20代はボーナスをどのくらいもらってる? リアルな年収事情や使い道とは

20代の平均的なボーナス支給額はいくらなのでしょう。この記事では年代別のボーナス額や年収などのデータも示したうえで、夏冬別・企業規模別・男女別のボーナス支給額やその使い道などを紹介します。気になるお金事情や使い道について考えてみましょう。

20代はボーナスをどのくらいもらってる? リアルな年収事情や使い道とは

20代の年間ボーナスの支給額は37~64万円

20代の年間ボーナスの支給額は37~64万円

厚生労働省が発表した2021年の「賃金構造基本統計調査」によると、20代の年間ボーナス支給額は20~24歳で37万6,100円、25~29歳で64万8,100円となっています。全体のボーナスの平均支給額は87万5,500円なので、20代の若手が受け取れるボーナス額はそれより大きく下回ります。

この全体のボーナスの平均支給額87万5,500円を超える年齢層は、35~39歳以上からです。あくまで平均であり、企業によってボーナスの仕組みや水準は異なりますが、20代の方は10年後のボーナスは30万円〜40万円アップしているという数字は一つの目安といえるでしょう。

年代別のボーナス支給額

年齢ボーナス支給額
全体87万5,500円
20~24歳37万6,100円
25~29歳64万8,100円
30~34歳77万8,400円
35~39歳91万200円

【参考】政府統計の総合窓口「令和3年 賃金構造基本統計調査」詳しくはこちら

次に同じ厚生労働省の調査から年代別の年収をみてみると、20~24歳では全体から150万円以上、25~29歳でも全体から100万円近くの差があることが分かります。年収の水準もボーナスと同様に、全体の平均に追いつくためには10年以上が必要です。

年代別の年収

年齢平均年収
全体456万4,300円
20~24歳293万3,300円
25~29歳360万2,500円
30~34歳408万8,000円
35~39歳457万200円

※年収=所定内給与×12ヶ月+ボーナス
※所定内給与=残業代などを含まない月給

【参考】政府統計の総合窓口「令和3年 賃金構造基本統計調査」詳しくはこちら

【夏冬別】20代のボーナス平均支給額

【夏冬別】20代のボーナス平均支給額

多くの場合、ボーナスは夏季と冬季の2回支給されます。夏冬でボーナス支給額に違いはあるのでしょうか。

転職求人サイト「doda」が社会人1万5,000人を対象に行ったアンケート調査によると、2022年における20代のボーナス支給額の平均は、年間70万4,000円でした。そのうち、夏季のボーナスが33万5,000円、冬季のボーナスが31万8,000円、決算賞与などのその他のボーナスが5万1,000円という内訳です。冬季より夏季の方が1万7,000円分、高い支給額になっています。

なお、同調査では、2022年における20代の年間ボーナス支給額は前年比で7万5,000円分アップしていることも報告されています。

【参照】doda「職種や年代でボーナス・賞与はどう変わる?ボーナス平均支給額の実態調査【最新版】(冬・夏、年代別、職種別の賞与)」詳しくはこちら

【業種別】20代のボーナス平均支給額

【業種別】20代のボーナス平均支給額

20代のボーナスは、業種別ではどのような違いがあるのでしょうか。前掲資料の厚生労働省のデータから、25~29歳の層で確認してみましょう。

2021年における20代(25~29歳)のボーナス支給額が最も多い業種は「金融業、保険業」で、年間支給額は100万9,100円です。次いで、「電気・ガス・熱供給・水道業」が100万4,300円となっています。20代でボーナス支給額が100万円を超えているのはこの2つの業種だけです。

この2つに続いて、80万円台に「建設業」「不動産業,物品賃貸業」「鉱業,採石業,砂利採取業」が位置します。全業種・全年齢の平均ボーナス支給額が約87万円なので、この3つの業種は20代のうちにおおむねその水準に到達していることになります。

この下の70万円台に該当するのが、「情報通信業」「学術研究,専門・技術サービス業」「複合サービス事業」の3つの業種です。同調査における25歳から29歳全体の平均が約64万円なので、ここまでが同世代の平均よりもボーナス支給額が上のラインと捉えられるでしょう。

逆に平均よりも大きく下回っているのが、「宿泊業,飲食サービス業」と「生活関連サービス業,娯楽業」です。この2つの業種のボーナス支給額は共に26万円台となっており、同世代の平均の半分以下の額です。

このように、ボーナス支給額は業種によって大きく異なっています。その時々の業界の成長度合いや経済状況によって変動はありますが、業種によるボーナスの特徴として参考にするとよいでしょう。

