退職金はいつもらえる?振込時期や金額相場、税金について解説

会社を辞める際に受け取る退職金。いつ、どのくらいもらえるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、退職金が振り込まれる時期や学歴別や勤続年数別の退職金の相場を紹介します。万一、退職金がもらえなかった時は、経理や労務、労働基準監督署への報告が必要です。

退職金はいつもらえる?振込時期や金額相場、税金について解説

退職金はいつもらえるのか

退職金はいつもらえるのか

退職金はいつもらえるのでしょうか?会社を辞めてから、退職金が振り込まれるタイミング・時期を確認していきましょう。

退職して1〜2ヶ月が目安

退職金という制度自体、企業がそれぞれ任意で設定するものなので、支給日も明確な定めがあるわけではありません。ただ、目安の1つとしては退職から1~2ヶ月後というのが一般的なようです。
ただし、会社によっては半年後というケースもあります。

企業の就業規則を確認しよう

退職金をいつ受け取ることができるのかを知りたい場合は、就業規則を確認しましょう。就業規則に明記されていれば、それが会社の支払い期限となります。
経理部門や人事労務部門など担当の部署に問い合わせるという選択肢もあります。

退職金の金額の相場

退職金の金額の相場

退職金で気になるのが、その金額です。ここでは、退職金の金額はどのように決まるのか、相場はどのくらいなのかを紹介します。

退職金の金額は勤続年数や実績などにより決まる

退職金の金額は、会社の規模や勤続年数、勤務時の実績(役職や給与)、学歴などによって異なります。
算出方法は、基本給と勤続年数を掛け合わせて算出するのが一般的で、自己都合や会社都合といった退職理由によっても違いが出てきます。

大企業の退職金の相場(資本金5億円以上、労働者1,000人以上)

大企業の退職金の相場を紹介します。
(1) 資本金5億円以上、(2) 労働者1,000 人以上の会社を大企業と定義し、退職金の相場を学歴別に表にしました(労働者の種類は事務・技術労働者、総合職相当を採用しています)。

高校卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 137万8,000円 214万2,000円
15年 289万円 403万5,000円
20年 557万3,000円 664万7,000円
25年 862万8,000円 1,005万円
30年 1,197万2,000円 1,367万9,000円
定年 1,971万2,000円

高専・短大卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 155万5,000円 251万4,000円
15年 306万4,000円 420万8,000円
20年 617万3,000円 726万7,000円
25年 875万2,000円 949万2,000円
30年 1,243万6,000円 1,384万3,000円
定年 1,355万3,000円

大学卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 179万9,000円 310万2,000円
15年 387万3,000円 577万9,000円
20年 726万5,000円 953万1,000円
25年 1,143万1,000円 1,393万8,000円
30年 1,706万7,000円 1,915万4,000円
定年 2,563万9,000円

【参考】政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」 詳しくはこちら

中小企業の退職金の相場(従業員が 10 人~299 人)

中小企業における退職金の相場を学歴別に表にして紹介します。

高校卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 87万8,000円 118万8,000円
15年 162万3,000円 203万8,000円
20年 255万6,000円 308万4,000円
25年 366万5,000円 431万1,000円
30年 487万2,000円 558万9,000円
定年 892万円

高専・短大卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 944,000円 119万6,000円
15年 171万6,000円 209万9,000円
20年 268万8,000円 318万2,000円
25年 385万1,000円 448万2,000円
30年 512万1,000円 584万6,000円
定年 891万9,000円

大学卒の退職金の目安

勤続年数 自己都合 会社都合
10年 107万4,000円 142万4,000円
15年 199万3,000円 247万3,000円
20年 318万4,000円 385万9,000円
25年 444万3,000円 525万1,000円
30年 594万1,000円 687万円
定年 997万4,000円

【参考】東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)<第8表-18 モデル退職金(退職一時金のみ)> 詳しくはこちら

公務員の退職金相場

公務員は、国家公務員退職手当法(地方公務員の場合は地方自治法)と呼ばれる法律で退職金の振り込み日が決められています。原則、翌月中の振り込みになっています。

退職金が支払われない時の対処法

退職金が支払われない時の対処法

会社に退職金制度があるのに退職金がもらえなかった場合は、請求を行う必要があります。ここでは、退職金がもらえなかった時の対処法を紹介します。

就業規則を確認する

退職金に関する規定は、通常就業規則に記載されています。支給の条件や計算方法などが明記されているはずなので、まずは就業規則を確認してください。

経理や労務の担当者に確認する

退職金の支給時期が過ぎても振り込みがない場合は、遠慮せずに会社の経理や労務の担当者に連絡しましょう。
前述のとおり、一般的には支給請求から1〜2ヶ月程度で振り込まれるはずですが、何らかの理由で会社の手続きが遅れている可能性があります。
その場合は、冷静に、会社に速やかな対応を依頼しましょう。

