2023年のお彼岸はいつ?〜お彼岸にやるべきこととマナーを解説〜

お彼岸は春と秋の2回あり、春分の日と秋分の日を中日とし、前後3日間を合わせた7日間です。この記事では、お彼岸の期間やお彼岸の意味、気を付けたいマナーなどを詳しく解説します。お彼岸は、ご先祖様や自然に感謝をささげる仏道精進の期間で日本独自の仏教行事です。ぜひお彼岸の知識を深めてください。

2023年のお彼岸はいつ?〜お彼岸にやるべきこととマナーを解説〜

2023年(令和5年)秋のお彼岸は9月20日(水)から

2023年(令和5年)秋のお彼岸は9月20日(水)から

2023年【秋】のお彼岸

月日   曜日    日程      
9月16日 (土) -
9月17日 (日) -
9月18日 (月・祝) -(敬老の日)
9月19日 (火) -
9月20日 (水) 彼岸入り
9月21日 (木) -
9月22日 (金) -
9月23日 (土) 中日(秋分の日)
9月24日 (日) -
9月25日 (月) -
9月26日 (火) 彼岸明け

お彼岸は、春と秋の2回あり、春分の日・秋分の日を中日(ちゅうにち)として、前後3日間を含めたそれぞれ合計7日間です。春分・秋分の日はいずれも国民の祝日にあたり、昼と夜の長さがほぼ同じ日ですが、春分の日と秋分の日は、毎年同じ日とは決まっていません。日付が年によって変動するためです。太陽黄経が0度の瞬間が属する日を春分、180度の瞬間が属する日を秋分と定めていて天文学的に決まり、毎年2月1日に発行される官報に掲載される暦要項で、翌年の春分の日と秋分の日が正式に発表されます。

暦は、太陽と地球の動きが大きく関わっています。冬至や夏至に代表される二十四節気は、太陽の黄道上に24分割された点を太陽が通過する日付を表します。春分や秋分も二十四節気のひとつであり、黄道上の春分点と秋分点を太陽が通過する日を、国立天文台が計算して公表しています。ところが、カレンダーでは地球の公転のズレを修正するために4年に1度うるう年があるように、春分や秋分もズレが生じるため、年により日付が変わってくるわけです。

2023年の秋分の日は9月23日土曜日です。このため、9月20日から26日までの7日間が、秋のお彼岸となります。この期間のうち初日を「彼岸入り」、真ん中の日を「中日(ちゅうにち)」、最後の日を「彼岸明け」といいます。

2023年のお彼岸はシルバーウィークと被らない

2023年のお彼岸はシルバーウィークと被らない

シルバーウィークとは、9月の敬老の日を含む日本の秋の休日が多い期間のことです。
2003年のハッピーマンデーの導入により、敬老の日が9月第3月曜日と改められました。次の祝日である秋分の日と近いことから、土曜や日曜日、振替休日などのタイミングによっては長期の連休となります。ゴールデンウィークほど長期の連休ではないものの「ゴールドに準じた」という意味合いでシルバーウィークと呼ばれます。

2023年の9月の祝日は、敬老の日が18日月曜日、秋分の日が23日土曜日です。18日の敬老の日の前日が日曜日、前々日が土曜日のため、9月16日から18日までの3連休がシルバーウィークとなるでしょう。23日土曜日の秋分の日までは平日が4日続くため、シルバーウィークには重なりません。

2024年(令和6年)春のお彼岸は3月17日(日)から

2024年(令和6年)春のお彼岸は3月17日(日)から

2024年【春】のお彼岸

月日 曜日 日程 
3月17日 (土) 彼岸入り
3月18日 (日) -
3月19日 (月) -
3月20日 (火・祝) 中日(春分の日)
3月21日 (水)
3月22日 (木) - 
3月23日 (金) 彼岸明け

2023年2月1日付の官報で、翌年2024年の春分の日と秋分の日が発表されました。
2024年の春分の日は3月20日は火曜日です。このため、3月17日から23日までの7日間が、春のお彼岸となります。

2024年(令和6年)秋のお彼岸は9月19日(木)から

2024年(令和6年)秋のお彼岸は9月19日(木)から

2024年【秋】のお彼岸

月日   曜日    日程      
9月19日 (木) 彼岸入り
9月20日 (金) -
9月21日 (土) -
9月22日 (日・祝) 中日(秋分の日)
9月23日 (月・振休) -
9月24日 (火) -
9月25日 (水) 彼岸明け

