少額で投資をはじめる資産運用方法!少額でも長期・分散・積立が可能

気軽に少額から始められる投資であれば、投資初心者の方でも安心です。この記事では、少額投資ができる資産運用の方法を紹介します。少額投資でもリターンを狙えるものやコツコツ積み立てることで資産形成になるものがあります。メリットやデメリットを踏まえてさまざまな投資にチャレンジしてみましょう。

少額で投資をはじめる資産運用方法!少額でも長期・分散・積立が可能

少額投資とは

少額投資とは

「資産運用は余裕資金がないと難しい」という印象があるかもしれません。しかし、少額投資でも、定期的に積み立て、長期で運用を続けることで大きな資産へと育てられる可能性があります。

少額投資は、100円単位の少額から投資が始められる方法で、買い物などで取得したポイントやお釣りを使って手軽に投資できるサービスもあります。投資方法にもよりますが、少額投資はほかの投資と比較してリスクの低い投資商品も多いため、資産運用が初めてで慎重に資産運用を始めたい方に向いています。

また、資産運用を目的としていても、少額投資にはお試し感覚で始められる気軽さがあります。興味のある少額投資に一定の資金を投下して、資産価値の変動をみながら投資の感覚を掴むことから始めてもよいかもしれません。

少額投資の種類を知り、メリットとデメリットを理解したうえで始めていきましょう。

初心者も安心してできる少額投資のおすすめ6選

初心者も安心してできる少額投資のおすすめ6選

投資初心者向けの抵抗なく始められる少額投資のサービスをみてみましょう。

単元未満株

本来、100株単位でしか取引できない株式取引ですが、単元未満株なら1株から購入可能なため少額から取引ができます。

ミニ株投資

証券取引所で取引される株式は単元株の100株単位ですが、単元未満株を購入できるサービスにミニ株投資があります。証券会社ごとにS株、まめ株、ワン株などそれぞれ呼び名や購入できる銘柄数などは異なります。1株単位から株式を購入できる会社もあるうえ、単元株だと100万円を超えるような銘柄でも少額から買うことができます。

■ある産業用ロボットメーカーの株式を購入した場合の例

通常(100株) 単元未満株(1株)
株価×株数 2万7,000円×100株 2万7,000円×1株
最低購入金額 270万円 2万7,000円

※取引手数料や税金は考慮していません

株式累積投資

毎月定額で株式を購入する投資方法で略称「るいとう」といいます。
株式累積投資は、1銘柄につき月々1万円以上1,000円単位の一定額(上限は100万円に満たない額まで)で同一株を購入します。株式を積立方式で買付するイメージで、1口座で複数の銘柄を選ぶことができます。なお、選べる銘柄の上限数は証券会社により異なります。

ポイント投資

ポイント投資は、Tポイントや楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントのような手持ちのポイントを株式や投資信託、ETFなどの金融商品と交換する投資方法です。取り扱っている証券会社により、手数料、取扱い商品、使えるポイントは異なります。スマホから簡単に口座開設し専用アプリをインストールすれば、最低100円からポイントで入金することができ、現金を使わずに気軽に始められるのが特徴です。

さまざまな企業から提供される記事を読み、気に入った企業に100円から100万円まで手数料無料で投資することができるサービスも登場しています。お金を使うのは躊躇しているという方は、ポイント投資から本格的な運用に近づくことができます。

投資信託

投資信託は、投資家から集めたお金を運用のプロに託し、株式や債券などで運用する商品です。1つの投資信託を購入するだけで、複数の銘柄や複数の異なる資産に投資ができリスク分散にもつながります。個別銘柄を選ぶのはハードルが高いという方は、投資信託を選択肢にしてもよいでしょう。

積立投信

積立投資

積立投信を利用した投資はいわゆる積立投資の1つで、予め設定した毎月の積立金額に応じて自動的に積立を行います。一括で購入する投資信託と比較して、相場の動きに応じて投資のタイミングを分散させて全体的な購入価格を平準化させることができます。
金融機関によって異なりますが、ネット証券では100円から始められる場合もあります。少額の資金でも長期運用で積立投資を続けることにより、まとまった資産形成が可能となります。

おつり投資

おつり投資とは、その名の通り、買い物で生じたおつりを利用した少額投資です。
日常生活で利用するクレジットカードや電子マネーなどと投資口座を連携し、設定金額に応じて端数単位の差額分を投資に回していく仕組みになります。
例えば、460円の買い物をした場合、設定金額が100円なら「400-360=40円」と40円分のお釣りが投資に回されます。設定金額が500円なら「500-360=140円」、1,000円なら「1,000-360=640円」となります。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、人工知能を活用した資産運用です。助言型、一任型の2つのタイプがあり、助言型は投資助言だけをしてくれるものです。一任型はいくつかの質問に答えると、自分に合った運用戦略を決定し運用まで行う仕組みになっています。
両タイプ共、投資信託やETF(上場投資信託)を主な投資対象とし、最低投資金額は1,000円、1万円や10万円など種類により異なります。また、積立投資ができるものもあります。

