御花料とは?相場・渡すときのマナーや「香典」「お花代」との違いも解説

あまり聞きなれない「御花料」という言葉。「御花料」とは、キリスト教の通夜や告別式、法要の際の弔慰金として用いる言葉です。この「御花料」に関する相場やマナー、よく似た「お花代」や「香典」との違いについて、詳しく説明していきます。

御花料とは?相場・渡すときのマナーや「香典」「お花代」との違いも解説

そもそも「御花料」と「お花代」は何が違う?

そもそも「御花料」と「お花代」は何が違う?

「御花料」とは、キリスト教における葬儀において遺族に渡す金品を表す言葉です。仏教式の際によく耳にする「香典」と同じような意味合いと考えていいでしょう。一方「お花代」とは、その名の通り「供花にかかった花の代金」という意味です。ほかに、香典と同じ意味合いで包むお金を指すこともあります。
「御花料」と「お花代」で抑えておきたいのが、このふたつはそもそも異なる宗教で用いられているという点です。「御花料」はキリスト教式で使われるものであり、対する「お花代」は仏教式の際の用語となります。宗教に関する誤りはマナーに反する行為となるので、しっかり把握しておきましょう。

「御花料」とは

「御花料」とは

「御花料」とは、キリスト教の葬儀の際に遺族の方へお包みするお金のことです。仏教では焼香やお供え物といった形で故人を悼みますが、キリスト教式においては、これらに代わって献花に重きを置いています。日本にキリスト教の教えが広まるにあたって、焼香といった仏教の文化と、キリスト教の献花の文化が融合して、「御花料」という言葉で金品を添える習慣が生まれたとされています。

御花料の相場は?

御花料として包む費用の相場は、仏式の香典と同じと考えて問題ありません。両親は5万円〜10万円、兄弟姉妹は3万円〜5万円、祖父母や叔父叔母などの親類は1万円〜3万円、友人や知人は3,000円〜1万円が相場とされています。これはあくまで一般的なものであり、生前の故人との関係によっては増減する場合もあるでしょう。また、配偶者の家族や親類が亡くなった場合も、基本的には自分の家族と同じ額を包むのがよいとされています。

御花料の相場

故人の続柄 遺族に渡す御花料の相場
両親 5万〜10万円
兄弟姉妹 3万〜5万円
祖父母・叔父叔母 1万〜3万円
友人や知人 3,000円〜1万円

御花料のマナー

御花料のマナー

「御花料」を包む際には、十字架や百合が描かれたキリスト教にふさわしい不祝儀袋か、水引のついていない真っ白の無地の封筒を用います。前者の封筒はコンビニエンスストアなどでは売っていない場合もありますので、その際は白く何も書かれていない無地の封筒を購入して、「御花料」の表書きを記載しましょう。宗派に関係なく表書きには「お花料」「御花料」を使用するのが良いでしょう。キリスト教には水引を付ける文化はありませんので、白い無地の封筒そのままで問題ありません。

「お花代」とは

「お花代」とは

「お花代」とは、参列者が供花する際にかかった費用を表します。供花を送る際は、会場となる葬儀会社に相談しましょう。供花を承っていない花屋もあるので、葬儀の担当者を介して注文する方がスムーズです。「お花代」は葬儀会社に渡すこともあれば、遺族の方がまとめて立て替えている場合は遺族の方に渡すこともあります。ここの手順も、注文をする前にあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

また、都合が合わず参列できなかった人が金品を渡すときは、「香典」に代わって「お花代」という言葉で表します。こちらは後日改めて遺族のもとを訪問した際に手渡しするのが一般的です。このように、「お花代」にはふたつの意味合いが込められているので、正しく覚えておきましょう。

香典とお花代の違い

遺族の方々へ諸々の出費を気遣って送る「香典」とは別に、「お花代」は供花そのものにかかった費用のことを指します。あくまで供花に対する費用であり、葬儀会社などに支払われるものとなります。まったく意味合いの異なるお金となるので、渡す相手はあらかじめ確認しておき、しっかりと分けて包んで用意しておきましょう。

お花代の相場は?

相場は、1万5,000円ほどが一般的とされていますが、生前の故人との関係性によって金額は変わってきます。また、家族のみで行う小さい規模の場合は、あまりに高額なものだとかえって気を遣わせてしまうおそれがあります。もし迷ったら、注文の際に葬儀会社に相談しましょう。

参列できなかった際に送る「お花代」の相場は、一般的な「香典」のものと同じものになります。こちらも生前の関係に鑑みつつ、適切な額を包みましょう。

お花代のマナー

供花に関しては、必ず事前に遺族の方や担当している葬儀会社に確認をしておきましょう。
遺族の方が身内だけの小さな規模のものを望んでいる場合、あまりに大掛かりな供花を送ってしまうと逆に気を遣わせてしまうこともあるからです。遺族の方に直接確認がとりづらいときは、葬儀会社に相談することをおすすめします。供花を贈っても迷惑ではないか、贈る際はいつ誰にどのような形で支払えばいいのか、しっかり確認しておきましょう。場合によっては後日銀行振り込みでの支払いとなることもありますが、そうなったときは「お花代」として包む必要はありません。

お花代の渡し方にも注意を

「お花代」を渡すことになった場合、渡し方にも気を付けましょう。花の代金だからといって現金を直接そのまま渡してしまうのはマナー違反です。特に、状況によっては遺族の方に直接渡すケースもありうるため、必ず「香典」とは別に包んで用意しておきましょう。「お花代」も不祝儀袋や白い無地の封筒に入れてお渡しするのがマナーです。表書きは「お花代」や「御花代」とします。表書きや住所などを封筒に記載する際には、薄墨を使う方が望ましいとされています。受付の方に「香典」とまとめて渡す場合は、「こちらは供花のお花代です」と伝えておくと、相手方にも分かりやすくなるでしょう。

また、北海道では「御供花料」と呼ばれるものを渡す風習があります。「お花代」によく似た言葉ですが、これは単なる供花への代金ではなく、遺族の方々への金銭的な援助という意味で送られるものです。このように地域によって習慣が異なることもあるので、馴染みのない地域で葬儀に参列することがあれば、事前に担当者に確認しておくと安心です。

まとめ

まとめ

「御花料」と「お花代」は、響きこそ似ていますが、その意味合いはまったく異なります。特にキリスト教式は日本ではなじみのない方が多く、つい仏教式の習慣でおこなってしまいがちなので注意が必要です。故人を悼む場ですので、遺族の方にも失礼がないよう、表記やマナーといった基本的な部分はあらかじめ知識として持っておきましょう。

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