10万円でも大丈夫!資産運用の初心者におすすめの低リスクな投資

10万円の余剰資金で資産運用を始めてみたいけど、投資の経験が無ければ不安ですよね。投資初心者で、まずは少額から投資を始めてみようかなと思っている方に向けて、今回は10万円からでも始められる資産運用の方法や特徴、注意点を解説していきます。将来の教育費や老後の生活資金の準備などのために、参考にしてみてください。

10万円でも大丈夫!資産運用の初心者におすすめの低リスクな投資

10万円でも資産運用をすべき理由

10万円でも資産運用をすべき理由

10万円の投資では、まったく意味がないと思う方もいるのではないでしょうか。この章では、10万円からでも資産運用をするメリットについての説明をします。

銀行に預けていても資産は増えない

現代は物価は上昇しているにもかかわらず、給与は上がりにくく、銀行に預けていても資産を増やすことが難しい時代です。そのため、給与などの労働収入や預金以外で資産を増やす方法として、投資などの資産運用は効果的な手段になります。

長期投資で複利効果が得られる

また、投資の元手が10万円という金額を少額に感じる方もいるかもしれませんが、早い時期から長期的な投資をすることで、複利効果が期待できます。
複利の効果とは、投資した元本からでた利息を毎回取り崩すことなく、投資に回すことで雪だるま式に資産を増やせるというものです。

1年目に10万円の元本から5,000円の利息が付いた場合に、2年目は利息を含めた10万5,000円で運用をしていくということです。この複利の効果は、少額から長期的な資産運用をすればするほどインパクトが大きく、資産を増やすうえで効果的です。

少額投資でリスクを軽減できる

もちろん、今まで投資をしたことがない初心者の方は、投資額よりも資産が減ってしまうリスクも心配でしょう。全ての貯金を投資にまわしてしまうと、損失が大きくなるため、まずは少額から始めることでリスクを抑えることができます。最低投資金額が10万円からの運用商品もあるため、まずは、10万円からでも資産運用を始めてみるとよいでしょう。

10万円でできる資産運用5選

10万円でできる資産運用5選

さっそく、10万円から投資できる資産運用を紹介します。比較的、リスクの低いものを選定していますが、自身のリスク許容度に合わせて投資先を選びましょう。

金銭信託

金銭信託とは、信託銀行などが投資家に代わってお金を管理・運用する金融商品です。運用によって生じた収益が投資家に分配されます。

金銭信託には、主に2種類あります。

合同運用指定金銭信託(一般口)

合同運用指定金銭信託(一般口)は、元本が保証されているため、金銭信託の中でもリスクが低いのが特徴です。また、預金と同じように銀行が倒産しても1,000万円とその利息が保証されます。預け入れられる金額や期間は金融機関によって異なります。

リスクが低い分、利率は低めですが、安定した資産運用をしたい人に向いている商品といえます。

実績配当型金銭信託

実績配当型金銭信託は、実際の運用結果によって配当額が決まる金銭信託です。合同運用指定金銭信託(一般口)と比べると利益追求型で、リスクも利回りも高めに設定されています。元本保証はなく、金融機関が決めた運用ルールによってリスクが変動します。

この実績配当型金銭信託のサービスとして、三菱UFJ信託銀行の「マネフィット」を紹介します。
 
「マネフィット」は運用の安全性と、預金よりも高い利率で運用することの両立を目指したサービスです。実績配当型の金銭信託ですが、三菱UFJ信託銀行が選定した安全性の高い投資先で運用を行います。スマートフォン1つでお申し込みから商品購入ができますので、必要書類を郵送するなどの手間をかける必要もありません。

買う。寝かす。増える。貯蓄のような運用。「マネフィット」

株式投資(単元未満株・ミニ株)

株式投資とは、株式市場に上場している企業の株式を買う資産運用です。
株式投資によって収益を得る方法は、3つあります。


・「値上がり益」購入した時よりも高い金額で売った時の差額を得る
・「配当金」企業が得た利益の一部のお金を投資家に還元する
・「株主優待」企業の自社商品やサービスを特典のように受け取れる


株式投資のメリットは、高い収益性です。成長企業の株を購入し、何倍にも値上がりすれば、大きな収益を比較的短期間で得ることができます。

一方デメリットは、値動きが激しいために安定性の低い方法ともいえることです。元本保証がなく、投資した金額より売値が下回った場合は損失がでるリスクがあります。また、会社倒産や上場廃止になった場合は資産価値が無くなる点に注意しておきましょう。

そのため、初心者の方が株式投資を始める場合は、少額から始めてみることをおすすめします。株式投資は一般的に1社に投資するために少なくとも数十万円は必要なことが多いですが、1株単位で買える「単元未満株」や10株単位で買える「ミニ株」を使えば、10万円でも十分投資することができます。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金を、投資の専門家が国内外の債券や株式などさまざまな金融商品に投資を行い、得た利益を分配する金融商品です。
投資信託の投資対象は幅広く、株式、債券、不動産、金、原油など、沢山の種類があります。投資信託の投資金額は、最低金額が1万円からが多いですが、金融機関や金融商品によっては100円から投資できることもあります。