まずはNISAを活用しよう

まずはNISAを活用しよう

少額投資非課税制度であるつみたてNISAを利用することで、投資信託の運用益と分配金には税金がかからず、効率的な運用が期待できます。

つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度で、現行の制度では、新規投資額は年間40万円、非課税期間は最長20年間で非課税投資枠は最大800万円となっています。

個人投資を推進する風潮もあり、このNISA制度が実質的には恒久的な制度に改正されます。2024年から適用となる新しいNISA制度の主な改正ポイントは以下の通りです。

つみたてNISA制度の新旧比較

         つみたてNISA(現行)      つみたて投資枠(2024年以降)
年間投資枠 40万円 120万円
非課税保有期間 20年間 無期限化
非課税保有限度額 800万円 成長投資枠と併用で1,800万円
口座開設期間 2023年まで 恒久化
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した
一定の投資信託(金融庁の基準
を満たした投資信託に限定)
長期の積立・分散投資に適した
一定の投資信託(現行のつみた
てNISA対象商品と同様)
対象年齢 18歳以上 18歳以上

【参考】金融庁ウェブサイト「新しいNISA」詳しくはこちら

現行のNISA制度には、つみたてNISA以外に、一般NISAとジュニアNISAがあり、新しい制度では、ジュニアNISAが廃止され、一般NISAとつみたてNISAが、それぞれ「成長投資枠」と「つみたて投資枠」で運用されることになります。
新しいつみたて投資枠では、年間投資枠が3倍の120万円、非課税となる保有期間が無期限となります。さらに、保有限度額も成長投資枠と併用で1,800万円までとなります。
積立投資で資産運用を考えている方は、つみたてNISAの活用は有力候補の1つです。

少額投資のメリット

少額投資のメリット

少額投資は、無理のない金額で投資を始められるため、資金面・精神面でも負担が小さくて済みます。短期で損失が出た場合でも落ち着いて待つことができるでしょう。

少ない元手金額から投資ができる

少額投資の一番の魅力は少額から投資を始められる点です。投資になんとなく興味があったけど、投資できる余裕なんてないと思っていた方でも、毎月1,000円〜1万円程度なら捻出できるのではないでしょうか。
例えば、毎月1,000円の積立投資を年率3%で30年間運用した場合、36万円の元本で資産運用残高は58万3,000円になります。普通に貯金した場合と比較して、22万3,000円の利益を得られることになります。積立金額を大きくしていくと、この効果も増大します。

損失が少額に抑えられる

投資にはリスクがつきものです。元本保証されていないので元本割れのリスクや、投資金額以上の損失を被ることも投資方法によっては考えられるため、投資にはあまりよい印象をもたない人もいます。
しかし、少額投資であればそのリスクも低く、生活に大きな支障をきたすほどの損失を被る可能性はほとんどありません。リスクに特に敏感な方であれば、ポイント投資やおつり投資など、失敗してもいいかなと思える金額から始めると心理的なハードルもより下がるでしょう。

分散投資がしやすい

投資一回あたりの金額を少額に抑えられることは、投資チャンスが増えることになります。100万円を1つの商品に投資する場合と、25万円ずつ4つの資産に分散投資する場合とでは、資産価値の変動に対するリスクが全く異なります。

例えば、単元未満株であれば、1銘柄を少額で購入できることから、業界が異なる複数銘柄への投資が可能です。ほかにも、不動産投資や債券で個人向けの少額投資が利用可能なことから、さまざまな資産へ投資ができます。

さまざまな投資方法にチャレンジしやすい

分散投資といわれても、投資初心者であれば何をすれば分散投資になるかが分からない方もいると思います。その場合は、投資で利益を得ることを最終的な目的としつつも、少額投資でさまざまな投資方法に挑戦してもよいでしょう。それぞれの投資方法を試すことで、自身のライフスタイルや投資できる金額にあった投資方法をみつけることができます。

少額投資のデメリット

少額投資のデメリット

少額投資ならではのデメリットもあります。資産運用でFIREを目指したい人や、投資利益を大きくしたい人にとっては、少額投資は少し物足りないと感じるかもしれません。また、運用手数料も割高になります。

リターン(利益)も少額になる

少額投資は、投資額が少ないため相場全体が大きく上昇する局面でも値上がりの影響も少額に留まります。短期間で資産を大きく増やすことは期待しがたいといえます。

ある自動車メーカーの株式を購入した場合

100株単位で購入 少額投資
2022年6月15日終値 6,700円 6,700円×100株=67万円 6,700円×1株=6,700円
2023年6月14日終値 9,900円 9,900円×100株=99万円 9,900円×1株=9,900円
増えた金額 32万円 3,200円

