退職後は自分で支払う必要あり!健康保険の任意継続とは?

会社を退職したら考えなければならないことのひとつが保険です。この記事では、健康保険の任意継続を検討している方に向け、任意継続する際の条件や保険料、メリット・デメリットなどを解説します。なお、健康保険協会の種類によってはルールが異なる場合もあるので、ご注意ください。

退職後は自分で支払う必要あり!健康保険の任意継続とは?

健康保険の任意継続とは?

健康保険の任意継続とは?

会社を退職すると、会社から支給されていた健康保険証が使えなくなってしまいます。会社員の保険料は給料から天引きされているため、ずっと会社勤めだった方であれば、おそらく自分で保険料を払った経験はないでしょう。しかし、退職後は自分で健康保険の手続きを行い、自分で保険料を支払う必要があります。

保険料を自分で払う方法として挙げられるのは、以下の3通りです。

1. 健康保険の任意継続
2. 国民健康保険への加入
3. 被扶養者として家族の健康保険に加入

ここでは、1の任意継続について解説していきます。

健康保険の任意継続とは、会社を退職するなどして被保険者の資格を失った際、一定の条件を満たしていれば個人が継続して保険に加入できる制度のことです。

健康保険を任意継続した際の保険料は、退職時の標準報酬月額を基にして定められ、保険料は原則として2年間変わりません。

任意継続を選んだ場合に受けられる保険給付は、出産手当金と傷病手当金を除き会社に在籍していた時と同様です。

任意継続の保険料や納付方法

任意継続の保険料は、退職した時の標準報酬月額に住んでいる都道府県の保険料率をかけて計算します。40歳以上65歳未満の方であれば、これに介護保険料率も含まれます。

また、保険料には上限があります。退職した際の標準報酬月額が30万円を超えていれば、標準報酬月額を30万円として任意継続の保険料を算出します。

【参考】全国健康保険協会:「保険料について」 詳しくはこちら

通常、会社員時代は会社が保険料を折半してくれていますが、会社を辞めた後は保険料の全額を自己負担しなければなりません。その場合、単純計算で会社員時代の2倍の保険料を納めることになります。

任意継続の保険料に上限が設けられているのは、このように被保険者の負担が重くなりすぎるのを防ぐためです。

任意継続の保険料は、保険に加入した月から納めていくことになります。日割りで納付することはできないため、月初めに加入しても月末に加入しても、支払う保険料は変わらず1ヶ月分です。

保険料を納めるには、以下の3通りの方法があります。

・毎月納付書で納付
・一定期間分を一括し、事前に納付書で納付
・毎月口座振替で納付

毎月納付書で納める場合、月初めに郵送で納付書が届くので、その月の10日までに金融機関やコンビニから納付してください。

保険料は原則として2年間は変わりませんが、以下に該当する場合は変更されます。

・任意継続に加入している期間中に40歳になり、介護保険第2号被保険者に当てはまる場合。もしくは任意継続への加入中に65歳になり、介護保険第2被保険者から外れた場合
・都道府県の保険料率および介護保険料率が変わった場合
・標準報酬月額の上限が変わった場合
・保険料が異なる都道府県に転居した場合

任意継続をするには条件あり

健康保険を任意継続するためには、資格を喪失した日の前日(退職日)までに継続して2ヶ月以上被保険者だった期間が必要です。これは、最後に退職した会社で2ヶ月以上の被保険者期間が必要ということではなく、健康保険の被保険者期間が1日も間を空けずに2ヶ月以上あれば加入が認められます。

申請は資格を喪失した日から20日以内に行い、もし、20日目が営業日でない場合、翌営業日までに申請してください。

【参考】全国健康保険協会:「2 会社を退職するとき」 詳しくはこちら

任意継続の申請には、「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」が必要です。退職日を確認できる書類を添付すると、通常は保険証の発行に2〜3週間程度かかるところ、1週間程度で早期発行してもらえます。また、被扶養者がいる場合、被扶養者が16歳以上であれば、その方の収入が130万円未満であることを証明する書類なども添付しなければなりません。

【参考】全国健康保険協会:「2 申請に必要なもの」 詳しくはこちら

会社員が加入する保険は、一般的に全国健康保険協会(協会けんぽ)か健康保険組合のどちらかです。健康保険組合は大企業や業界団体などが運営するものなので、ほとんどの会社員は協会けんぽに加入しています。健康保険組合の場合、国保年金課または区役所区民課に必要書類の提出が必要です。協会けんぽの場合、申請書は住んでいる地域の協会けんぽ支部に提出します。都道府県を超えて転居する場合は、転居先の住所を管轄している支部に提出してください。

任意継続のメリット

任意継続のメリット

任意継続に加入するメリットは、退職後も会社員時代とほぼ同じ保険やサービスが受けられることです。

また、国保に加入した場合、世帯ごとの加入人数で保険料が変動しますが、任意継続では被保険者の収入が一定額以内に収まっている限り、扶養家族の保険料がかかりません。そのため、扶養家族が多い場合は国保よりも保険料が低くなる可能性があります。

任意継続の保険料は、6ヶ月分もしくは12ヶ月分を前納することもできます。前納納付をした場合、年4%の複利原価法によって保険料が減額されるメリットもあります。例えば、12ヶ月分の前納では月ごとの支払いよりも約2.1%保険料を減らすことが可能です。

【参考】
国民健康保険協会:「前納による納付について」 詳しくは
こちら
総務省:「前回推進会議における主な意見」 詳しくはこちら

任意継続のデメリット(注意点)

任意継続のデメリット(注意点)

前述の通り、任意継続の加入期間は2年間です。その間については、再就職して新しい会社の健康保険に加入するような場合を除き、原則として途中で脱退ができません。

一度任意継続の被保険者になると、国民健康保険に切り替えたり、健康保険の被扶養者になったり、ということもできなくなります。もし近いうちに家族の被扶養者になる可能性のある方は、任意継続ではなく国民健康保険への加入を選んだ方が良いでしょう。

また、任意継続は保険料の滞納に厳しいのが特徴です。保険料の納付が期限を1日でも過ぎると、滞納期日の翌日に即資格喪失となるので注意してください。

【参考】
総務省:「前回推進会議における主な意見」 詳しくは
こちら

国保という選択肢も

国保という選択肢も

任意継続の保険料が退職時の標準報酬月額に応じて決まるのに対し、国保の保険料は市区町村単位で定められており、通常は源泉徴収票に記載されている前年の所得額に基づいて計算されます。会社員時代の収入が高いほど保険料も高額になりますが、中には任意継続をするよりも、国保に加入した方が保険料を安くできるケースもあります。

例えば、退社後1年目の収入が少ない場合、翌年の保険料は前年の収入に基づいて決定されるので、加入から2年間保険料が変わらない任意継続に入るよりも国保に入る方が保険料が低くなるかもしれません。

国保の保険料がいくらになるのかは、市区町村の健康保険課で確認することが可能です。自治体によっては、Webサイトなどで概算の金額をシミュレーションできることもあるので、任意継続と国保の保険料を比較し、保険料の低い方に加入すると良いでしょう。

まとめ

まとめ

初めて自分で保険料を納めるとなると、戸惑うこともあるかもしれません。
任意継続は一度加入すると2年間は国保への切り替えができないため、どちらに入れば保険料が安く済むのか、事前にしっかり比較してから保険を選びましょう。

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