ロボアドバイザーとは?これから資産運用を初める方へわかりやすく解説!
ロボアドバイザーは、投資初心者の方や資産運用に手間をかけたく人にピッタリのサービスです。ロボアドバイザーの種類や特徴を解説します。自分に向いているのかや、他のサービスと比較した上でも検討しましょう。
目次
ロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)を活用した資産運用のサービスです。パソコンやスマホから手軽に専門性の高いサービスを利用できるため、投資にかける時間があまり持てない人や投資初心者でも取り組みやすいでしょう。
ロボアドバイザーのサービスを提供している会社(以下、運営会社)は、証券会社や銀行のほか、独立系の会社など多岐に渡り、運営会社によって最低投資金額などサービスの細かい内容は異なります。
ロボアドバイザーのタイプは「アドバイス型」「投資一任型」の大きく2種類に分けられます。それぞれのタイプの特徴についてご説明します。
最終的な意思決定は自分で行うアドバイス型
「アドバイス型」は、投資家のリスク許容度に応じて、自動で最適な資産配分について「助言」を行ってくれるタイプです。基本的に「助言」のサービスは無料ですが、ロボアドバイザーの「助言」を実行する意思決定や必要な金融商品の買い付けは投資家自身で行う必要があります。
購入・運用・リバランスまで行ってくれる投資一任型
「投資一任型」は、資産配分の提案から、金融商品の購入・運用・リバランス(相場変動時の資産配分の変更)までを行ってくれるタイプです。「アドバイス型」とは異なり、手数料が必要になります。
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ロボアドバイザーの特徴5選
「アドバイス型」と「投資一任型」を比較しながら、ロボアドバイザーの特徴を5つに分けてご説明します。
ロボアドバイザーが投資の提案をしてくれる
投資先選定には、情報収集と分析が必要になりますが、その時間をとるのが難しかったり、投資経験や知識が乏しかったりすると投資先の選定が進みません。しかし「アドバイス型」と「投資一任型」のいずれも、ロボアドバイザーは自分にあった投資先の選定を自動的に行ってくれるため、情報収集と分析の手間を軽減できます。「投資一任型」では、金融商品の購入・運用・リバランスまでを行ってくれるので、投資にかける手間をより軽減させられます。
最低投資金額は1〜10万円
ロボアドバイザーには、最低投資金額が設定されています。運営会社によって最低投資金額は様々ですが、1~10万円が一般的です。中には、最低投資金額を100円や1,000円と設定している運営会社もあり、少額から手軽に始めることができるのもロボアドバイザーの特徴です。
投資一任型は手数料がかかる
「アドバイス型」の場合は、無料でロボアドバイザーの「助言」を受けられるのが一般的です。一方、「投資一任型」の場合は「助言」だけでなく、購入・運用・リバランス等を一任するため、手数料が必要になります。
手数料率は運営会社によって異なりますが、運用資産の約1%(年率)程度です。なお、「投資一任型」は投資信託を組み入れるケースが多いため、信託報酬が別途必要になります。
分散投資・長期投資でリスクに備えた資産運用ができる
ロボアドバイザーは、長期分散投資を前提として「助言」を行います。現在、投資信託だけでもその数は14,000本を超えます。
長期分散投資によってリスクに備えた資産運用をしたいと考えているものの、多くの投資先があるためどこに投資したらよいか分からないという人もいるでしょう。その悩みを軽減し、手軽に長期分散投資をスタートできるのもロボアドバイザーの特徴のひとつです。
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NISA対応や自動積み立てなど便利な付帯機能がある
「アドバイス型」の場合、「助言」による意思決定や金融商品の購入などは自らが行うので、NISAや自動積立投資など投資方法を自由に選択できます。
「投資一任型」の場合、NISAや自動積み立てなどへの対応は運営会社によって異なります。運営会社はこのほかにもポイント投資や税金の最適化など、便利な付帯機能を提供していますので、どのような機能があるかを確認してみるとよいでしょう。
他の資産運用方法との違い
「投資一任型」のロボアドバイザーのほかにも、資産運用を任せる方法として「投資信託」や「ファンドラップ」があります。このほか、AIの活用という点で類似している「AI投資(AI投資信託)」が最近、現れています。
投資信託との違い
