初心者におすすめの投資の種類|少額からできる株式投資の始め方

投資を行うには少なくとも数千万円以上のお金が必要だと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。当然、投資資金が大きければ大きいほど、成功した際の収益額は大きくなる一方で、失敗した際の損失額も大きくなります。今回は投資初心者で何から始めたらいいか分からない方向けに、少額からできる株式投資について、みていきます。

初心者におすすめの投資の種類|少額からできる株式投資の始め方

投資とは?

投資とは?

投資とは「利益を得るために資金を投じること」をいいます。

主な投資には以下の4つがあります。

(1)株式投資
(2)投資信託
(3)不動産投資
(4)その他の現物投資(貴金属等)

投資とは?

「投資」と聞くと身構える方も多いでしょう。実際、経済や金融知識がないと投資は無理と思われている方もたくさんいらっしゃいます。

しかし実際はそんなことはなく、読者のみなさんが学業や仕事上で勉強するのも将来への投資です。投資とは不確定な未来の利益を得るためにお金や時間を使うことなのです。投資をスタートするにあたっては、決して難しい概念は必要ではありません。まずは気楽に取り組んでみましょう。

資産運用との違い

投資と同じような意味合いで使われることの多い言葉に資産運用という言葉もあります。
投資と資産運用は、双方とも資産を増やしていくという意味では同じですが、多少ニュアンスが異なります。

●投資:利益を得るために資金を投じること
●資産運用:財産を活用して資産を増やしていくこと

投資は金額の多寡に関わらず、より積極的に利益を得るための経済活動です。

一方、資産運用は積極的な投資活動の有無に関わらず、既に保有されている資産をより増やすための経済活動です。

投資はたとえお手持ちの資産が少額でも(あるいは少額しか投資できないとしても)、収益を積み上げていく経済活動と言えるでしょう。

初心者におすすめの投資の始め方

初心者におすすめの投資の始め方

初心者には次のふたつの投資方法をおすすめします。

(1)少額から始められる商品を選ぶ
(2)元金が大きく減る可能性が低い商品を選ぶ

下図は、リターン(収益)がどの程度のリスクを取ることで生み出されるかをイメージしたものです。

初心者におすすめの投資の始め方

投資におけるリスクとは、それぞれの金融資産価格の変動幅で表されます。
高いリターンを得るためには、高いリスクを取らなければなりませんし、リスクを少ししか取れない方は大きなリターンを期待してはいけません。

筆者は、初心者はローリスク・ローリターン投資で着実に収益を上げていき、将来の大きな利益につなげていくべきと考えています。

少額から始められる商品を選ぶ

少額投資の場合、たとえ損失が出たとしてもさほど気になるものではありません。例えば、100円で購入した投資信託の基準価額が2割下がっても、評価損はわずか20円です。最初は少額からスタートして、徐々に投資金額を増やしていくのがおすすめです。

元金が大きく減る可能性が低い商品を選ぶ

元金が大きく減るようなハイリスク・ハイリターン商品への投資は初心者にはおすすめできません。
一方、元金が大きく減る可能性がほとんどない、値動きも小さく少額ながら着実に収益が出るような金融商品には継続して投資することができます。

最初の投資は、元金が大きく減るような可能性が低い金融商品を選ぶと良いでしょう。

少額で始められる初心者におすすめの投資

少額で始められる初心者におすすめの投資

初心者が少額で投資を始めるには、次の5種類から選ぶのがおすすめです。

●株式投資
●投資信託
●債券(国債)投資
●NISA(少額投資非課税制度)
●iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)

それぞれ詳しく解説していきます。

株式投資

株式投資とは、証券取引所に上場されている株式を売買して収益を得る投資方法です。

株式は証券取引所の取引時間中に売買され、その価格は常に変動しています。東京証券取引所には約3700銘柄の株式が上場されていますから、この中から将来値上がりが期待できる株式を購入します。もちろん、どの銘柄が上がるかは分かりません。その企業の業績予想や需給(人気度)などを予想しながら投資するのです。

