美容師の年収やボーナスは?男女で違いはある?
普段から美容院を利用している人は多いものの、そこで働く美容師の年収やボーナス、賃金制度などは気にしたことはないかもしれません。しかし、これから美容師を目指す人にとっては気になるポイント。この記事では、男女や年代などのさまざまな視点から美容師の賃金やボーナス、そして年収を紐解いていきます。
美容師の年収は376万円、ボーナスは0.02ヶ月分
厚生労働省が発表した平成30年賃金構造基本統計調査によると、理容・美容師の給与は24万5,900円、年間の賞与は7万2,100円。年収は302万2,900円です。
【参考】平成30年賃金構造基本統計調査 詳しくはこちら
仕事をしている人全体の平均は、給与が30万6,200円で、年間の賞与は93万1,600円。年収は460万6,000円。美容師単独の収入のデータはありませんが、全体との比較で収入の水準は決して高くないと推測できます。
【参考】平成30年賃金構造基本統計調査 詳しくはこちら
年代別では男女で差がある
それでは年代別の収入はどうなっているのでしょうか。こちらも美容師単独のデータはないので、理・美容師の男女別の月収と賞与、年収を年代別にピックアップします。全体的に収入の水準が高くないことと、男性では44歳までは年齢が上がるごとに年収が上がっている一方、女性の年収は最高でも300万円代にとどまっていることがわかります。
理・美容師男性の年収
年代 | 給与 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
~19歳 | 16万9,700円 | 1,200円 | 203万7,600円 |
20~24歳 | 19万6,600円 | 3万1,200円 | 239万0,400円 |
25~29歳 | 23万8,300円 | 4万5,700円 | 290万5,300円 |
30~34歳 | 28万7,400円 | 31万6,400円 | 376万5,200円 |
35~39歳 | 40万6,300円 | 5万8,900円 | 493万4,500円 |
40~44歳 | 46万7,500円 | 5万6,200円 | 566万6,200円 |
45~49歳 | 30万4,300円 | 12万8,300円 | 377万9,900円 |
理・美容師女性の年収
年代 | 給与 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
~19歳 | 19万6,500円 | 3,700円 | 236万1,700円 |
20~24歳 | 19万2,300円 | 2万5,100円 | 232万2,700円 |
25~29歳 | 22万2,600円 | 7万6,000円 | 274万7,200円 |
30~34歳 | 25万5,200円 | 8万2,900円 | 314万5,300円 |
35~39歳 | 28万3,600円 | 5万4,300円 | 345万7,500円 |
40~44歳 | 25万8,200円 | 9万3,700円 | 319万2,100円 |
45~49歳 | 26万6,300円 | 11万4,000円 | 330万9,600円 |
理・美容師全体の年収
年代 | 年収 |
---|---|
~19歳 | 219万9,700円 |
20~24歳 | 236万1,600円 |
25~29歳 | 282万6,300円 |
30~34歳 | 345万5,300円 |
35~39歳 | 419万6,000円 |
40~44歳 | 442万9,200円 |
45~49歳 | 354万4,800円 |
※年収=「きまって支給する現金給与額」×12(ヶ月)+「年間賞与その他特別給与額」で計算
※数値は「企業規模計(10人以上)」のもの
※理・美容師全体の年収は独自計算(全体の年収=(男性の年収+女性の年収)➗2)
【参考】平成30年賃金構造基本統計調査 詳しくはこちら
企業規模で異なる収入や就労条件
理・美容師の企業規模別の年収と残業時間を紹介します。企業規模が大きいほど年収が高くなり、残業も長くなる傾向にあります。
企業規模別の年収と残業時間(男性)
企業規模 | 年収 | 残業時間 |
---|---|---|
10人~99人 | 336万3,900円 | 6 |
100人~999人 | 340万1,900円 | 13 |
1000人以上 | 362万2,600円 | 26 |
企業規模別の年収と残業時間(女性)
企業規模 | 年収 | 残業時間 |
---|---|---|
10人~99人 | 274万7,600円 | 5 |
100人~999人 | 290万1,800円 | 11 |
1000人以上 | 320万4,100円 | 25 |
【参考】賃金構造基本統計調査 詳しくはこちら
普及する美容師のランク制
美容師の平均的な収入や仕事ぶりが明らかになりましたが、美容師には独特のシステムがあります。それがランク制と言われるものです。
美容師になるためには美容師国家資格が必要で、その受験資格を得るためには厚生労働大臣指定の養成学校の必要課程を修了しなければなりません。養成学校では2年間、通信教育の場合は3年間という修了までの期間が定められています。無事、国家資格を取得した後に美容室(ヘアサロン)に就職することが一般的です。
ヘアサロンによって、それぞれのランクの呼び名に若干の違いはありますが、就職してすぐはアシスタントして下積み期間を過ごします。
カットをすることが認められるようになって以降は、
・ジュニアスタイリスト
・スタイリスト
・トップスタイリスト
・ディレクター
・アートディレクター
と言う形でランクアップします。
ランクアップするごとに、収入も上がっていきます。
トップスタイリスト以上のランクの美容師は、平均を大きく上回る収入を得ると言われています。それが反映されにくいのは、美容師はピラミッド型の構造の実力主義であり、だれもが順調に階段を登るわけではないことと、定着率が低く、離職率が高いことが原因になっていると思われます。
定着率の低さについては、厚生労働省の厚生科学審議会生活衛生適正化分科会が発表した「美容業の実態と経営改善の方策(抄)」のなかで、「年間2万人前後の新たな美容師が誕生しているが、定着率は非常に低い水準である。この原因は主に労働環境及び金銭的な待遇によるものと考えられる」と指摘しています。
【参考】美容業の実態と経営改善の方策(抄) 詳しくはこちら
美容室以外の仕事
美容師の仕事としてはヘアサロンでの仕事の他に、ブライダルヘアメイクアーティストや、マスコミや映像関係、タレントなどと仕事をするヘアメイクアーティストとして仕事をする人もいます。
ブライダルヘアメイクアーティストには美容師免許に加えて、国家資格ではありませんがいくつかの団体が制定しているメイクアップの資格を取得することが一般的です。
ヘアメイクアーティストも同様ですが、中にはサロンのオーナーやトップスタイリストとして働きながら、顧客となった女優の専属アーティストとして活躍する人もいます。
美容師の貯蓄額
厚生労働省の調査で明らかになった理・美容師の収入では、貯蓄することは簡単ではなさそうですが、前述の通り、キャリアアップをしていくと高い水準の収入を得ることができる可能性はあります。
ただし華やかな業界のため、美容師としては優れていても数字や経営は苦手だという人は少なくありません。そこでそうした美容師向けにフランチャイズシステムを作り、美容師が長く働ける環境作りを目指す企業も表れています。
【参考】TOP INTERVIEW「イノベーターが見ている未来 vol.26」 詳しくはこちら
何らかの形で独立する、あるいは安定した生活をしていくためにも、将来を考えると貯蓄を習慣づけておくことが必要です。
美容師におすすめの貯蓄術
収入が低い時は、貯蓄をすることは難しいのですが、貯蓄習慣を身につけるためには、毎月給料日など決められた日を指定して、普通預(貯)金を振替によって積み立てる積立式の定期預金を利用することがおすすめです。月々数千円など、少額から始められる金融機関もあるので、まずは貯蓄の習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
憧れの職業でもある美容師の仕事。一般的には収入は高くはありませんが、自分の努力次第で収入アップの可能性もあります。将来を見据えて貯蓄をすることで、さまざまな選択肢を手に入れることもできるので、まずは貯蓄の習慣を身に着けてはいかがでしょうか。
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