老後に海外移住するのにおすすめの国まとめ

定年退職を間近に控え、老後は海外で自由に暮らしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に移住を検討するとなると、生活環境や費用、治安といった暮らしに大きく関わる部分やビザ取得の難易度などが気になるでしょう。そこでこの記事では、これらを踏まえ、老後の海外移住やロングステイにおすすめの国を3つ紹介します。

老後に海外移住するのにおすすめの国まとめ

海外移住先を選ぶポイントは?

海外移住先を選ぶポイントは?

海外移住やロングステイに人気な国はどこなのでしょうか。外務省の「海外在留邦人数調査統計(平成30年版)」によると、2017年10月1日時点での国別の永住者数ランキングは以下の通りです。

永住者数ランキング

順位国名
1アメリカ
2オーストラリア
3ブラジル
4カナダ
5イギリス
6韓国
7ドイツ
8アルゼンチン
9ニュージーランド
10フランス
......
25マレーシア
26タイ

【参考】外務省:「海外在留邦人数調査統計(2018年版)」 ※詳しくはこちら

それでは、このランキング上位の国は本当に海外移住に適している国と言えるのでしょうか。
老後の海外移住に適している国の条件は以下の3つです。

・治安や利便性などの生活環境が良い
・ビザの取得がしやすい
・食費や住居費などの生活にかかるコストが安い


移住するなら、これら3つの条件のうち2つ以上満たし、なおかつ日本への帰国が簡単にできる距離にある国を選ぶとよいでしょう。この条件を2つ以上満たす国としては、ランキング2位のオーストラリア、25位のマレーシア、26位のタイがおすすめです。

タイは日本人に合った生活環境で物価も安いためおすすめ

タイは日本人に合った生活環境で物価も安いためおすすめ

タイでは食事や住居など日本での生活をそのまま再現でき、日本人が暮らすのに快適な環境が整っています。そのうえ家賃は3万円程度など、物価が日本の半分程度で経済的負担も少ないのが特長です。

食事の面では、首都バンコクを中心に日本食のスーパーが多く、焼肉や居酒屋などの日本食レストランは全国に3,000店舗以上あります。また、タイは屋台料理が多く、その安さも魅力です。

居住環境については、高層のミドルクラス以上のコンドミニアムが多いです。日本の高級マンションのようなイメージで、多くの外国人が利用しています。家具一式やジム、プールなどが備わっているタイプもあります。家賃が3万円程度からと日本の30%〜50%と安く、日本と比べても申し分ない生活環境が整っているため、居住者の多くが日本人という物件も多数あります。

長期滞在ビザには、例えば「ノンイミグラント-O-A」という50歳以上が取得できる退職者用のロングステイビザがあります。このビザの条件は、以下の4つです。

・80万バーツ(約280万円※)以上の現金預金維持
・月収65,000バーツ以上の年金受給証明(約22万7,500円※)
・銀行普通預金通帳と年金証書原本の合計で80万バーツ以上(約280万円※)
・基本的な犯罪歴がないことや入国禁止リストに入っていないことなど

 ※1バーツは約3.5円、2019年6月時点

まずは上記条件と移住者の年金受給額などを比較して、ビザ取得が可能かを確認しましょう。

マレーシアは物価が安く治安もよいためおすすめ

マレーシアは物価が安く治安もよいためおすすめ

マレーシアは、物価が安く治安がよいため、日本人の移住者に人気の国です。国民の多くがイスラム教か仏教を信仰し、穏やかな国民性です。年間の平均気温は26度なので、温暖な気候が好きな方におすすめです。

マレーシアの物価は、日本の3分の1程度が目安です。株式会社リクルートの調査によると、日本とマレーシアの物価は以下の通りです。(2019年2月時点の為替で計算。)

日本とマレーシアの物価比較(単位:円)

