【500万円の資産運用】おすすめの方法や年代別のポートフォリオを解説

500万円を運用する方法には、投資信託や株式、個人向け国債などさまざまな種類があります。運用する目的をもとに投資先を選び、安定的に利益を得るためのポイントを押さえることで、500万円を有効に運用できるでしょう。本記事では、500万円を運用する方法や押さえておきたいポイントなどを解説します。

【500万円の資産運用】おすすめの方法や年代別のポートフォリオを解説

500万円を運用しても大丈夫?

500万円を運用しても大丈夫?

手元にある500万円を運用してもよいか悩む時は、その500万円が「余剰資金」であるかどうかを考えてみてください。余剰資金とは、当面使う予定のない資金のことです。

生活に必要なお金を運用に回してしまうと、損失が発生した時に生活費が不足してしまい、日常生活に支障が出てしまうかもしれません。
また、住宅購入資金や子供の進学資金など、将来的に使う予定のあるお金を運用すると、資金が必要になった時に損失が発生して資金不足となる恐れがあります。

500万円が余剰資金であれば、たとえ投資先の運用成果が振るわず、損失が発生したとしても、当面の生活や将来のライフイベントに支障が出ずに済むでしょう。資産運用は、必ず余剰資金で行うことが大切です。

500万円を運用するうえで重要なポイント

500万円を運用するうえで重要なポイント

続いて、500万円を運用する時に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

運用する目的を明確にする

まずは、500万円を運用する目的を明確にしましょう。いつまでにいくらの資金を準備したいのかを考えることで、投資先や資産の配分を決めやすくなります。

運用目的の例は、以下のとおりです。

・老後の生活資金として3,000万円を準備したい
・子供が大学に進学するための資金として1,000万円を準備したい
・マイホームを購入するための頭金として700万円を準備したい

運用目的を考えず、高いリターンを得ようとしてリスクの高い方法で運用してしまうと、大きな損失が発生してしまうかもれしません。運用目的を考えて目標額や運用期間を定め、より自分自身にあった運用方法を検討すると失敗を防ぎやすくなるでしょう。

ポートフォリオを組んで分散投資をする

資産運用をする時は、ポートフォリオを組んで資産や地域を分散して投資することが大切です。ポートフォリオとは、運用する商品と組み合わせのことです。

運用方法には、預貯金や株式、債券、不動産などさまざまな種類があり、それぞれリスクとリターンが異なります。特定の商品に集中投資をすると、投資対象の価格が下がった時に保有する資産の全体が大幅に目減りしてしまいかねません。
その点、株式や債券など複数の商品に投資をすると、1つの投資先が値下がりしたとしても、ほかの投資先の価格が下落していなければ、資産全体の大幅な減少を防げます。

また、投資する国や地域も分散することも重要です。例えば、国内株式に集中投資するのではなく「国内株式と外国株式」「国内債券と外国債券」のように分散して投資をする方が、リスクはより軽減されるでしょう。

複利効果を利用して長期投資をする

資産運用をする時は、長期的な投資を心がけることをおすすめします。
金融商品にはリスクがあるため、年単位で考えると損失が発生することもあります。しかし、運用期間が長期であれば、損失が発生したとしても残りの運用期間でリカバリーしやすいでしょう。

また、運用期間を長くすると「複利効果」も働きやすくなります。複利効果とは、運用で得られた利益を元本に加えて再投資すると得られる効果のことです。複利効果が働くと、利益がさらに利益を生んで、資産が雪だるま式に膨らんでいきます。

500万円を運用する時は、短期間で大きなリターンを狙うのではなく、時間をかけてじっくりと資産を積み上げることが大切です。

500万円のおすすめの運用方法

500万円のおすすめの運用方法

500万円を資産運用する時、どのような方法を選べばよいのでしょうか。ここでは、500万円を運用する方法の例をご紹介します。

株式投資

株式は、企業が資金調達をする際に発行する有価証券のことです。株式に投資をすると、投資先の企業の業績が好調な時に、配当金を受け取れることがあります。

また、投資先の企業が将来的に大きく成長し、株価が上昇したタイミングで売却をすると、大きなキャピタルゲインを得ることも可能です。日本国内にある企業の株式に投資すると、自社製品の詰め合わせや割引券などの株主優待を受けられることもあります。

