40代主婦が将来に備えて必要な貯金額は?貯金のための方法もご紹介

40代の専業主婦の方の中には、万が一の事態に備えて自分で自由に使えるお金が欲しいと考えている方も多いことでしょう。そこで、貯金を増やす具体的な方法を紹介します。

40代主婦が将来に備えて必要な貯金額は?貯金のための方法もご紹介

専業主婦に自分名義の貯金は必要?

専業主婦に自分名義の貯金は必要?

専業主婦になると自分の収入がなくなるため、家計をやりくりして貯金を貯めたとしても税法上は主婦の貯金とはみなされません。そのため、確実に自分の貯金と言えるものは以下のものしかなくなります。

・独身時代の貯金
・相続などで分けてもらった財産
・パートなどで稼いだお金


考えたくはないですが、離婚や病気、夫の失業などの事態に遭遇した時に、とりあえず生活するための保険としていくらか貯金を確保しておくことは重要です。

専業主婦に貯金はいくら必要?

専業主婦に貯金はいくら必要?

万が一の備え

突然一人になった場合に必要な貯金額は一体いくらなのでしょうか。必要になる項目ごとに金額を見ていきましょう。
まず、安定して働けるまでの生活費が必要になります。就職活動期間の平均は3か月から半年程度と言われています。
また、2018年の総務省「家計調査」によると、35歳~59歳の毎月の平均支出は以下の通りです。

35~59歳の毎月の平均支出

単身世帯(女性) 二人以上世帯
176,427円 288,265円

【参考】総務省e-Stat:「家計調査-単身世帯」 ※詳しくはこちら
【参考】総務省e-Stat:「家計調査-二人以上の世帯」 ※詳しくはこちら

女性一人の場合は約18万円、ご家族がいる場合は約29万円かかります。このことから、就職するまでの間に必要な貯金額は、単身世帯であれば54~108万円程度、二人以上世帯であれば、87~174万円程度になります。

さらに、引越しが必要になる場合には、以下の費用が必要になります。

・引越し費用
・賃貸物件の初期費用


これらを合算すると、女性一人の場合は最低でも約80万円、ご家族がいる場合は最低でも約100万円は必要と考えたほうがよいでしょう。正確にはご自身の生活環境によって変わってくるので、何がいくら必要になるかしっかり確認する必要があります。

子供の養育費

子どもの教育費など、やりたいことができたときに応援するために必要な金額は以下の表の通りになります。

専門学校、大学の学費例

学校の種類 学費
国公立大学(4年間) 250~万円
私立大学(4年間) 350〜400万円
専門学校 90~170万円

【参考】文部科学省:「平成28年度子供の学習費調査の結果について」 ※詳しくはこちら
【参考】文部科学省:「国公私立大学の授業料等の推移(2019年度)」 ※詳しくはこちら
【参考】マイナビ進学:「専門学校のお金」 ※詳しくはこちら

また、日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」によると、子供が一人暮らしをする場合には、仕送りとして平均して年間約120万円の出費が必要になります。

【参考】日本学生支援機構:「平成28年度学生生活調査」 ※詳しくはこちら

介護の備え

親が元気であっても60歳を超えた段階で準備をしておきたいのが介護費です。介護をするための費用や、有料老人ホームへ入所するための費用、交通費など様々な出費が発生します。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2018年)によると、介護費用の平均は以下の通りです。

介護にかかる費用

費用項目 金額
一時費用※1 69万円
介護費用(月額) 7.8万円

※1:介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用
【参考】公益財団法人 生命保険文化センター:「生命保険に関する全国実態調査(2018年)」 ※詳しくはこちら

また、同調査より、介護期間の平均は54.5か月なので、平均して約500万円程度の費用がかかります。

老後の備え

万が一、未亡人になった場合の老後資金は1,300万~2,000万円が必要となります。

2018年の総務省「家計調査」によると、60歳以上の女性単身者の平均生活費は約15万円です。また、厚生労働省の「平成29年簡易生命表」によると女性の平均寿命は87歳です。したがって、60歳で定年退職した後の27年間で必要な生活資金は、約15万円×12か月×27年=約4,860万円になります。

2018年の厚生労働省「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、女性の短時間労働者の毎月の厚生年金平均受給額は約13万4,000円になり、65歳から受給した場合は約13万4,000円×12か月×22年間=約3,540万円が年金収入になります。

これを生活費約4,860万円から差し引いた約1,320万円が必要な老後資金になります。

女性の方が、平均寿命も長く、一般的には年金額が低いので、生活費と年金の差額は大きくなり、必要な老後資金は男性よりも多くなります。

3つのポイントを総合すると、1,300万~2,000万円が必要になります。詳しく知りたい方は家庭の状況に当てはめながら計算してみてください。

実際にどれくらい貯金を持っているの?

