定年後の充実した人生の過ごし方は?準備しておくべきポイントもご紹介

人生100年時代において、定年後に充実したセカンドライフを過ごすには、どんな道があるのでしょうか。この記事では、老後の過ごし方や今から準備しておきたいポイントを解説します。仕事を続けたり、新たな趣味を見つけたり、長年の夢にチャレンジしたり、さまざまな人生を楽しみましょう。

定年後の充実した人生の過ごし方は?準備しておくべきポイントもご紹介

定年後のセカンドライフを充実させる過ごし方

定年後のセカンドライフを充実させる過ごし方

定年後のセカンドライフをどのように過ごしたいか、考えていますか?

定年後は働いていた時に比べ、自由に過ごす時間が取れるようになります。趣味や旅行を楽しみたいと考える方、働いていた頃の経験を生かして仕事をしたい方など、さまざまな方がいるのではないでしょうか。

一方、夢中で仕事をしていた方ほど、定年後に時間を持て余してしまう傾向にあります。定年後を充実させるために、いくつか選択肢を紹介します。

ボランティア活動に参加

ボランティアは、社会貢献をしたいと考える方にピッタリな老後の活動の1つです。

地域によっては、シニアに特化したボランティアを募集しているところもあります。
活動は、児童の登下校の見守り、公園清掃、ファミリーサポートの子育て支援など、地域に根付いた内容が豊富です。自治会や自治体と連携している団体が主体となっているケースが多いので、気になる方は問い合わせてみるとよいでしょう。

また、ご自身の知識や能力を活かすボランティアもあります。美術館や博物館のガイドボランティアや、海外協力隊などがあり、特定のスキルを求められる場合もあります。

新たな趣味にチャレンジ

気になりつつも、定年前はできなかった趣味がある場合は、挑戦してみるのもよい方法です。新しいことに挑戦するとご自身の世界も広がっていきます。

ただし、趣味を始めるために道具を沢山揃えるものや、趣味を続けるために多くのお金がかかるものは要注意です。
定年後は収入が減ってしまう方が多いので、趣味にお金を使いすぎると生活の負担になってしまいます。

もし、今から新しい趣味を探そうとしている方は、料理やウォーキング、DIYなど日常生活に近い分野のものに挑戦してみることをおすすめします。
特別な準備はあまり必要ないので、挑戦するハードルが低く、長続きできるかもしれません。

旅行に行く

旅行では、観光を楽しむ・旅先のおいしいものを食べるなど、豊かな時間を過ごせるでしょう。定年前は仕事との調整が難しかった方も、スケジュールの調整がしやすくなるため、長期の旅行も計画できるでしょう。

また、平日やオフシーズンなどを利用すると、人込みを避けて割安で旅行に行ける場合もあります。若い頃に旅行した思い出の地に改めて足を運ぶと、新しい発見や刺激になるでしょう。

地方や海外に移住する

定年後のセカンドライフを充実させる過ごし方

定年前は通勤エリアで住まいを構えていた方も、定年後は自分の好きな地域に移住することが出来ます。自然に囲まれた生活を求めて地方に移住したり、物価の安い海外に移住を検討される方もいます。

都市部から地方に移住すると、家賃や物価が下がる分、生活費が抑えられる可能性があります。ただし、自動車が必須の地域の場合は、自動車の維持費がかかるようになります。期待ほど生活費が抑えられない可能性もありますので、移住前にどのような暮らしになるのかを想像して、必要な費用を確認しておきましょう。

地方の場合も海外の場合も、移住先のイメージで決めてしまうと、住み始めてから「こんなはずではなかった」と感じることが出てくるかもしれません。納得できる移住先を決めるために、一定期間のお試し生活を送ってみるのも一案です。

スポーツや運動をする

定年を迎えて自宅で過ごす時間が長くなると運動不足になり、体力が衰えてしまう方もいます。体力が衰えてしまうと転倒などのリスクや、運動不足による生活習慣病を引き起こす可能性があります。

運動している意識は無くても、通勤にはある程度の運動量があるので、定年後は意識して体を動かすようにしましょう。
運動が好きな方であれば、スポーツスクールやフィットネスクラブに通うのもよいですし、運動が苦手な方はウォーキングなども効果的です。

ただし、負荷の大きい運動はかえって体に負担がかかりますので、ご注意ください。適度な運動を無理のない範囲で行うのが大切です。

コミュニティに参加する

定年退職する前は、自治会などの地域のコミュニティ活動に参加する機会が少ない方もいたのではないでしょうか。コミュニティ活動に参加する時間があれば、近所の知り合いを増やすためにもコミュニティの参加は有効です。