2024年の秋分の日は、9月22日日曜日です。このため、9月19日から25日までの7日間が、秋のお彼岸となります。日曜日と祝日が重なったため翌日23日月曜日は振替休日となります。

お彼岸にやること

お彼岸にやること

春と秋のお彼岸にやることは、主に以下のとおりです。

先祖を偲ぶ

お彼岸はご先祖様の供養をする時期であるとともに、ご先祖様を偲ぶ機会ともなります。ご先祖様に思いを馳せることを通じ、自らのルーツを辿るのもよいでしょう。法要やお墓参りなどを行い、先祖や亡くなられた方の供養を行う期間としてとらえることが良いでしょう。
また、近年、お墓に関する悩みが増加しています。お墓をどうするか、自らの終活についてなど、さまざまなことを考えるきっかけにされることもよいでしょう。

お墓参り

ご先祖様の供養としてお墓参りに出かけます。お彼岸の7日間のうち、都合のよい日で構いません。お墓が遠方の場合は、春か秋のどちらかにお参りするという家庭も多いでしょう。規模の大きい霊園や墓地では混雑する可能性も考え、日が暮れないうちに時間に余裕をもって出かけましょう。

お墓の掃除

お墓参りに出かけたときは、お参りの前にご先祖様の供養と感謝を込め、お墓や周囲をきれいに掃除します。持参するものは、お線香、ろうそく、マッチかライター、お花、お供え物、半紙などです。お墓の掃除道具を持参する場合は、手桶や柄尺、スポンジや雑巾など必要に応じて準備します。

先にお墓の前で手をあわせ、掃除をする旨の挨拶を済ませましょう。お墓の周囲のゴミや落ち葉などを取り除き、雑草を抜いてきれいにします。その後、墓石の上からそっと水を流し、スポンジや雑巾で汚れをこすり洗いします。それから汚れた水を流し、ぞうきんで水気を拭きとりましょう。墓石とその周りがきれいになったら、仏花を左右に挿して半紙にお供え物を置き、線香に火をつけてお参りしましょう。

仏壇と仏具の掃除

お彼岸には、仏壇・仏具の掃除も欠かさず行いましょう。掃除をする際は、いきなり仏具を移動させると正しい位置に戻せないかもしれないため、まずは、今の仏具の配置が見やすいように写真を撮影しておくとよいでしょう。正面だけでなく、上から両側からなど角度を変えて記録しておくと安心です。

お仏壇も上から下に向けて掃除をするのが基本です。
注意すべき点は、濡れた雑巾でお仏壇や仏具を拭かないことです。仏壇購入時に付属していた掃除用品や毛払いなどでホコリを落とし、やわらかい布で乾拭きします。メッキ加工や金箔、漆加工などが施されている仏具は、強くこすらないよう気を付けてください。真鍮製の仏具は、専用の磨き剤を使えばきれいになりますが、メッキかわからない場合は塗装が剥げる原因になります。
香炉の線香の燃え残りは取り除き、1年ごとなど定期的に新しい灰と交換しましょう。
仏具がきれいになったら元の位置に戻し、線香に火をつけてりんを鳴らし掃除が終わったことを伝えましょう。

お供え物

お彼岸のお供え物といえば、一般的に春はぼたもち、秋はおはぎが思い浮かぶのではないでしょうか。ぼたもちやおはぎで使われる小豆の赤い色には邪気払いや魔除けの意味があるとされ、お墓や仏壇へ供えるのにふさわしい食べ物として定着しています。
しかし、お彼岸のお供え物に決まりはありませんので、故人が好んでいたものや家族が食べられるものをお供えしましょう。

彼岸法要

寺社や霊園では、お彼岸の期間に彼岸会(ひがんえ)と呼ばれる彼岸法要・彼岸会が行われたり、お彼岸のあいだに施餓鬼(せがき)法要が行われることが多いです。彼岸法要は、お寺で行われるお彼岸法要に参加したり、個別でお寺に彼岸法要を依頼したり、場合や地域によってさまざまです。法要を執り行う際にはお寺にお礼の気持ちとしてお布施を渡すのが一般的です。

お彼岸のときに気を付けるマナー

お彼岸のときに気を付けるマナー

お彼岸でも気を付けたいマナーがあります。

お供え物に熨斗をつけない

お仏壇へのお供え物を用意する場合は、熨斗(のし)のない弔事用の掛け紙(かけがみ)を添えてもらいます。水引は黒白、黄白、双銀と地域により異なる場合がありますが、いずれも固く結ばれた結び切りです。水引上段の表書きには、「御供」または「御供物」と書きます。下段には姓名をフルネームで書きましょう。

