本当に必要?20代で生命保険に入る必要性やデメリットと注意点

20代の人に生命保険は必要なのでしょうか。一言で生命保険といっても、死亡保障を行うもの、貯蓄性のあるもの、医療費を保障するものなど、さまざまな機能を持った商品があります。本稿では、20代のための生命保険について皆さんと考えてみます。

本当に必要?20代で生命保険に入る必要性やデメリットと注意点

まずはここから!保険の種類を解説

まずはここから!保険の種類を解説

生命保険契約では、契約者が保障の対象となる被保険者と、保険金・給付金の受取人を定めます。生命保険の類型は一般的に「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」の3つになりますが、本稿では医療保険などについても言及しますので4類型とします。

生命保険の4類型

生命保険の種類 主な保障内容
死亡保険 被保険者が死亡・高度障害状態となったときに保険金が支払われる。保険期間を定めた定期保険と、一生涯保障が続く終身保険がある。
生存保険 被保険者が所定の期間に生存していたら保険金が支払われる。個人年金保険が代表的。
生死混合保険 被保険者が一定期間内に死亡・高度障害状態となったとき、保険期間満了時に被保険者が生存していたとき、いずれでも保険金が支払われる。養老保険、学資保険が代表的。
第三分野の保険 保険会社が定める入院・手術などの場合に給付金が支払われる医療保険、保険会社が定める就業不能時に保険金が支払われる就業不能保険、保険会社が定める介護状態の場合に保険金が支払われる介護保険などがある。保険期間が定期のものと終身のものがある。

20代で保険に入るメリット・デメリットなど

20代で保険に入るメリット・デメリットなど

20代で生命保険に加入する必要性は、ライフステージに分けて後述します。まずは、年齢の高い人と比較した場合のメリット・デメリットについて考えてみます。

20代で保険に入るメリット

保障内容などすべての条件が同じであれば、20代の月々の保険料は年齢の高い人と比較して、相対的に安くなっています。特に終身保険や個人年金保険のような貯蓄性のある保険商品では、目標とする保険金や年金額などを準備するための1回当たりの保険料が安くなります。

もうひとつは、健康状態でのメリットです。生命保険に加入する際には、告知又は診査といって、現在の健康状態を申告したり医師の検診を受ける必要があります。生活習慣病リスクの点などから、一般的に20代の人は健康状態が良好なので年齢の高い人より加入を断られる可能性は低いと言えます(もちろん20代でもその内容によっては加入できない場合もあります)。

20代で保険に入るデメリット

前述のように、20代の生命保険料は年齢の高い人と比較して相対的に安く済むのですが、20代の人の収入は低い場合が多いので、保険料の負担を大きく感じることが考えられます。

もうひとつは、ライフプランの変化、例えば結婚、子の誕生、住宅の購入、離婚などにより、加入した保障内容が生活とそぐわなくなる可能性があります。これはすべての年代の人に当てはまることなのですが、特に20代はライフプランの変化が大きいため、そのデメリットがより大きくなると言えます。

結局入る必要性はあるの?ライフステージで考える

結局入る必要性はあるの?ライフステージで考える

20代で生命保険に加入する必要性をライフステージ毎に見てみましょう。

独身のケース

一般的に遺族に対する生活費の保障として位置付ける死亡保険は不要です。しかし、自分の葬儀費用などの死後の整理のための資金をきちんと親族に残したい場合や、親族に経済的な援助を行っている場合は、一定の金融資産は残しておきたいところです。十分な金融資産を保有していない場合は、死亡保険で準備することを検討しましょう。

金融資産の額によっては、入院・手術で医療費を払いきれない可能性があります。加入している健康保険の「高額療養費」で1ヶ月の自己負担上限額は定められていますが、健康保険が適用されない先進医療などの診療・投薬、差額ベッド代や諸雑費の出費に備えて医療保険に加入しておくと安心です。

既婚(子供なし)のケース

配偶者が専業主婦(夫)の場合、死亡後すぐに収入が得られない可能性があります。したがって、割安な保険料で大きな保障が得られる定期保険を中心に死亡保険に加入しておくと安心です。その場合、公的年金などの遺族給付を考慮に入れて保険金を設定すると合理的です。
また長期の就業不能による所得のダウンに備えて、就業不能保険の加入も検討しておきたいところです。これにより、健康保険の傷病手当金だけでは賄えない部分をカバーします。

共働きの場合は、死亡保障、医療費の保障、長期の就業不能の保障のいずれについても、配偶者の収入が確保されていれば、独身のケースと同様に生命保険商品に頼る部分は少ないと言えます。しかし、万一の場合でも、現状の生活を維持するために配偶者の収入や公的年金や健康保険の各種給付で不十分であれば、生命保険保障は必要であると考えられます。

既婚+子供のケース

既婚の場合は、子の有無に関わらず、死亡保障を中心とした保障設計を行うとよいでしょう。このケースでは教育資金を含めた保障額を考える必要がありますので、特に死亡保険金額は他のケースと比較して大きくなると考えられます。

女性の出産時のケース

妊娠・出産に関連する疾病によって、入院・手術が必要となる可能性があります。加入している健康保険で(家族)出産育児一時金や妊娠・出産に関連する疾病に伴う健康保険の給付がありますが、想定を超える医療費に備えるために、医療保険に加入する方法があります。

ただし、医療保険は妊娠中での加入が難しいこと、一度妊娠を原因とする疾病で入院・手術を受けたことがある場合には一定期間妊娠に関する保障などが行われないこと、などの制限があります。妊娠前に加入しておくと安心です。

まとめ

まとめ

生命保険を活用した保障設計の基本的な考え方は、公的年金や健康保険といった社会保険、保有する金融資産をベースとして、それだけではカバーできないものを補うというものです。
20代に特有なライフステージのリスクを把握して、保障設計を行っていきましょう。

ご留意事項
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