投資信託とは、投資のプロが投資家から集めた資金を株や債券など様々な対象に投資し、運用を行い、得られた成果を投資家に還元する仕組みの金融商品です。
積立投資ができる投資信託もあり、投資家は少額から資産運用できます。
投資家は自ら投資信託を探して購入する必要がありますが、ロボアドバイザーはリスク許容度に応じて数ある投資信託の中から選び出してくれます。
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ファンドラップとの違い
ファンドラップとは、投資家と投資一任契約を締結した証券会社や信託銀行が、投資先や資産の配分・運用・リバランスまで、全てを行ってくれるサービスです。
ロボアドバイザーの「投資一任型」と似ていますが、サービス内容と手数料に差があります。AIが自動的に投資先等を決定するロボアドバイザーとは異なり、ファンドラップでは、担当者と相談しながら投資先等を決定します。また、ファンドラップの場合、最低投資金額も数百万円となっており、富裕層向けサービスに位置付けられていることが多いようです。
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注目の集まるAI投資とは?(AI投資信託)
投資先選定や運用判断を「AIが行う」、または「AIの助言を基に人が行う」投資信託のことをAI投資信託といいます。AI投資信託の特徴は、データに基づいて機械的に処理していく点です。AI投資信託は「投資先のひとつの候補」として、ロボアドバイザーは「AI投資信託も含めた様々な投資先から最適な候補の『助言』を行い、『運用』等も行ってくれる仕組み」と考えると分かりやすいでしょう。
ロボアドバイザーの利用が向いている人の特徴
ロボアドバイザーの利用が向いているのは、投資に興味があるものの、投資経験が浅い初心者の方です。その中でも、長期投資をやってみたいという人は、特に向いているでしょう。「投資一任型」で自分のリスク許容度を知るところから始めてみるのも選択肢の一つです。
また、投資経験はあるものの、情報収集や定期的なリバランスを行う手間を面倒に感じている人にも向いているでしょう。「アドバイス型」の「助言」によって情報収集や投資先選定の手間を省いたり、「投資一任型」でリバランスまで任せることで効率よく時間を活用するなど、自分にあったロボアドバイザーの活用法を考えてみることをおすすめします。
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ロボアドバイザーの選び方
ロボアドバイザーを選ぶ際には、まずは「アドバイス型」と「投資一任型」のどちらを選択するかを考えてみましょう。それぞれのタイプを扱っている運営会社の中から、最低投資金額や手数料等、その他の条件を比較検討されるとよいでしょう。
投資初心者の場合
投資初心者は「投資一任型」から始めてみるのがよいでしょう。なぜなら「アドバイス型」の「助言」を受けて、その助言が自分に合っているかどうかを判断するには、ある程度の投資経験や知識が必要になるからです。
投資経験者の場合
ある程度の投資経験や知識があり、判断軸を有している人は「アドバイス型」を選んでみるのもよいでしょう。ロボアドバイザーの「助言」を参考に、投資先選定や情報収集の手間を省くことができます。多忙で定期的なリバランスなどに時間を割けないような投資経験者は「投資一任型」を選択するのも一案です。
その他の条件比較
「アドバイス型」と「投資一任型」のどちらかを決めたら、各運営会社の実績を確認してみます。「投資一任型」の場合、最低投資金額と手数料率、付帯機能などを比較検討し、無理のない資産運用が可能かどうかを確認しておきましょう。
ロボアドバイザーの利用の流れ
ロボアドバイザーを利用する際は、どこの運営会社を利用する場合でも、まずはリスク許容度の診断からスタートするのが一般的です。
ロボアドバイザーのサービス画面から、ログインしていくつかの質問に回答すると、その人に合った資産配分が提案されます。その提案に従い、運用を一任したい場合には、「口座開設」を行いましょう。その際、本人確認が必要となります。
手続きはオンラインで可能なことが多いですが、口座開設完了の通知は郵送で届きます。その後、口座に入金を行うと、ロボアドバイザーによる運用がスタートします。
自分にあった資産運用の方法を選ぼう!
ロボアドバイザーは、自分のリスク許容度に合わせてAIが自動的に投資提案してくれる資産運用サービスです。投資初心者にも投資経験者にも、用途にあわせた活用が可能です。資産運用のサービスのひとつとして、検討してみることをおすすめします。
ご留意事項
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