(※手数料や税金は考慮していません)

投資できる商品が少ない

少額投資では取引できる商品が限定されるというデメリットがあります。単元未満株の投資でも銘柄が限定され、ポイント投資やおつり投資、投資信託でも選べるファンドが限定的になることがあります。
興味のある銘柄に投資できない場合もありますので、注意しましょう。

相対的に手数料の負担が大きくなる

少額からの投資は、手数料が割高になる傾向があります。
例えば、単元未満株の購入では、購入金額によって手数料が変動するものの、取引ごとに手数料がかかり、取引量が多くなると手数料が膨れ上がります。
投資信託の場合でも運用手数料(販売手数料、信託報酬、信託財産留保額)が引かれるので、少額投資であっても手数料が割高となるケースがあります。投資したい商品の手数料も事前に確認しておきましょう。

証券会社を選ぶポイント

証券会社を選ぶポイント

実際に資産運用を始める場合、証券口座の開設が必要となります。証券口座を開設する際には十分な比較を行ったうえで行うようにしましょう。

始めようと思う少額投資の商品が提供されているか

最も基本的な部分ですが、自身が運用をスタートしようとしている少額投資向けの商品が提供されているかを確認しましょう。
例えば、単元未満株の株式投資を行っていても、投資対象となる銘柄に違いがあったり、あるいは金額指定できる証券会社とできない証券会社があったりするので注意が必要です。
ほかにも、ポイント投資やおつり投資でも、取引できる証券会社が限定されているので、口座を開設する前に取引可能な銘柄と制度を確認しておきましょう。

手数料をできるだけ抑えられるか

少額投資であっても、注意したいのは資産運用にかかる手数料です。証券会社によっては、少額投資を行う際に販売手数料を無料にしていたり、取引ごとに手数料がかかる仕組みではなく、月間の売買の量や金額に応じて一律の手数料を設定していたりします。
自身の具体的な資産運用スタイルから、最も手数料が抑えられそうな投資会社を検討しましょう。

NISAが利用できる証券口座か

上述の通り、少額非課税制度であるNISAの利用は積極的に検討しましょう。NISA口座を開設できる証券会社であるかもあわせて確認しましょう。

少額投資がまる分かり!よくある質問

少額投資がまる分かり!よくある質問

最後に、少額投資を始める人が直面しやすい課題についてご紹介します。

少額はいくらから?

ネット証券を活用した積立型の投資信託の場合は、100円程度から少額投資を始められます。1株から購入可能な単元未満株の場合は、対象となる銘柄によって異なりますが、1つの銘柄に対して1万円程度から、金額指定の場合は500円程度から始められます。また、1,000円投資を提供する証券会社もあり、その場合は毎月1,000円からの積立投資が可能です。

少額すぎると意味がない?

意味がないと感じるかは、その人の投資経験に基づく感じ方や将来必要としている資金の金額によるでしょう。
例えば、収入が比較的安定していて、収入からの貯蓄をメインとしつつ余裕資金で資産運用を行いたいという方であれば、少額の積立投資でも長期的に資産は積み上がっていくでしょう。
一方、近い時期に資金が欲しい方は、利回りが大きく、少しリスクの高い投資方法を選択する方がよいケースも考えられます。さらに投資できる期間が短ければ、元手の金額も大きいほど大きな利益が見込めるため、少額投資が向かないケースとなります。

少額でもハイリターンは見込める?

運用商品のなかには、ハイリスク・ハイリターンの銘柄もあります。しかし、ハイリターンを狙うとリスクも大きくなり、且つ少額投資では選択できる運用商品がある程度限られていることも念頭に置いておきましょう。
よりハイリターンを狙いたい方は、過去の実績を参照しつつ、高い利回りが期待できそうな商品を吟味したうえで投資するようにしましょう。

アプリを使うと便利なの?

少額投資を始めたいけど、証券会社の選び方がよく分からない、煩雑な手続きに時間をあまり割きたくないという方は、アプリの利用を検討してもよいでしょう。
アプリでは、各種チャートや銘柄情報、マーケットの値動きなどが確認でき、投資から運用までアプリ上で完結させることができます。
しかし、その手軽さゆえの過剰な投資や、第三者による不正利用がないように十分注意する必要があります。

まとめ

まとめ

毎月の少額投資も長期でみると、複利効果で大きな資産となる可能性があります。毎月の生活費を節約して捻出した1,000円を投資に回していくことから始めてみませんか。
そして、少額投資を進めるなかで自分に合った投資方法をみつけていきましょう。経済状況の変化による影響を考慮しながら投資経験を積み、長期的な資産運用を行うことができるでしょう。

ご留意事項
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