今さら聞けない?「投資信託」と「ファンド」の違いを徹底解説

投資信託のことを調べていると「ファンド」という言葉が頻繁に出てくると思います。投資信託とファンドは同じ意味なのでしょうか? それとも使い分け方があるのでしょうか? 投資信託とファンドについて解説します。

今さら聞けない?「投資信託」と「ファンド」の違いを徹底解説

ファンドと投資信託、何が違う?

ファンドと投資信託、何が違う?

「ファンド」を辞書で引いてみると「資本。基金。」と説明されています(デジタル大辞泉より)。
一般社団法人投資信託協会の説明を引用すると「多数の投資家から集められた資金を1つにまとめ、基金にして収益を還元する仕組みのこと」と説明しています。
つまり、ファンドとは「多くの人から出資を募り、その資金で投資や事業を行って、出資者に収益を還元する仕組み」のことをいいます。

投資信託とは「投資を運用のプロに託す」という意味で、資産運用を行うことを目的に多くの投資家からお金を集め、投資家に収益を還元するファンドの一種です。
日本で販売されている投資信託は「投資信託及び投資法人に関する法律」によって定められている金融商品であり、金融商品取引法で定められた金融商品取引業者が、運用やサービスを提供しています。
つまり、身近な金融商品でファンドといえば、投資信託のことを意味すると解釈しても問題ないでしょう。

ちなみに、投資商品全体のことを示したり、仕組みを説明したりする時には「投資信託」具体的な商品名を示す時には「●●ファンド」といった使い分けがされることが多いようです。

■投資信託の仕組み

ファンドと投資信託、何が違う?

いろいろありますファンドの種類

いろいろありますファンドの種類

・投資信託
投資信託は、少額から気軽に利用できるファンドです。国内外の株式や債券へ投資する一般的なものから不動産へ投資する不動産投資信託(REIT:リート)、リートへ投資するリートファンドなどがあります。

最近では太陽光発電所などのインフラ施設へ投資をするインフラファンドも有名です。
投資信託は、その目的に応じて一定のルールのもとに投資を行います。従って、相場の上下に左右されて運用成績は変わりますが、ルールである運用方針から外れた運用を行うことはありません。

・ヘッジファンド
ヘッジファンドは、富裕層や大口投資家を対象としたファンドです。ヘッジファンドは相場が上がっても下がっても利益追及することが目的なので、さまざまな手法を柔軟に用いて、資産の目減りを防ぎながら積極的に運用します。「ヘッジ」とは、資産の目減りを避けるという意味です。

・ベンチャーファンド等
ベンチャーファンドは、主に未公開企業に投資するファンドで、ベンチャーキャピタルともいわれています。ほかにも、企業の再生のための企業再生ファンドや企業買収のためのファンドなど、企業の成長や再編に関わるファンドもあります。

これだけ知っておけば大丈夫、投資信託の種類と特徴

いろいろありますファンドの種類

投資信託を選ぶ際「投資対象」「投資地域」「投資方法」「投資スタイル」に着目すると、どのような投資信託であるか知ることができます。

投資信託の種類

分類 種類 概要
投資対象 株式、公社債、不動産(リートやリートETF)、バランス(株式、公社債、リートに分散投資)、テーマ(5Gに関連する企業の株式、AIに関連する企業の株式など) 少しでも株式に投資する場合は「株式投資信託」といい、株式に一切投資しないものは「公社債投資信託」といいます。
投資地域 日本、北米、欧州、アジア・オセアニア、中南米、グローバルなど 日本国内か海外か、もしくは両方か、さらには具体的な投資エリアはどこかが表示されています。
投資方法 アクティブ、インデックス 日経平均などの指数に連動するように運用する「インデックスファンド」指数を上回る運用を目指す「アクティブファンド」があります。
投資スタイル バリュー、グロース 割安と思われる企業の株式に投資をする「バリューファンド」今後成長が見込める企業に投資をするグロースファンドがあります。

最近注目されているものでは、ターゲットイヤーファンドといって、例えば2024年などの目標年を設定して最初は積極的運用を行い、目標年以降は安定運用となる資産配分を自動的に調整するタイプがあります。
また、毎月決算、6ヶ月決算などの決算月の違い、為替の影響を受けるか受けないかによって分類される「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」のタイプなどがあります。目論見書をみると、それら詳細が記載されていますので必ずみるようにしましょう。

ビギナーのための投資信託の始め方

ビギナーのための投資信託の始め方

投資信託は、証券会社はもちろんのこと、銀行でも始めることができます。また、店舗に行かなくてもネットで購入できる金融機関がほとんどです。
勤め先で確定拠出年金(DC)を導入している場合には、すでに投資信託に触れていることでしょう。導入していない場合は個人でできる「iDeCo(イデコ)」という制度があります。投資額が全額所得控除になるほか、受取り時には退職所得控除や公的年金等控除が適用されるなど、税制面で優遇されています。

「つみたてNISA」制度では、毎年40万円までの投資で最長20年間、利益が出ても非課税になります。金融庁指定の基準を満たした低コストで長期・分散・つみたてに適したつみたてNISA専用の投資信託が用意されているので、投資ビギナーでも選びやすくなっています。

NISAは、2024年から新NISAとして制度の内容が大きく変わります。制度の恒久化、非課税保有期間の無期限化、年間投資枠・非課税保有限度額の拡大など、より資産形成に活用しやすくなります。

ただし、投資信託は元本割れなどのリスクも考えられる金融商品。運用や銘柄選びに迷っている方は、信頼できるファイナンシャル・プランナーや信託銀行などの専門家に相談してみましょう。

まとめ

まとめ

投資信託はファンドと呼ばれる仕組みの中で最も身近な金融商品といえます。長期でコツコツと資産形成できるように商品内容も税制も整えられているので、投資ビギナーこそ積極的に活用していくといいでしょう。

ご留意事項
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