定年後も生き生きと過ごせる趣味7選

人生100年時代、定年後の長い老後を生き生きと過ごすためにも、なにか夢中になれる趣味をもっておきたいものです。今回はただ楽しむだけではなく、心身の健康維持・向上にも役立つおすすめの趣味を7つピックアップ、その始め方や費用の目安などをご紹介します。

定年後も生き生きと過ごせる趣味7選

1. ウォーキング〜道具なしで気軽に始めるなら〜

1. ウォーキング〜道具なしで気軽に始めるなら〜

適度な運動は健康づくりに欠かせませんが、これまで運動習慣がなかった人にとっては、いきなりハードな運動をしたり、教室に通って新たなスポーツを始めたりするのは、なかなかハードルが高いものです。ゴルフやテニスも人気があるスポーツですが、ウェアや道具を揃えるとかなりの出費になってしまいます。そこで、おすすめしたいのがウォーキングです。

ウォーキングは特別な道具や装備は不要で特に費用もかからず、その気になれば今日にでも始めることができる上、非常に健康効果の高い有酸素運動で、動脈硬化や心臓疾患の予防にも効果があるとされています。他のスポーツに比べて心臓への負担が少なくケガのリスクも低く、高齢になっても続けやすい点も魅力のひとつです。

一般的には1日1万歩を目安にすると良いと言われていますが、歩数にこだわりすぎると「義務」になってしまい、趣味として楽しめなくなるおそれも。四季折々の自然を愛でたり、ときには仲間と一緒に歩いたりして、歩くことそのものを楽しむ気持ちを大切にしましょう。
より効果的な歩き方のフォームなどを習いたい場合や、ウォーキング仲間を作りたい場合などは、近くで開催されている教室やウォーキングイベントなどに参加してみると良いでしょう。

2. 囲碁〜初心者でも学びやすく仲間も見つけやすい〜

2. 囲碁〜初心者でも学びやすく仲間も見つけやすい〜

脳の活性化につながる対戦型のゲームも、定年後の趣味におすすめです。
中でも囲碁は医学的にも、右脳を刺激して判断力を高め、ストレス解消に効果があることが医学的に認められており、認知症予防や脳疾患のリハビリ・予防面でもその効能が注目されています。

一見難しそうに見えますが、ルールはごくシンプル。教室や教本が充実しているので初心者でも学びやすい環境が整っている上、愛好家が多いので仲間や対戦相手が見つけやすい点でも老後の趣味に適しています。

各地にある碁会所や教室などで仲間と交流しながら対戦を楽しむのも良いですが、最近ではインターネット上で対戦を楽しめるサイトやスマホアプリも多数登場しており、家にいながらにして研鑽を積むことも可能です。本格的に楽しむ場合は碁盤や碁石が必要ですが、ネット対戦なら購入費用は不要。教室に通う場合は、月に数千円の月謝(日本棋院の初心者向けコースは9,960円/月)がかかります。

※日本棋院ホームページ 詳しくはこちら

3. 料理〜食生活の改善と食費の節約で一石二鳥〜

3. 料理〜食生活の改善と食費の節約で一石二鳥〜

実益を兼ねる趣味を探しているなら、なんといっても料理がおすすめです。「減塩したい」「ダイエットしたい」など目的を明確にもって料理を学べば、健康的な食生活を送ることも可能に。特に現役時代は外食が多かったという人は料理を学んで自炊が増やせば、食生活の改善と食費の節約が同時にできて一石二鳥です。

また、東北大学未来科学共同研究センターと大阪ガスが行った実験では、「メニューを考える」「切る」「炒める」「盛りつける」などのプロセスで脳の血液の流れが増え、脳の働きが活発化することも明らかになっています。

教室に通って本格的に学ぶのも良いですが、家庭料理であれば、無料のレシピサイトやアプリでも十分。最近はわかりやすく動画で調理過程を説明してくれるサイトやアプリもたくさんあるので、上手に活用しましょう。「趣味」として料理を捉えると、新しい味や食材への興味が深まり、食をテーマにした旅に出かけたり、勉強会に参加したりするなどして行動の幅も広げることができます。また、得意料理を友人や家族にふるまって楽しい交流の時間をもつのも良いでしょう。

4. 写真〜行動範囲や人間関係が広がる〜

4. 写真〜行動範囲や人間関係が広がる〜

最近は使い勝手がよく手頃な値段のデジタルカメラが普及したこともあり、写真を趣味にする高齢者も増えています。

定年後に写真を趣味にするメリットは、撮影のために外出する機会が増え、よりアクティブに過ごせるようになること。また、美しい景色や花々などを見て感動することによってストレスが解消し、脳が活性化する効果も指摘されています。さらに、撮影した作品をSNSやホームページなどで公開することによって閲覧者やほかのカメラの趣味をもつ人との交流が生まれ、行動範囲や人間関係が広がる可能性も期待できます。また写真素材をオンラインで販売できるサービスを利用して、作品を販売すれば、ちょっとしたお小遣い稼ぎができるかもしれません。
写真をあくまでも趣味として楽しむ場合、通常は数万円のデジタルカメラでも十分ですが、本格的な作品を撮影したい場合は一眼レフカメラやレンズ、三脚や照明機材なども必要になるため数十万円単位の費用がかかってしまいます。いきなり本格的なものを揃えるのではなく、予算に応じて必要なものを揃えていくと良いでしょう。

