40代からはじめる資産形成とは?定年時の目標資産額から逆算して考える

50代になると子供の大学進学や親の介護などの負担も増えてくるので、就職や結婚などの大きなライフイベントが一段落した40代が資産形成を考え直す最適なタイミングと言われています。本記事では目標金額の目安や資産運用のシミュレーション等、40代からの資産形成で注意すべきポイントを解説します。

40代からはじめる資産形成とは?定年時の目標資産額から逆算して考える

40代で資産形成している人の割合

 40代で資産形成している人の割合

40代で実際に資産形成に動いている人の割合はどれくらいでしょうか?

40代が保有している金融商品

証券業協会の2018年度調査によると、40代男女の金融商品ごとの保有率は以下の表の通りです。
これによると、株式は40代男性の約17%、40代女性の約7~8%が保有しており、男性のほうが多く保有しています。投資信託は40代後半女性の約11%が保有しており、一番高い保有者比率を誇っています。

【男性】金融商品保有者比率(複数回答)

金融商品※140〜44歳45〜49歳
株式16.9%17.6%
投資信託8.2%10.1%
公社債1.9%2.0%
信託1.3%1.6%

【女性】金融商品保有者比率(複数回答)

金融商品※140〜44歳45〜49歳
株式8.2%6.8%
投資信託3.8%11.1%
公社債1.4%2.5%
信託0.3%1.5%

※1:この調査における金融商品の区分は以下のとおり。
・株式 →株式(株式ミニ投資、株式累積投資、従業員持ち株制度を含む)、新株予約権など(外国で発行されたものを含む)
・投資信託 →株式投資信託、公社債投資信託、MMF、MRF、ETF(上場投資信託)、不動産投資信託(REIT)など(外国で発行されたものを含む)
・信託 → 貸付信託、教育資金贈与信託、遺言信託など
・公社債 →国債、地方債、社債、転換社債、金融債、仕組債など(外国で発行されたものを含む)


【参考】日本証券業協会:「平成30年度 証券投資に関する全国調査(個人調査) -報告書-2.金融商品保有の実態・意向」 ※詳しくは
こちら

40代も後半になると、男女ともに1割以上の人が株や投資信託など、何らかの投資をしていることが分かります。上記で紹介した以外にも、有価証券関連の先物取引、バイナリー・オプション取引、外為証拠金取引(FX)など、投資対象の金融商品も多様化しおり、何らかの形で預金以外の金融商品を持っている人が多くいます。
投資意欲が高い背景には、アベノミクス以降の資産価格の上昇や、低金利、優遇税制などがあります。資産形成で投資をはじめる人々は、今や決して少なくありません。

積立貯蓄をしている人の割合

資産形成を検討する際に多くの人が思い浮かべる手段が貯蓄です。実際40代のうち積立貯蓄を利用している人の割合は約30%に及びます。
しかし、定期預金の金利は年0.01%程度と低いため、定期預金だけでは資産形成をするのに有効な手段とは言えません。

【参考】野村アセットマネジメント株式会社:「『貯蓄から投資へ』に関する意識調査の結果について」 ※詳しくはこちら

老後に必要な貯金額はいくら?

老後に必要な貯金額はいくら?

資産形成では、まず目標金額の設定が大切です。老後に必要な貯金額はいくらくらいなのでしょうか。

下の表は、老後にかかる生活費と年金収入の収支をシミュレーションした数字です。

二人以上世帯/持ち家の場合の60歳退職後の収支

老後の収支のシミュレーション

項目金額
生活費24.7万円
収入19.9万円
月々過不足▲4.8万円
25年間過不足合計※1▲1,440万円

※1:60~85歳まで
※65歳定年の場合は約288万円負担が減少。
※単身世帯の場合は約1,380万円負担が減少。


【参考】総務省e-Stat:「家計調査-二人以上の世帯」 ※詳しくはこちら
【参考】総務省e-Stat:「家計調査-単身世帯」 ※詳しくはこちら
【参考】全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2019年5月調査)」 ※詳しくはこちら
【参考】厚生労働省「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ※詳しくはこちら

退職金の目安は1,000万~2,500万円で、これで十分であれば問題ないのですが、不安な場合は資産形成を検討した方がよいでしょう。

40代から定年までに2,000万円貯めるには

40代から定年までに2,000万円貯めるには

下の表は、40歳から積立投資をはじめた場合のシミュレーションです。

40歳から積立投資をはじめた場合のシミュレーション

【参考】楽天証券「積立かんたんシミュレーション」 ※詳しくはこちら

定期預金の利回り0.01%(ゆうちょ銀行「定期貯金」、三菱UFJ銀行「スーパー定期」)であれば、65歳までに2,000万円貯めようとすると、毎月約6万6,600円の積立金額が必要になります。1%では約5万8,700円で、3%では約4万4,800円が必要になります。何歳までにいくらの資産を形成するという目標を明確に設定し、そのために毎月いくら積立投資すればよいかを確認することがまず重要です。

40代からの資産形成の注意点

投資が初めてなら、まずは少額から、リスクの低い安全投資から始めるのがよいでしょう。個別商品への集中よりも分散投資、投資と貯蓄を分けるといった基本が特に大切です。必要以上にリスクを取らず、余剰資金だけで運用をはじめましょう。

40代の資産形成 成功のポイント

40代の資産形成 成功のポイント

40代からの投資で成功するには、目標金額を明確に決め、それに合った方法を選ぶことがポイントです。

意外かもしれませんが、先ほどの積立シミュレーションのように、年率1~3%の投資先でも、長期間着実に利益を積み重ねれば数百万円から1千万円を超える利益をもたらす可能性があります。

自分の生活スタイルを考え、時にはプロのアドバイスも参考にしながら、無理なくできる方法を選びましょう。

まとめ

40代は老後の資金やライフイベントへの備えを意識する時期ですが、早期に資産形成をはじめれば、将来を安心して迎えることができます。まずは、老後の生活費や必要な貯金額を知り、自分に合った運用の方法を探してみることが大切です。

株式や投資信託、不動産などさまざまな投資商品がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。リスクとリターンを把握しながら、目的にマッチする資産運用方法を選びましょう。

目的にマッチする資産運用方法を選びましょう。

ご留意事項
● 本稿に掲載の情報は、ライフプランや資産形成等に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
● 本稿に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、三菱UFJ信託銀行の見解を示すものではありません。
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