株式投資はハイリスク・ハイリターン投資ですが、投資初心者であっても決してハードルは高いものではありません。

株式投資のメリット

他の金融商品と、株式投資を比較した際のメリットは、以下の5つです。

<株式投資のメリット>

●売却益
●配当金(配当がない場合もある)
●株主優待(株主優待がない場合もある)
●議決権保有(株主として保有株数に応じた経営への参加)
●投資知識の醸成

株式投資のデメリット

他の金融商品と、株式投資を比較したデメリットは、以下の3つです。

<株式投資のデメリット>

●評価損・売却損
購入した株式が必ず値上がりするわけではありません。評価損や売却損が出る可能性があります。
<解決法>
投資金額、銘柄、投資タイミング等の分散を図り、損失の回避に努めます。

●株価の確認
株価は常に変動しますので、株価を随時確認しなければなりません。
<解決法>
株価を気にせずに投資するには、あらかじめ長期投資する方法か、少額で積立投資する方法が考えられます。

●企業倒産
最悪のケース、投資している株式を発行している企業が倒産すると、その株式は無価値(ゼロ円)になります。ハイリスク・ハイリターンと言われる所以です。
<解決法>
上場企業が急に倒産することはほとんどありませんが、日頃からその企業の業績や情報をフォローしておくことが肝要です。

REIT(不動産投資信託)

REIT(不動産投資信託)とは、賃貸ビル、賃貸マンション、倉庫、工場等の商業不動産に投資する投資信託の一種です。

REITはこれらの不動産を購入し、賃貸収入を得る投資主体です。
この投資主体がこれらの保有不動産をまとめて証券化して上場し、投資家はそのREIT株式を売買します。
投資家はREITが得る家賃収入から分配金を受け取り、REIT価格が上昇して売却すれば値上がり益を得ることも可能です。
東京証券取引所には62のREIT(J-REIT)が上場され、株式と同じようにリアルタイムで売買することが可能です。

REITは1株単位で取引され、1株1万円台から60万円台とかなり幅があるのが特徴です。また分配金利回りも年0.5%前後から7%弱までと様々で、投資家は投資対象を精査しながら投資することになります。値動きの大きさは株式と同様で、ハイリスク・ハイリターン取引となります。

REITは多額の資金が必要な現物不動産投資ではありませんので、不動産投資にご興味をお持ちの初心者にも投資対象のひとつとなります。
もちろん、現物の不動産投資同様の知識が必要であることにご留意ください。詳しくは、日本取引所グループのホームページをご覧ください。

投資信託

投資信託とは、複数の株式や債券に投資するパッケージ商品です。

投資信託の運用会社が、少額の資金を多くの投資家から集め、まとめて大口資金として運用する金融商品です。

投資信託には次の特徴があります。


(1)小口資金で投資可能
ユニクロのファーストリテイリングの株式を購入するには最低900万円近い資金(※)が必要ですが、投資信託は少額の資金をまとめて運用しますので、株価が高い複数銘柄へ分散投資したとしても少額で投資ができます。
ネット証券では100円程度から投資することも可能です。

※2021年3月29日時点

(2)資産運用会社が投資対象を選定
投資信託の場合、資産運用会社が投資対象を選定します。投資家自身が個別銘柄を選定する必要はなく、専門家に運用を任せることになります。

(3)数千ファンドの中から選べる
ローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンまで、様々な商品選択ができます。日本だけではなく世界中の投資対象を選択できますので、外貨建資産にも手軽に投資することができます。

(4)リスク分散
多数の投資対象に分散投資しますので、リスク分散が可能です。

いろいろなタイプの投資信託がありますが、専門家が運用するパッケージ商品であるため初心者向けと言えるでしょう。

投資信託のメリット

他の金融商品と、投資信託を比較したメリットは、以下の4つです。

<投資信託のメリット>

●少額でも投資可能(ネット証券では100円から購入可能)
●分散投資(少額でも株式・債券等に分散投資できる)
●専門の資産運用会社による運用(個人が個別銘柄を選ぶ必要はない)
●基準価額の公表(投資信託の価格である基準価額が日次で計算・公表される)

投資信託のデメリット

他の金融商品と比較して、投資信託には、3つのデメリットがあります。

<投資信託のデメリット>

●評価損・売却損発生
投資対象の株式や債券は価格が変動するため、投資信託の基準価額も変動します。評価損や売却損が出る可能性があります。
<解決法>
投資信託にはローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンまで様々な商品があります。ご自身のリスク許容度に応じた投資信託を選びましょう。

