今さら聞けない30代・40代ではじめる「NISA(ニーサ)」入門講座~メリットや活用のしかた~

NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)とは、毎年、一定金額の投資により得られる利益にかかる税金が非課税になる制度です。NISAは、子どもの教育費や老後の生活資金の準備にも活用できます。制度の仕組みや利用上の留意点を踏まえて、はじめ方を習得しましょう。

今さら聞けない30代・40代ではじめる「NISA(ニーサ)」入門講座~メリットや活用のしかた~

そもそもNISAってなに? 初心者でも分かるNISAの基本のき

そもそもNISAってなに? 初心者でも分かるNISAの基本のき

NISAは、投資から生じる利益を非課税にすることで、個人が資産形成をしやすくすることを目的としてスタートしました。2014年に一般NISAが、次いで2016年にジュニアNISA、2018年にはつみたてNISAが始まりました。

この3つのNISAは、投資できる年間の金額や投資できる商品、非課税になる期間が制度ごとに異なります。NISAをはじめるには、口座を開設する必要がありますが、1人1つの口座しか開設できません。また、一般NISAとつみたてNISAはどちらかを選ぶことになります。
それでは、3つのNISAのそれぞれの制度の違いと特徴をみてみましょう。

①一般NISA

年間120万円までの投資により得られる利益(上場株式や株式投資信託などの配当金および運用益)が、最長5年間非課税になります。投資は年1回でも定期的な積立でもよく、運用商品は株式や投資信託を組み合わせることもできます。

②つみたてNISA

年間40万円までの金額で積立投資をし、そこから生じた利益が最長20年間非課税となります。金融庁の要件を満たした投資信託や上場投資信託(ETF)に、一定金額を毎月1回など、定期的かつ継続的に積み立てます。商品が絞られているので選びやすく、少しずつ時間をかけて資産形成をしたい方に適しています。

③ジュニアNISA

一般NISAの子ども版ともいえる制度です。年間80万円までの投資から生じた利益が、最長5年間非課税となります。口座開設ができるのは0~19歳の未成年者であるため、口座の管理は父母や祖父母などが行います。払い出しが可能となるのは18歳以降なので、大学や専門学校の入学資金の準備に活用できます。

3つのNISAの概要

種類一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
対象者日本に住む
20歳以上の成人※
日本に住む
20歳以上の成人※
日本に住む
0~19歳の未成年※
口座開設1人1口座1人1口座1人1口座
非課税対象
となるもの
株式・投資信託などの
配当金および運用益
一定の要件を
満たす投資信託や
上場信託(ETF)の
分配金および運用益
株式・投資信託などの
配当金および運用益
非課税投資額新規投資額で
毎年120万円
非課税投資総額
600万円
新規投資額で
毎年40万円
非課税投資総額
800万円
新規投資額で
毎年80万円
非課税投資総額
400万円
非課税期間最長5年間最長20年間最長5年間
投資可能期間2014年~2023年
12月末まで
2018年~2037年
12月末まで
2016年~2023年
12月末まで
払い出し制限なしなし18歳まで
払い出し制限あり
途中売却自由自由自由
金融機関の変更年単位で
変更可能
年単位で変更可能不可

※ 1月1日時点

3つのNISAの特徴

一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
①投資方法や組合せが自由
・株式や投資信託など投資対象が幅広い。
・一括で120万円を投資することも、
積立で利用することもできるなど投資方法が自由。
①定期的に積み立てる
・投資対象は一定の要件(※1)を
満たす投資信託に限定される。
・一定金額を毎月1回など
定期的かつ継続的に積み立てる。
①運用の管理は代理人が行う
口座の運用の管理は、
親族(両親、祖父母等)が代理で行う。
②保有資産を移管できる
5年間の非課税期間終了時は、
課税口座に移すか、
翌年に設定される非課税枠に
全額移すことができる。(※2)
②最長20年間、
非課税で保有できる
毎年最大40万円を
最長20年間投資することにより、
長期的な資産形成ができる。
②保有資産を移管できる
制度終了時に20歳になっていない場合は、
2024年以降の各年において
非課税期間(5年間)の終了した
金融商品を「継続管理勘定」に
移すことができる。
20歳まで非課税で運用できる。(※2)

※1 長期・積立・分散投資として適しているものとして、一定の要件とは、
・販売手数料がかからない。(0円)
・手数料(信託報酬)が低い。(一定水準以下)
・運用期間の満期がなく無期限または20年以上である。
・分配金の頻度が毎月ではないこと。
※2 一般NISAとジュニアNISAは、非課税期間(5年)終了時、保有している商品を、翌年の非課税枠に移して(ロールオーバーという)保有を続けることができます。ロールオーバーの手続きを取らない場合は、時価で特定口座(課税口座)に移されます。

