定年後の充実した人生の過ごし方は?準備しておくべきポイントもご紹介
定年後をどのように過ごすか、計画はありますか?仕事を続けるか、続けないか、人生100年時代において、充実したセカンドライフの過ごし方や今から準備しておきたいことをご紹介します。体力や経済力はもちろん、新たなことに興味をもち、充実した人生に備えましょう。

定年後は働き続けたい?働きたくない?

定年退職後のセカンドライフをどのように過ごしたいと考えていますか?セカンドライフというと、悠々自適な生活を思い浮かべる人も多いかも知れません。
ディップ総合研究所が2020年に行った調査によると、60〜64歳で「定年後も働きたい」と考えている人は63.6%と半数以上のシニアは就業意欲が高い傾向であるようです。
働き続けたい理由としては「生計の維持」が多く、「家計の補助」や「自由に使えるお金の確保」といったお金に関わる理由が上位に挙げられる傾向がありました。
働きたくない理由としては「時間に縛られず自由に生活したい」「趣味などやりたいことがあり、それに時間をかけたい」といった時間の制約による理由が上位に挙げられました。
定年後は金銭的な理由で働き続けたいと願う人が多い一方、時間的な制約を理由に働きたくない人は就業意向が低いことがわかります。ここからは、定年後の暮らしをより具体的にイメージするために「働き続ける場合」と「働かない場合」の過ごし方をご紹介します。
【参考】ディップ総合研究所「55~64歳定年後の就業意向調査」詳しくはこちら
定年後の過ごし方〜働き続ける場合〜

定年後も仕事を続ける場合、大きく3つの方法があるでしょう。
・起業する
・現職で働き続ける
・新しい仕事に就く
新たな環境にチャレンジするもよし、これまでの経験や活かした仕事を続けるもよし、自分に合った老後の働き方を考えてみましょう。
起業する
現役時代に培った技術や知識を生かして、個人事業や会社を起こす選択肢があります。定年後の起業を成功させるポイントは、現役時代のうちから必要な資格を取得したり、社内外に人脈を築いておくなどの準備を進めておくこと。業務内容もまったく新しい分野に一から挑戦するのではなく、現役時代の仕事とリンクするものにしておくのが賢明です。
また、起業資金に退職金をすべてつぎ込んでしまうようなことのないように、まずは自宅をオフィスにするなどして、小規模にビジネスをスタートさせることも大切です。

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現職で働き続ける
2013年に高年齢者雇用安定法が改正され、60歳の定年後も社員本人が希望すれば65歳まで再雇用することが企業に義務付けられました。つまり、60歳が定年に設定されている企業でも原則として65歳まで働き続けることができるようになったということです。
再雇用で働き続けることを希望する場合は定年前にその旨を企業側に伝え、定年後にいったん形式的に退職した上で、再度雇用契約を結ぶことになります。
再雇用制度を利用すると、定年退職後も慣れ親しんだ同じ会社で働くことができる安心感がある一方で、定年前とはまったく違う未経験の部署に配属されたり、定年前よりも給与が下がってしまう可能性もあります。
定年前にしっかり担当者と話し合い、再雇用の条件を確認しておくようにしましょう。

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新しい仕事に就く
起業ではなくとも、これまでとは違う会社で新たな仕事に就くこともできるでしょう。新しい仕事の探し方には大きく2つの方法があります。
求人サイトで探す
定年後は新しい仕事にチャレンジしたいという人は、中高年を対象にした求人サイトでやってみたい仕事を探すのも一案です。
求人サイトには勤務地や勤務時間など勤務条件が細かく掲載されているので比較検討がしやすく、条件に合う仕事を見つけやすいというメリットがあります。実際の職場の雰囲気や評判がわかりづらいというデメリットもあります。できれば事前に職場の様子を見に行ったり、実際に働いている人と話す機会をもっておくようにしましょう。
知人に紹介してもらう
仕事仲間や取引先の担当者などに、定年後の職場を紹介してもらうケースも珍しくありません。
現役時代の仕事ぶりや人柄が評価された上での紹介なので自信をもって働くことができるだけでなく、紹介者に職場の雰囲気や就労条件などを確認した上で働き始めることができるというメリットがあります。
一方で、万が一、不本意な仕事内容だった場合にも紹介者に義理立てをするあまり、辞めづらいというデメリットも。より条件にあう仕事を紹介してもらうためにも、現役時代から周囲に定年後も働き続ける意思があることや希望する仕事内容について明確に意思表示をし、良い職場があれば声をかけてほしい旨を明確に伝えておくと良いでしょう。

