元本割れ(がんぽんわれ)とは?元本割れしないとは?「元本確保型」のリスクも解説

元本割れとは、投資した当初の金額を下回ってしまうことです。一般的な預貯金は元本割れしない金融商品ですが、同じ預貯金でも「外貨建て」には注意が必要です。元本割れリスクの基礎知識と「元本確保型」に起こりうる元本割れリスクについて解説します。

元本割れ(がんぽんわれ)とは?元本割れしないとは?「元本確保型」のリスクも解説

「元本割れ」とは

「元本割れ」とは

投資のために購入した金融商品の価格が、当初の購入代金を下回ってしまうことを「元本割れ(がんぽんわれ)」といいます。

株式投資の場合、株価を決めるのは株式市場です。株式市場が休みでないかぎり、株価は常に変動しています。そのため、例えば10,000円の株価で買った株式が、9,000円の株価になることもあります。このように現在の株価が購入時の株価より下回ってしまうことを元本割れといい、そのタイミングで株式を売却すると、損になってしまいます。

株式以外の金融商品(投資信託、外貨、債券、金など)でも、元本割れを起こす可能性があり、このようなリスクを「元本割れリスク」といいます。

「元本割れしない」ってどういうこと?

「元本割れしない」ってどういうこと?

「元本割れしない」とは、保有している金融商品を売却したときに受け取る金額が、当初の購入金額を下回らないことをいいます。例えば、普通預金や定期預金のような一般的な預貯金は、いつ引き出しても元本を下回ることがなく、元本が保証されています。

「外貨建て」の場合には注意が必要

注意が必要なのは、外貨建ての金融商品(外貨建て預金、外貨建て保険、外貨建て債券など)です。預金はいつ引き出しても、元本割れしません。また、保険や債券も満期まで保有すれば元本割れしませんが、それはあくまでも外貨で計算した場合です。外貨で戻ってきた元本を日本円に換えたとき、為替レートによっては下回る場合があります。

例えば、1米ドル=100円のときに、外貨建ての金融商品を10,000米ドル分(100万円)買ったとします。満期となり手元に10,000米ドルが戻ってくれば、外貨では元本割れしていません。しかし、戻ってきた10,000米ドルを日本円に換えるときの為替レートが1米ドル90円なら、90万円になってしまいます。このように、外貨では元本割れしなくても、日本円に換えると元本割れするようなケースもあるので注意が必要です。

日本円に換えると元本割れするようなケース

このように、価格が変動したり、為替が変動したりすると元本割れするリスクがあります。「元本割れしない金融商品」とは、投資したときの通貨ベースで価格が変動するリスクがない金融商品のことをいいます。

「元本確保型」に起こる「元本割れ」のリスク

「元本確保型」に起こる「元本割れ」のリスク

金融商品の中には「元本確保型」といわれるものもあります。元本割れリスクがないように思うかもしれませんが、元本保証とは異なります。元本保証は運用期間中も元本割れしませんが、元本確保型は、あくまでも満期の時点で元本割れしないように運用しています。そのため元本確保型を中途解約した場合、元本割れの可能性があるのです。

例えば、元本確保型の保険商品の場合、満期を迎えると満期保険金などが受け取れます。しかし、中途解約をしてしまうと「解約控除金」が差し引かれる場合があるのです。そのため商品によっては、返ってくる金額が当初の購入代金を下回るケースもあります。

ほかにも元本割れリスクのある元本確保型の金融商品には、国債、地方債などの債券があります。債券とは、債券発行者に対して投資家がお金を貸す代わりに、利息を受け取ることができる金融商品です。ほとんどの場合で満期があり、満期を迎えると貸したお金が全額戻ってきます。しかし、満期前に市場で売却する場合には、その時点での価格となるため、元本を下回る可能性があるので、確認はしっかりしましょう。

まとめ

まとめ

できるだけ元本割れを避けたいと考える方は多くいます。しかし、現在の預貯金は低金利が続いているため、これから資産をふやしていこうと考えるのであれば、預貯金以外の選択肢も必要になるでしょう。投資でお金をふやそうと考える場合、選択肢になる金融商品のほとんどが元本保証ではないため、多くの場合、元本割れリスクを負うことになります。

投資をはじめるうえで、元本割れリスクを知ることはとても重要です。はじめて投資を行うときは、元本割れリスクに敏感になりやすいと思います。資産形成は焦ってやる必要はありません。元本割れについてしっかり理解してからはじめてみてください。

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