投資信託のメリットは、プロのファンドマネージャー(投資の専門家)に運用を任せることができるため、投資先を考えるなどの手間がかからずに済むことです。投資信託は、複数の銘柄を選んで運用してくれるパッケージ商品になっているため、1つの投資先の価値が下がっても損失のリスクを軽減する「分散投資」をしやすいこともメリットです。

一方で、投資信託のデメリットは、専門家に運用を任せるために、投資信託を運用や販売をする会社に支払われる信託報酬といわれる手数料などが発生する点です。投資信託の手数料が気になる場合は、ノーロード型と呼ばれる購入時の手数料が無料の商品も確認してみるとよいでしょう。
株式投資と比較すると、損失のリスクが低いですが、大きな利回りは期待しにくいでしょう。

また、投資初心者の方は、NISA制度を利用して投資信託を購入することも検討してみるとよいでしょう。NISA制度では国が定めた比較的安全性の高い投資信託のみ購入できる仕組みになっています。NISA制度を利用して購入した商品から得た利益は、非課税になります。

ETF

ETFとは、株式指数連動型上場投資信託のことで「Exchange Traded Funds」の頭文字をとっています。上場している投資信託を、株式のように自分で市場の状況をみながら、証券取引所を通じてリアルタイムで取引できる方法です。
ETFは、日経平均株価などの代表的な株価指数と連動されているため、銘柄の値動きが比較的わかりやすいことが特徴です。
ETFの分配金は決算時に支払われ、決算のタイミングは年1~4回など銘柄によって異なります。

ETFのメリットは、前述の投資信託の特徴でも挙げた、幅広い銘柄に分散投資ができて損失のリスクを軽減できることです。また、リアルタイムでの取引が可能になるため、一般的な投資信託よりも流動性の高い売買をすることができます。

ETFのデメリットは、取引の手間がかかりやすいことです。決算時に分配金が支払われたあと再投資する場合には、基本的に自動ではなく手動で行わなければなりません。また、1日1回取引終了後に決定される基準価額と、常に変動する市場価格の2つの間でズレが生じた時に売買すると、損をしてしまう可能性もあります。

ETFは、数万円からでも購入できる銘柄が多いため、10万円の予算でも資産運用を始めることができます。

個人向け国債

個人向け国債とは、個人の方が購入しやすいように工夫された国債のことです。国が発行した債券を購入して国に融資をすることで、満期時には「額面金額」と呼ばれる元本と、利子を受け取ることができます。

個人向け国債には、3つの商品があります。

・「変動10年」満期が10年で半年ごとに利率が変わる
・「固定5年」満期が5年で発行時に設定された利率が変わらない
・「固定3年」満期が3年で発行時に設定された利率が変わらない

個人向け国債のメリットは、安全性の高さです。債券価格が変動した場合でも、元本が投資先の国に保証されており、満期まで保持しておけば額面金額がもどってきます。

一方で、デメリットは安全性は高いものの金利があまり高くないため、収益性が株式や投資信託と比べて低いことです。また、投資先の国が経済破綻すれば、購入した債券の価値がゼロになるリスクもあります。さらに、満期がくるまで数年かかるため、短期間で収益を得るのは難しいといえるでしょう。
中途換金制度もありますが、発行から原則1年間は換金ができません。中途換金後も、中途換金調整額として直前2回分の利子に近い金額が引かれてしまいます。

これら個人向け国債の商品は、1万円から購入ができます。リターンが少なくても、リスクを低くして少額から長期的に資産運用を始めたい方にはおすすめです。

10万円の資産運用で重要なこと

10万円の資産運用で重要なこと

10万円からできる資産運用方法をさっそく実践してみよう!という前に、10万円の資産運用で重要なことをお伝えします。このポイントを理解することで、10万円をより効果的に運用することができるでしょう。

資産運用する目的を明確にする

資産を増やしたい理由や目的を明確にすることで、自分にあった資産運用方法を選ぶことができます。
資産を増やす目的として、例えば「教育資金」「老後資金」「住宅資金」の人生三大資金が挙げられます。自分の場合はどれがどの程度、いつまでに必要かなどを洗い出すことで、自分に合った投資方法や金融商品を選ぶ基準になるでしょう。

さらに、金融資産を検討するうえで3つの指標を軸に検討するとよいでしょう。

「安全性」

金融商品がどれくらい安全であるかを示す指標。
例:株式は値動きが激しく、投資金額より売却金額が下回ることがあります。株式は、先に挙げた資産運用の方法の中では、安全性が低いといえます。

「収益性」

金融商品でどの程度収益を上げられるかを示す指標。
例:預貯金の利息は、先に挙げた資産運用の方法と比較すると低いです。預貯金は、収益性が低い資産運用方法といえます。

