個人向け社債の購入方法から仕組み、メリット、注意点まで詳細解説

個人で購入できる社債について、その内容や株式との違い、利回り、購入する際の注意点などを解説します。個人向け社債に興味があるという方や、どのような社債を買えばいいのかがわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

個人向け社債の購入方法から仕組み、メリット、注意点まで詳細解説

そもそも社債ってなに?

そもそも社債ってなに?

社債とは、主に株式会社を債務者とする金銭債権であり、有価証券として発行されるものをいいます。株式会社が資金を集めたい場合に借金という方法を取れば、いわば「借用書」として社債券を発行することになるのです。
1年ごとに利息がつくほか、あらかじめ設定された期日を迎えると満期となり、投資していた金額が返済(償還)されます。
あくまで企業にお金を貸しているだけなので、株式とは異なり、株主総会での議決権や優待サービスなどはありません。

社債以外にもある債券の種類

債券は発行主体や利子の支払われ方によって、いくつかの種類に分けられます。
まず、債券は通貨に応じて外貨建てと円建てに分けることができます。外貨建てとしては外国国債や、開発金融機関などの発行する国際機関債があります。具体的な外貨建ての債権の種類は以下になります。

■外貨建て債券の種類
・外国国債
・開発金融機関などの発行する国際機関債
・民間債

次に、円建てを中心にみていくと、民間債・公社債・円建て外債という区分が考えられます。社債は民間債に当たります。
民間債は社債と金融機関が発行する金融債とに分けられます。社債には普通社債(事業債)、転換社債、ワラント債のほか、電力債、劣後債があります。公社債とは公的機関の発行する債券であり、国債と地方債、政府関係機関債に分けられます。円建て外債は日本もしくは海外の市場において円建てで発行される債券であり、サムライ債やユーロ円債があります。

通貨による債券の種類(円建て)

円建て債券種類
民間債社債(普通社債、転換社債、ワラント債、電力債、劣後債)
金融債
公社債国債、地方債、政府関係機関債
外債サムライ債、ユーロ円債

次に、利子の支払われ方で分類した場合、社債もそれ以外の債券も利付債と割引債に分類されます。利付債は、定期的に利息が受け取れる債券です。利率があらかじめ決まっている固定利付債と、利率が変動する変動利付債があります。割引債はゼロクーポン債とも呼ばれており、あらかじめ利子相当分が差し引かれた価格で発行されるものです。割引債を保有している間は一切利息払いがなく、満期時に額面金額で償還されます。

社債はいつ発行されるの?

社債は、定期的に発行されるものではなく、企業が資金を必要としたタイミングで不定期に発行されます。社債の発行情報は、窓口である証券会社で確認できます。また、企業ホームページにも社債情報やIR情報といった項目で掲載されていることがあります。

社債の利回りについて

社債の利回りについて

投資の有力な方法として検討される社債ですが、実際のところどの程度の利益を見込めるのでしょうか。銀行に預けた場合と比較しながら確認していきましょう。

利率と利回り

前提として、「利率」と「利回り」の違いを確認しておきましょう。利率とは、社債の額面金額に対する年ごとの利息の割合です。たとえば額面が100万円の社債があるとして、1年に3万円の利息がつけば利率は3%、5万円の利息がつけば5%となります。
これに対し利回りとは、社債の購入金額(投資金額)に対する、「利息の収益」および「額面金額と購入金額の差額」(償還差損益)の合計額の割合です。なぜ利回りが問題となるのかというと、社債の場合は、額面通りの金額で購入するとは限らないのに加え、償還日と呼ばれる返済日の定めがあるからです。

利回りの例として、額面100万円かつ利率5%の社債を95万円で購入し、償還まで5年あるというケースを考えてみましょう。この場合、5年間の利息収入は25万円で、償還差益は5万円です。つまり、5年間で全体的な利益としては30万円なので、年間収益に均すと6万円となるわけです。あとは、年間収益を購入金額で割って100を乗じれば利回りが算出されます。このケースでは、約6.32%となります。

社債による利益

社債に投資した際の利益を、一般的な投資手段である銀行預金の利息と比較してみましょう。
銀行預金は、大手銀行の普通預金で年利0.002%前後、ネットバンクでも0.05%~0.2%ほどです。(2020年9月現在)
他方、社債の利率は0.5%~2%前後となっており、購入金額によってはさらに利回りが上がる可能性もあるでしょう。
個人向け社債は現状で出回る数が少ないというネックはありますが、投資手段としては検討に値するものといえます。

社債の注意点

社債の注意点

社債も一種の投資ですから、一定のリスクやデメリットはあります。社債そのものに関する注意点と、途中で手放す場合のリスクとに大きく分けられます。順に確認しておきましょう。

社債そのものに関する注意点

まず、社債は国債や投資信託などと比べて、購入する際の単価が高めです。たとえば投資信託であれば100円から、個人向け国債の1万円から始められますが、社債は50万円や100万円からという会社が珍しくありません。これは、株式によらない会社の資金調達という面から、あまり少額にするとコストが高くつく点などが理由として挙げられます。

次に、企業破綻や元本割れのリスクです。これは社債に限ったリスクではありませんが、経営難や倒産により、投資したお金が返ってこなくなるケースもあります。格付け機関による信用度などを踏まえ、利回りと照らし合わせて投資の判断をしましょう。

社債を途中で手放す場合のリスク

社債は債権の一種なので、売却による債権譲渡も可能です。しかし、信用性の低い債券や不人気債券は、そもそも買い手がつかず、手放せないおそれもあります。手放せたとしても、額面より低い価格となりがちです。
また、第三者への売却ではなく、社債発行会社に途中償還するという方法もありますが、この場合は購入した当初見込んでいた利回りを下回ってしまうリスクがあります。

社債はどこで、どうやって購入する?

社債はどこで、どうやって購入する?

社債は不定期に発行されるため、どうやって探して買うかが問題となります。それぞれ説明していきましょう。

社債の探し方

社債の発行情報は証券会社に寄せられるため、証券会社を通じて探すことになります。ここで注意すべきなのは、各証券会社によって取扱銘柄や数が異なるという点です。ある証券会社では取り扱われている社債が、別の証券会社には見当たらないことも珍しくありません。

探し方としては、大手証券会社やネット証券会社のWebサイトを参照するか、証券会社の営業に聞く方法が考えられます。
人気の社債銘柄はすぐに完売してしまうため、複数の証券会社をチェックし、営業から情報を得て予約するなどの手段を採るといいでしょう。

社債の買い方

購入の準備として、社債を取り扱う証券会社に証券取引口座を開設する必要があります。購入したい銘柄を選び、証券会社の窓口や営業に注文するか、ネット証券会社ならWebサイトから自分で注文を出します。
また、自ら社債を選んで購入する以外の方法として、公社債投資信託という、公社債中心の運用を専門家に任せるという金融商品の購入もあります。
途中償還や満期償還となった場合には、償還される金額が証券取引口座に入金されます。

まとめ

まとめ

社債の購入にはまとまった資金が必要となり、人気銘柄はすぐ売り切れてしまうなどの問題はありますが、投資方法としては検討の余地があるものといえるでしょう。資産運用の際には、社債という方法も考えてみてはいかがでしょうか。

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