人生100年時代を前向きに

新たな元号「令和」への移行という国民的な節目を迎えました。「人生100年時代」といわれていますが、人生100年を生き抜くことは、「令和」の持つ「美しくりっぱな花をひとり一人が咲かせる」といった意味合いとも重なる気がします。

人生100年時代を前向きに

新元号は新たな気持ちで自分を見つめる機会

新たな元号に込められた想いや願いをかみしめるとともに、自身についても節目として気持ちを新たにされた方も多いのではないでしょうか。中には、「さらに次の元号を見届けるまで、たとえ100歳になっても生き続ける。」といった決意を持たれた方もいたかもしれません。自身の足跡やこれからの展望を改めて見つめ、健康・資産・生きがいなどについて考える動機づけにもなる、人生100年時代の目標の持ち方の一つかもしれません。

長生きになった日本人

長生きになった日本人

日本人の平均寿命は男性81歳.女性87歳を超えており、さらに今後も過去最高を更新し続けそうです。昭和22年には男女とも50歳前半でしたので、倍近い長生きを前提とする社会が見えてきています。
男性65歳以上、女性75歳以上までの生存が約9割です。寿命中位数(半数の人が生存すると期待される年齢)も男性84歳・女性90歳ほどである他、男性90歳、女性95歳を超えて生存する人は4分の1を上回ります。

平均寿命・寿命中位数

平均寿命・寿命中位数

特定年齢まで生存する者の割合

特定年齢まで生存する者の割合

【男性】4人に3人は75歳以上まで、4人に1人は90歳以上まで
【女性】2人に1人は90歳まで、4人に1人は95歳以上に
昭和50年の65歳という年齢が、今は75歳に相当するイメージともいえます

※平均寿命・寿命中位数・特定年齢まで生存する者の割合は、「平成29年簡易生命表の概況」より
※100歳以上人口は、住民基本台帳に基づく厚生労働者の公表数値(平成30年)

また、センテナリアン(百寿者:100歳を超えている方)は、100歳到達者の表彰制度ができた昭和38年には153人でしたが、その後増え続け、今や約7万人です。急増ぶりを物語たる事象として、100歳到達者に内閣総理大臣が表彰状とともに贈る記念の銀杯も予算の関係上平成27年に純銀製から銀メッキに変更されました。長生きが当たり前になった証左ですが、さらに、50数年後には約70万人と現在の10倍にもなると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』)。もはや「人生100年時代」と聞いても、違和感を感じる人はほぼいなくなったわけです。

昔の65歳は今の75歳?

昔の65歳は今の75歳?

「高齢者」の定義について、国連の定義と同様の65歳以上から75歳に引き上げるべきといった提言を日本老年学会のワーキンググループが平成29年1月に公表しています。併せて65~74歳までを「准高齢者」、75~89歳までを「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と区分なども提案されています。身体的な老化や社会的な状況などの研究に基づくものです。前述の特定年齢まで生存する割合も、昭和50年の65歳という年齢が今は75歳に相当(上図矢印部分)します。
今では、60歳・65歳といった年齢は卒業でなく次へのスタートのはずです。さらに、諸状況の整備が進めば、75歳がゴールでも引退の時期でもなく、ステージ変化のメルクマール(目印や指標)となりえます。

人生の後半を幸福に

人生の後半を幸福に

心理学者のカール・ユングは、「幸福の5条件」を以下のように整理しています。
① 心身ともに健康であること
② 自分にとって、程よいと思える程度のお金があること
③ 美しいと感じる力を持っていること
④ 人間関係が豊かであること
⑤ 朝起きた時に、やらねばならない仕事(取り組むべきこと)があること

年齢を重ねても、身体・お金・心の健康が保もたれ、社会的なつながりや「やること」が途切れない、そんな状況が望まれます。健康と資産と心(生きがい・働きがい)の寿命をすべて伸ばすことが目標とも言えます。

生きがいや働きがいも心の持ち様

生きがいや働きがいも心の持ち様

心理学の用語で、「セルフ・ハンディキャッピング」というのがあります。ハンディキャップ(不利な条件)があるなど、できないことの理由を事前に作ることで、努力の回避を正当化し、自分と向き合わず逃げることです。いわば、言い訳づくりにより安心するといった心理的な自己防御行為です。
一流アスリートは、できない理由づくり(セルフ・ハンディキャッピング)でなく、逆に「できる」と宣言することで自分を奮い立たせ、能力発揮の最大化を図ります。
「年を取ったんだから、諦めるしかない。」「生きがいとか働きがいとか言われてもなるようにしかならない。」といった言葉が自分の口から出てきたら、それがセルフ・ハンディキャピングにあたらないか考えてはいかがでしょう。もし、セルフ・ハンディキャッピングに当たると認識できれば、心の持ち様を変えたり、解決すべき課題をみつけることにつながります。また、乗り越える勇気を与える言葉を自分にかけることができるかもしれません。

マルティンブーバー(宗教学者)の金言に「人は新しいことを始めている限りいつまでも若い」というのがあります。亡くなられた聖路加国際病院長だった日野原重明先生も同じようなことを言われていたように記憶しています。

年齢を言い訳に熱意や好奇心といった心の若さを保つ武器をしまい込みそうな自分に気がついたら、逆にそれをスタートラインに替えると考えてもいいでしょう。年齢を重ねても、「心は現役」であり続けたいものです。

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