マイホームの購入!頭金や諸費用などお金はどのくらい必要ですか?
マイホームを購入する際は住宅ローンを組むための頭金以外にも、購入時や購入後にも支払う必要があるお金があります。どの程度の支出が必要なのか、また賃貸住宅と比較してのメリットやデメリットも整理しておく必要があります。
物件価格以外の諸費用とは
マイホームを購入するためには、物件の購入価格のほかに、住宅の取得にかかる費用と住宅ローンにかかる費用のいわゆる「諸費用」がかかります。諸費用の項目は以下のとおりです。
■住宅の取得にかかる費用
・購入契約をする際にかかる費用:印紙税
・登記にかかる費用:登録免許税、司法書士の手数料
・購入時にかかる費用:不動産取得税
・物件によってかかる費用:仲介手数料、修繕積立基金など
■住宅ローンにかかる費用
・住宅ローン借入費用:融資手数料、ローン保証料、火災保険料、任意で加入する地震保険料など
諸費用は、物件やその種別によって異なりますが、一般的には新築マンションの場合、販売価格の3~5%、新築一戸建てや中古の場合は6~8%くらいが目安だと言われています。
基本的にはいずれも自己資金で賄う必要があるため、頭金とは別に現金で用意しておかなければなりません。
もちろん住宅ローンを利用する場合は、別途ある程度の頭金を用意する必要があります。
購入後に必要な費用は主に住宅ローンの返済金
マイホーム購入後にも必要なお金があります。マイホームの購入には、この購入後のお金も考えて購入を検討しなければなりません。
購入後の費用は、住宅ローンが主な費用になり、年間の返済額は年収の25%が安心ラインといわれています。仮に年収が600万だとすると、「安心ライン」は150万円以内(ボーナス支払いなしの場合、月額約12万5千円)となります。
また、入居後は固定資産税や都市計画税を毎年納付する必要があります。マンションの場合は管理費や修繕積立金が発生し、戸建ての場合も住宅を維持していくための費用がかかります。
頭金はどの程度必要か
住宅ローンを組むに当たっては、ある程度の頭金を用意しておくことが必要です。そこで、ここからは具体的な金額などを確認していきましょう。
頭金とは、諸費用を除いて準備するお金ですが、フルローン、つまり頭金ゼロでも住宅ローンが組めるところもあり、必ずしも頭金がなければマイホームを購入できないわけではありません。しかし、フルローンの場合は、借りる金額が大きくなるため利息の負担が増え、毎月の支払額やトータルの返済額も大きくなってしまいます。
住宅金融支援機構のサイトを元に計算した下記の表をみると、頭金の割合が0%と20%では、毎月の返済額で約2万6,000円、総支払額では約300万円の違いがあることになります。
頭金と総支払額概算
頭金の割合 | 0% | 10% | 20% | 30% |
---|---|---|---|---|
頭金の金額 | 0円 | 400万円 | 800万円 | 1,200万円 |
借入額 | 4,000万円 | 3,600万円 | 3,200万円 | 2,800万円 |
毎月返済額 | 約133,000円 | 約120,000円 | 約107,000円 | 約93,000円 |
返済総額 | 約5,570万円 | 約5,010万円 | 約4,450万円 | 約3,900万円 |
総支払額 | 約5,570万円 | 約5,410万円 | 約5,253万円 | 約5,100万円 |
※物件価格4,000万円 35年元利均等返済 金利2.0% 固定金利として計算
※一部、計算結果から概算で記載
【参考】独立行政法人住宅支援機構「フラット35 借入希望金額から返済額を計算」 詳しくはこちら
同機構が行った、住宅ローン商品「フラット35」の利用者を対象とした2018年度の調査によると、住宅の種類別に利用者が用意した手持ち金(頭金)の購入金額に対する割合は下記のようになっています。
住宅種類別の手持ち金(頭金)の割合
住宅種類 | 手持ち金の割合 |
---|---|
注文住宅 | 18.7% |
土地付き注文住宅 | 10.9% |
建売住宅 | 8.5% |
マンション | 16.1% |
中古戸建 | 8.2% |
中古マンション | 10.4% |
頭金の平均額は8.2%~18.7%となっています。一般的には頭金の目安は在宅価格の20%が理想といわれているため、実際は理想の額よりも頭金は低くなってしまっています。
【参考】住宅金融支援機構「2018年度 フラット35利用者調査」 詳しくはこちら
賃貸かマイホーム購入か〜それぞれのメリットとデメリット〜
いつの時代も議論の的になるのが、持ち家がよいのか、それとも賃貸住宅がよいのか、ということです。住宅の買い時はいつなのかということと同様に、明確に答えることは容易ではありません。
持ち家・賃貸住宅ともに下記のようなメリットとデメリットがあります。
賃貸住宅のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・住むエリアや住まいの広さ・間取りを、ライフスタイルや家族構成の変化に対応できる。 ・住宅設備などを自分で修繕しなくてよい ・住宅ローンや固定資産税の支払いが不要 |
・賃貸住宅に住み続けていても、資産にも所有物にもならない。 ・リフォームなどが自由にできない ・老後に収入が減少した時でも、同じ額の家賃を払い続けなければならない。また、居住費を毎月支払うことができる十分な貯蓄がないと、新たな賃貸契約をすることが難しくなる可能性がある。 |
持ち家のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・住宅を自分で保有して資産とすることができる。 ・リフォームを自由に行うことができる。 ・住宅ローンを完済すれば、その後は月々の支払いはなくなるため、老後のライフプランの設計に家賃を考える必要がない。 |
・一度購入してしまうと、自由な住み替えが難しくなり、家族構成の変化などに機動的に対応できない。 ・転勤などの環境の変化がある場合の対応が困難。 ・固定資産税を支払わなければならない。 ・メンテナンスを自己責任でしなければならない。 |
上記のメリット・デメリットを考慮して、自身に合った判断をする必要があります。
まとめ
住宅を購入することは一生のうちで最も大きな支出の一つです。
購入する場合は、取得する物件の価格とは別に購入時と購入後に費用が発生します。また、ある程度の頭金も用意しておいたほうが安心です。
住宅を購入するか、賃貸住宅に住み続けるかには、それぞれメリットとデメリットがあり、自身のライフスタイルや今後のライフプランに照らし合わせて比較・検討することが必要です。
ご留意事項
- 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
- 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
- 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
- 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
- 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。
長らくご愛読いただきました、「お金の、育て方MAGAZINE」について、
2024年9月30日(月)をもちまして閉鎖することとなりました。
これまで誠にありがとうございました。
今後の情報発信につきましては、
「お金の、育て方(https://www.tr.mufg.jp/life-shisan/)」をご覧ください。