ロボアドバイザーは危険?おすすめできない理由や失敗例をご紹介

ロボアドバイザーのデメリットや失敗するパターンを知ることで、自分に合った資産運用サービスを考えるきっかけになります。投資初心者や資産運用に手間をかけたくない人におすすめのロボアドバイザーですが、リスクを知った上で利用を検討しましょう。

ロボアドバイザーは危険?おすすめできない理由や失敗例をご紹介

ロボアドバイザーとは?

ロボアドバイザーとは?

ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)を活用した資産運用のサービスです。パソコンやスマホから手軽に専門性の高いサービスを利用できるため、投資にかける時間があまり持てない人や投資初心者でも取り組みやすいでしょう。
ロボアドバイザーのサービスを提供している会社(以下、運営会社)は、証券会社や銀行の他、独立系の会社など多岐に渡り、運営会社によって、最低投資金額などサービスの細かい内容は異なります。

しかし、ロボアドバイザーのタイプは「アドバイス型」「投資一任型」の大きく2種類に分けられます。ロボアドバイザーは、仕組みをよく理解せずに利用すると思わぬ失敗につながる可能性があることを知っておきましょう。

ロボアドバイザーのデメリット

ロボアドバイザーをおすすめできない理由

ロボアドバイザーは、便利なサービスではありますが万能ではありません。デメリットについても理解した上で、ロボアドバイザーの活用について検討しましょう。

短期的に大きな利益を出すことができない

ロボアドバイザーは、長期分散投資を前提として資産運用の提案および運用を行います。そのため、数日や数か月といった期間で、短期的に大きな利益を出したい人には向いていないでしょう。

元本は保証されていない

ロボアドバイザーを利用して資産運用をしても、元本は保証されるものではありません。ロボアドバイザーの助言は必ずしも目標利益の達成を約束するものではなく、相場変動により損失が生じる可能性があります。

運用に手数料がかかる

ロボアドバイザーの「アドバイス型」は無料で利用できるものが多い一方、「投資一任型」は手数料がかかります。運用商品の売買手数料や保有コスト以外の費用が必要となるため、自ら投資をする場合に比べて割高になります。

投資経験や資産運用の知識が身につきにくい

ロボアドバイザーは、資産運用を任せることができる便利なサービスです。しかし、自分で考えて資産運用を行う機会を逸してしまうともいえます。

ロボアドバイザーの助言する投資先選定やリバランス(相場変動時の資産配分の変更)について、その都度、どうしてこのような助言を行うのかを考えてみる姿勢がなければ、投資経験や資産運用の知識は身につきにくいでしょう。

ロボアドバイザーで大失敗…事例から学ぶ投資のリスク

ロボアドバイザーで大失敗…事例から学ぶ投資のリスク

ロボアドバイザーを利用して大失敗となってしまった事例についてご紹介します。

(事例1)万能だと思ってしまった

投資経験が浅く、「アドバイス型」のロボアドバイザーに任せておけば安心、と資産運用をスタートしたAさん。そのため、なぜこのファンドに投資したのか、なぜ価格が上昇したのか、など考えることはありませんでした。

ある日、資産が増えたことに気を良くして増資を行ったところ、そのタイミングで保有するファンドの価格が下落してしまいました。Aさんは投資についての経験や知識が乏しかったため、どのように対応してよいのか分からなくなってしまいました。

【こう考えてみればよかった】

はじめは、投資の経験や知識が乏しくても、ロボアドバイザーの助言や運用の意味を考える姿勢を持つことで、経験値が上がり、他の投資に目を向けてリスク分散を図ることもできます。

ロボアドバイザーは万能ではないので、ロボアドバイザーの助言するファンドもあくまでも投資先の1つと捉えて、ロボアドバイザーのみに依存しない姿勢を大切にしたいところです。

(事例2)値下がりに慌てて売却をしてしまった

ロボアドバイザーの「投資一任型」で投資を始めたBさん。しばらく経ったある日、価格が暴落していることに気づきました。1か月ほど様子を見ていたものの、一向に回復の様子がないため、これ以上の損を出したくないという思いで、出金依頼をしましたが、実際に入金されるまでには時間がかかるといわれて、余計に慌てた状態で売却してしまいました。

