絶対覚えておきたい!確定拠出年金の「配分変更」と「スイッチング」、そのタイミングについて

確定拠出年金制度の加入者は、掛金を積み立てる期間が長期にわたるため、制度を使いこなすことは非常に重要です。その中でもしっかりと活用したいのは、「配分変更」と「スイッチング」です。今回はその内容と活用するタイミングについて解説します。

絶対覚えておきたい!確定拠出年金の「配分変更」と「スイッチング」、そのタイミングについて

確定拠出年金で知っておくべき「配分変更」と「スイッチング」

確定拠出年金で知っておくべき「配分変更」と「スイッチング」

確定拠出年金に加入している方が年齢や環境の変化、資産バランスに合わせて運用方法を見直そうとしたときに、運用変更の手続きの手段として「配分変更」と「スイッチング」があります。

それぞれの意味と違いについて、以下で詳しく解説します。

配分変更とスイッチングの違い

「配分変更」と「スイッチング」は、企業型・個人型(iDeCo)の双方で活用できる取扱いです。2つの違いは非常に重要です。

「配分変更」とは、毎月の掛金で購入する運用商品の種類や配分割合を変更することです。一方、「スイッチング」とは、今まで購入して積み立てた運用商品の残高の一部または全部を売却して、他の運用商品に買い替えることです。
つまり、スイッチングで一度に購入する運用商品の金額は、配分変更と比較して一般的に大きくなる、ということです。

いずれも、加入者の窓口となっている運営管理機関のウエブサイトやコールセンターで、加入者の自己責任で行います。

配分変更

配分変更

確定拠出年金では、企業または個人が掛金を拠出し、加入者が選んだ運用商品を都度購入していきます。例えば、毎月の掛金を2万円とし、グラフ1の配分で購入を続けたとします。ある時点でグラフ2のように今後購入する運用商品の割合を変更することが、「配分変更」です。運用商品の数を増減させて割合を変更することも可能です。配分変更に手数料はかかりません。

■グラフ1【変更前】毎月の掛金2万円の配分を変更

グラフ1

■グラフ2【変更後】

グラフ2

配分変更の注意点

配分変更を行った結果、リスクの大きいファンドの割合を増やすと、変更前よりも積み立てた資産の増減が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。

確定拠出年金は長期の運用が前提であるため、短期的な思惑で方針を変更することは避け、配分変更は必要最低限に留めるようにしましょう。

スイッチング

スイッチング

1年、2年……と確定拠出年金の加入年数が積み上がってくると、相場の変動などにより当初決めた掛金の運用商品の配分割合と、現在の資産残高の運用商品の配分割合が乖離してくることがあります。

前述の事例(グラフ1)のように、毎月の掛金を2万円とし、株式ファンド、債券ファンド、REITの3種類を、それぞれ30%、50%、20%という割合で購入していくこととします。5年間で株式ファンドが大きく値上がりした結果、資産全体が150万円となり、グラフ3のような割合に変化しました。配分割合をこのままにしておくと、その後の運用は当初より大きなリスクをとる運用になります。

5年後の運用結果、資産残高150万円の配分(当初のグラフ1の配分とは異なっている)

■グラフ3

グラフ3

そこで、資産残高の運用商品の割合を変更する「スイッチング」という方法があります。費用はかかりません。その中でも、当初決めていた掛金の配分割合に戻すことを「リバランス」と呼んでいます。

この事例のリバランスは、過度にリスクをとりすぎないようにすることを目的としたものです。逆に、リスクをとってリターンをねらいたいという人の場合は、グラフ3の株式ファンドの配分割合をさらに増やしたスイッチングを行う方法も考えられます。

また、ある運用商品が大きく値上がりしていても、そのまま放置していずれ値下がりしてしまえば、資産全体が減少するケースが考えられます。そこで値上がりしている運用商品の利益を確定するために、当該運用商品を売却して、それに代えて元本確保型商品(預金・保険)を購入するというスイッチングの方法があります。こうすれば元本確保型商品へスイッチングした分の値動きはなくなるので、資産残高の目減りを防ぐことができます。

スイッチングの注意点

前述のように、株式ファンドなどに時期を集中して一度にスイッチングを行うと、リスクが大きくなる点に注意が必要です。個人のリスク許容度に応じた適切なポートフォリオがわからない場合は、専門家に相談しましょう。

他にも、以下のような注意が必要です。

売却時に解約コストが発生する場合がある

一部の投資信託では売却時に「信託財産留保額」という解約コストが発生する商品があります。金額は売却日の基準価額の0.2〜0.3%程度が一般的ですが、差し引かれない投資信託も多いので解約時には確認しましょう。

尚、配分変更にはコストは発生しません。

確定拠出年金の運用を見直すタイミング

確定拠出年金の運用を見直すタイミング

運用を見直すタイミングとして、配分変更とスイッチングでそれぞれいつ実施するのが効果的なのでしょうか?それぞれ解説します。

配分変更のタイミング

配分変更は毎月積み立てていく掛金に関する取扱いです。例えば、今後新しく入ってくる資金の運用先として株式に重点を置きたい場合などや、逆に今後新しく入ってくる資金の運用先としてこれ以上株式を増やしたくない場合などは、配分変更を活用する方法があります。

また、若い時期や収入が高い時期は、リスクの大きな運用商品に重点を置くように配分変更し、リタイアメントが近づいてくる50歳代に入った頃を目安に、安定的な運用を行う商品をメインに配分変更していくことが考えられます。

景気が低迷する局面では株式ファンドの基準価額が低いので積極的に買う、逆に景気がよい局面では株式ファンドの基準価額が高いので買いを控える、などのように皆さんの相場観に基づく投資の判断能力が高まってきたら、必要に応じて配分変更を行っても良いでしょう。

スイッチングのタイミング

配分変更と同様、スイッチングも頻繁に行うことは望ましくありませんが、少なくとも1年に1回は資産残高の資産配分をチェックし、必要に応じてリバランスすることをお勧めします。

特に経済の危機に直面したような場合には、緊急的に元本確保型の商品にスイッチングさせることなども考えるべきです。

リタイアメントが近づいてくる50歳代に入った頃を目安に、資産残高についても安定的な商品にスイッチングすることで、リスクを軽減できます。

まとめ

配分変更とスイッチングのメリット・デメリット、留意点を十分理解して、今後の経済情勢やライフステージに応じて活用していきましょう。その一つひとつの判断と行動が、老後資金の準備に影響を与えるかもしれません。

ご留意事項
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