株式投資はハイリスクハイリターンといわれており、大きな利益が期待できる一方で大幅な損失が発生する可能性もあります。500万円を堅実に運用していきたいのであれば、特定の銘柄に集中投資をするのは避けた方が賢明でしょう。

個人向け国債

国や企業などがお金を借りる時に発行する有価証券を「債券」といいます。個人向け国債は、国が発行する債券のことです。個人向け国債に投資をした人には、定期的に利子が支払われます。また、満期を迎えた時は元本を返還してもらうことが可能です。

個人向け国債には、満期まで利率が変わらない「固定金利型」と、世の中の金利相場に応じて、半年ごとに利率が変わる可能性がある「変動金利型」があります。満期までの期間は、固定金利型が3年または5年、変動金利型が10年です。

国が破綻しない限り、定期的な利子の受け取りと満期時の元本返済が約束されるため、個人向け国債は比較的リスクが低い金融商品といわれています。リスクを抑えて現実に資産を運用していきたいと考えている方は、個人向け国債を選択するとよいでしょう。

投資信託

投資信託は、投資家から集めた資金を運用のプロが代わりに運用する仕組みの商品です。集められた資金は、1つにまとめられて商品(ファンド)の運用方針にしたがって、国内外の株式や債券などに分散投資されます。

現物の株式や不動産で分散投資をしようとすると多額の資金が必要になりますが、投資信託であれば数千〜1万円程度で投資できるため、少ない金額で分散投資が可能です。投資先から得られた利益は、出資金額に応じて投資家に分配されます。また、投資信託を購入した時よりも価格が高い時に売却をして利益を得ることも可能です。

投資信託の運用で得られた分配金や売却益には、通常20.315%の税金がかかりますが「NISA」を利用できれば非課税となります。例えば「つみたてNISA」では、年間40万円までの新規投資によって得られた利益が、最長20年間にわたって非課税となります。
NISAは2024年から制度の内容が変更になります。変更内容に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。

貯蓄型の生命保険

生命保険は、保険の対象となる人(被保険者)が亡くなった時や、所定の期間まで生存していた時に保険金が支払われる商品です。生命保険のうち貯蓄型と呼ばれる商品であれば、万が一に備えながら資産運用にも活用が可能です。

貯蓄型生命保険の例は、以下のとおりです。

主な特徴
終身保険 ・一生涯にわたって死亡と所定の高度障害状態に備えられる
・途中で解約すると経過期間に応じた解約返戻金を受け取れる
個人年金保険 ・保険料を支払うと、契約時に定めた年齢に達した時に年金を受け取れる
・年金を受け取れる期間は、5年や15年などの一定期間または一生涯

例えば、終身保険に加入すると、万が一の時に葬儀費用や遺品の整理費用などを準備しながら、現金が必要になった時は解約返戻金を受け取れます。

また、生命保険に加入して保険料を支払うと「生命保険料控除」を受けられることがあります。生命保険料控除の対象になると、1年間で支払った保険料に応じた金額が年間の所得から差し引かれるため、所得税や住民税の負担を軽減することが可能です。

ETF

ETFとは、上場投資信託のことです。投資信託でありながら証券取引所に上場しているため、株式の個別銘柄と同様にリアルタイムでの取引ができます。ETFは、1万円程度から投資できるため、少ない金額で分散投資を始めることができます。

また、日経平均株価やNYダウなどの株価の値動きを表す指数と連動するように運用されるため、投資の初心者でも値動きが分かりやすいです。知識や経験を積み上げることで、売買のタイミングを判断できるようになるでしょう。

REIT

REIT(不動産投資信託)とは、不動産に投資する上場投資信託のことです。投資家から集めた資金で、商業施設やオフィスビル、マンションなどの不動産物件に投資をします。得られた家賃収入や売却益などは、出資金額に応じて投資家に配当される仕組みです。

アパートやマンションなどの投資用不動産を購入するためには、住宅ローンを組むことができますが、一般的に多額の自己資金が必要です。その点、REITは少額の資金で購入することも可能であるため、間接的ではあるものの手軽に不動産投資を始めることができます。

より、少ない金額で間接的に不動産投資を始めたいのであれば、複数のREITに分散投資できる「REITファンド」を購入するのも1つの方法です。500万円のうちのいくらかを、不動産で運用したい時は、REITやREITファンドへの投資を検討するとよいでしょう。

定期預金

定期預金とは、預け入れる時に預入期間を決める預金のことです。預入期間は1年や2年などから選択でき、満期(預入期間の終了)を迎えるまでは基本的に口座にあるお金を引き出すことはできません。その代わり、普通預金よりも金利は高く多くの利息を得られます。

定期預金のメリットは、元本保証がある点です。預け先の金融機関が経営破綻したとしても「預金保険制度」により、預金者一人あたり1,000万円の元本と、破綻した日までの利息が保証されます。

そのため、500万円を堅実に運用していきたいのであれば、すべてをリスクのある金融商品で運用するのではなく、いくらかは定期預金口座に入れてリスク分散しておくと安心でしょう。

500万円を運用した場合のシミュレーションをしてみよう!

