相続対策ならここまで考えるべき「二次相続」とは?

二次相続とは、両親のうち二人目の親が亡くなったときに起こる二回目の相続をいいます。一次相続では配偶者とその子供が相続人となり、さらに配偶者が亡くなれば二次相続として子供が相続人となります。二次相続の対策が必要とされる理由と、その対策方法を解説します。

相続対策ならここまで考えるべき「二次相続」とは?

二次相続とは? 一次相続との違いはなに?

二次相続とは? 一次相続との違いはなに?

まずはじめに、一次相続と二次相続の違いを押さえておきましょう。

一次相続と二次相続

一次相続とは、被相続人の配偶者とその子供が相続人になることです。これに対し、一次相続で相続人となった配偶者が亡くなり、子供が相続することを二次相続といいます。両者の違いで重要なポイントは「法定相続人の数」と「配偶者の有無」です。

一次相続と二次相続までの期間が10年以内の場合

一次相続と二次相続までの期間が10年以内の場合、相次相続(そうじそうぞく)控除があります。これは、短期間のうちで相続が発生したときに相続税の負担が軽くなる制度です。
この控除が受けられるのは、二次相続の被相続人が一次相続の相続人であって、一次相続の際に相続税を支払っている場合です。相続放棄をした人や相続権を失っている人は対象外です。

二次相続の対策が必要な理由

二次相続の対策が必要な理由

二次相続の対策をするかどうかで、支払う相続税の額が大きく異なることがあります。具体的に見ていきましょう。

一次相続の時よりも基礎控除額が減る

相続税における基礎控除額は、「600万円×法定相続人の数に3,000万円を足し合わせた額」です。つまり、配偶者が亡くなっている二次相続では法定相続人の数が一次相続のときよりも減るケースがあり、その場合は基礎控除額も600万円分少なくなります。結果として、一次相続のときよりも相続税がかかりやすく、高額になることがあります。

配偶者の税額軽減が使えない

相続税には配偶者の税額軽減の特例という制度があります。配偶者が相続した財産が法定相続分以下もしくは1億6,000万円以下の場合、配偶者に相続税は課税されません。ところが、二次相続では配偶者が亡くなっているためこの特例が使えず、納税額も大きくなります。特に、一次相続で特例を活用し配偶者が多額の遺産を相続すると、二次相続が生じた場合には相続税がかえって高額になってしまうこともあるため、気をつけなければなりません。

どこまでが法定相続人か

法定相続人になるのは配偶者と血族です。配偶者は必ず相続人となり、血族の場合は優先順位があります。第一順位は子供やその代襲相続人、第二順位は直系尊属(両親など)、第三順位は兄弟姉妹やその代襲相続人です。代襲相続人とは、子供や兄弟姉妹が死亡している場合、それに代わって相続(代襲)する孫や甥、姪などを指します。

二次相続の節税対策

二次相続の節税対策

二次相続における節税対策として、生前贈与や生命保険への加入のほか、住宅取得資金援助や教育費援助といった非課税の特例を活用する方法が考えられます。これらを知っているかどうかで相続税額は大きく変わってくるため、意識しておきましょう。

生前贈与

遺された配偶者が子供に生前贈与をすることで、相続税の対象となる財産を減らす方法があります。贈与税については、1人あたり年間110万円以内の贈与であれば基礎控除の範囲内となるため、課税されません。一度に多額の贈与をするのではなく、複数の子供に分散させたり少額の贈与を繰り返したりすることで、贈与税がかからずに子供への贈与ができます。

ただし、毎年コンスタントに少額の贈与を行う場合、連年贈与とみなされてしまうと最初の年に一括で贈与したとみなされ、贈与税が課せられる可能性もあります。贈与の金額や時期を変える、贈与の都度、契約書を作成するなどの対応をしておきましょう。

住宅取得の資金を援助

子供もしくは孫が自宅を新築購入、増改築する際に一定額が非課税になる「住宅取得等資金の贈与の特例」という制度を利用した節税対策もあります。

この制度の適用条件は、贈与を受ける年の1月1日時点で20歳以上の直系卑属(子、孫、ひ孫など)、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下、贈与した翌年の3月15日までに資金の全額を充てて家屋の新築等を行い居住することなどです。

教育費を援助

子供や孫の教育資金に充てる目的での贈与が1,500万円まで非課税となる「教育資金の贈与の特例」という制度を利用する方法もあります。

この制度の適用条件は、2023(令和5)年3月31日までの期間(※)であること、受け取る人間が30歳未満であること、資金を受け取る年の前年分の合計所得が1,000万円以下であることです。なお、贈与された資金が30歳になった時点で残っている場合、その分贈与税が課税されるため注意が必要です。

(※)元々2021年3月末までの期間とされていましたが、新型コロナウイルスによる経済状況を背景に、期間を2年延長。2020年12月10日改正。

生命保険への加入

遺された配偶者が被保険者となり、子供を保険金受取人という形で生命保険へ加入する方法もあります。
死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額があるため、これを適用することで相続税の負担を減らすことができます。

生命保険加入のメリットとして、保険会社に届け出るだけで死亡保険金が支払われるため、納税資金に充てられる点や、すぐに現金を用意できる点が挙げられます。葬儀費用などへの備えとしても、生命保険への加入は役立つでしょう。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例

被相続人が居住していた土地を相続する際には「小規模宅地等の特例」という、相続税の評価額を減額する制度を利用するのも手です。節税効果が高く、適用数も多いとされています。

小規模宅地等の特例によれば、被相続人が居住していた宅地など(特例居住用宅地等)は330㎡を限度面積として、相続税の課税価格の80%が減額されます。特例を活用するためには、土地を相続するのが被相続人の配偶者か、同居する親族であるなどの要件を充たす必要があります。

特例の主な活用方法

一次相続では一般的に配偶者が自宅を相続するケースが多く見られますが、子供が自宅を相続することで、配偶者の税額軽減とかち合うことなく節税が可能です。あるいは、二世帯住宅に建て替えることで、子供は被相続人との同居という要件を備えられ、この特例を活用できます。この場合、特例が適応するかどうかの判断は所有権の登記内容によってなされるので、注意が必要です。

まとめ

まとめ

二次相続では、一次相続のときよりも相続税の負担が大きくなる可能性があります。さまざまな特例や生前贈与などを駆使することで節税に繋げられます。相続が開始される前に、活用できる節税手段を検討してみてはいかがでしょうか。
とはいえ、相続税対策は知識がないとわからないもの。専門家や信託銀行など相続に長けたところに相談を検討してみるのも良いでしょう。

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