定期よりもお金が貯まる!「積立貯金」をおすすめする理由

お金を貯めたいのになかなか貯められない、という方は「積立貯金」を使ってコツコツと貯めるのがおすすめです。お金を上手に貯めている人には、自動的に貯まる仕組みを作っている人が多いのです。ここでは、「積立貯金」の概要と効果的な利用方法をお伝えします。

定期よりもお金が貯まる!「積立貯金」をおすすめする理由

積立貯金とは

積立貯金とは

積立貯金とは、毎月●日に●万円というように一定のタイミングで一定の金額を積み立て、満期日にまとめて受け取る金融商品のことです。積立金額は金融機関によって異なりますが、月々1,000円から1,000円単位で取り扱っているところが多く見受けられます。また、一定額が貯まったらその額を1つの単位とし、定期預金に切り替えるケースがほとんどです。預入期間も6ヶ月から5年程度とさまざまであり、ニーズに応じて期間を選べるのも特徴といえるでしょう。

毎月指定日に一定金額を口座振替にて積み立てる方法が一般的ではあるものの、ボーナス月に積立金額を増額するほか、ATMや金融機関の窓口でまとまった金額を臨時で入金できる場合もあります。

積立貯金と定期預金との違い

積立貯金と定期預金との違い

銀行にお金を預ける選択肢として、積立貯金以外に「定期預金」を思い浮かべる方もいるかもしれません。いずれも「預けたお金に対する利息を得る」といった点では共通していますが、預金額や制限に違いがあります。以下の表で確認してみましょう。

預入期間 預入単位 金利 中途解約
積立貯金 6ヶ月~5年など 1,000円以上
1,000円単位など
固定 可能(※1)
定期預金 1ヶ月~10年など 1円以上
1円単位など
固定・変動 原則不可(※2)

(※1)中途解約の場合、金利は中途解約利率となる
(※2)原則は解約不可だが、やむを得ない事情があれば認められる(金利は中途解約金利となる)

定期預金は、まとまったお金を一度に預け、普通預金や積立貯金より高い金利で利回りを得るために利用されることが多いです。積立貯金よりも金利が高い傾向にあるため、預け入れや引き出しに制限を設けているケースがほとんどです。
また、積立貯金は固定金利ですが、定期預金は金融機関によって変動金利も扱っています。固定金利の場合は以下いずれかの方法で受け取ることになります。

・半年複利で増やして満期時に一括して受け取る(複利)
・1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年ごとなどのように定期的に金利を受け取る(単利)

出典 

積立貯金の種類

積立貯金の種類

積立貯金にはいつくかの種類があり、コツコツと継続する上でおすすめなのが、給料からの先取り貯金です。
毎月の給与が振込まれる時を積立貯金のタイミングとすることで、強制的に先取り貯金をすることができます。また、貯金する分のお金は無かったものとして、残ったお金でやりくりをするのが貯め上手になるコツです。

ここからは、先取り貯金をするのに利用できる積立貯金の商品や方法を紹介します。

財形貯蓄制度

財形貯蓄制度(勤労者財産形成貯蓄)とは、勤務先が制度を導入している場合に利用できる積立制度のことで、毎月一定額が給料から自動的に天引きされます。財形貯蓄制度は下記のように「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3つに分けられるほか、住宅資金や老後資金を貯める場合には、利子などが非課税になるという特徴があります。勤務先にこの制度があり、給与天引きでお金を貯めたいという場合は検討してみましょう。

■財形貯蓄制度

積立貯金の種類

積立定期預金

銀行で取り扱っている積立貯金の代表的なものが、「積立定期預金」です。積立定期預金では、決まった積立日に普通預金口座から定期預金口座へ自動で振替をし、積み立てを行います。勤務先に財形貯蓄制度が無い人でも、給与振込口座から自動的に振り替えられるように設定しておくことで、先取り貯蓄が可能になります。

最低積立金額は、1,000円、5,000円、1万円など銀行により異なりますが、比較的少額で始められます。期間を定めずにコツコツと続けていくタイプの積立定期預金が一般的ですが、目標日を定めて積立する「目標型」「目標日指定型」を取り扱っている銀行もあります。「子供の進学時に向けて」、「●年後の記念の旅行に向けて」、など目標の日が決まっている積立をするのに向いています。

定期積金

信用金庫や信用組合などで取り扱われている商品に「定期積金」があります。定期積金の積立期間は6ヶ月から5年の間で選択でき、満期日に受け取る金額を決める目標式と、掛金額を決めて積み立てる定額式があります。
満期日に受け取る給付金額と掛金の累計額との差額で、利息に相当する部分を「給付補てん金」といいます。

銀行や信金など、どの金融機関にも積立できる商品がありますので、今すぐにでも積立をスタートしたいという方は利用を検討しましょう。

投信積立

長期的にお金を増やすことも意識して積立をしたいという方は、投信積立も検討してみましょう。投信積立では毎月決まったタイミングで投資信託を自動的に購入し、積立を行います。なお、投資信託とは多くの人から集めた資金を1つにまとめ、投資の専門家である運用会社が国内外の株式や債券などに投資・運用する金融商品のことです。運用によって得られた成果は投資家に分配されます。

