小さな額から大きく貯まる!3つの「財形貯蓄」と7つのメリット

財形貯蓄制度は、会社や団体に勤務する人(勤労者)を対象とした福利厚生制度です。給与や賞与から天引きして定期的に資金の積立を行い、勤労者のマイホーム取得や老後資金、結婚・教育などの資金の準備を支援するものです。今回は、毎月少額でも資産形成できる財形貯蓄制度についてご紹介します。

小さな額から大きく貯まる!3つの「財形貯蓄」と7つのメリット

3つの「財形貯蓄」とは?

3つの「財形貯蓄」とは?

まずはじめに財形貯蓄を活用するには、勤務先にこの制度が導入されていなければなりません。
勤務先と契約した金融機関が取り扱う財形貯蓄向けの金融商品を活用して積立を行います。例えば銀行なら定期預金などの預金、保険会社(生命保険・損害保険)なら財形積立保険、証券会社なら公社債投資信託などです。

財形貯蓄には、一般財形・住宅財形・年金財形の3種類があります。

1. 一般財形貯蓄(一般財形)

積み立てた資金の使い道が自由な財形貯蓄です。加入資格は55歳未満の従業員で、原則として1年間積み立てた後は、自由に払い出しができます。利子等は非課税にはならず、資金の使い道が決まっていない人が、手始めに資産形成するのに適しています。

2. 財形住宅貯蓄(住宅財形)

住宅を購入するための頭金づくりを目的とした制度で、加入資格は55歳未満の国内勤務者です。
元本と利子の合計550万円までは利子に課税されませんが、後述の年金財形と合わせて元本と利子の合計が550万円である点には留意してください。

3. 財形年金貯蓄(年金財形)

老後の資産づくりを目的とした制度で、加入資格は55歳未満の国内勤務者です。住宅財形と併せて元本と利子が550万円までは利子が非課税になります。財形積立保険の場合は、払込金額385万円までに発生した運用収益は非課税です。老後の年金を非課税で受け取ることができます。

住宅財形と年金財形では、非課税限度額を超えると、その後に発生した利子等については、元本全体から発生する利子が課税扱いになるので、注意してください。

財形貯蓄7つのメリット

財形貯蓄7つのメリット

財形貯蓄には以下のような主に7つのメリットがあります。

①資産形成の王道「給与天引き」
資産形成において運用収益はもちろん重要ですが、習慣化することも非常に重要です。財形貯蓄は給与から天引きして積み立てますので、資産形成を習慣化することができます。

②住宅財形と年金財形は利子が非課税になる
現在の日本では低金利の状況が続いているので、メリットを実感しにくいのですが、利子に課税されることなく元本に組み入れられますので、効率的な仕組みといえます。

③奨励金の制度が導入されている会社もある
毎回の積立金額に応じて「奨励金」を付加している会社もあります。結果的に高い金利が付くことになり、低金利の現在ではありがたい制度といえます。ただし、この奨励金は、給与として所得税の課税対象となる点に注意してください。

④財形住宅融資が使える
一般財形、住宅財形、年金財形のいずれの場合も、要件を満たせば財形住宅融資と呼ばれる住宅ローンを活用できます。金利は借入時のものが5年間固定され、その後5年ごとに利率が見直されるタイプです。

⑤ポータビリティがある
転職先に財形貯蓄の制度があれば、それまで積み立ててきた金額を移換することができます。

⑥万が一の災害などで引き出す場合にも非課税となる
住宅財形・年金財形から、災害、失業、疾病などの理由で引き出しを行う場合でも、利子が非課税となります。

⑦金融機関が破たんした場合には保護される
金融機関が経営破たんした場合でも、勤労者の資産を保護する仕組みがあります。預貯金なら預金保険制度、保険商品なら生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構、証券会社の投資信託なら日本投資者保護基金などがあります。

財形貯蓄の注意点

財形貯蓄の注意点

メリットだけでなく、財形貯蓄の注意点も確認しておきましょう。

①現状は金利が低い
財形貯蓄で活用する金融商品は安全性は高いのですが、奨励金が付かない限り、現在の経済情勢では利子等の運用収益は望めません。

②現金化するには時間がかかる
財形貯蓄を払い出したい場合、申請書類を提出した翌月の25日に振り込まれるなど、現金化には一定の時間がかかります。現金化のスケジュールは確認しておきたい点です。

③目的外の払い出しにはペナルティがある
住宅財形や年金財形を本来の目的(住宅購入や年金)以外で払い出した場合、5年間さかのぼって利子に課税されるなどのペナルティがあります。

④住宅財形の払い出しには必要書類が多くなる
住宅財形を払い出すには、建設・購入・リフォームする住宅に要件があり、それを示す書類が必要になります。書類を準備する手間や費用がかかる点には注意しましょう。

⑤退職したり役員になると積立ができなくなる
退職したり、役員に昇格した場合は、財形貯蓄を行うことができなくなります。

財形貯蓄に向いている人・向いていない人

財形貯蓄に向いている人・向いていない人

財形貯蓄は、資産形成を習慣化したい人や、安全確実にコツコツと積み立てていきたい人、勤務先で奨励金の制度が導入されている人などに向いた制度です。また、これから住宅を購入する予定があり、財形住宅融資を活用したい場合は、財形貯蓄の積立額を増やすことにより、融資額を増やすことが可能になります。
一方、株式投資信託などのように、リスクをとってリターンを狙える金融商品を計画的に活用できる人は、財形貯蓄だけにこだわらず、さまざまな選択肢を探っても良いでしょう。

まとめ

まとめ

勤務先の福利厚生制度のメリットに気づいていない人も多いようです。勤労者の資産形成を支援する制度をしっかりとチェックして、今後のライフイベントにかかる資金に備えてはいかがでしょうか。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
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