【初心者向け】そもそも国債ってなに?国債の買い方やメリット・デメリットなど

個人が金融資産の運用を行う際に、安全性の高い金融商品を選択する場合、その候補のひとつに「国債」があります。今回は初めて国債を活用する人が押さえておきたいポイントについて解説します。

【初心者向け】そもそも国債ってなに?国債の買い方やメリット・デメリットなど

そもそも国債とは?

そもそも国債とは?

国債は、国がさまざまな政策を行うために資金を調達するしくみのひとつです。国が発行した債券(つまり国債)を購入すると、あらかじめ決められた金利で計算された利子が、年に2回支払われます。一定期間が満了する(満期になる)と、債券の額面金額が償還され戻ってきます。

個人で買える国債は「個人向け」と「新窓販国債」の2種類

個人が購入できる国債には、主に2種類あります。

ひとつは「個人向け国債」です。投資家を個人に限定したもので、満期時にも中途換金時にも元本割れのリスクがない債券です。

もうひとつは「新窓販国債」で、個人投資家だけでなく、法人やマンションの管理組合なども購入が可能です。いつでも金融市場で売却することができますが、売却の時期によっては元本を割り込む可能性があります。

本稿では、投資の初心者が活用しやすい個人向け国債について解説します。

個人ならだれでも買える「個人向け国債」

個人向け国債には満期の期間別に3つあり、それぞれの商品特性は以下のとおりとなっています。

■個人向け国債の種類

個人ならだれでも買える「個人向け国債」

【出典】 財務省「国債(国の発行する債券)」 ※筆者加筆・修正

【参考】財務省「国債(国の発行する債券)」 詳しくはこちら

中途換金調整額は利子1年分に相当

中途換金については若干複雑ですので、補足します。
中途換金時に差し引かれる中途換金調整額は、上記の計算式から、源泉徴収で20.315%引かれた後、2回分の利子相当額であることがわかります。つまり、発行後1年経過後に中途換金した場合でも、利子は半年ごとに2回支払われますので、利子に関してはプラスマイナスゼロとなり、結果的に元本を割り込むことはありません。

個人向け国債のメリット

個人向け国債のメリット

ここからは個人向け国債のメリットについて詳しく紹介します。

1. 定期預金などより金利が高い

2020年9月1日現在、銀行の定期預金は一部の優遇金利・キャンペーン金利等を除いて、一般的には年0.002%などと、極めて低い水準となっています。それと比較すると国債の金利は高めといえます。

国債の金利ってどのくらい?

2020年9月4日~9月30日募集(発行日2020年10月15日)の個人向け国債では、固定3年・固定5年・変動10年とも下限の0.05%(税引後0.0398425%)となっています。

2. 安全性が高い

前述のとおり、中途換金を含めて元本が割れることはありません。また、国債は国の借金であり、元本の償還と利子の支払いを国が約束しています。したがって、安全性が高い金融商品であるといえます。

3. 少額から投資ができる

1万円以上1万円単位で投資ができるので、気軽に投資をはじめることができます。

4. ペイオフ対策

銀行等の預金では、預けた銀行等が経営破たんした場合、預金保険制度により保証される金額は、元本1,000万円とその利子となっていて、保証には限度額があります。そのため、預金の残高が1,000万円を超える場合、別の銀行等に分散させる方法のほか、その分を個人向け国債に分散するという方法も考えられます。

個人向け国債のデメリット

個人向け国債のデメリット

メリットがある一方、もちろんデメリットも存在します。ここではデメリットについて解説します。

1. 1年間は換金できない

基本的には発行後1年間は中途換金ができません。

2. 信用リスク

個人が国にお金を貸していることになるので、国の財政状況によっては利子が支払われなかったり、国の財政が破たんすれば元本は戻らないというリスクがあります。

3. 運用収益が限定される

安全性の高い金融商品なので、投資信託などと比較すると運用収益は少なくなります。

4. 保護のしくみがない

国債は比較的安全性の高い金融商品とされていますが、銀行の預金保険制度のように、国が破たんした場合に一定の元本の保護や利子の支払いを保証する制度はありません。

まとめ

まとめ

国債の購入は「預金」ではなく、「投資」です。国債は比較的リスクの小さい金融商品ですので、投資の経験が少ない人も取り組みやすいものといえます。メリット・デメリットを確認して、人生100年時代の資産形成に取り組みましょう。

ご留意事項
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