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定年後の過ごし方〜働かない場合〜

定年後は仕事をせずに自分の好きなことに思う存分の時間やお金を使いたいという方もいるでしょう。さまざまな過ごし方がありますが、ここでは以下の3つをご紹介します。
・ボランティア活動に参加
・趣味にチャレンジ
・地方や海外に移住する
ボランティア活動に参加
定年後は、ボランティア活動に参加して社会貢献がしたい!という考えもよいでしょう。ボランティア活動を通して、自発性や連帯性を学ぶことができます。
身近なものであれば、公園や公共施設を掃除するボランティアがあげられます。自分が暮らしている地域に貢献できる点でやりがいも大きいです。点字翻訳や盲導犬関連など障害のある方の役に立てるボランティア活動もあります。
ボランティアのなかには、報酬や交通費・食事代のような手当てが出るものもあります。利益目的の活動ではないので高額ではないですが、どのようなボランティアがあるのか調べて自分に合ったものに参加するとよいでしょう。

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趣味にチャレンジ
若い頃から長く続けている趣味に没頭することも定年後の過ごし方のひとつです。定年後に新たに趣味を見つけることも素敵ですが、なかなか難しいもの。できれば現役時代から、仕事関係以外の幅広い分野の人と交流を持ち、興味の範囲を広げて定年後に楽しみたい趣味に目星をつけておくとよいでしょう。
定年後は現役時代に比べて収入が減ることや体力が衰えがちになることを視野に入れて趣味を選ぶとよいでしょう。
料理、手芸などあまりお金がかからず、無理なく続けられるものがおすすめです。心身の健康維持には、ウォーキングのような運動や軽度なスポーツにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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地方や海外に移住する

定年後、都市部に比べて物価や家賃が安く、余裕をもって暮らしやすい地方や海外への移住を検討する人も増えています。
地方移住を支援するNPO法人ふるさと回帰センターが発表した2020年の地方移住人気ランキングでは、第1位が静岡県、第2位が山梨県、第3位が長野県という結果に。自然が豊かでかつ都市圏へのアクセスも良い場所が人気を集めています。
一方、外務省の「海外在留邦人数調査統計(平成30年版)」によると、2017年10月1日時点での国別の永住者数が多い国は第1位がアメリカ、第2位がオーストラリア、第3位がブラジル、第4位がカナダ、第5位がイギリスという順になっており、これらの国が日本人の移住先として人気が高いことがわかります。
地方の場合も海外の場合も、住み始めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないために、移住先の候補を何か所かに絞り、短期間のお試し生活を送ってみることをおすすめします。

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セカンドライフのために、今からできる準備は?

充実した理想のセカンドライフを過ごすには、若い頃からの準備が欠かせません。経済的にも精神的にも余裕のあるセカンドライフのために、以下の3つのポイントを意識して1日も早く準備をはじめましょう。
体力を維持する
定年後に仕事を続けるにせよ、趣味に没頭するにせよ、一定の体力が必要です。適度な運動とヘルシーな食生活を習慣にして、できる限り体力の低下を防ぎましょう。とはいえ、これまで運動の習慣がなかった人が急にハードなスポーツを始めるのは逆に体に負担をかけてしまいます。手軽に始められるウォーキングや水中ウォーキング、ストレッチやヨガを毎日の生活に取り入れ、年齢とともに衰えやすい筋力や免疫力を維持するよう心がけましょう。

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老後資金を貯める
残念なことに、公的年金だけでは経済的に余裕のあるセカンドライフを送るのは難しいと言われています。定年後も働き続けて定期収入を得ることもできますが、病気や家族の介護など不測の事態が発生して働けなくなる可能性もあるので、できるかぎり貯蓄を増やして老後の生活に備えることが重要です。節約して無駄な出費を減らし、コツコツと貯金することが資産形成の基本ではありますが、より効率よく貯めるためにiDeCoやNISAなど、比較的リスクの少ない投資商品の活用を検討しても良いでしょう。

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新しいことに興味を持つ
あらゆることに興味を持つことは、人生において重要なことでしょう。新たな人脈から老後の仕事が見つかるかもしれません。新しく興味を持ったことが、老後の趣味として没頭できるものになる可能性もあります。
新しいコミュ二ティに参加したり、友人に勧められた音楽を聴いてみたり、新しくできたカフェに立ち寄ってみたり、どんなささいなことでも何か刺激を得られる可能性を秘めています。好奇心を忘れずに過ごすことはセカンドライフにもよい影響をあたえます。

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まとめ

長寿社会を迎え、定年後のセカンドライフの過ごし方の多様化が進んでいます。定年後も働き続ける、地方や海外に移住する、趣味に没頭するなど、選択肢は様々ですが、どれを選んだとしても余裕をもって理想のセカンドライフを過ごすには、一定の体力と経済力が不可欠です。
若いうちから健康に気をつけて体力維持・向上を心がけ、公的年金+αの備えとして老後資金の貯蓄に努めましょう。

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