転職時・退職時の、“損をしない”ボーナスの受け取り方は?スケジュールや注意点など

ボーナス直前や直後に転職を検討している人は少なくありません。せっかくであれば、もらえるボーナスはしっかりともらっておきたいところ。今回は、転職時や定年退職時におけるボーナスの注意点を解説します。また、損をしないボーナスの受け取り方についても解説します。

転職時・退職時の、“損をしない”ボーナスの受け取り方は?スケジュールや注意点など

そもそもボーナスの規定はどうなっているの?

そもそもボーナスの規定はどうなっているの?

多くの社会人にとって楽しみなのが、夏・冬のボーナスです。そんなボーナスを受け取るときに、前提として知っておいたほうがいいことがあります。
ボーナスとは、毎月の給与とは別に支払われる報酬です。国家公務員や地方公務員であれば法令などによって賞与の規定が設けられていますが、民間企業は公務員とは異なり法律で規定されていません。すなわち、民間企業は必ずしも従業員にボーナスを支払う義務を負っているわけではありません。

企業によっては寸志として数千円~数万円程度のところもあれば、数ヶ月分が満額支給されるところもあります。また、転職・退職時に会社の裁量で支払われないという可能性もあります。それだけに、ボーナスの受け取り時期に近い転職・退職には注意が必要です。

転職時のボーナスにおける注意点

転職時のボーナスにおける注意点

転職の理由は人それぞれです。より多くの給料をもらいたい、異なる業種の仕事がしたいなど、何かしらの目的をもって転職という決断に至ることでしょう。転職を考える際、可能であれば、退職予定の会社からボーナスをもらった後に転職したい、と思っている方も多いかもしれません。

ボーナスをもらってから転職できるかどうかは、転職のタイミング次第です。多くの場合、ボーナスの支給額は、支給する月の1~2ヶ月ほど前に過去半年間の実績などを踏まえて決定されます。この期間に転職が決まると、もともと在籍していた会社からはボーナスが支給されない可能性もあります。しかし、ボーナスありきで転職の時期を考えてしまうと、かえって転職の機会を逃してしまう危険性もあります。中途採用の場合の多くは新卒採用とは異なり、必要な人材を即戦力として募集しているので、転職先の募集スケジュールを優先して転職活動をする流れが無難といえるでしょう。

転職時に損しないボーナスの受け取り方

転職時に損しないボーナスの受け取り方

前述した通り、転職時にボーナスがもらえるかどうかはタイミングによります。ここでは、ボーナスを受け取ってから転職をするための最適なスケジュールと注意点を確認していきましょう。

ボーナスをもらうために最適な転職スケジュール

一般的に、ボーナスの支給は夏が6月~8月、冬が12月というケースが多くなっています。ではいつから転職活動を開始すれば、タイミングよく転職できるのでしょうか? ここでは、夏のボーナスを6月、冬のボーナスを12月と仮定し、逆算して転職スケジュールの一例を紹介します。

夏の転職スケジュール例

スケジュール
2月 転職活動開始
5月 内定獲得
6月 ボーナス支給、退職交渉
7月 引き継ぎ、退職
8月 転職先入社
12月 転職先ボーナス支給

冬の転職スケジュール例

スケジュール
8月 転職活動開始
11月 内定獲得
12月 ボーナス支給、退職交渉
1月 引き継ぎ、退職
2月 転職先入社
6月 転職先ボーナス支給

このようなスケジュールで転職活動を行えば、退職前と退職後にボーナスを受け取ることができます。ただし、必ずしもこのスケジュールが組めるとは限らないため、あくまでも目安として考えてください。

転職する場合のボーナス受け取りに関する注意点

転職する場合のボーナス受け取りに関する注意点

ボーナスを受け取った後に退職することを考える上で、押さえておきたいのはスケジュールだけではありません。以下の点も注意しましょう。

現職のボーナス支給に関する規定を確認する

前述したように、ボーナスは必ずしも法律で明記されていません。企業によっては年に1回の支給であったり、3回の支給であったりという場合もあります。また一般的には6月~8月もしくは12月に支給する企業が多いですが、こちらも厳密な決まりがあるわけではないため、転職の際には確認しておく必要があります。

退職を申し出るタイミングはボーナス支給後が良い

中小企業や零細企業の場合、経営者の独自の判断でボーナスの支給額が決められることもあるため、退職を申し出るとボーナスが支給されないケースも考えられます。ボーナスに関して厳密な社内規定がない場合には、退職が理由でボーナスが減額されたとしても異議の申し立てが通らない可能性も考慮しておきましょう。そのため現職のうちにボーナスを受け取るためには、ボーナスの支給後に辞表を出すのが理想といえます。

引き継ぎ期間は十分に取る

ボーナスを受け取ってすぐに退職するのではなく、辞表を提出したあともお世話になった職場に迷惑をかけないように、しっかりと引き継ぎをした上で退職するというのが理想の形です。目安のスケジュールでも記載した通り、引き継ぎには1ヶ月ほどの時間をかけ、丁寧に行いましょう。

その他の注意点

転職先に内定をもらってから入社までの期間は、1~3ヶ月というのがひとつの目安です。転職先が採用活動をしているということは、人手が足りない・事業拡大したいなどの理由から、あなたの少しでも早い入社を希望していると考えられます。そのため、ボーナスが欲しいがために現職に居続けると、転職先からの心証が悪くなる可能性もあるので注意が必要です。

定年退職時のボーナスにおける注意点

定年退職時のボーナスにおける注意点

定年退職の直前にボーナスの支給がある場合は、金額が減ることがあります。特に、その会社内でボーナスが過去の業績を評価したものではなく「将来の業績を期待したもの」とされている場合には、ボーナスが減額されることがあるようです。

また、たとえボーナスの査定が過去の業績によるものだとしても、定年退職後にボーナス支給日がある場合は、ボーナスが支給されないケースもあります。企業によっては、ボーナスを支給する条件として「支給日に会社に在籍している」と定めているためです。

まとめ

毎月の給料よりも多くの金額を受け取れることもあるボーナス。そのため、ボーナスが受け取れるかどうかは大切な問題です。今回は、転職時や定年退職時におけるボーナスに関する注意点を解説しました。今後、転職や定年退職を予定していてボーナスを受け取ってから会社を辞めたいという場合は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

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