【完全保存版】インデックス投資とは?資産運用の初心者向けの丁寧解説

インデックス投資には市場区分やメリット・デメリットがあり、投資をする上で知っておくべき基本が多いでしょう。今回は、投資初心者向けにインデックス投資について丁寧に解説します。投資の基本用語なども参考にしてみてください。

【完全保存版】インデックス投資とは?資産運用の初心者向けの丁寧解説

インデックス投資とは?

インデックス投資とは?

資産運用を行う際に活用される株式や債券は市場で取引されます。その市場には多くの銘柄の株式や債券が上場され、時々刻々と価格が変動しています。
インデックス投資とは、特定の銘柄ではなく、多くの銘柄で構成される市場の値動きを示す指数(=インデックス)に連動することを目指す運用手法です。この手法を活用する代表的な金融商品は、「インデックスファンド」に分類される投資信託です。
今回は、インデックスファンドをベースに、インデックス投資について解説します。

市場区分と代表的なインデックス

市場区分と代表的なインデックス

インデックスにはさまざまな市場区分があります。

市場区分具体例
資産株式、債券、不動産(REIT)など
地域全世界グローバル、北米、ヨーロッパ、アジア、新興国など
日本、アメリカ、中国など

株式、債券、不動産(REIT)などの市場ごとに、投資対象となる地域、国で細分化されています。例えばグローバル株式、日本株式、新興国債券などがあります。

また、市場区分ごとにインデックスがあります。例えば、日本や米国の株式市場では以下のような代表的なインデックスがあり、それに連動する具体的なインデックスファンドは以下の通りです。

市場区分代表的なインデックス銘柄の構成     具体的なファンド例 
日本の株式市場日経平均株価
(日経225)
東京証券取引所プライム市場に上場している225銘柄、日本経済新聞社が算出eMAXIS日経225 インデックス
東証株価指数
(TOPIX)※
東京証券取引所プライム市場に上場している全銘柄、東京証券取引所が算出eMAXIS TOPIX インデックス
米国の株式市場NYダウ
(ダウ工業株30種平均)
ニューヨーク証券取引所・NASDAQに上場している30銘柄eMAXIS NYダウインデックス
S&P500指数ニューヨーク証券取引所・NASDAQに上場している代表的な500銘柄eMAXIS S&P500インデックス

※東証株価指数(TOPIX)について
2022年4月4日に行われた東証の市場再編により、TOPIX(トピックス)は「東証一部上場の全銘柄を対象とした株価指数」から「東証プライム市場上場の全銘柄を対象とした株価指数」という定義に移行しています。この移行措置として、同日時点でTOPIXに含まれていた銘柄は、新しい市場構成(プライム、スタンダード、グロース)下でも継続してTOPIXに採用されることとなったため、仮にプライム市場に含まれなくなったとしてもすぐにTOPIXの対象から外れるわけではありません。

ただし、流通株式の時価総額が100億円未満の銘柄については、2022年10月末から2025年1月末までを移行期間として、四半期ごとに10段階で構成比率が低減していく計画となっており、最終的に2025年1月末にはTOPIXから除外される予定です。

【参考】日本証券業協会「金融・証券用語集 TOPIX(東証株価指数)」 詳しくはこちら

インデックス投資と比較されるアクティブ投資とは?

インデックス投資と比較されるアクティブ投資とは?

インデックス投資の対極にある投資手法がアクティブ投資です。
アクティブ投資は、企業の業績・株価予想、金融・経済・政治・社会情勢を見極めながら、投資する銘柄を決定し、インデックスを上回る運用成果を目指す投資手法です。この手法を用いた代表的な金融商品が、「アクティブファンド」と呼ばれる投資信託です。

投資する銘柄を決定するプロセスで、さまざまな項目について専門家による調査が行われるため、短期〜中長期で利益が狙えることもあります。一方で、インデックスファンドよりリスクが大きく、手数料も高いという特徴があります。

インデックス投資のメリット

インデックス投資のメリット

投資初心者向きだといえる、インデックス投資のメリットを解説します。

(1)インデックスと連動しているのでわかりやすい

日経平均株価への連動を目指すインデックスファンドの場合、日経平均株価はニュースやインターネットの情報などで随時発表されていいます。そのファンドの値動きの情報が把握しやすいでしょう。
アクティブファンドでは、組み入れた株式の銘柄の構成により成果が異なります。現在の運用状況がどのようになっているのかは、運用会社のホームページなどで確認しなくてはわかりません。

(2)リスクが分散できて安定しやすい

インデックスファンドは、アクティブ投資と比較して組み入れる銘柄が多いです。値動きが安定しやすく、リスクを分散することができるでしょう。

(3)銘柄選びに手間がかからない

インデックスファンドの場合、一般的にその商品の名前を見れば、値動きが連動するインデックスがわかります。

例えば「eMAXIS 日経225インデックス」というファンドは、日経平均株価(日経225)への連動を目指すインデックスファンドであることがわかります。したがって、自分が投資したいインデックスが明確になれば、銘柄選びに手間がかかりません。
※ここでいう「銘柄」は、ファンドの種類を「銘柄」と表記しています。株式単体のことではありません。