25歳から29歳の業種別ボーナス支給額

業種ボーナス支給額
金融業,保険業100万9,100円
電気・ガス・熱供給・水道業100万4,300円
建設業84万600円
不動産業,物品賃貸業83万8,500円
鉱業,採石業,砂利採取業83万7,900円
情報通信業78万6,900円
学術研究,専門・技術サービス業76万5,300円
複合サービス事業72万400円
製造業68万3,300円
教育,学習支援業66万3,300円
卸売業,小売業63万2,400円
運輸業,郵便業59万5,100円
医療,福祉59万2,000円
サービス業(他に分類されないもの)38万5,500円
宿泊業,飲食サービス業26万5,200円
生活関連サービス業,娯楽業26万1,800円

【参考】政府統計の総合窓口「令和3年 賃金構造基本統計調査」詳しくはこちら

【企業規模別】20代のボーナス平均支給額

【企業規模別】20代のボーナス平均支給額

企業規模別にみた場合、やはり従業員の多い大規模な企業の方がボーナス支給額も多いことが分かります。厚生労働省の前掲調査によると、従業員数別でみた場合の25~29歳のボーナス支給額は以下の通りです。

10~99人規模:43万2,900円
100~999人規模:65万9,100円
1,000人以上規模:77万6,900円

【参考】政府統計の総合窓口「令和3年 賃金構造基本統計調査」詳しくはこちら

この結果を補強する材料として、日本経済団体連合会(経団連)が公表しているボーナス支給額の調査結果も確認してみましょう。これは従業員500人以上の主要21業種大手254社を対象にした調査です。参照することで、いわゆる大手企業のボーナス支給額が分かります。

この調査によると、大手企業の2022年夏季のボーナス支給額の総平均は89万9,163円でした。同じく年末の総平均は89万4,179円となっており、年間の合計では179万3,342円になる計算です。

この調査では年齢別の平均額までは分かりませんが、大手企業の20代が受け取っているボーナスのおおよそのイメージは掴めるのではないでしょうか。厚生労働省が公表している全年齢平均の年間ボーナス支給額が87万5,500円です。この数字と比較すると、大企業の平均的な従業員は、一般的なボーナス支給額の2倍以上を受け取っていることになります。ここから推測するに、大企業ならば20代のうちに年間100万円前後のボーナスを受け取っていても不思議ではないでしょう。

【参考】一般社団法人 日本経済団体連合会「2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果 ※PDF」詳しくはこちら

【参考】一般社団法人 日本経済団体連合会「2022年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果 ※PDF」詳しくはこちら

【男女別】20代のボーナス平均支給額

【男女別】20代のボーナス平均支給額

男女の経済的格差が問題視される今日ですが、それはボーナス支給額にも表れています。男性の平均ボーナス支給額が101万8,200円なのに対して、女性の方は61万7,000円にとどまります。25歳~29歳の若手同士で比べても、男性への平均支給額が69万4,500円なのに対して、女性への支給額は58万3,900円という結果です。

大卒同士で比べると、25~29歳の男性は79万8,500円、女性は74万3,300円といくらかその差が縮まります。ただし、大卒の男性のボーナス支給額が30~34歳になると100万8,100円にまで大きく飛躍するのに対し、女性の方は77万7,600円と少ししか増えません。ここには、出産・育児などの負担を女性が背負い込むことで、正社員としてのキャリアにストップがかかってしまうという事情が見え隠れしています。

【参考】政府統計の総合窓口「令和3年 賃金構造基本統計調査」詳しくはこちら

20代のボーナスの使い道

20代のボーナスの使い道

20代のボーナスの使い道はどうなっているのでしょうか。

日本生命が2022年6月に行った夏のボーナスに関する調査では、20代の76.7%がボーナスを貯蓄・資産形成に回すと回答しました。この割合は前年比2.7%上昇しており貯蓄や資産形成に対する意識が高まっていることが窺えます。

ボーナスを貯蓄・資産形成に回すか?

回答 全体 ~20代30代 40代 50代 60代 70代 
はい75.4%76.7%75.0%77.20%77.60%62.70%56.20%
いいえ24.6%23.3%25.0%22.80%22.40%37.30%43.80%

貯蓄・資産形成に回す割合

回答全体~20代
1~2割未満16.0%15.7%
2~4割未満14.1%21.6%
4~6割未満15.0%14.8%
6~8割未満10.9%11.5%
8~10割未満10.5%8.2%
10割(全額)8.9%4.9%

【参考】日本生命相互会社『ニッセイ インターネットアンケート~「夏のボーナス」について~(2022年)※PDF』詳しくはこちら

このデータによれば、貯蓄や資産形成に回す割合で最も多いのは2~4割となっています。8割以上を貯蓄や資産形成に回す、という回答が全体平均よりも低いのも特徴です。同調査からは、20代の多くが貯蓄や資産形成を一部にとどめ、のこりを生活費の補填や国内旅行等のレジャーに使っていることがわかります。