●購入時手数料・信託報酬がかかる
投資信託は販売会社(銀行や証券会社等)によって販売され、資産運用会社によって運用されます。購入時には購入時手数料(数%程度)がかかり、運用期間中は運用管理費用である信託報酬(年率数%程度)を支払わなければなりません。
<解決法>
購入時手数料がかからないノーロード型の投資信託や、信託報酬が低いインデックスファンドを投資対象として検討しましょう。

●投資タイミングが選べない
投資信託は株式とは異なりますので、ETF(上場投資信託)を除き、リアルタイム価格で投資信託を購入することはできません。日次で計算される基準価額でのみ購入可能です。
<解決法>
リアルタイムで投資信託を売買されたい方は、ETF(上場投資信託)をおすすめいたします。

債券(国債)

債券とは、国や企業(発行体)が、購入者から資金を借り入れた証書として発行する有価証券です。
身近な債券としては国債(個人向け国債)があります。

債券はあらかじめ発行利率が決められ、預貯金と同様に毎年利子が支払われ、償還日には元本が返却される仕組みです。

例えば、個人向け国債は最低年間0.05%の金利が保証され、償還日(満期)には元本が返却されます。国によって元本と利子が保証されていますので、ローリスク・ローリターンの代表的な金融商品です。

個人向け国債は国が発行する債券ですので、信用力が最も高い金融商品です。元本と金利が保証されている国債は、投資初心者におすすめの金融商品です。

債券(国債)のメリット

他の金融商品と、債券(国債)を比較したメリットは、以下の4つです。

<債券(国債)のメリット>

●高い安全性(国債は国が元利を保証する)
●銀行の定期預金よりも金利が高い(金利の下限は年0.05%)
●少額投資が可能(個人向け国債は最低1万円から1万円単位で購入可能)
●中途換金が可能(発行後1年経過後)

債券(国債)のデメリット

債券(国債)には、他の金融商品と比較して、3つのデメリットがあります。

<債券(国債)のデメリット>

●募集期間が決められている
個人向け国債は通常毎月発行されますが、発行日に先立つ募集期間内でしか購入できません。
<解決法>
個人向け国債購入前に、募集期間を確認しておきましょう。

●運用期間が固定されている
個人向け国債は、「変動金利・10年」、「固定金利・5年」、「固定金利・3年」の3種類があります。金利水準と運用期間が決められているため、その期間に合わせた資金が必要です。
<解決法>
あらかじめ資金を運用できる期間を決めておき、その期間に合わせた元利を確保しましょう。

●金利上昇時には不利になる
金利が上昇すると、金利上昇前に固定金利で発行された債券の利回りは、金利上昇後に発行されたものに劣後します。
<解決法>
一般に、金利動向の予想は困難です。あらかじめ変動金利型に投資するか、固定金利型であれば中途解約して、金利上昇後の個人向け国債に再投資しましょう。

NISA

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とは、NISA口座(=非課税口座)内で毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品の利益が非課税になる制度です。

この口座で株式や投資信託を購入すると、配当金(分配金)や売却益に対する税金が非課税になります。NISAには以下の3種類があります。

①一般NISA

NISAとは、2014年1月にスタートした、少額からの投資を行う方のための非課税制度です。
例えば、株式や投資信託に投資した場合、年間上限120万円までの投資に対する配当金や分配金、及び売却時の譲渡益や解約益が非課税になります。

       
利用できる方日本にお住まいの20歳以上の方(*1)(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座(*2)
非課税投資枠新規投資額で毎年120万円が上限(*3)(非課税投資枠は最大600万円)
非課税期間最長5年間(*4)
投資可能期間2014年~2023年

*1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページ(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/index.html)をご覧ください。
*2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。ただし、開設済みのNISA口座で既に株式・投資信託等を購入している場合、その年は他の金融機関に変更することはできません。
*3 …2015年以前分は100万円。未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
*4 …期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。


【参考】金融庁NISAの概要

②つみたてNISA

つみたてNISAとは、NISA口座のひとつで、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
年間上限40万円までで、つみたてNISAの対象商品は予め指定されている公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)です。
対象の投資信託については金融庁のホームページをご覧ください。