500万円を運用した場合のシミュレーションをしてみよう!

では、500万円を運用するといくらの資産を構築できるのでしょうか。シミュレーションで確認してみましょう。

試算結果は、以下のとおりです。

運用期間 年利1% 年利3% 年利5% 年利7%
5年 約525.5万円 約579.6万円 約638.1万円 約701.2万円
10年 約552.3万円 約671.9万円 約814.4万円 約983.5万円
20年 約610.0万円 約903.0万円 約1,326.6万円 約1,934.8万円
30年 約673.9万円 約1,213.6万円 約2,160.9万円 約3,806.1万円

年利が同じであっても、運用期間が長ければ長いほど金額は大きくなっていることがわかります。例えば、年利が3%である場合、運用期間が5年であれば運用成果は約579.6万円ですが、30年になると1,000万円を超える資産を形成することが可能です。

また、年利7%で運用ができれば、運用期間20年で2,000万円弱、30年で4,000万円近くの資産を築けます。

【年代別】500万円を運用するポートフォリオの組み方

【年代別】500万円を運用するポートフォリオの組み方

ポートフォリオを組む時は、まず資産配分(アセットアロケーション)を考えることが重要です。アセットアロケーションとは、運用資金を国内外の株式や債券などに、どのような割合で運用するのかを決めることです。

500万円を運用する時は、投資信託を中心としてアセットアロケーションを決めるのがよいでしょう。

投資信託には「国内株式型」「外国株式型」「国内債券型」「外国債券型」などさまざまな種類があります。そのため、投資信託を活用すると、500万円の運用資金で国内や海外のさまざまな銘柄に分散投資が可能です。

ここでは、500万円の運用を始める年代別に資産配分の例をご紹介します。

20・30代で500万円を運用する場合

20代や30代で500万円の運用を始める場合、リスクが高い株式の割合を多くするとよいでしょう。年齢が若いと損失が発生したとしても、それを挽回できる期間を設けやすいためです。資産配分の例は、以下のとおりです。

・国内株式型:45%
・外国株式型:45%
・国内債券型:5%
・外国債券型:5%

40代で500万円を運用する場合

40代は、20代や30代よりも運用期間が短くなりやすいです。そこで、以下のように株式の比率を下げ債券の比率を増やしてリスクをコントロールするとよいでしょう。

・国内株式型:35%
・外国株式型:35%
・国内債券型:15%
・外国債券型:15%

50代で500万円を運用する場合

50代で500万円の運用を始める場合、運用期間が短くなり損失が発生しても挽回するだけの期間を設けにくくなります。そのため、以下のように株式の割合を減らして、債券の割合を増やすとよいでしょう。

・国内株式型:25%
・外国株式型:25%
・国内債券型:25%
・外国債券型:25%

60代で退職金500万円を運用する場合

定年退職を迎えた時に退職金のうち、資産運用に回せる余剰資金が500万円ある場合、株式の割合を少なくして、債券の割合を多めにするとよいでしょう。

また、退職金は老後生活を送るうえで貴重な資金源であるため、元本保証がある定期預金で堅実に運用するのも有効です。

アセットアロケーションの例は、以下のとおりです。

・定期預金:20%
・国内株式型:5%
・外国株式型:5%
・国内債券型:40%
・外国債券型:30%

まとめ

まとめ

500万円の余剰資金を運用する時は、運用目的を明確にしたうえで目標額や運用期間を定めましょう。それをもとに運用方法や投資先を選んでポートフォリオを組み、分散投資をすることで安定した収益が期待できます。

また、短期的にリターンを狙うのではなく、時間をかけてじっくりと運用をすることで、複利効果が働いてより運用効率を高められるでしょう。500万円の余剰資金を上手く運用して、将来の資産形成に役立ててください。

ご留意事項
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