2024年から大変更!ジュニアNISAの廃止や新NISA制度をFPが解説

2024年1月からNISA制度が変更になり、より長期・分散・積立投資を行える制度になります。最も大きな変更点はジュニアNISAの廃止ですが、すでに口座を開いた人や、これから開こうとしている人が知っておくべき注意点を整理します。また、一般NISAの変更点なども含め、押さえておきたいポイントについても解説します。

2024年から大変更!ジュニアNISAの廃止や新NISA制度をFPが解説

まずは確認、ジュニアNISAの基本

まずは確認、ジュニアNISAの基本

NISA(少額投資非課税制度)とは、株式や投資信託などの売却益や配当に対してかかる約20%の税金が、一定の範囲で非課税になる制度です。現在、NISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。

ジュニアNISAは、未成年者(1月1日時点で0~19歳。2023年1月1日からは0~17歳)を対象とした少額投資非課税制度です。非課税投資枠は年80万円までで、非課税期間は5年のため、最大400万円まで投資でき、この元本に対する配当や売買益が非課税となります。株式を売買するほか、投資信託の積立投資(累積投資契約に基づく買付け)も可能です。実際の運用管理は、口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母等)が行います。

教育資金など子どものための口座という位置づけから払い出しには制限があり、原則、3月31日時点で18歳である年の翌年1月1日以降でないと払い出すことができません。実際には、それ以前にも払い出すことはできるのですが、払い出した分に関して、非課税の優遇が適用されなくなり、売却益やすでに受け取った配当にも課税されます。

ジュニアNISAの概要と変更点

項目内容
対象者日本在住で0~19歳(1月1日現在)
*2023年以降は0~17歳
運用する人二親等以内の親族(両親・祖父母等)
非課税投資枠新規投資額で年80万円が上限
非課税期間最長5年間
新規投資可能期間2023年まで⇒2023年で廃止決定
投資対象上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)等
運用方法通常買付け・積立投資
払い出し3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは、原則、払い出せない(災害等やむを得ない場合を除く)

ジュニアNISAの廃止に伴う4つの注意点

ジュニアNISAの廃止に伴う4つの注意点

ジュニアNISAは、利用実績が乏しい(2019年9月末時点で口座数34万口座、買付額 1,500 億円)ことから、新規口座開設は2023年12月末までとなり、制度が終了します。それに伴う4つの注意点を整理しておきましょう。

<注意点1>新規投資は2023年12月末まで

すでにジュニアNISA口座を開設している人も、これから開く人にも共通しますが、ジュニアNISA口座で新規の投資ができるのは2023年12月末までです。

<注意点2>18歳未満でも非課税で払い出せるようになるが、全額一括のみ

2024年以降は、払い出し制限がなくなり、18歳未満でも非課税で引き出すことができるようになります。ただし、ジュニアNISAの非課税口座で運用を続けながら一部を引き出すことはできず、あくまでも利用しているジュニアNISA口座を解約して一括で引き出すことを意味します。

<注意点3>成人まで運用を続けたいなら、ロールオーバーを忘れずに!

2024年以降も成人になるまで非課税で運用し続けることができます。ただし、ジュニアNISAの非課税期間は5年間ですので、非課税期間が終わる商品を、翌年の非課税投資枠に移管するロールオーバーを行う必要があります。ロールオーバーの際には、時価が80万円を超過していても移すことができます。

<注意点4>成人になると自動的に一般NISA口座に

ジュニアNISA口座の対象者が、1月1日時点で成人(20歳、2023年以降は18歳)になると、自動的に一般NISA口座が開設され、保有している株式や投資信託をロールオーバーできます。もし、成人後につみたてNISAを行いたい場合は、前年末までにジュニアNISA口座を閉めてお金を取り出し、別途つみたてNISA口座の開設手続が必要です。

2024年度からは新NISA制度で長期投資を

2024年度からは新NISA制度で長期投資を

2024年度からの変更は、一般NISAやつみたてNISAにもあります。それぞれの概要とともに、変更点の確認をしておきましょう。

NISAの仕組み、2024年度からの変更

<一般NISA>5年延長し、2階建てに(新NISA)

一般NISAは、現在、新規で投資できる額は年間120万円までで非課税期間は5年のため、最大600万円までの投資ができ、その元本に対する配当や売買益が非課税となります。投資できる金融商品は、株式、ETF(上場投資信託)、投資信託、REIT(不動産投資信託)等です。
この一般NISAの口座開設可能期間が、2023年までだったものが5年延長の2028年までとなりました。

1階部分が年20万円、2階部分は102万円が上限

さらに、内容も上図の2階建ての制度となります。1階部分は、つみたてNISA同様、積立投資を基本とする「安定的な資産形成」、2階部分は株式や投資信託等のスポット買いを中心とする「成長資金の供給拡大(長期保有の株主育成)」と「安定的な資産形成」です。投資額の上限は、1階部分が年20万円、2階部分が年102万円に変わります。

原則、2階の非課税枠を利用するには、1階の積立投資を行うことになりますが、2023年までにNISA口座を開いた人や投資経験がある人は2階部分のみの利用もできます。

1階部分はつみたてNISAにロールオーバー可能

現在の一般NISAは、非課税期間が終了した後は売却または特定口座などに移管するしかありませんでした。しかし、今回の改正で5年の非課税期間が経過後、1階部分は非課税期間が20年のつみたてNISAにロールオーバーできるようになります。つまり、2階建てになることで非課税のメリットを受けながら長期投資が可能になるのです。

一般NISAの概要と変更点(新NISA)

項目内容
対象者日本在住で20歳以上(1月1 日現在)
*2023年以降は18歳以上
非課税投資枠新規投資額で年120万円が上限
⇒1階の新規積立投資額が年20万円、2階の新規投資額が年102万円が上限
非課税期間最長5年間
新規投資可能期間2023年まで⇒2028年まで
投資対象上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)等
運用方法通常買付け・積立投資
途中引き出しいつでも可能

<つみたてNISA> 新規口座開設が5年延長

つみたてNISAは、新規の投資額は年間40万円までで非課税期間は20年のため、最大800万円までの投資ができ、その元本に対する配当や売買益が非課税となります。投資できる商品は、金融庁の基準に合う長期の積立投資に適した投資信託等に限られているのも特徴です。投資の手法としては、名称の通り、積立投資に限られています。

つみたてNISAについては、口座開設できる期間が2042年までと、5年間延長になりました。

つみたてNISAの概要と変更点

項目内容
対象者日本在住で20歳以上(1月1日現在)
*2023年以降は18歳以上
非課税投資枠新規投資額で年40万円が上限
非課税期間最長20年間
新規投資可能期間2037年まで⇒2042年まで
投資対象基準を満たした長期投資に向く投資信託等
運用方法積立投資
途中引き出しいつでも可能

まとめ

NISA(少額投資非課税制度)には、非課税メリットがある点をおわかりいただけたでしょうか。ジュニアNISAも、資金的に余力があれば、廃止前に口座開設を検討するのもよいかもしれません。投資にはリスクが伴うことを忘れずに、メリットとのバランスを慎重に考えたいものですね。

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