商品名日本マレーシア
ハンバーガー390268
ミネラルウォーター11025
タクシー(初乗り)41082
バス(初乗り)21028

【参考】海外旅行情報 エイビーロード:「マレーシアとの物価を比較」 ※詳しくはこちら

一方で、住居は、日本の高級マンションのようなコンドミニアムが一般的です。クアラルンプールの相場は、家賃1,800リンギット以上(約4万7,000円。1リンギットは約26円。2019年6月時点。)で、プール付き・ガードマンが常駐しているセキュリティ万全の環境で生活できます。
移住する際に人気のビザは、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)です。期間は10年間ですが、更新を繰り返せば実質的に永住できます。また、マレーシアには相続税や贈与税がありません。日本の場合は、相続税・贈与税ともに最高55%の税率がかかってしまうため、財産が多い場合はせっかく相続してもその半分以上を失ってしまいます。そのため、年金生活者だけでなく富裕層の移住が多いのも事実です。

オーストラリアは治安が良く自然に囲まれた生活環境が魅力

オーストラリアは治安が良く自然に囲まれた生活環境が魅力

オーストラリアは銃規制が厳しく、治安がよいことで知られています。また、豊かな自然と都会の空気を味わえ、英語が使えるので日本人の移住先として人気の国です。物価が高いのが難点ですが、マレーシアと同様に相続税・贈与税がないので富裕層からも人気です。温暖な気候が年中続き、多文化が共存しているため、長期在住しても飽きることがありません。

シドニーやメルボルンといった人口数百万人の都市であれば、食事・街並み・芸術など、さまざまな観点からモダンかつ多文化的な生活が可能です。一方、グレートバリアリーフや熱帯雨林があるケアンズやアクティビティで有名な海の街ゴールドコーストでは、存分に豊かな自然を楽しめるでしょう。

ただし、ビザ取得のハードルは高いです。現在導入されている「Temporary Skill Shortageビザ(TSS)」には、有効期間が2年間のものと4年間のものがあります。このうち、永住権の申請ができるのは、4年間有効のものになります。このビザは、年収が18万1豪ドル以上(約1350万円。1豪ドルは約75円。2019年6月時点。)であるか、国際協定が該当するグループ企業間の派遣員であることが取得条件となるほか、職業についても指定があるため、取得難易度は非常に高いです。

物価を見るときに注意したい点とは?

物価を確認するときは、現地で生活する際にかかる食費や水道光熱費など、生活実費の相場を確認しましょう。例えば、タイでも、首都バンコクなら外食は1,000円を超えることがあり、日本の地方都市より高くつくケースもあります。また、日本食は輸入になるため費用がかかる場合が多く、継続的に日本食を食べるのは難しいでしょう。さらに、老後は年金収入や貯金が主な資金になることが多いので、国民年金や厚生年金などの公的年金19万~25万円での生活を想定し、日本よりもどれくらい安くなるかを確認してください。移住は短期滞在とは違うため、生活費の実費と収入のバランスは注意したいポイントです。

老後の海外移住にかかる費用

海外移住にかかる主な費用は、以下の通りです。

ビザ申請などの事務手続きにかかる費用

ビザ取得の費用として移住国の大使館・領事館に申請する際に数万円がかかります。取得代行サービスを使えば、数万円から数十万円がかかる場合もあります。タイを例にすると、ビザを申請する際は、財産証明として300万バーツ(約1050万円。1バーツは約3.5円。2019年6月時点。)程度用意する必要があります。実際はタイ入国後1年以内にタイ国内の貯金口座に300万バーツを入金しますが、1年間は引き落としができないので生活の糧にできないことも踏まえておきましょう。

渡航費

渡航費は、LCCを使えばアジア圏は片道数万円で渡れます。ただし、移住前には下見や一定期間の滞在が条件になる場合もあり、数回往復すると考えておくのが無難です。

引越し費用

賃貸物件に引っ越す際には初月の賃料と、タイやマレーシアの場合は賃料2か月分のデポジット、オーストラリアの場合は4週間分のボンドと呼ばれる日本の敷金に相当する初期費用がかかります。
タイでは、外国人が物件を購入するハードルが比較的高く、居住はコンドミニアムの賃貸が普通です。家具が備え付けられている物件の相場は5万円程度からが多いため、いくら生活費がかかるのか把握しておきましょう。

まとめ

物価が安いタイやマレーシアといった海外へ移住すると、年金受給者でも日本の数倍のコストパフォーマンスで暮らすことができます。また、オーストラリアは多文化かつ豊かな自然に囲まれ、温暖な気候を楽しめるでしょう。環境や生活費用、ビザの条件のバランスを考えながら、老後生活は海外移住を検討してみてください。

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