毎月1.5万円の積立でも将来は大きな資産に!つみたてNISAを20年続けるといくらになる?

毎月一定額の積立投資をしていく「つみたてNISA」は、時間を味方につけてじっくりと資産を形成するのに適した制度です。一定額の積立を20年間続けた場合にどのくらいの資産になっているのか、3つのパターンで確認してみましょう。

毎月1.5万円の積立でも将来は大きな資産に!つみたてNISAを20年続けるといくらになる?

つみたてNISAの基本をおさらい!

つみたてNISAの基本をおさらい!

つみたてNISAは、少額から投資信託を積み立てることができる非課税制度です。日本に住んでいる20歳※以上の人が利用でき、毎年40万円を上限として、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託を購入することができます。※2023年1月1日からは18歳

通常の課税口座(特定口座・一般口座)内で投資をすると、得られた利益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、つみたてNISA内で購入した投資信託については、保有している間に得た分配金や、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)に対して、購入した年から数えて20年間課税されません。

令和2年度の制度改正により2042年まで積立が可能になりましたので、今から始めても十分、資産形成をすることができます。

3つの積立金額のパターンで20年後を試算

3つの積立金額のパターンで20年後を試算

では、積立金額をA:毎月5,000円、B:毎月1.5万円、C:毎月33,333円(=上限金額の年40万円)の3つのパターンで変えて20年間積み立てた場合、どのくらいの資産形成ができるのかを試算してみましょう。

【パターンA】年利1%、年利3%で毎月5,000円積み立てた場合

まずは、毎月5,000円を20年間積み立てた場合を見てみましょう。年利1%と年利3%で運用をした結果が下記の表です。

■毎月5,000円を20年間積み立てた場合の金額

年利1%年利3%
積立総額120万円120万円
運用益12.8万円44.2万円
20年後の金額132.8万円164.2万円

※金融庁 資産運用シミュレーションにて計算

約13〜44万円の利益で資産形成の第一歩に

年利1%で運用できたとすると20年後の金額は約133万円となり、約13万円が運用益になります。また、年利3%で運用できると約44万円が増えることになります。金額自体は資産形成としてはやや不足な金額ですが、積立金と運用益を合わせればさらに大きな資産形成の元手になるでしょう。

年利0.001%の普通預金で積立をしていると利息から税金が引かれるため、20年間積立をした場合でも100円も増えません。少額だとしてもつみたてNISAを使って資産運用をする効果を感じていただけると思います。毎月5,000円であれば、固定費の節約などにより捻出できる範囲の金額ではないでしょうか。

【パターンB】年利1%、年利3%で毎月1.5万円積み立てた場合

次に少し頑張って1.5万円を積み立てた場合を見てみましょう。

■毎月1.5万円を20年間積み立てた場合の金額

年利1%年利3%
積立総額360万円360万円
運用益38.3万円132.5万円
20年後の金額398.3万円492.5万円

※金融庁 資産運用シミュレーションにて計算

約400〜500万円の利益で教育資金の準備などに活用できる

年利1%の運用ができたとすると、20年後には約400万円、3%の運用であれば、約500万円の資産形成が可能となります。例えば、子供が生まれたタイミングから児童手当を活用して積立を始めることで、教育資金の一部として活用することができそうです。

【パターンC】年利1%、年利3%で毎月33,333円(=年間非課税枠の上限40万円)を積み立てた場合

では、最後につみたてNISA非課税枠の上限額40万円を積み立てた場合を見てみましょう。

■上限額の年40万円を20年間積み立てた場合の金額

年利1%年利3%
積立総額800万円800万円
運用益85.2万円294.3万円
20年後の金額885.2万円1094.3万円

※金融庁 資産運用シミュレーションで毎月33,333円を積み立てた場合

約890〜1,100万円の利益で老後資金の備えに

年利1%の運用で約890万円、年利3%で運用できると約1,100万円の資産形成が可能となります。仮に夫婦でそれぞれ非課税枠の上限額まで積み立てた場合、20年後には老後資産として2,000万円が準備できます。

毎月5,000円〜毎月33,333円(上限の年間40万円)まで積み立てる3つのパターンで、年利1%で運用をした場合と年利3%で運用をした場合を確認してきました。無理なくできる範囲の積立金額であっても、20年という時間を活用することで大きな資産となることを実感していただけたのではないでしょうか。

20年間の非課税期間が終わったらどうする?

20年間の非課税期間が終わったらどうする?

では、非課税期間が終了した後はどうしたらよいのでしょうか? 

つみたてNISAは、翌年の非課税投資枠に運用資金を移すこと(ロールオーバー)はできません。そこで、選択肢は次の2つとなります。

・売却して現金化する
・課税口座(一般口座・特定口座)に払い出しをして運用を続ける

現金を利用する予定があれば、売却することも可能ですし、利用する予定がない場合は、課税口座に移しそのまま運用を続けることも可能です。

課税口座に払い出しても、これまでの運用益部分は非課税

課税口座に払い出しをした場合は、「非課税期間終了時点の評価額」で購入したものとみなされ、そのまま運用を続けることになります。これまでの運用益部分には課税されず、払い出し後の運用益部分だけが課税対象となります。一点確認が必要なのは、非課税期間終了時点で保有している商品に損失が出ている場合です。

例えば、合計120万円の投資をして、20年後、評価額が100万円となった状態で課税口座に払い出しをしたとします。この時点では100万円で購入したとみなされます。その後の運用で評価額が120万円となり20年間積立をした元本と同じ額になったとしても、20万円は運用益とみなされ課税されてしまいます。損失が出ている場合はその点を理解した上で、運用を続けるかどうか判断をしましょう。

また、20年間必ず積立で運用する必要はありません。非課税期間が20年間あるというだけですので、その間であればいつでも好きな分だけ売却をして運用を終わらせることができます。

まとめ

まとめ

少額の積立であっても20年という年月をかけて運用することで、大きな資産を形成できます。まとまった金額ができてから運用を始めるのではなく、自分のできる範囲の少額からでもよいので、早く始めることが時間を活用した将来の資産形成には大切です。まずは、つみたてNISAの口座を開設するという第一歩を踏み出してみませんか。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