地域のコミュニティ活動は社会貢献だけではなく、趣味を楽しむグループもあります。自治体によってはサークルのような組織を応援しているところもありますので、気になる活動に参加してみましょう。

勉強や資格取得に励む

現在、国家資格だけでも313の資格制度、民間の資格を含めると数えきれない程の資格があります。そのなかには、仕事に関わる資格や趣味に利用できる資格、日常生活にプラスになる資格などさまざまな資格があります。

再就職を目指して関連する資格取得を検討するのも効果的ですが、興味のある分野や、新しい分野の資格に挑戦すると世界が広がるかもしれません。

図書館などで独学で学ぶのもいいですし、テーマによっては自治体で講習会を開いている場合や、大学のオープンキャンパスで学べる場合があります。同じ資格を目指す仲間と出会えるかもしれません。

終活を始める

終活には2つの側面があり、1つは残された方が困らないようにするという面、もう1つはご自身が自分らしく生きるための環境を整えるという面です。

後者は、これから定年後の生活を送るにあたり、何が必要で、何が不要なのかを見極め、必要なものを残していく作業です。物理的な物だけではなく、契約している口座・保険・サブスクリプションサービス・写真や知人の連絡先なども含みます。
無理のない範囲で、気になったものから少しずつ進めていきましょう。

また、残された方が困らないようにするには、エンディングノートや必要に応じて遺言書を準備します。エンディングノートは法的な効力はありませんが、好きなノートにご自身の希望を書き残すことが出来ます。

定年後も働き続けるという選択肢も

定年後も働き続けるという選択肢も

ここからは、定年後の働き方についてご紹介します。
定年後は、これまでの経験や活かした仕事をするという選択も、新しい仕事にチャレンジするという選択もあります。自分に合った老後の働き方を考えてみましょう。

再雇用制度で現職で働き続ける

2013年に高年齢者雇用安定法が改正され、60歳の定年後も社員本人が希望すれば65歳まで継続雇用することが企業に義務付けられました。つまり、60歳が定年に設定されている企業でも原則として65歳まで働き続けることが出来るようになったということです。

再雇用で働き続けることを希望する場合は定年前にその旨を企業側に伝え、形式的に退職したうえで、再度雇用契約を結ぶことになります。なお、再雇用制度では労働条件が変わることが多く、勤務日数・給与・配属先などが定年前と同じとは限りません。

定年前にしっかり担当者と話し合い、再雇用の条件を確認しておくようにしましょう。

再就職して新しい仕事に就く

定年後に新しい仕事にチャレンジしたい場合は、ご自身で求人を探してみましょう。ハローワークやシルバー人材センター、求人サイトや人材紹介会社などで情報を集められます。

ただし、60歳を定年としている企業が多く、若い人に比べると求人が少ないのが現状です。再就職を成功させるためには、シニア向けの人材紹介を利用したり、ご自身のスキルを活用できる職種を選ぶのも一案です。

起業する

現役時代に培った経験や技術を生かして、個人事業や会社を起こす選択肢があります。
定年後の起業を成功させるポイントは、現役時代のうちから必要な資格を取得したり、社内外に人脈を築いておくなどの準備を進めておくことです。事業内容も新しい分野に挑戦するのではなく、現役時代とリンクするものにしておくのが無難です。

起業すると、元気なうちは生涯現役でいられます。社会との繋がりや、収入を得られるのがメリットです。ただし、事業に失敗すると影響が大きいことに注意が必要です。退職金などを使ってしまった場合、それ以降の老後の生活が苦しくなる可能性があります。シニアの起業は、無理なく小規模にビジネスをスタートさせることも大切です。

セカンドライフのために、今からできる準備は?

セカンドライフのために、今からできる準備は?

充実した理想のセカンドライフを過ごすには、若い頃からの準備が欠かせません。体力的にも、経済的にも、精神的にも余裕のあるセカンドライフのために、以下のポイントを意識して1日も早く準備を始めましょう。

体力を維持する

定年後に充実したセカンドライフを送るには、一定の体力が必要です。適度な運動と睡眠、バランスの取れた食生活を習慣にして、できる限り体力の低下を防ぎましょう。

ただ、これまで運動の習慣がなかった方がハードなスポーツを始めると体に負担をかけてしまいます。手軽に始められるウォーキングや水中でトレーニング、ストレッチやヨガを生活に取り入れ、筋力や免疫力を維持するよう心がけましょう。