投資信託は元本保証ではないため、元本割れする可能性もあります。リスクを軽減するためには、投資対象や購入するタイミングを分散するとよいとされています。定期的に一定額の購入を行う投信積立では、購入のタイミングを分散できるため、リスクを軽減する効果が期待できるでしょう。

少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」

NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)とは、毎年一定金額の投資により得られる利益にかかる税金が非課税になる制度です。運用の自由度が高く、長期で資産形成を続ける効果が大きいというメリットがあります。

また、令和5年度の税制改正に伴い従来のNISA制度が抜本的に拡充され、2024年1月から新NISAとしてスタートすることが決定しています。新NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」が一体化されたほか、年間投資上限額や生涯投資上限額が大幅に引き上げられました。

【現行のNISA制度と新NISA制度の違い】

積立貯金の種類

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、厚生年金や国民年金などの公的年金の上乗せとして任意に加入できる私的年金のことです。

iDeCoは自分で掛金の額を決め、自分で商品を選んで運用します。掛金は最低5,000円以上から始められるものの、掛金の上限は個人条件によって異なるので注意しましょう。また、毎月同額を積み立てる、あるいはボーナス月など月によって金額を変えることもできます。60歳になるまで掛金を拠出することができ、掛金とその運用益の合計額を60歳以降に老齢給付金として受け取ります。

iDeCoには3つの税制優遇メリットに加えて、転職時や起業しても資産を移動できるというメリットもあります。

iDeCoについては以下の記事でも詳しく取り扱っているため、よければ合わせてご覧ください。

関連記事:iDeCo(イデコ)加入のチャンス到来!かも

積立貯金のメリット・デメリット

積立貯金のメリット・デメリット

ここでは、積立貯金のメリット・デメリットについて解説します。

積立貯金のメリット

積立貯金は指定口座から自動的に一定額を振り替えて積立ができるため、計画的に資産形成を行うことができます。また、少額での積立も可能なので、無理なく継続できるでしょう。積立額の変更もできるので、余裕のある時には増額できるほか、積立額が負担になってきた時は金額を減らすことも可能です。

また、積み立てた金額から途中で自由に引き出せるような取扱いとなっていれば、急に資金が必要になった場合でも、一部を引き出すことができます。

積立貯金のデメリットや注意点

積立貯金の注意点として、積み立てた金額がまとまって定期預金となった場合において、満期日前に解約すると期日前解約利率が適用され、当初の金利よりも低くなることが挙げられます。普通預金よりも高い金利が適用されるものの、昨今の低金利の状況から、大きな運用収益を見込むことは難しいでしょう。

定期預金のメリット・デメリット

定期預金のメリット・デメリット

続いて、定期預金のメリット・デメリットについてもみていきましょう。

定期預金のメリット

定期預金のメリットとして、金融機関によっては一部を解約できる商品が取り扱われていることが挙げられます。特に1口が1,000万円以上の大口定期預金では、金融機関と預金者との間で金利を決めることができることも少なくありません。
また、普通預金とセットした総合口座とすれば、預入残高の90%で金融機関が定める最高限度額まで融資が受けられます。この場合の利息は、預入金利に0.5%を上乗せされたものとなるのが一般的です。

定期預金のデメリットや注意点

定期預金のデメリットは、原則として満期日前に解約することができない点です。とはいえ、やむを得ない事情であると金融機関が認め、中途解約をする場合は期限前解約利率が適用され、あらかじめ定められた金利よりも低い金利が適用されます。大口定期預金では一般的に一部解約ができない点にも注意しましょう。

積立貯金が向いている人

積立貯金は現在資産にそこまでの余裕はないけれど、これから資産形成をしたいと考えている人に向いています。毎月定期的に積み立てる仕組みを作っておくことで、無理なく資産形成を行うことができるでしょう。積み立てた金額の元本を確保しながら、結婚資金や子供の教育資金、住宅を購入するための頭金・諸費用、老後資金など、ライフステージに応じて生じる資金の準備を始める時にも適しています。

また、積立貯金は途中解約が比較的簡単であることから、途中で解約の可能性が考えられる人にもおすすめです。

定期預金が向いている人

定期預金はある程度資産に余裕があり、長期預け入れをしても問題がない人に向いています。定期預金にまとめて預け入れをすることで、積立貯金や普通預金と比較して好利回りを得られるかもしれません。また、「普通預金に預け入れしておくと、つい使ってしまう」という人は、中途解約に制限が設けられている定期預金に預けておくことで安易な引出しに歯止めをかけられるでしょう。

前述のように、普通預金とセットした総合口座としておけば、カードローンより低い利息で不意な出費に備えることもできます。

まとめ

まとめ

積立貯金は、コツコツと自動的にお金を貯めるためには最も適した仕組みです。
何のためにお金を貯めるのか、目的に合った商品や制度を選択した上で、早めにスタートをすることが大切です。最初は無理のない範囲で少額からスタートして、負担にならないようであれば目標に合わせて少しずつ増額をしていきましょう。

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