さまざまな葬儀・供養の形〜伝統的な種類から最新事情まで〜

葬儀は、故人を偲んで送り出すために行う大切な営みです。しかし、いざ自分が葬儀を執り行う喪主の立場になった場合に、とまどってしまう人が少なくありません。家族の間であらかじめ、万が一の時のことは話し合っておきたいものです。ここではさまざまな葬儀の種類や費用の目安について紹介します。

さまざまな葬儀・供養の形〜伝統的な種類から最新事情まで〜

葬儀の種類は多種多様

葬儀の種類は多種多様

ひと口に葬儀といっても、さまざまな種類があります。

●一般葬
私たちが「葬儀」という言葉で連想するのが、このスタイルの葬儀です。遺族、親族にかぎらず、友人、仕事関係者、近所の人など、幅広い人が参列します。

●社葬
会社役員や職場での殉職などでは、故人が勤務していた企業が葬儀を執り行なうことがあります。

●家族葬(密葬)
家族や親族など、参列者を少人数にとどめて小規模な葬儀を行います。

●一日葬
通常、葬儀は通夜と告別式で二日かかりますが、通夜の儀式を省き、一日で執り行うことをいいます。高齢者や遠方からの参加者が多い場合に、行われることがあります。

●直葬
通夜や告別式を行わず、直接火葬する方法です。

遺骨の埋葬方法にも違いがある

また、葬儀だけでなく遺骨の埋葬方法には次の3つのパターンがあります。

①合祀(ごうし)
遺骨を他人の遺骨とまとめて埋葬する方法

②共同埋葬
大きな埋葬スペースに骨壺をひとつひとつ個別に納める方法

③個別埋葬
個々の区画スペースに骨壺を納める方法
また、骨壺に収めずに、直接土中へ遺骨を埋葬する方法もあります。

葬儀代の総額は全国平均で約178.2万円

葬儀代の総額は全国平均で約178.2万円

株式会社鎌倉新書が行った「第3回お葬式に関する全国調査」(2017年)によると、葬儀の種類では、一般葬が52.8%と過半数を占めていますが、家族葬が37.9%に増加しています。
また、葬儀にかかる平均総額(葬儀費用・飲食代・返礼品を含む、お布施は除く)は、約178.2万円となっています。

2013年に実施した第1回の調査では、平均総額が約202.9万円だったことに比べると、4年間で実に24.7万円も減少しています。これは、家族葬が全体の約4割に増えて葬儀への参列者が減ったため、葬儀費用も減少したと考えられます。

【参考】鎌倉新書 いい葬儀「第3回お葬式に関する全国調査(2017年)」詳しくはこちら

宗教にこだわらずに故人をしのぶ「自由葬」

宗教にこだわらずに故人をしのぶ「自由葬」

最近は、特定の宗教・宗派にこだわらない「自由葬」も人気です。僧侶を招かず、故人の趣味や好きだったものを葬儀場に飾ったり、焼香の代わりに献花したりするなど、宗教色を取り去った葬儀が増えています。

●音楽葬
美しい音楽の調べの中で、故人を送り出します。故人が好きだった音楽をCDで流したり、プロの演奏家のバイオリンやフルートなどの生演奏を組み込んだりすることもできます。クラシック音楽にかぎらず、エレキギターを飾り、ロック音楽を式場に流す「ロック葬」など、音楽葬の式次第や演出は遺族が自由に作り上げることができます。

●花祭壇
従来の白木の祭壇ではなく、祭壇に花をいっぱいに飾るフラワー葬(花祭壇)も増えています。故人の好きだった花を中心にするなど、さまざまなフラワーアレンジメントが可能です。

お墓ではなく自然の中に還る「自然葬」

死後はお墓に入るのではなく自然の中での埋葬や散骨を希望する人が増えています。
海洋葬、樹木葬、宇宙葬などは、みなさんも一度は聞いたことがあるでしょう。いずれもお墓以外で供養を行うスタイルで、「死後は自然の中に還る」という日本人ならではの死生観にマッチしているため、最近、徐々に増加している供養のスタイルです。

●樹木葬
墓石の代わりに、桜や紅葉などの樹木を墓標とするお墓で、最近、急増しています。樹木ではなく、草花や芝生で彩られたガーデン風・花壇風のタイプもあります。

●海洋葬
遺骨を細かく砕いてパウダー状にして海に散骨するスタイルの埋葬方法です。死後は「自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という思いや、さまざまな事情でお墓を持てない人の間で人気を集めています。海洋葬を行えば、お墓は不要になります。

海洋葬には、次の3つのパターンがあります。

①個別散骨
一艘の船を貸し切り、家族や友人などの親しい人たちだけで海に散骨します。

②合同散骨
2~3組の遺族グループで一艘の船を貸し切り、合同で海に散骨します。他の遺族グループと乗り合わせるので日程調節などの手間がかかりますが、費用は個別散骨よりも安くなることが多いようです。

③代行散骨
遺族が業者に散骨を依頼し、業者が海洋散骨を行います。散骨が行われた証拠として証明書の発行や、写真での散骨の報告などのサービスがあります。

●宇宙葬
散骨の一番人気は、前述した海洋葬ですが、最近は宇宙葬というスタイルも登場しています。遺骨をカプセルに入れて宇宙に飛ばす「ロケット葬」と、遺骨をバルーンに入れて空に打ち上げる「バルーン葬」があるようです。

●海外散骨
業者に依頼して、生前に故人が希望していた場所に散骨します。ハワイ、グアム、オーストラリアのグレートバリアリーフなどが人気の海外散骨の場所となっています。ただし、散骨に関する法律については各国それぞれで異なり、違反すると罰金が発生することもあるので、個人で行わずに専門業者に相談すると良いでしょう。

【参考】一般社団法人 日本海洋散骨協会「ルール・マナー」詳しくはこちら

まとめ

最近は、葬儀費用が減少しつつあります。家族・親族だけで葬儀を行う家族葬が増加していることがその理由として挙げられるでしょう。また、葬儀自体も僧侶を招かずに自由なスタイルで行う自由葬が増えつつあります。さらに、樹木を墓標としたり、海や宇宙への散骨が増えたりするなど、宗教・宗派にこだわらない供養の形が増えています。

最後に、葬儀費用に関してどのように準備するかも検討すると良いでしょう。最近では、保険や信託、預貯金の仮払い制度などいろいろな方法があります。

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