退職金はどこに預けるのがいい?定期預金と投資メリットデメリット
老後の資金に2,000万円が必要といわれるなか、退職金預け先にはさまざまな選択肢があります。この記事では退職金の預け先として定期預金と投資のどちらがいいのかメリットデメリットを比較をしていきます。老後の資金を確保するうえで自分にあった方法で、退職金を活用しましょう。
退職金は定期預金に預ける?運用する?
老後の大切な生活資金となる退職金ですが、どこに預けるのかで資金計画は大きく変わってきます。
代表的な預け先として、銀行の定期預金があげられるでしょう。また、利回りを求めるのであれば、単純に銀行へ預金をするのではなく、株式などに投資するという選択肢もあります。
しかし、資産運用に関心をもつ人が増えてきたとはいえ「投資のことはよく分からない」「なんとなく忌避感がある」という人も多いのではないでしょうか。
そこで以下では、定期預金と運用のどちらがよいかを考えるための判断材料として、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく挙げていきます。
退職金を定期預金に預けるメリット
定期預金の第一のメリットは、普通預金と比べて金利が高く設定されていることです。銀行によって異なりますが、一般的には普通預金の年利が0.001%ほどで、定期預金の年利が0.002%ほどです。
また、定期預金は銀行が破綻しない限り、元本が安全に守られています。株式投資のような資産運用とは異なり、定期預金は元本割れのリスクを考える必要がほとんどありません。
仮に、預け先の銀行が破綻しても預金保険制度によって1,000万円までの元本と利息が保証されているのは預金の大きな強みでしょう。
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退職金を定期預金に預けるデメリット
定期預金のデメリットは、投資による資産運用に比べると利回りが低いことです。今日の銀行の金利は微々たる額に設定されているため、1,000万円を超える資金を10年銀行に預けても、数万円の利息しかつかない場合もあります。
退職して収入手段が限られた中で、資金を増やすことを考えるならば、定期預金だけでは限界があるかもしれません。
また、定期預金は中途解約しない限り、事前に定めた期間内はお金を引き出せないので注意が必要です。そのため、定期預金に預けた退職金の使い道に合わせて、預け入れる期間を計画的に設定しましょう。
さらに「自由にお金を引き出せない」という欠点は、考えようによってはお金の無駄づかいを避けやすいともいえます。
退職金を運用するメリット
株式投資などで退職金を運用するメリットは、資金を大きく増やせる可能性があることです。年金があるとしても、退職後は貯金を切り崩して生活していく人が多いでしょう。
しかし、効果的な資産運用に成功すれば、資産の減少ペースを遅らせるどころか、資産を増やせる可能性もあります。
また、インフレや為替変動などに伴い、円の価値が現在より下落するリスクに備えるメリットは大きいです。投資には、金融の知識や世の中の出来事への関心が必要なため、気持ちや生活にメリハリがつくことも期待出来るでしょう。
銀行に預けた場合は、1,000万円とその利息の保証しかありませんが、運用を行っていた証券会社が破綻した場合は、保証金額の上限はなく、その時点の評価額が保証されます。
退職金を運用するデメリット
運用のデメリットは、定期預金に比べて元本割れのリスクがある点です。投資は、一般的に元本保証がついていないため、失敗すると老後資金が大きく目減りする恐れがあります。
また、自分自身で投資を行う場合には、利益を出すためのノウハウや経験を身につけるために、多くの時間と労力がかかります。
退職金を資産運用に回す場合は、全額を使うのではなく、元本割れのリスクも考えて、余剰資金を充てるのがおすすめです。
退職金の預け先は退職金専用の定期預金も選択肢に
「定期預金の金利では物足りないけれど、投資のリスクも怖い」と感じた人におすすめしたいのが、退職した人または退職予定の人を対象にした定期預金です。この退職金専用の定期預金について解説していきます。
退職金専用の定期預金のメリット
退職金専用の定期預金の大きなメリットは、普通の定期預金よりも高金利であることです。退職金専用の定期預金では、一定の金額以上の預金を行うことを条件に、期間限定で通常の定期預金よりも高い金利が付きます。
金利は銀行によってさまざまですが、年利に換算して1%を超える場合もあります。
また、通常の定期預金と同じように預金保険制度の対象となり銀行が破綻した場合も元本1,000万円とその利息が保証されます。
退職金専用の定期預金のデメリット
退職金専用の定期預金のデメリットは、預け入れる期間が3ヶ月などと短く、満期を迎えると通常の定期預金に戻ってしまいます。
当初の高い金利での優遇期間が終わると、あとは通常の定期預金の金利となります。
退職金専用の定期預金は、全ての金融機関で取り扱いがあるわけではなく、金融機関によって条件が異なるため注意が必要です。
また、投資信託とセットのプランになっていることもあり、その場合は信託手数料を取られたり、リターンと共にリスクも多少大きい場合もあるので、慎重に検討しましょう。
退職金専用の定期預金に預けた場合のシミュレーション