老後資金を貯める

公的年金だけでは、経済的に余裕のあるセカンドライフを送るのは難しいといわれています。
定年後も働き続けて定期収入を得ることも出来ますが、病気や家族の介護など不測の事態が発生して働けなくなる可能性もあります。
定年までに貯蓄を増やして老後の生活に備えることが重要です。

貯蓄が苦手な方は、先取り貯金などで少しずつでも貯金するように心がけましょう。また、より効率よく資金を作るためにiDeCoやNISAなど、比較的リスクの少ない運用方法を活用するのも1つの方法です。

新しいことに興味をもつ

あらゆることに興味をもつことは、人生において重要なことでしょう。
新たな人脈から老後の仕事が見つかるかもしれませんし、新しく興味を持ったことが、老後の趣味として没頭出来るものになる可能性もあります。

友人に勧められた音楽を聴いてみたり、新しくできたカフェに立ち寄ってみたり、どんなささいなことでも何か刺激を得られる可能性を秘めています。好奇心を忘れずに過ごすことはセカンドライフにもよい影響をあたえます。

友好関係を深める・広げておく

身近に親しい人がおり、一緒におしゃべりをしたり、気軽に外出したりできると、生活にメリハリができます。また、友人が悩みや不安を理解してくれれば、不安も和らぐでしょう。交流を通して楽しい時間を過ごすことで、精神的にも安定した日々が送れます。

また、友人に会いに行くという目的で外出が出来ます。外出するとほどよい運動にもなりますし、気分転換にもなります。相談相手にもなる友人の存在は、心と体の健康に大切なものになるでしょう。

定年後にしてはいけない過ごし方

もし、定年後に何にも夢中になれずにズルズルと過ごしてしまうと、お金も健康も逃してしまうかもしれません。ここでは、無意識に行ってしまいそうな危険な過ごし方をみていきましょう。

無計画に退職金を浪費する

退職金は、今まで働いてきたことへの報酬の一部です。退職金の一部を使って自分や家族へのご褒美をしたい方もいるでしょう。
しかし、欲しかったものや、やりたかったことに多くの退職金を使っていると、退職金は徐々に減っていきます。

後々、まとまった出費に退職金を使おうとした時、資金が底をついているかもしれません。定年後は収入が減ってしまう方が多いので、生活費の補填や突発的な出費に対応できるだけの資金を残しておいた方が安全です。
退職金を使う時は、可能な範囲で将来の出費も考えるようにしましょう。

家に引きこもる

定年退職後に特にやりたいことがなく家に引きこもっていると、外部との接点がなくなる方が多くいます。テレビや動画を見て過ごす方は、家族との会話もなくなり、孤独感を感じるようになるかもしれません。

また、必要最低限の行動しかしなくなると、筋力が衰えていきます。筋力が衰えると、動くのが辛くなり、さらに行動しなくなってしまいます。

その結果、少しの段差も超えられなくなり、転倒してケガをしてしまうことがあります。意識して散歩に出かけたり、積極的に家事をしたりして、体を動かすようにしましょう。

年金だけを頼りにした資金繰り

記事の中で何度かお伝えしていますが、大半の方は年金生活になると収入が減ります。その結果、現役世代に高所得だった人ほど生活レベルが上がっており、収入に対して生活レベルが高い場合があります。一度上がった生活レベルを下げるのは大変です。

また、年金で生活できていたとしても、病気・ケガ・災害などで突発的な出費が必要になるかもしれません。孫が生まれた途端、出費が増えるケースもあります。

年金以外に収入を得たり、定年までに貯蓄を作っておくと安心です。

不健康な食事

年齢を重ねると、免疫機能が落ちたり、身体機能が衰えたりして病気やけがになりやすいといわれています。健康な体を維持し、健康寿命を伸ばすためには、バランスのとれた食事が大切です。

しかし、料理をすることが負担に感じるようになると、食事に気を使えなくなることもあります。シニア向けのデリバリーなどもありますので、負担を軽減しつつバランスのよい食生活を送るよう心がけましょう。

既に生活習慣病で注意を受けている方は、特に栄養バランスに気を付けるようにしましょう。体調が悪化して、通院が多くなるほど体に負担がかかりますし、医療費もかかってしまいます。

まとめ

まとめ

長寿社会を迎え、定年後のセカンドライフの過ごし方の多様化が進んでいます。定年後も働き続ける、地方や海外に移住する、趣味に没頭するなど、選択肢はさまざまですが、今後どのような生き方をするにも、一定の体力と経済力が不可欠です。

若いうちから健康に気をつけて体力の維持・向上を心がけ、公的年金+αの備えとして老後資金の準備に努めましょう。

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