       
利用できる方   日本にお住まいの20歳以上の方(*1)(口座を開設する年の1月1日現在)ただし、つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択して利用可能
非課税対象一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益
口座開設可能数 1人1口座(*2)
非課税投資枠新規投資額で毎年40万円が上限(*3)(非課税投資枠は20年間で最大800万円)
非課税期間最長20年間
投資可能期間2018年~2037年
投資対象商品(※) 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

*1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページ(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/index.html)をご覧ください。
*2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。また、NISA口座内で、つみたてNISAと一般NISAを1年単位で変更することも可能です。ただし、つみたてNISAですでに投資信託を購入している場合、その年は他の金融機関又は一般NISAに変更することはできません。
*3 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。


(※)投資対象商品とは・・・
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

【参考】金融庁つみたてNISAの概要

③ジュニアNISA

ジュニアNISAとは、2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。
未成年者(0~19歳)を対象に、年間上限80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。

       
利用できる方日本にお住まいの0歳~19歳の方(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数1人1口座
非課税投資枠新規投資額で毎年80万円が上限(*1)(非課税投資枠は5年間で最大400万円)
非課税期間最長5年間(*2)
投資可能期間2016年~2023年(*3)
運用管理者口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)(*4)
払出し18歳までは払出し制限あり。(*5)

*1 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
*2 …期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能です。
*3 …2023年12月末以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、一定の金額までは20歳になるまで引き続き非課税で保有できます。
*4 …金融機関によって異なる場合がありますので、口座を開設される金融機関にお問い合わせください。
*5 …3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払出しができません。ただし、災害等やむを得ない場合には、非課税での払出しが可能です。


【参考】金融庁:ジュニアNISAの概要

NISA制度の詳細については金融庁のホームページをご覧ください。NISAは2024年以降制度が改正されます。
現行の非課税口座を利用して長期少額投資を続けていくのであれば、2037年までの各年ずつに20年間継続投資が可能な「つみたてNISA」を利用するのが賢明です。

NISAのメリット

NISAには、他の金融商品と比較して、ふたつのメリットがあります。
<NISAのメリット>

●配当金(分配金)や売却益に対する税金が非課税
●一般NISA/つみたてNISA/ジュニアNISAの中からニーズに応じた口座選択が可能

NISAのデメリット

NISAには、他の金融商品と比較して、3つのデメリットがあります。

<NISAのデメリット>

●NISA口座は一人一口座しか開設できない
複数の金融機関にNISA口座を開設することはできません。また、一般口座からの商品移管もできません。
<解決法>
利用度と利便性が最も高い金融機関でNISA口座を開設しましょう。

●金融機関によって取扱商品が異なる
NISAは株式と投資信託が投資対象ですが、銀行や証券会社によって投資対象商品が異なります。銀行のNISA口座では株式は購入できませんし、それぞれの金融機関が全てのつみたてNISA対象投資信託を取り扱っているわけでもありません。
<解決法>
商品ラインナップをよく研究して、どの金融機関でNISA口座を開設するか決めましょう。

●NISA口座と一般口座との間での損益通算ができない
NISA口座内での損失はないものと見なされますので、一般口座で生じた利益はそのまま課税対象となります。
<解決法>
NISAやつみたてNISA等は少額投資非課税枠内での投資と割り切りましょう。

iDeCo

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、個人が任意で加入する年金です。

iDeCoは、20歳以上60歳まで最長40年間、長期的に年金原資である掛金を積立投資することができます。
投資対象は主として投資信託です(株式には運用できません)。
運用期間中、掛金は所得控除の対象となり、発生する利子・分配金や売却益は非課税となります。掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に掛金とその運用益との合計額を老齢給付金(一時金または年金)として受け取ることができます。

