新卒はボーナスをもらえる? ボーナスの多い業界や企業、年棒制の場合は?

初めて社会に出る新入社員・新卒のみなさんは「ボーナス(賞与)」についてどれだけ知っているでしょうか? この記事では、気になる新卒のボーナスも含め、少し特殊な「年棒制」についても解説します。

新卒はボーナスをもらえる? ボーナスの多い業界や企業、年棒制の場合は?

そもそもボーナスとは

そもそもボーナスとは

日本では給料の支給方法は月給制と年俸制の2つがあり、ボーナスは月給制の企業で採用されている制度です。「基本給の何ヶ月分」と定められていることが多いですが、法律などでボーナスの支払いが義務づけられているわけではありません。

これまで「月給+ボーナス」というのが年収の基本でしたが、ビジネスの環境が大きく変わる中で、成果主義の導入など賃金制度の見直しが広がりつつあり、ボーナスの制度そのものも見直される可能性があります。
例えば、企業の業績に連動してボーナスの支給額が変動する業績賞与(業績連動型賞与)を採用する企業もあり、採用の際にボーナスについて「業績に応じて支給」と明示している企業では、会社や個人の業績によってボーナスの有無を含め、支給される金額も変動します。

新卒はボーナスをもらえるの?

新卒はボーナスをもらえるの?

春と夏にボーナスを支給される会社の場合、最初の夏のボーナスについては、もらえない場合が一般的で、もらえるとしても「寸志」として少額である場合が多いようです。
なぜなら、ボーナスは、業績などに加え「個人の評価」も含まれるからです。夏のボーナスの場合は前年度の1月〜6月の評価を元にすることが一般的です。しかし、4月から入社する新入社員は評価期間が半分となり、入社してからも研修期間があるなど、個人の評価は難しくなります。そのため、新卒の最初の夏のボーナスは支給されず、早くても冬から支給されることが多いようです。

新卒のボーナス、多い業界や企業は

新卒のボーナス、多い業界や企業は

新卒のボーナス支給額は、厚生労働省の2018年賃金構造基本統計調査の年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額から類推することができます。ここでは、大卒に限定して、20歳から24歳で勤続年数0年(1年未満)の人の賞与その他特別給与額の額から推計してみました。
それによると年間の支給額は2.4万円で、勤続年数が1~2年の人を見ると、年間の賞与の支給額は59.6万円になりますので、2年目以降から本格的に支給されていることがわかります。

厚生労働省の毎月勤労調査によると、2018年の業種別の年末賞与が最も多かったのが、建設業の89万5,085円。電気・ガス・熱供給・水道業の85万5,628円、情報通信業の80万3,689円金融業・保険業の70万2,302円、電気・ガス・熱供給・水道業の137万円がそれに続きました。

業種別の平均賞与

業種 平均賞与
建設業 895,085円
電気・ガス・熱供給・水道業 855,628円
情報通信業 803,689円
学術研究,専門・技術サービス業 708,588円
金融業、保険業 702,302円
製造業 692,666円
教育、学習支援業 632,373円
複合サービス事業 555,973円
不動産業、物品賃貸業 535,604円
医療、福祉 416,869円
卸売業・小売業 416,463円
運輸業,郵便業 413,755円
サービス業(他に分類されないもの) 175,711円
生活関連サービス業、娯楽業 142,392円
宿泊業、飲食サービス業 70,791円

※すべて事業所規模30人以上

【参考】2018年賃金構造基本統計調査「年齢階級、勤続年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 」 詳しくはこちら
【参考】平成30年年末賞与の支給状況 詳しくはこちら

また、東洋経済新報社が発売する会社四季報2019年2集春号において、上場企業約3700社へ行ったアンケートによると、2018年の賞与支給ランキングの上位10社は下記のとおりとなっています。

2018年の賞与支給上位10社

順位 社名 ボーナス支給額 平均年齢
1 東京エレクトロン 546.8万円 44.2歳
2 ディスコ 482.7万円 39.3歳
3 アドバンテスト 415.7万円 45.2歳
4 双日 370.5万円 41.9歳
5 大本組 366.8万円 46.3歳
6 ジャストシステム 360.3万円 39.6歳
7 野村不動産HD 357.9万円 45.2歳
8 鹿島 353.7万円 44.1歳
9 キリンHD 348.0万円 41.7歳
10 森組 340.5万円 42.0歳

【参考】会社四季報2019年2集春号(東洋経済新報社)

年俸制の企業にボーナスはある?

年俸制の企業にボーナスはある?

一般的には年俸制の会社には定期的に支給されるボーナスはありません。定められた年俸を12分割した金額が毎月支払われるからです。一部では年俸を14分割して毎月支払い、2ヶ月分を賞与として支給する企業もあります。
また、年俸制の企業でも、個人の成果を評価した報奨金的な意味を持つボーナスが給与とは別に支払われることがあります。
年俸制は、外資系企業やベンチャー企業などで多く採用されています。

20代のボーナスの使い道は貯金が最多

20代のボーナスの使い道は貯金が最多

人材採用大手のエン・ジャパン株式会社が2017年に実施した「冬のボーナス」に関する調査によると、ボーナスの使い道について、20代では67%が「貯金」と答えました。そのほか高い数字となったのは「買い物」の34%、「生活費」との回答が27%となりました。その他、「旅行」が16%、「家族や恋人へのプレゼント」が11%で、「自己学習費」が3%、「投資」は」2%となりました。

【参考】エン・ジャパン株式会社「冬のボーナス」に関する調査(2017年) 詳しくはこちら

まとめ

初めてまとまったお金が入るボーナスは、新入社員にとっては特別なもの。自分の趣味や大切な人へのプレゼントなどに使うのも楽しいですが、将来のために預貯金や投資に回すなど資産運用を考えられるとよいですね。

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