5. SNS(ソーシャルネットワークサービス)〜オンラインだからできる気軽な家族や友人との交流〜

5. SNS(ソーシャルネットワークサービス)〜オンラインだからできる気軽な家族や友人との交流〜

自宅で楽しめる趣味としては、FacebookやInstagramなどに代表されるSNS(ソーシャルネットワークサービス)がおすすめです。SNSは友人や知人とオンライン上で交流できるサービスで、原則として無料で利用できるのも利点です。各サービスによって若干の違いはあるものの、概ね、以下のような機能があります。

・自分のプロフィールを投稿し、公開する
・その日の出来事や今考えていること、興味のあることを文字や写真で投稿する
・自分の投稿にコメントしてきた人と交流する
・他の人の投稿にコメントして交流する
・同じ趣味嗜好の人たちが集まるグループを作ったり参加したりして交流する

散歩中にみつけたきれいな花、上手にできた料理などをSNSで投稿すると、その感動や喜びを知人・友人と共有できるだけでなく、感想を言い合ったり、情報交換をしたりすることが可能に。すべてオンライン上でのやり取りなので、遠方に住んでいる家族や友人とも簡単に無料で連絡が取れ、お互いの近況を知ることができます。

また、一部のSNSでは登録している人を氏名で検索することもできるので、長年会っていなかった古い知人や友人と久しぶりにコンタクトをとることも可能です。つまり、SNSを使えば自宅にいながらにして、いろいろな人と繋がって会話を楽しみ、交流を深めることができるのです。とかく孤独を感じたり、落ち込んだりしてしまいがちな定年後の生活に彩りを与えてくれる趣味としてSNSは非常に魅力的だということができそうです。

なお、便利で様々な楽しみ方ができるSNSですが、当然ながら相手の尊厳を傷つけたり侮辱的な言動を取ったりしてしまうと、トラブルに発展します。ルールとマナーを守り上手に活用してください。

6. 手芸

6. 手芸

楽しみながら脳の活性化ができる趣味としては、編み物や刺繍、パッチワークなどの手芸もおすすめです。手先を使って細かい作業する手芸が脳の働きを活性化することはよく知られており、手芸が高齢者の認知機能の改善に一定の効果をもたらすこともが明らかになっています。

また、出来上がった作品を自分で身に着けたり、人にプレゼントしたりできるのも手芸の楽しみのひとつ。布マスクやエコバックなど、実用的な品をプレゼントすると大いに喜ばれることでしょう。腕が上達すれば、オンラインショップで販売するなど、収入を得ることができるかもしれません。手芸は独学でも学ぶことができますが、教室に通うと仲間ができてお互いに切磋琢磨できるので、続ける意欲も増すでしょう。手芸用品専用店などが主催する講習会やワークショップに参加してみるのも良いかもしれません。

7. 社会貢献(ボランティア)〜より良い社会のために〜

7. 社会貢献(ボランティア)〜より良い社会のために〜

「どうせなら社会に役立つことを趣味にしたい」という人には、ボランティアがおすすめです。内閣府の平成30年版高齢社会白書によると、60歳以上の高齢者の約3割がボランティア活動を行っており、具体的な内容としては自治体・町内会などの自治組織の活動、まちづくりや地域安全などの活動、生活支援・子育て支援などの活動が挙げられました。例えば、子供たちの登下校の時間帯に通学路で誘導をしたり、公園や海岸のゴミ拾いといった美化活動に携わるなど、自身が住む地域をより良くするためのボランティア活動に勤しむ人が多くいます。

定年退職後、勤務先で与えられていた仕事や役職がなくなったことによって気持ちが落ち込む人も多いと言われますが、ボランティア活動を通じて、自分が地域の役に立つ人間・必要とされる人間であることを実感できれば、より健全で豊かな気持ちで定年後の生活を楽しむことができるのではないでしょうか。また、同じ志をもって共に活動する地元の仲間や地域とのつながりができれば、家族や自分に介護が必要になった時や、一人暮らしになってしまった時にも、相談しやすくなるかもしれません。

ボランティア募集の情報は自治体の広報誌やホームページなどに掲載されていることが多いようです。興味のある方はぜひ情報をチェックして、自分にできそうな活動があれば、勇気を出して一歩を踏み出してみましょう。

※内閣府平成30年版高齢社会白書 詳しくはこちら

まとめ

今回は定年後の心身の健康維持・向上に役立つ趣味をピックアップしました。
もちろん、この他にも数多の趣味がありますが、意識しておきたいのは定年してから趣味を探そうとしても、急にはみつからないかもしれないということ。現役時代から見聞を広めて興味がもてそうな活動をみつけ、仲間を作っておくと良いでしょう。また、先に定年を迎えている先輩たちに話を聞くと、思わぬヒントがみつかるかもしれません。

長い老後を心身ともに健康に充実した気持ちで過ごせるかどうかは、熱中できる趣味があるかも重要な要素かもしれません。理想の老後を過ごせるよう、1日も早く情報収集など具体的な準備を始めましょう。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