お金を包む場合は不祝儀袋を使い、49日前の忌中であれば「御霊前」、忌明け後は「御仏前」あるいは「御供物料」と記します。入れる金額にあわせて、豪華過ぎる袋は避けるようにしてください。


さらに、自宅に僧侶を招いて法要を行った場合は、お布施の他に車代を準備しておきましょう。

お供え物は包みから出す

お彼岸の時期に入手しやすい、定番のぼたもちやおはぎを墓前にお供えする方もいるでしょう。手作りしたものをお供えする方もいるかもしれません。お供えには特に決まりはありません。毎回同じにする必要はなく、故人の好物や和菓子、果物でもよいでしょう。

お供えするときは、菓子箱のままや個包装のまま供えるのではなく、包から出してすぐ食べられる状態で二つ折りにした半紙の上に並べます。お供え物は、お参りが済んだらご先祖様と一緒にその場で皆で食べましょう。残しておくと野生の動物が荒らしてしまう可能性や腐敗して墓石が汚れてしまうこともあるため、お参り後にその場で食べるか、必ず持ち帰ることがマナーです。

お仏壇や仏具は床に置かない

掃除の前には手をあわせて、ご本尊様とご先祖様にこれから掃除をする旨伝えましょう。移動した御本尊様やご位牌は床に直置きしては失礼にあたります。仏具も含め、布や新聞紙などを敷いた上に載せて、傷を付けないように丁寧に取り扱います。

お墓参りの装い

お彼岸のお墓参りの服装は、平服や普段着で問題ありません。しかし普通の服といっても、だらしない服装や露出の多い派手な服装は避けましょう。一般的に、お墓参りの際はお墓の掃除も行いますので、動きやすい服装で行きましょう。
何かの用事のあとにお墓参りを済ませるのでは、ご先祖様に失礼にあたります。また、暗くなると照明などが不十分で満足にお墓の掃除ができない場合があるため、お参りする時間帯は、午前中や午後の早い時間までに済ませるようにしましょう。

そもそもお彼岸とは?

そもそもお彼岸とは?

年に2度あるお彼岸は、古来の年中行事という理解はしていても、具体的に何をするかわからない方もいるかもしれません。また、お彼岸もお盆も同じようなもので、どう違うのかわからない方もいるでしょう。

お彼岸は、仏教の極楽浄土の教えが根底にあります。しかし、お彼岸は他の仏教国には存在せず、日本独自の文化です。地域や菩提寺あるいは家庭により、お彼岸に対する細かな解釈は異なる場合もありますが、大筋では「極楽浄土のあの世(彼岸)へ行けるよう、この世(此岸)で善行や徳を積み、先祖に感謝する期間」がお彼岸です。それに対してお盆は、ご先祖様や亡くなった方の魂を自宅にお迎えして供養する期間です。どちらもご先祖様の供養には変わりありませんが、意味合いや風習が異なります。

お彼岸の由来

彼岸とは、海や川を挟んだ向こう岸を指す熟語です。仏教用語での「彼岸」は、煩悩を超えて到達する涅槃を表す「彼の岸」を指しています。つまり、亡くなった人のいる極楽浄土を表すという説が一般的です。

お彼岸の語源は、古代インドに伝わるサンスクリット語の「波羅蜜多(パーラミター)」で、「悟り、完全」という意味があります。漢訳した言葉が「到彼岸(とうひがん)」で、これが転じて「お彼岸」として定着したという説が一般的です。仏教では「西方浄土」との考え方があり、この世である此岸は東に、あの世の彼岸は西に位置するとされています。春分の日と秋分の日は、太陽が真東から真西に向かう日であり、此岸と彼岸が最も近くつながるため、この日を中心としてご先祖様へ感謝する期間に当てたのが始まりとされています。

まとめ

お彼岸は、春と秋の2回あり、春分の日・秋分の日を中日(ちゅうにち)として、前後3日間を含めたそれぞれ合計7日間です。春分の日・秋分の日は年によって異なりますが、祝日のため、お彼岸中が3連休となることもあります。
遠方のために日頃からご先祖様のもとへ訪れる機会があまりない場合は、こうした機会を利用してぜひ、顔を出してお参りをするとよいでしょう。

お彼岸は、行事としての作法やマナーにも気を付けたいところですが、もっとも大切なことはご先祖様への感謝の気持ちを持ってお参りをすることです。「おはぎ」や「ぼたもち」にこだわらず、故人が特に好きだった食べ物やお花がある場合はそれらを用意するといった心遣いも重要です。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