退職金専用の定期預金に預けた場合のシミュレーションをしてみましょう。
例えば、2,000万円の退職金を年利0.001%の普通預金に預けた場合、1年後の利息は200円にすぎません。
他方、年利換算で1%の金利が付く退職金専用定期預金に同額を預けた場合、3ヶ月で利息を5万円受け取れることになります。
退職金の運用方法4選
続いては、退職金を運用するのに適したおすすめの運用方法を4つ紹介していきます。
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投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金を運用の専門家が、株式や債券などのさまざまな商品に投資・運用するパッケージ商品です。その運用成果は、投資家の投資額に応じて分配される仕組みです。
投資信託のメリットは、何をいつ売買するかといった、投資の難しい判断を専門家が行ってくれるうえ、複数の商品や銘柄に分散投資ができる点です。金融機関によっては100円という少額からでも始められ、定期的に長期にわたって投資できる仕組みもあるので、投資初心者にも向いています。
投資信託のデメリットは、専門家に運用を任せるために「買った時に支払う購入手数料」や「運用中の財産から引かれる信託報酬」「投資信託の売却時にかかる信託財産留保額という手数料」がかかることです。
投資なので預金と違い、元本の保証がないこともデメリットでしょう。
ノーロードと呼ばれる購入手数料がかからない商品や信託報酬もそれぞれ異なるため、運用実績だけでなく手数料がどのくらいかかるかにも留意しましょう。
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ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、株式や債券だけでなく、先物取引や金融派生商品(デリバティブ)などさまざまな商品や投資手法を組み合わせることで、利益を追及していくことを目的とした商品です。
ヘッジファンドは、大きな利益が狙える反面、一般的に数百万円から数千万円の多額の資金が必要で、投資信託と違って限られた大口投資家しか出資できないという特徴があります。
多額の資金を運用し、レバレッジ(てこの原理)を効かせることで大きな利益を得られる可能性はありますが、難易度は高くその分のリスクがあります。
老後の資金に余裕があり、退職金の一部が余剰資金となるため、リターンにかけて投資をしたい方は、ヘッジファンドで運用することも選択肢の1つです。
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個人向け国債
個人向け国債とは、国の発行する債券を個人が購入する投資方法です。
個人向け国債では、国にお金を貸し付け、一定期間後に利率を上乗せした額を返還してもらいます。
定期預金のように元本が保証されていますが、定期預金よりも高い利率が設定されています。
利率は国や国債のタイプによって異なりますが、現状の日本国債だと、10年満期の変動金利制で0.51%(令和5年10月4日時点)、5年満期の固定金利制で0.33%、3年満期の固定金利制で0.09%(令和5年10月4日時点)と設定されています。
通常の社債と比べると金利は低いですが、安全性の高い運用をしたい人に向いているでしょう。
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株式
株式投資とは、証券(株)を購入し、株主総会での議決権など株主としての権利や配当金を受け取る投資方法です。自分が保有する株は売ることも出来るので、安く株を買い、高く株を売ることでその差益を得ることもできます。
株式投資の魅力には、株主優待や配当もあります。
株主優待は、一定数以上の株式を保有する株主に対し、会社が自社の製品やサービスを提供するものです。
例えば、カタログギフトから好きなものを選んだり、株主しかもらえないオリジナルグッズや、米や飲料などの生活用品など種類はさまざまあり、これらは老後の楽しみにもなるでしょう。
株式投資の注意点は、保有する株の価値が落ちることもあるので、一定のリスクが伴うことです。リスクを許容出来る範囲で多くのリターンを求める人、あるいは応援したい企業がある人や、株主優待や配当を求める人におすすめの投資方法です。
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老後に必要な資金を考えて預け先を決めよう
退職金は、老後の生活を豊かにするための大事な資金です。
超低金利の普通預金・定期預金に預けるのはもったいない一方で、失敗した時に今後の生活が立ち行かなくなってしまうようなハイリスクな投資も避けなければなりません。
そのためには、必要な資金は定期預金に預け、一部のお金を複数の投資先に分けて運用するなど、リスク管理が重要になります。
目安としては、退職金のうち10年以上使わない可能性があるお金を投資に回すのが無難でしょう。安心して老後を送るために、さまざまな選択肢を検討したうえで、今後の資金計画を立ててみてください。
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