実際にどれくらい貯金を持っているの?

では、40代主婦の貯金額の平均はどれくらいなのでしょうか。実は、公的機関が調べたデータで世帯全体の貯蓄額はわかりますが、専業主婦の貯金額に絞ったデータはありません。そこで、関連する調査結果を見ることで、ある程度予想することができます。

独身時代の貯金

単身世帯の平均貯蓄額

貯蓄あり※1 全体※2
20代 135万円 72万円
30代 289万円 172万円
40代 529万円 295万円

※1:金融資産保有世帯のみ
※2:預貯金無し世帯を含む

【参考】金融広報中央委員会「知るぽると」:「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]各種分類別データ(平成30年)」 ※詳しくはこちら

単身者男女の平均貯金額は、20代が72万円、30代が172万円というデータや、女性の平均初婚年齢は2005年以降、28~29歳で推移しているとする内閣府の調査もあり、付近の年齢で結婚した方も多いと考えると、貯金を使っていない方であれば独身時代のお金が100万円前後残っている可能性があります。

パートなどで家計を支えている場合

パートなどで収入があり、貯金可能な金額を夫婦で半分ずつ分けている場合はどれくらいでしょうか?

以下のデータは40代の二人以上世帯の平均貯蓄額です。

金融資産保有額(40歳代2人以上世帯)

貯金額 割合
100万円未満 6.2%
100万円~ 5.5%
200万円~ 4.5%
300万円~ 3.5%
400万円~ 7.6%
500万円~ 13.3%
700万円~ 12.5%
1,000万円~ 13.5%
1,500万円~ 26.4%

【参考】金融広報中央委員会「知るぽると」:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]各種分類別データ(平成30年)」 ※詳しくはこちら

これらのデータから
・40代の平均貯蓄額:約1,000万円(現預金、保険、株などを含む)
・40代の平均貯金額:約500~700万円

ということが分かります。
つまり、夫婦で半々にすると考えた場合、250~400万円程度と言えるでしょう。

40代主婦の貯金・貯蓄のやり方とコツ

40代主婦の貯金・貯蓄のやり方とコツ

将来の資金が不安という方も多いのではないでしょうか。貯金を増やすには、収入を増やすか支出を減らすなど方法がありますが、すぐにできるものは以下のとおりです。

収入を増やす

・パート・アルバイト・在宅ワーク
・中古品の売買・競取り
・資産運用

支出を減らす

・住宅ローンの借り換えや引越し
・保険の見直し
・水道光熱費の見直し
・通信料金の見直し

今は文章、イラスト、データ入力作業などを請け負う完全在宅ワークも普及しており、パートやアルバイトで働きに出るのは負担という方でも働いて稼ぐ選択肢は広がっています。光熱費については電力小売自由化などで節約プランの比較がしやすい状況です。通信料金は、格安スマホや大手キャリアの値下げで見直すチャンスが増えています。また、大切なのが貯金の習慣ですが、貯蓄用口座に自動引落しをしたり、少額からでも積立投資を始めたりすることで、自然と貯蓄することができます。

まとめ

40代専業主婦の貯金額は、独身時代の貯金をそのまま持っているだけの場合は100万円、その後パートなどで貯金を増やして夫婦半々の貯金としている場合は250~400万円ほどの可能性があります。
40代は子どもの進学、親の介護、自分たちの老後資金など将来の出費が控えています。貯金を着実に増やすには、記事の表で紹介した数字なども見ながら将来の計画をたて、安心できるだけの貯金額を把握して、支出をコントロールすることが大切といえるでしょう。

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