会社に直接連絡しても支給されない時は、会社に対して「退職金請求」を行うことができます。この場合、労働基準法23条1項より、請求後7日以内に支払わなければならないと定められています。
なかには企業側が故意に退職金を支払わず、のちに裁判になるケースもあります。

請求書を送る際は、日時や差出人を証明してくれる内容証明郵便を使用するとよいでしょう。ただし、退職金請求は5年以内に行うことになっているので、注意が必要です。(労働基準法第115条・会計法30条に準ずる)。

労働基準監督署に報告する

退職金請求を行っても会社が支払いをしてくれない場合、労働基準監督署や弁護士事務所などに相談しましょう。
国の機関である労働基準監督署では、専門の相談員が無料で相談を受け付け、労働者に代わって会社と交渉してくれます。それでも解決しない場合には、弁護士に相談するとよいでしょう。

中小企業退職金共済制度を利用している場合

中小企業退職金共済制度を利用している場合

「中小企業退職金共済制度」(以下、中退共)とは、中小企業が退職金制度を維持し、退職金となる資産を保全するために設けられた制度です。中小企業の退職金制度の運営負担を軽減することを目的としているため、資産の管理や運用、給付は中退共が担います。

中退共の退職金は、退職金を受け取る本人が中退共に請求手続きをして支払いを受けます。原則として請求から約4週間後に支払われます。

退職金を年金形式(分割型)で受け取る場合

退職金の受け取り方は、3パターンあります。
全額を一括で受け取る「退職一時金」年金のように何年かに分けて受け取る「退職年金(分割型)」そして「退職一時金と退職年金の併用」です。

退職年金(分割型)では、受け取る頻度と受け取る期間を選択することで、受給のタイミングと1回にもらえる金額が変わります。
退職金を年金払いで受け取る場合、受け取っていない分の退職金(年金)を原資とする運用益が上乗せられるため、受け取り総額が増える可能性があります。
退職金(年金)を分割で受け取るため、一度に使い過ぎてしまうリスクが少ないのもメリットです。

退職金にかかる税金にも要注意

退職金にかかる税金にも要注意

普段、給料から税金が引かれるように、退職金も受け取り時に所得税・住民税・復興特別所得税が引かれます。
退職金は、確定した金額すべてに課税されるわけではなく「退職所得控除」という特別に控除される分を引いたものに課税されるので、税金の負担は軽くなるように配慮されています。

詳しい計算式は割愛しますが、30年働いた会社から2,500万円を受け取った場合、所得税及び復興特別所得税は58万4,522円、住民税は50万円かかります。
およそ100万円が税金として引かれるわけです。このように退職金は提示額がそのままもらえるわけではないので、注意してください。

【参考】国税庁「退職金と税」 詳しくはこちら

退職金を資産運用する場合の方法

退職金を資産運用する場合の方法

いざ退職金をもらった時に、何に使おうか迷っているという方も多いのではないでしょうか。ここでは、退職金の用途の1つとして、資産運用を紹介します。ここでいう資産運用とは、退職金をすべて預貯金にしてしまうのではなく、使い道に分けて賢く貯蓄することをいいます。

まず、お金を使う時期によって分けてみましょう。1年以内・5年以内・5年以上先の3つに分けます。
1年以内に使う予定のお金は、すぐに取り出せるよう預貯金に入れておきます。
5年以内に使う予定のお金は、通常の預貯金よりも金利が少し高い定期預金に入れておくか、債券などで保有することがおすすめです。
5年以上長く使う予定のないお金は、投資信託や株式などの投資で老後に向けてお金を増やしましょう。投資で不安な場合は、プロに相談してみるのも1つの方法です。

まとめ

退職金は、会社によって細かい規定が異なる制度です。
退職金がもらえるのは、退職から1~2ヶ月後というのが一般的です。詳しい内容は、会社の就業規則を確かめてみてください。就業規則に記載があっても支給されない場合は、退職金請求を行ってみましょう。

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