毎月の拠出金は、加入者が属する企業や年金制度によって、毎月1万2,000円から6万8,000円まで(最低拠出額は5,000円)となります。

なお、iDeCoは銀行・証券会社・保険会社等で幅広く取り扱っていますが、各金融機関で運用商品や手数料が異なるため、iDeCoに加入される場合は運用商品ラインナップが充実し、手数料が低い金融機関を選ぶ必要があります。

iDeCoのメリット

iDeCoには、他の金融商品と比較して、5つのメリットがあります。

<iDeCoのメリット>

●掛金が全額所得控除(確定申告することで税額が低くなる)
●運用益が非課税(利子・分配金・売却益は非課税)
●年金受領時に税負担が軽減(公的年金等もしくは退職所得控除がある)
●投資対象は多種類の投資信託と預金性商品
●転職・退職等に際して年金資産が持ち運びできる(確定拠出年金制度内での移行のみ)

iDeCoのデメリット

iDeCoには、他の金融商品と比較して、5つのデメリットがあります。

<iDeCoのデメリット>

●加入年齢に上限がある
iDeCoに加入できる年齢は60歳未満と決められているため(※)、加入後運用期間が短期となり、運用収益が上がらない場合があります。
<解決法>
iDeCoに加入するのであれば、なるべく若い時期から加入して、時間を味方につけましょう。

●60歳までは引き出しができない
iDeCoで積み立てた年金資産は60歳以降にしか引き出せません。
<解決法>
iDeCoに加入するのであれば、なるべく若い時期から加入しておきましょう。

●掛金に限度額がある
毎月の掛金は最低拠出額が5,000円となります。個人の属性により1万2,000円から6万8,000円までの上限が設定されています。
<解決法>
資産形成の一環として、できれば上限額を60歳まで積み立てていきましょう。

●取扱金融機関によって投資対象商品が異なる
同じiDeCoでも、取り扱う金融機関によって投資信託や預金性商品のラインナップが全く異なります。
<解決法>
商品ラインナップが豊富で利便性の高い金融機関を選びましょう。

●取扱金融機関によって取扱手数料が異なる
iDeCoは取扱金融機関によって運用期間中にかかる手数料に幅があるので注意が必要です。
<解決法>
iDeCoはコストの低い金融機関で加入しましょう。

※法改正により、2022年5月からは原則65歳未満まで加入できます

初心者には難しい投資

初心者には難しい投資

先にあげたのは初心者でも続けやすい金融商品ですが、次の3つの金融商品は、逆に投資初心者には難しいとされる投資です。

●FX(外国為替証拠金取引)
●先物・オプション取引
●不動産投資

これらの金融商品はハイリスク・ハイリターンです。加えて、商品内容が複雑だったり、投資資金が高額で値動きが大きかったりしますので投資初心者向けとは言えません。

FX(外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)とは、円を売ってドルやユーロを買ったりする外国為替取引を、証拠金(保証金)を業者に預けて取引する金融商品です。証拠金を預けることで、元本の数十倍の想定元本で取引することができます。

例えば、1ドル=100円の際、投資家は今後円安ドル高が進行すると予想し1万ドル(=100万円)の想定元本でドルを買ったとします。本来であれば、1万ドルを買うためには100万円の現金が必要なのですが、FXの場合、証拠金5万円を払えば1万ドル分の取引をすることができます(必要証拠金率が5%の場合)。元本100万円に対し5万円で取引できますから、このFX取引は20倍のレバレッジ取引(100万円÷5万円)と言います。

思惑通り、1ドル=110円でドルを売却できれば10万円の収益になります。逆に1ドル=90円になると10万円の損失になります。
5万円で100万円分の取引はできますが、損失した際のリスクが大きいハイリスク・ハイリターンの金融商品です。投資初心者には、おすすめ出来ません。

先物・オプション取引

先物・オプション取引とは、それぞれ以下の通りです。

(1)先物取引

先物取引は金融商品取引所や商品取引所に上場されている金融商品(含むFX)や現物商品(貴金属、原油など)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引です。仕組みはFX(外国為替証拠金取引)と同じく、証拠金を差し入れたレバレッジ取引となります。

(2)オプション取引

オプション取引は、手数料(オプション料)を払って、将来の決められた日(満期日)に投資対象を事前に決めた価格で売買できる「権利を取引」する金融商品です。買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」といいます。
オプション取引は各証券会社を通じて取引することができ、取引の際は手数料(オプション料)を払います。
コールオプション取引の損失はオプション料に限定される一方で、プットオプションの場合はオプション料をもらう代わりに、相場が逆方向に動いた場合、損失の上限は無限大になることに注意しなければなりません。オプション取引はハイリスク・ハイリターンですので、投資初心者にはハードルが高い商品です。

