投資と投機の違いとは?目的やリスクを考えて資産形成の方法を選ぼう

資産を増やす方法「投資」と「投機」には、目的と期間の違いがあります。投資と投機の違いや資産形成をする上で自分に合った方法を選ぶ考え方を解説します。メリットやデメリット、どのくらいリスクを取れるかを考えて、投資や投機を慎重に選択しましょう。

投資と投機の違いとは?目的やリスクを考えて資産形成の方法を選ぼう

投資と投機の違い

投資と投機の違い

投資と投機の大きな違いは、目的と期間です。
投資の目的は、売買による値上がり益を得ることのほか、長期で保有することで株であれば配当金・株主優待、不動産であれば家賃収入等で利益を得ることです。さらに、税金の軽減やインフレヘッジ等資産の保全目的で運用されることもあります。

一方、投機の目的は、投機先の価格が上がるか下がるかを予想して値ざやによる利益を得ることを目的として、株やFX、仮想通貨等に資金を投じます。

投資は、長い目でコツコツとお金を増やしていき、投機は短い期間で大きな利益を得ようとするものです。

投資とは

投資とは

「投資」とは、投資対象の成長や価値そのものに期待して出資することです。資金を投じることで、投資先の会社や国が社会全体の生産活動に役立ち、社会の発展と共にその果実を値上がり益という形で得られるでしょう。

投資のメリット

投資のメリットは、複利効果が得られるという点です。複利効果は、投資資金の運用によって得た利益をさらに運用することで利益を大きくしていくことです。投資信託のように運用をプロに任せて、長い年月をかけて運用することで資産の増え方は大きくなっていく傾向にあるでしょう。

※すべての投資信託に複利効果があるわけではありません。

投資のデメリット

投資のデメリットは、必ずしも利益が出るとは限らないという点です。長期的な展望で企業の成長ならびに株価上昇を期待して資金を投じたにも関わらず、予測に反して株価の低迷が続く出来事も起こり得ます。途中でいつでも売却し換金することはできますが、そのタイミングで利益が出ていなかった場合には損失を確定させることになってしまいます。

投資は、投資先の発展や経済成長へつながり、その恩恵を投資家は受けることができます。例えば、株式投資では、企業の利益や将来の成長は短期間で達成できるものではなく、長い年月をかけて成果が出てくるものです。投資により資産を増やすには、結果が出るまで長い時間を要すると考えておいた方がよいでしょう。

投資が向いている人

長期で資産を増やしていく投資の特徴から、20年から30年先の老後に備えて資産形成を目的とした運用に向いているといえるでしょう。長期にわたり運用を継続する、あるいは少しずつ積立投資をしてお金を育てていきたい人に向いています。

投機とは

投機とは

「投機」は、短期的な価格変動による売却益だけを狙って取引をおこないます。
投機をする投資家は投機筋と呼ばれ、株式に限らず、為替、金等の商品を対象に世界の各市場で投機がおこなわれています。企業や国の成長とは関係なく、その瞬間の需給や一時的なニュースに大きく反応する値動きを追い、その瞬間を逃さず売買します。取引開始から、ある程度利益が出たところで手放し、その価格の差額を収益にします。

投機のメリット

投機のメリットは、短期的に利益が期待できるという点です。数分のうちにも値動きがあるためタイミングを逃さなければ一日で大きな利益を得られることもあるでしょう。

投機のデメリット

投機のデメリットは、短期的に大きな損失を生んでしまうこともある点です。投機する先や売却するタイミングを誤れば、一瞬にして大きなマイナスを被ることもあるでしょう。

マネーゲームといわれることもある投機では、頻繁に市場動向や値動きをチェックし、取引時間中は売買画面に向かうことになります。リアルタイムに損益が変化していくため、素早く取引することができないと大きな損失を被る可能性があるでしょう。

投機が向いている人

投機は、個人でもデイトレード等が容易な環境であるため、売買画面に向き合う時間があればチャレンジできます。ただ、大きな損失が出るリスクがあるため、資金に余裕がある人の方がよいでしょう。短期間に大きな資金を作り出したいという人には向いています。

間違えやすい「ギャンブル」と投機

間違えやすい「ギャンブル」と投機

投資と投機の特徴を整理したところで、投機はギャンブルに似ていると感じた方もいるでしょう。ここでは、ギャンブルと投機と投資の違いを解説します。

ギャンブルは、運営者(胴元)が利益を得るために賭け金から手数料を差し引いた金額を勝敗に応じて支払います。運営者に資金(手数料)が残るようになっているため、参加者の損益の合計はマイナスになるでしょう。

一方、投機は胴元はなく利益は勝者総取りとなるため、ゼロサムゲームと表現されることがあります。短期間でハイリスク・ハイリターンを狙うため、勝てば大儲けが期待できる分、負ければ大きく損をするリスクがあるという点では、ギャンブルと似ているとも考えられます。

また投資は、投資先の資産総額が増加することで参加者全員が得をするケースが理論上はあり得ます。実際はさまざまな要因が絡み合い、全員が利益を手にできるわけではないため、正しい知識を身につけて、自身のリスク許容度の範囲内で運用しましょう。

老後資金は短期の投機より長期の投資で考えよう

老後資金は短期の投機より長期の投資で考えよう

老後のための資産形成には、「投機」ではなく、長期で資産を増やす目的の「投資」で備えることが適切です。投資は、慎重に投資先を選び時間をかけておこなうことができます。

長期に渡り少しずつ資金と投資タイミングを分散し、リスクを適切に抑えることで安定的な資産づくりを目指すべきでしょう。老後資金が形成される頃には、その投資資金は、巡り巡って社会全体を豊かにします。未来の自分達の住む街、国を作っているという意識で投資をしてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

投資は長期的に資産を運用してコツコツとお金を増やしていき、投機は短い期間で大きな利益を得ようとするものです。「投機」は、短期的な価格変動による売却益だけを狙って取引をおこないます。

時間と資金に余裕のある人は、「投機」により短期的にお金を増やすことも可能です。時間はかかっても堅実な運用をしたい人は「投資」を考えた方がよいでしょう。また、長期的な視点で「投資」により資産形成をおこないながら、「投機」的な運用も時々おこなうという方法もあります。

それぞれの特徴を踏まえ、自分の環境に合った資産形成を考えてみませんか。

ご留意事項
  • 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
  • 本稿に掲載の情報は執筆時点のものです。また、本稿は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び三菱UFJ信託銀行が保証するものではありません。
  • 本稿に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、三菱UFJ信託銀行は一切責任を負いません。
  • 本稿に掲載の情報に関するご質問には執筆者及び三菱UFJ信託銀行はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

RANKING

この記事もおすすめ