座開設を検討してみるといいでしょう。

【参考】一般社団法人 信託協会 詳しくはこちら

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