初心者でもできる?外貨預金のメリットや注意点

将来に向けて資産形成したいけど、銀行預金だけではなかなか増えないし、投資は運用リスクを負って失敗するのも怖い……。こんな悩みを抱えて「お金の置き場所」に困っている方に、数ある資産形成手段の中でも比較的リスクを抑えて運用できる、外貨預金について解説します。

初心者でもできる?外貨預金のメリットや注意点

外貨預金とは?

外貨預金とは?

外貨預金は、日本円を「外国の通貨(外貨)」に換えて日本の金融機関に預金をすることです。

皆さんに馴染みのある米ドルやユーロはもちろん、オーストラリアドル(豪ドル)やニュージーランドドル、英ポンド、カナダドル、ブラジルレアル、南アフリカランド、中国人民元、香港ドル、スイスフラン、トルコリラ、ノルウェークローネなどの外貨預金ができるところもあります。
通貨によって金利や為替レートは異なりますが、基本的な仕組みは同じです。ここでは基本的な仕組みを知って、資産形成に活かしていきましょう。

ほかにもある外貨建ての資産運用

外貨預金以外にも、外貨で運用できる金融商品には外国債券や外貨建て保険、FX(外国為替証拠金取引)等があります。外貨を利用した運用の中でも外貨預金は比較的安全性が高いといわれるため、初心者にも始めやすい資産形成のひとつになります。

外貨預金のメリット

外貨預金のメリット

日本に比べて外国は高い金利の国が多いため、外貨預金では日本円で預金をするより高い金利を期待できます。さらに、預入時よりも為替が円安に進んでいれば、為替による利益も得られます。例えば1米ドルが100円のときに、1米ドルの外貨預金をしたとします。1年経過後に預け入れた1米ドルを引き出す際、1米ドルが120円になっていれば20円の利益になります(税金、手数料は考慮していません)。

■外貨預金で利益が出る例

外貨預金で利益が出る例

外貨預金のリスクとデメリット

外貨預金のリスクとデメリット

高い金利が魅力の外貨預金ですが、リスクやデメリットもありますので理解しておきましょう。

元本割れのリスクがある

外貨預金のリスクは、為替による損失です。例えば、1米ドル100円のときに1米ドルの外貨預金をするとします。1年経過後に預け入れた1米ドルを引き出す際、1米ドルが90円になっていれば、10円の損失になります(税金、手数料は考慮していません)。

■外貨預金で損失が出る例

外貨預金で損失が出る例

外貨預金では、為替により引き出す際の元本が変動します。その結果、元本割れを起こす可能性があることには注意が必要です。

デメリット①為替手数料

ひとつ目のデメリットは、日本円を外貨へ両替するときに為替手数料がかかることです。そのため外貨預金をするときは、為替手数料も加味した実際の利益はどうかをよく考える必要があります。金利は高くても為替手数料が差し引かれたら、実は全然増えていなかった、ということが起こらないように注意しましょう。

■手数料を考慮しよう

手数料を考慮しよう

デメリット②預金保険制度の対象にならない

ふたつ目のデメリットは、外貨預金をした金融機関が万が一破綻をした場合に、外貨預金については預金保険制度の対象にならないということです。預金保険制度の対象であれば、例えば普通預金なら元本1,000万円とその利息等までは保護されますが、外貨預金にはそのような保護をする制度がありません。そのため、どの金融機関で外貨預金をするかをしっかり考える必要があります。

外貨預金で初心者が陥りがちなミス

これから外貨預金を検討している方が気をつけなくてはいけないことを、ふたつお伝えします。

外貨預金は使う予定のあるお金とは別に

ひとつ目は、使う予定が決まっているお金や生活費まで外貨預金にしてしまうことです。少しでも高い金利の方がよいと考えて外貨預金にしてしまうと、いざ使うときに為替の変動で損をしてしまう可能性があります。資産運用は生活資金や万が一のお金以外の資金で行い、使う予定のあるお金を安易に外貨預金にしないよう注意しましょう。

確定申告は忘れずに

ふたつ目は、利益が出たときの確定申告についてです。外貨預金で得た利益は雑所得になり、原則確定申告が必要です。ただし、年収2,000万円以下の給与所得者で、給与所得、退職所得以外の所得が20万円以下の場合は、確定申告の必要はありません。もしご自身が条件に該当した場合は、確定申告を忘れずに行ってください。

まとめ

まとめ

外貨預金の仕組みや注意すべきポイントはご理解いただけましたでしょうか?
実際に外貨預金をするときは、ひとつの国の通貨だけではなく複数の国の通貨へ分散することでリスクを抑えることが期待できます。例えば、米ドルの外貨預金だけをしてアメリカに経済危機や大規模災害などがあると、アメリカの通貨が売られて為替による損失を被ります。
しかし、米ドルと一緒にユーロの外貨預金をしていれば、もしアメリカの通貨が売られても、ユーロがあることで損失を軽減できるかもしれません。外貨預金は高い金利が魅力的である一方、リスクもあるということを忘れないでおきましょう。

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