NISAのここがすごい! メリットを全解説

NISAのここがすごい! メリットを全解説

前述の通り、増えた分は非課税で資産形成ができることがNISAの魅力のひとつですが、さらにNISAのメリットに迫ってみましょう。

①運用の自由度が高い

一般NISAは、5年間の非課税期間終了時に翌年分の非課税投資枠へ全額移し、さらに5年間非課税となりますから、最大10年間運用することができます。また、必ずしも5年間据え置く必要もないので、タイミングを見ながら売却したり新たに購入したりすることもでき、運用の自由度が高い制度といえます。

②長期で資産形成を続ける効果が大きい

つみたてNISAを利用すれば、運用の王道である長期・積立・分散投資による安定的な運用ができます。仮に、毎月3万円ずつ積み立て、年率3%で運用できたとし、その成果を運用期間が10年の場合と20年の場合で比較してみましょう。

20年間運用した場合、元本は10年の場合の2倍ですが、運用収益は4倍以上になります。
つまり投資を長期で継続する仕組みを作ることにより資産形成がしやすくなるわけです。つみたてNISAという制度があるからこそ、長く続けようというモチベーションにもなるでしょう。
しかし、運用には必ずリスクもともないます。運用は慎重に行いましょう。

毎月3万円を年率3%で運用できた場合

運用期間運用結果
10年419万円(元本360万円、運用収益59万円)
20年984万円(元本720万円、運用収益264万円)

※毎月3万円ずつ積み立て、年率3%の場合

③家族で非課税枠をフル活用する

NISAは家族で利用することができます。例えば、夫が一般NISAを、妻がつみたてNISAを、子ども2人がそれぞれジュニアNISAを利用すると、家族4人なら年間320万円(120万円+40万円+80万円+80万円=320万円)を非課税枠で運用することができます。ジュニアNISAは、資金の出し手として祖父母にもサポートしてもらい、家族でNISAをフル活用することができます。

3.実はNISAも注意点がある

NISAには魅力的なメリットが多いですが、利用の際には押さえておくべき注意点もあります。

①非課税枠の再利用は不可
1年間に利用できる投資枠は、それぞれのNISAに定められた限度額までです。
売却した分に相応する非課税投資枠は、同年に再利用することはできません。また、投資枠を全額使いきっていなくても、残りの投資枠を翌年に繰り越すことはできません。

②損益通算は不可
NISA口座で損失が生じても、特定口座など課税口座で生じた利益との損益通算(※)はできません。

※損益通算とは、利益から損失を差し引くことです。その年の利益が20万円、損失が8万円だった場合、20万円から8万円を差し引いた12万円が課税の対象になります。NISAの場合、このような損益通算ができません。

③今後の制度見直しの可能性

現制度は、スタート以来内容が改正されており、今後の変更にも目配りが必要です。2020年度税制改正により、次のような見直しが行われます。

・一般NISA:積立を行う非課税枠を設け、口座開設可能期間を5年延長。(2028年12月まで)
・つみたてNISA:口座開設可能期間を5年間延長。(2042年12月まで)
・ジュニアNISA:2023年12月末をもって廃止。

こんな人はNISAをはじめるべき!

4.こんな人はNISAをはじめるべき!

「貯蓄や節約だけで、子どもの教育費や自分の老後の生活資金の目標額に届くのか」不安に感じている30代・40代の方は、NISAを活用するのもよいでしょう。
つみたてNISAは、定期的な積立投資を長期で継続することで安定的な資産形成を目指すことができます。そのため、目標を少し先に見据えている30代・40代の人に向いています。50代から60歳以上の方にも、老後資金の準備や、退職金を運用し増やしながら長く使えるお金にするために有効です。ただ、つみたてNISAで利用できるのは投資信託や上場信託(ETF)のみですので、株式にも興味があるという方は、どちらも利用できる一般NISAが向いています。

NISAをはじめるならどこに相談する?

5.NISAをはじめるならどこに相談する?

NISAを利用するには、まずはNISA口座を開設する必要があります。あらかじめ、どの商品を購入したいのかを決め、それを取り扱っている金融機関を選びます。また、どのような商品を購入するかを決めかねている方は、ファイナンシャルプランナーや信託銀行などプロの知恵を借りましょう。

まとめ

まとめ

ここでは、NISAの特徴をご紹介しました。投資先である商品を選ぶことは資産形成に影響しますが、そのお金をどこで運用するかということも成果にかかわる大事な要素です。値上がり益が非課税になる分、リターンが高くなる場所(NISAの非課税枠)を利用し、より上手な資産形成を目指しましょう。

【参考】金融庁 つみたてNISAの対象商品 詳しくはこちら

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