資産形成の方法には何がある?種類やおすすめの方法をご紹介!

資産形成・資産運用の意味や違い、具体的な方法をご存知ですか。今回は、人生100年時代において重要な資産形成の方法をご紹介します。複利効果を考えると資産運用も有効な手段です。ライフプランや老後の生活のために、計画的に資産形成をしましょう。

資産形成の方法には何がある?種類やおすすめの方法をご紹介!

資産形成とは

資産形成とは

資産形成とは、資産のない方が現在の生活や将来の何かの目的のために、自分の資産を増やすことをいいます。資産にも、現金だけでなく株のような金融資産や不動産のような実物資産など、さまざまな種類の価値のある財産が当てはまるでしょう。

資産形成と資産運用との違い

言葉としての「資産形成」は「資産運用」と似ていますが、ここでは少し厳密に区分したいと思います。

「資産運用」は、ある程度資産を持っている人が金融商品を活用して運用収益を得ながら資金を増やしていくことです。

一方「資産形成」は、目標とする資金の額に向かって積み立てていく行動全般です。資産形成の出発点では金融資産がゼロの人もいれば、ある程度の金額を保有している人もいます。資産運用は資産形成ができている人が行うものであり、さらなる資産形成の手段の1つだといえるでしょう。

資産運用で資産形成の後押しを

現在の低金利では、預貯金の金利で運用収益を見込むことは困難です。資産形成を効率よく行うためには、リスクをとってリターンを狙う資産運用に後押しをしてもらうことも選択肢です。投資信託や株式などを活用することで、預貯金金利を上回る運用収益を狙うことが可能です。

資産形成の種類

資産形成の種類

資産運用は資産形成の1つの手段ですが、ほかにも資産形成の方法はたくさんあります。ここでは、資産形成の具体的な行動について幅広くとらえて、種類ごとに解説します。

【稼ぐ】労働・副業

労働によって収入を得ることは、一番身近な資産形成の方法でしょう。残業をして月の収入が増えたり、スキルアップして役職があがり年収を増やすこともできます。また、転職によって給与のよい仕事についたり、副業をするなどの方法で、積み立てる資金を確保または増加させるものです。

【貯める】節約・税金対策

定期的に預貯金口座に積み立てるほか、支出を見直して積み立てる資金を確保するものです。日常生活にかかる支出は毎日発生するものです。その他に携帯電話の料金や生命保険・損害保険の保険料などの固定費を見直して長期間積立に回すことができれば、実行しなかった場合と比較すると大きな差になるでしょう。

さらに税金の負担軽減も考えられます。個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度などでは、積み立てることによって課税の対象となる所得が減少し、所得税・住民税が軽減されます。その結果、積み立てる資金をさらに捻出することができるでしょう。

【増やす】資産運用

前述のように金融商品を活用して運用収益を確保するものです。毎月3万円ずつ20年間積み立てた場合、投資元本は720万円です。一般的な定期預金金利は年0.002%程度ですので、その運用収益は約1,400円程度です。しかし、20年間コンスタントに年5%で運用できた場合は、運用収益は約513万円にもなります(いずれも税金は考慮していません)。

資産運用の種類

資産運用の種類

資産運用を行う場合に活用が想定される、主な金融商品についてワンポイントで解説します。

・投資信託:国内外の株式や債券などを投資対象とし、株式や債券と比較して少額で資産や銘柄を分散して投資することができる。

・預貯金:銀行、信託銀行、郵便局などに資金を預け、定期的に利子が支払われる。現状では超低金利。

・株式:会社が発行するもので、会社の収益の一部が株主に配当として支払われたり、売却して値上がりによる収益を得たりすることができる。

その他、債券や個人年金なども活用できるでしょう。

資産形成が必要な理由

人生100年時代「資産形成が必要だ」などという言葉を耳にすることも増えたのではないでしょうか。ここでは資産形成が必要な理由を解説します。

ライフプランに合わせた資金の確保

資産形成をする際には「ライフプラン」に合わせた資金の確保を目的にすることが多いでしょう。私たちの人生には、結婚、住宅の取得、子供の教育、旅行、車の購入など、さまざまなライフイベントがあります。それぞれには、ある程度のまとまった資金が必要になります。さらに子供が通う学校の入学金や住宅購入時の頭金の支払いは、時期が決まっています。

今後予想されるライフイベントにかかる資金と時期を明確にすると、資産形成の必要性を感じられるはずです。また、数字や時期を明確にすることで積極的に資産形成に取り組むことができるのではないでしょうか。

老後の生活資金の確保

人生100年時代が到来し、老後生活の期間が長くなってきました。老後の生活資金は公的年金がベースと考えられますが、想定される老後生活に必要な資金や医療・介護の資金を考慮すると、年金だけでは十分といえない可能性もあります。

現役世代である時期に、老後資金の設計を意識して資産形成を行う必要があります。
その際には、前述のように【稼ぐ】【貯める】【増やす】の3つを組み合わせて資産形成を行っていきましょう。さらに「働く期間を延ばす」「公的年金を受け取る時期を繰り下げて年金額を増やす」などの資産形成の方法も検討してはいかがでしょうか。

資産形成を始めるタイミングはいつ?

資産形成を始めるタイミングはいつ?

資産形成を始めることは早いに越したことはありません。特に資産運用に関しては、年3%の運用収益がコンスタントに出る状況で、2,000万円を10年、20年、30年で準備する場合でシュミレーションしてみましょう。税金を考慮しない場合、毎月の積立額は10年の場合143,121円、20年の場合60,920円となります。30年の場合34,321円で済みます。このケースでは運用期間を3倍確保すれば、毎月の積立額は4分の1以下で済むのです。

これが、運用収益が元本に組み入れられてさらに運用収益を生み出す「複利効果」と呼ばれるもので、運用期間が長くなることでさらにその効果は大きくなります。「資産形成は時間を味方につける」とは、まさにこのことです。

老後の生活資金を準備するための資産形成には何がおすすめ?

準備する期間を長く確保できる人は、積み立てる金額の一部について、投資信託を活用してはいかがでしょうか。投資信託をiDeCoの中で活用すれば、積立額を所得から控除できて税金対策になります。

また「つみたてNISA」口座を活用すれば、運用収益が非課税かつ運用期間が最長20年間あることから、前述の複利効果を期待することができます。
さらにNISAは、2024年から新NISAへと制度の内容が変わります。制限のあった非課税期間はなくなり恒久化され、非課税の投資枠も拡大されます。より使いやすくなった新NISAも、ぜひ活用してみてください。

準備する期間を長く確保できない人は、資産運用で元本割れを起こしてしまった場合に、想定する老後生活に影響する可能性があります。比較的安全性の高い預貯金などの金融商品をベースに、収入を得る期間を延ばしたり、世帯での収入を増やしたりなど、複数のプランを組み合わせて資産形成に回す資金を捻出してはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

資産形成は、目的をもって資産を増やしていくことです。その手段の1つとして資産運用があげられますが、さまざまな資産形成の方法を組み合わせることが重要です。ライフプランや老後の生活に合わせて資産形成していくものですが、一朝一夕に達成することはできません。

毎日の食事や節制が健康を形作ることと同様、毎日の資産形成に関する行動を習慣化することが、目標の達成につながります。まだ資産形成に着手していない人は、まさに今日から始めてはいかがでしょうか。

※金融庁 資産運用シミュレーションサイト 詳しくはこちら

ご留意事項
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