不動産投資

不動産投資は、賃貸マンションや商業ビル等を購入して賃貸し、家賃収入を得る投資方法です。

一般に不動産は数千万円以上と高額であるため、金融機関から資金を借り入れて投資対象物件を購入します。不動産は物件によって価格も投資利回りも異なるため、知識や経験のない投資家にとってはかなり難しい投資です。また、金融機関から融資を受けなければなりません。最近は、物件の担保力や投資家の所得水準がより厳しく審査される状況となってきています。

不動産という性質上、短期で収益を上げることは難しく、数年から十年以上かけて投資元本を回収する投資であるとともに、売却が完了して初めて最終的な投資収益が分かるものです。

投資で得られる利益の種類

投資で得られる利益の種類

株式投資で得られる利益の種類は、以下の3種類があります。

●キャピタルゲイン
●インカムゲイン
●株主優待

キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは、株式や債券など保有資産を売却することによって得られる売買差益です。

例えば、20万円で購入した株式が、30万円で売却できた場合、名目上10万円がキャピタルゲインとなります。ただし、売買委託手数料や税金が発生しますので、これらを差し引いたものが実質的なキャピタルゲインになります。

例えば、売買手数料がゼロ(一部のネット証券では、売買金額が一定に満たない場合は手数料がかからないケースがある)で、売買益に対する譲渡益課税が20.315%とする場合、売買委託手数料と税金差し引き後の実質的なキャピタルゲインは、7万9,685円(100,000円−0円(手数料)−20,315円(税金))となります。

インカムゲイン

インカムゲインとは、株式や債券から得られる配当金や利子等を指します。
その株式の発行企業が配当をしていれば、当該株式を保有する期間中、継続的に配当が得られます(配当の有無は企業業績や配当方針によります)。配当金額は株式によって異なりますが、東証第一部の平均の配当利回りは年間2.2%程度(2020年11月末)となっています。

株主優待

株主優待とは、企業が自社の株を保有している株主に向け、自社商品やサービスなどの優待品を贈る任意の制度です。すべての企業が実施しているわけではありませんが、上場企業の約4割・1513社が(2020年9月時点) が株主優待制度を導入しています。

【参考】日経新聞「株主優待の導入企業、10年ぶり減少 資金流出を抑制」

投資で失敗しないためのコツ

投資で失敗しないためのコツ

投資において、できるだけ損をしない方法として次の2点が上げられます。

●運用方針を守る
●分散投資を心がける

「急いては事を仕損じる」、「卵はひとつのカゴに盛るな」の格言があるように、投資はじっくりと時間をかけ、様々なリスクを分散して取り組みましょう。

運用方針を守る

運用方針とは、あらかじめ一定の条件で、その投資を継続するか中止するかを決めおくことです。
例えば、「その株式が2割下がったら自動的に売却して投資中止」といった、損失リスクを限定するような運用方針のことです。
あらかじめ運用方針を決めておくと、以下の様な利点があります。

●それ以上の損失の発生を抑えられる
●不必要な追加投資を避けられる
●また上がるかもしれないといった思い込みを排除できる

経験ある投資家でも「ここまで頑張ったのだから、もう少し様子を見よう」と、さらに損失幅を広げてしまうこともあります。運用方針を守ることがリスク回避にも繋がるのです。

分散投資を心がける

投資の基本は分散投資です。
例えば、株式投資でひとつの銘柄に集中投資すると、その株価が暴落して半額になった場合、投資資産残高も半減してしまいます。
こうしたことを避けるため、投資対象銘柄を分散させておくと、一部の株価が下がっても、他の株価が上がっていれば、損失を小さくしたり、逆に収益を計上したりすることもできるのです。

まとめ

今回は、投資初心者でも少額から簡単に株式投資ができるという観点で、さまざまな投資対象や投資方法を見てきました。
最初は少額からで構いません。
大きなリターンを期待せずとも、コツコツと長期投資を続ければ、必ず花が咲く時が来るのです。
ぜひこれを機会に、読者のみなさんにはしっかりと資産形成をしていただければと思います。

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