また、2019年の少し古いデータになりますが、20代が資産形成において選択した金融商品の種類は下記の通りです。預貯金が最も多く8割を超え、株式や投資信託などリスクのある金融商品を選択する人はいずれも5%未満となっています。全体と比較すると20代は預貯金の比率が高く、リスク商品へ投資する比率が低いという傾向があります。

貯蓄・資産形成のボーナスの使い道

種類全体20代
預貯金75.10%80.90%
株式6.50%3.70%
投資信託5.90%4.40%
生命保険(貯蓄型)3.70%2.20%
外貨預金1.70%2.20%

【参考】日本生命相互会社『ニッセイ インターネットアンケート~「夏のボーナス」について~(2019年)※PDF』詳しくはこちら

ボーナスを増やす方法

ボーナスを増やす方法

何かと不安な世情の中、収入をできるだけ増やしたいと願うのは当然のことです。では、ボーナスを増やすにはどうしたらよいのでしょうか。ボーナスを増やす方法を紹介します。

営業成績を上げる

ボーナスの金額は個人の営業成績に応じて決まる企業もあるので、特に営業の職種の方は自分の営業成績を上げることは一つの方法です。直接的に自分の営業成績が自分のボーナスの金額に反映されなくても、自社の業績や従業員の人事評価をボーナス額の査定に反映する企業もあるので、仕事で成果を出すことで支給額が上がる可能性があります。

まずは、会社の人事評価の基準を確かめることをおすすめします。会社がどのような人材を評価しているのか、どのような成果に重点を置いているのか把握し、その評価基準に沿った働きをしていくことで、人事評価を高めやすくなるでしょう。また、「報・連・相」をしっかり行ったり、自分から積極的に仕事を探したりと、上司に評価される人材になることも効果的です。

社内で昇進する

社内で昇進するのもボーナスを増やすために役立ちます。ボーナスの額は基本給に、基本給は役職の高さと連動している場合が多いので、昇進はボーナスのアップにつながります。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、役職別にみた賃金は、係長級が約36万円、課長級が約47万円、部長級が約57万円です。つまり、役職がひとつ上がるごとに約10万円賃金がアップしています。基本的には賃金アップにともなってボーナスの額も上がります。

【参考】厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況 ※PDF」詳しくはこちら

社内で昇進をするには、やはり社内で成績や評価を上げていくしかありません。ただし、管理職になると、プレイヤーとしての能力よりマネージャーとしての能力が必要になってくるので、頑張り方を変えていく必要があります。

ボーナスの高い会社に転職する

昇進していくのが待ちきれない、あるいは実際に昇進できたとしても大きな増額が見込めない場合もあるでしょう。
そうした場合は、給与やボーナスが今よりも高い会社に転職するのも方法です。新しい環境にチャレンジするには勇気が必要ですが、まだ若い20代ならば新しい業界に飛び込んでもよいでしょう。新しい会社でキャリアアップしていくことで、ボーナスも含めた収入がアップすることは十分に期待できます。

なお、もし転職の時期がボーナスの支給時期と被るようなら、ボーナスをしっかり受け取った後で退職するのもひとつの考え方です。とはいえ、転職先の都合もあるので、ボーナスにこだわってよい転職のチャンスを逃さないようにご注意ください。

ボーナスで資産運用する

ボーナスそのものを増やすのではなく、ボーナスを元手に資産運用によってお金を得る方法もあります。
普段の給与で生活できているなら、ボーナスは自由に使えるお金です。使わずに貯めておくという堅実な人も多いかもしれませんが、現状だと銀行に預けても金利がほとんどつきません。それなら、より高い利益が見込める投資などに資金を回すのはひとつの手です。

初心者が投資を行う場合は、ローリスクローリターンをこころがけましょう。具体的には、長期投資・分散投資を意識してリスクマネジメントするのがおすすめです。たとえば、少額投資のNISAや個人で年金を積み立てられるiDeCoは 、少ない資金で始められるうえ、税制上の優遇も受けられます。個人向け国債などもリスクの少ない投資方法です。

資産運用を通して20代のうちからお金に関するリテラシーを学んでおくことは、老後資金の形成などを本格的に考え始める際にも役立つでしょう。

まとめ

20代の平均的なボーナス支給額について紹介しました。8割以上がボーナスを貯蓄・資産形成に回すというアンケートの回答もあることから、現代の20代は若いうちから将来に備える意識が高く、堅実なライフプランを検討している人が多い傾向です。

資産形成をする場合、リスクを抑えた投資をするには長期投資・分散投資がおすすめです。20代のうちから少額からでも投資を始めておくと、将来に有利に働きやすくなるでしょう。

三菱UFJ信託銀行「50歳からのライフパートナー宣言」
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