【こう考えてみればよかった】

投資における出金依頼は、銀行口座の出金とは異なり、保有している投資信託の売却益が入金されます。自らの判断で特定の資産を売却する場合、相場を下回る金額で売却するのであれば入金のスピードは早まるでしょう。

ロボアドバイザーを活用した投資の場合、売却資産もロボアドバイザーが選定します。そのため、自ら投資を行っている場合と比較すると、売却までに時間を要してしまう可能性があります。ロボアドバイザーは長期分散投資を前提としています。目先の変動に動揺せず、ゆとりをもった姿勢が大切であると考えておきましょう。

他の資産運用方法との違い

他の資産運用方法との違い

ロボアドバイザーは、投資信託を投資対象とするケースが多いので、「自ら投資信託を購入する場合」との違いについてご説明します。

投資信託との違い

投資信託とは、投資のプロが投資家から集めた資金を株や債券など様々な対象に投資・運用を行い、得られた成果を投資家に還元する仕組みの金融商品です。まとまった資金がなくても積立投資ができる投資信託もあり、投資家は少額から投資信託で資産運用ができます。

ロボアドバイザーの場合、いくつかの質問への回答から導き出されたリスク許容度に応じて、数ある投資信託の中から自動で最適と思われる商品を選び出してくれます。一方、自ら投資信託で資産運用をする場合、投資家は自分で投資信託を探して購入する必要が生じます。

資産運用についての知識や経験が乏しい場合には、ロボアドバイザーの助言に従って知識や経験を積み重ねた上で、自分にあった投資信託の見極めにステップアップしていくのが効率的といえるかもしれません。

ファンドラップとの違い

ファンドラップとは、投資家と投資一任契約を締結した証券会社が投資先や資産の配分、運用、リバランスまで全てを行ってくれるサービスです。

ロボアドバイザーの「投資一任型」と同じように見えますが、手数料とサービス内容に差があります。
ファンドラップは、証券会社の担当者と相談しながら投資先等を決めることができます。ファンドラップの最低投資金額は数百万円となっており、富裕層向けサービスといえます。一方、ロボアドバイザーはAIが自動的に投資先等を決定します。また、最低投資金額も1万円または10万円など、低額設定されているケースが一般的です。

投資資金に余裕がある場合には、ファンドラップの検討も一案です。ただし、余裕をもって少額から試してみたいという人には不向きかもしれません。

ロボアドバイザーの利用が向いている人の特徴

ロボアドバイザーの利用が向いている人の特徴

ロボアドバイザーの利用が向いている人の特徴は次の通りです。

【長期投資にチャレンジしてみたい】

長期投資にチャレンジしてみたいけれど、投資の経験や知識が浅いという人には向いているといえるでしょう。

投資信託を購入するにしても、その数は14,000本を超えます。その中で、自分にあった投資信託を見つけるためには、情報収集が必要になります。
しかし、投資の経験や知識が浅い人は、どう選んでいいか分からないかもしれません。

自分のリスク許容度に応じた投資先にどのようなものがあるのかを知るために、ロボアドバイザーの活用がおすすめです。

【投資にかける時間や手間を省きたい】

投資を既に行っている人の中には、定期的なリバランスを行う手間を面倒に感じている人もいるでしょう。「アドバイス型」の助言によって情報収集や投資先選定の手間を省いたり、「投資一任型」でリバランスまで任せたりと、自分にあったロボアドバイザーの活用の仕方を考えてみるのもよいでしょう。

デメリットを理解した上でロボアドバイザーを検討しよう

デメリットを理解した上でロボアドバイザーを検討しよう

ロボアドバイザーは、AIを活用した便利なサービスですが万能ではありません。ロボアドバイザーの助言について自ら考える姿勢も大切にしたいものです。ロボアドバイザーの利用を通じて、自らの投資についての知識や経験を高めることで他の投資先を見つけるなど、投資を楽しむきっかけになるかもしれません。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