(4)購入手数料や信託報酬などの負担が少ない

インデックスファンドでは、原則として、対象とするインデックスを構成する銘柄をインデックスと同じ比率で組み入れるため、専門家によるコストがかかりません。
アクティブファンドでは、ファンドマネージャーやアナリストと呼ばれる投資の専門家が企業調査や経済分析などをしたうえで銘柄を選ぶため、その分コストがかかります。

したがって、投資家のコスト負担はアクティブファンドと比べて低くなります。

(5)少額で幅広い銘柄に投資できる

インデックスファンドに限らず、ファンドを活用すれば、手元に大きな資金がなくても結果として幅広い銘柄に投資することができます。

例えば、金融機関によって最低投資金額は異なりますが、1銘柄でひと月100円以上、100円単位などの少額投資が可能です。さらに投資資金があれば、別のファンドを購入するなど幅広い銘柄に投資することができます。

インデックス投資のデメリット

インデックス投資のデメリット

メリットの多いインデックス投資ですが、もちろんデメリットもあります。

(1)短期間で大きな成果は上がらない

インデックス投資は、大きく値下がりするリスクは少ない分、短期間で大きな運用成果を得ることも難しいです。

例えばインデックスのひとつであるTOPIXは多くの銘柄で構成されているため、個別の銘柄と比較すると価格変動が小さくなります。これは構成されている銘柄それぞれの値動きの違いにより、全体の値動きのブレが小さくなっているためです。

(2)元本割れの可能性がある

インデックス投資に限ったことではありませんが、投資選択全般の特性として元本割れの可能性があります。最近では、コロナショックの局面で、世界全体の株価が大きく下落したことは記憶に新しいところです。市場全体が値下がりする局面では、インデックスファンドも同様に値下がりします。

(3)一定の運用コストはかかる

アクティブファンドと比較してコストは低いインデックス投資ですが、一般的に一定の購入時手数料、信託報酬(運用管理手数料)などのコストはかかります。ただし、購入時手数料については無料(=ノーロード)の商品もあります。

インデックス投資が向いている人の特徴

インデックス投資が向いている人の特徴

インデックスに関する情報がニュースなどで簡単に得られるため、投資初心者に向いているといえます。また、手数料などの投資コストを抑えたい人やリスク分散しながら長期的に投資がしたい方にもおすすめです。

投資に興味はあるけど、なかなか踏み出せていない方のはじめの一歩になることも多いでしょう。

インデックス投資の始め方

インデックス投資の始め方

インデックスファンドを購入する方法を解説します。

まず、証券取引口座を開設します。購入する金融機関に来店するほか、一般的にスマホのアプリやパソコンで手続きが可能です。

申込書類に所定事項を記載し、本人確認書類などの必要書類を送付します。
少額投資非課税制度(NISA)を通じて投資信託を購入する場合は、通常の証券取引口座とは別にNISA専用の口座を開設する必要があります。

口座を開設したら、インデックスファンドを買い付ける資金を入金します。その後、購入するインデックスファンドを選択して、購入手続きを行います。
積み立てる場合は、積立額と買い付ける毎月の日付を決めます。

投資初心者が理解しておくべき基本用語

投資初心者が理解しておくべき基本用語

投資初心者が、購入する商品を絞り込むうえで重要な基本用語をいくつか挙げておきます。

<インデックス>

株式、債券の取引が行われる市場の値動きを示す指数を指します。市場区分ごとに存在しています。

<インデックス投資>

インデックスの値動きに連動することを目指す投資手法を指します。

<インデックスファンド>

インデックス投資を行う投資信託のことです。

<アクティブ投資>

投資対象とする銘柄を厳選し、インデックスを上回る投資成果を目指す投資手法を指します。投資対象とする銘柄を厳選するための調査費用等が必要なため、信託報酬(運用管理費用)はインデックスファンドと比較して高くなります。

<投資信託>

多くの投資家から資金を集めて、株式、債券などの複数の資産・銘柄に分散投資し、長期的な資産の成長を目指す金融商品です。投資家は少ない資金で分散投資を行うことができます。

<株式投資>

株式は、会社が資金を調達するために発行する有価証券のことです。株式投資とは、投資家が証券取引所に上場している株式を証券会社を通じて購入し、値上がり益や配当金を得ることです。

<債券>

国や企業が資金を調達するために、投資家から資金を借り入れる際に発行する有価証券をいいます。株式と異なり、債券は償還日が定められており、債券を購入した投資家は、あらかじめ定められた利子を償還日に受け取ることができます。債券の発行体は償還日に投資家に対して元本を払い戻さなければなりません。

投資初心者はインデックス投資から始めよう

投資初心者はインデックス投資から始めよう

「投資は難しい」と感じる人も多いかもしれませんが、
インデックス投資であれば、身近な各種インデックスに連動するのでわかりやすい投資手法といえます。それを実践できるインデックスファンドは、投資初心者に向いた金融商品といえます。
メリットやデメリットを理解した上で、他の投資とも比較しながら自分に合った投資をはじめてみましょう。投資初心者の方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

ご留意事項
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