「流動性」

金融商品を現金に換金しやすいかどうかを示す指標。
例:預貯金は、すぐにATMなどで引き出すことができ流動性が高いといえます。不動産は、すぐに売却できるものはないため、比較的流動性が低いといえます。

安全性が低く元本割れをしてしまったり、収益性が低く目標金額に到達しなければ、資産運用の目的を果たすことができません。流動性の低いものを購入していた場合、自分の欲しいタイミングで現金を手にすることができない可能性もあります。
このように、自分に合った資産運用の目的・方法を選ぶことは、資産形成において非常に大切でしょう。

自分のリスク許容度にあった投資先を選ぶ

投資先には、さまざまな種類や特徴、メリット・デメリットがあることを解説してきました。自分に合った投資先を選ぶには「リスク許容度」を指標にしてみましょう。
リスク許容度とは、自分がどれだけリスクをとってもいいかの指標のことです。

例えば、投資経験が未経験であったり資産が少ない方は、リスクが低いものを選んだほうがよいでしょう。一方で、年齢が若ければ投資に多少失敗してもリカバリーする時間があるため、高いリスクのものも選ぶことができます。
自分のリスク許容度に合わせて、リスクを低く抑えたいのであれば国内債券を中心に購入してみたり、リスクが取れるのであれば株式を中心に購入することができます。

なお、リスク許容度は資産が一時的に目減りすることにどれだけ耐えられるかの指標にもなります。

例えば、投資信託のなかには、長期的にみると利益があがるかもしれませんが、一時的に値下がりするものもあります。値下がりしてしまった時に、ショックを受けて売却してしまい、結果的に資産が減ることがあります。
自分に合ったリスク許容度を選ぶことで、損失がでてしまう売却や精神的な落ち込みを避けることができるでしょう。

分散投資を心がける

投資先を選ぶ際は、複数の商品を購入し「分散投資」をすることをおすすめします。
分散投資をすることで、1つの商品の価値が下がってしまっても、相対的にほかの商品の価値が上がっていれば、損失を最小限にすることができます。
投資先を分散する手段は、大きく3つに分けられます。

1.「資産の種類」預貯金、株式、債券などの金融商品
2.「地域」日本国内、海外の先進国、新興国など
3.「通貨」円、米ドル、ユーロなど

長期投資・積立投資を心がける

投資は、長期投資をすることで「複利の効果」が働き、運用益を増やすことができます。
先述でも説明をしましたが、複利効果とは、運用で得た利益を再投資することです。利益で利益を生み、雪だるま式に増えていく状態のことです。

また、積立投資をすると、投資するタイミングを分散させることができます。
株式など値動きが激しい商品を高値の時に一度に購入してしまうと、損失がでる可能性があります。
積立投資には「ドルコスト平均法」という投資方法が効果的です。
ドルコスト平均法は、一定の間隔で同額の金融商品を購入していく方法です。

例えば、毎月2万円を積立投資をする場合に、投資信託などの商品価格が高い時は2万円分で少量の商品しか購入できません。価格が安い時は、大量に商品を購入することができ、結果的に一株あたりの購入コストを抑えることができます。

NISAを活用する

NISAとは、少額投資非課税制度のことです。
通常、株式や投資信託などの金融商品を投資・売却して得た利益に対して約20%の税金がかかります。しかし、NISAを利用して毎年一定金額の範囲内で購入すれば、その税金がかからなくなります。

現在NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」の2種類がありますが、2024年からはそれぞれ「成長投資枠」「つみたて投資枠」と呼ばれ制度内容も改変されます。
改変後は、非課税保有期間は無期限となるため、より長期間の投資戦略が可能になります。

元本保証はありませんが、長期投資により安定した投資リターンが見込まれ、かつ非課税で収入を得ることができます。投資の際には、ぜひNISAを活用してみましょう。

【リスク別】10万円の代表的なポートフォリオ

【リスク別】10万円の代表的なポートフォリオ

ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことです。ポートフォリオを作成することで、どのような投資信託や株を持っているかを把握し、保有資産のリスクとリターンのバランスを比較することができます。

ポートフォリオの内容は、正解があるわけではありません。自分の資産運用の目的・状況に合ったポートフォリオを作成できるようになりましょう。

リスクとリターン別に代表的なポートフォリオの例をみていきましょう。

ローリスクローリターンのポートフォリオ

ローリスクローリターンのポートフォリオとは、リスクはあまりとりたくない代わりに、リターンが比較的低くてもいいという方向けの組み合わせになります。

国内債券50%
国内株式10% 
金銭信託10%
外国(先進国)債券 15%
外国(先進国)株式10%
外国(新興国)株式 5%

国内の地域と債券を中心にしてあります。
外国の金融商品は、新興国よりは比較的リスクの低い先進国の投資比率を大きくしています。

ミドルリスクミドルリターンのポートフォリオ

ミドルリスクミドルリターンのポートフォリオとは、比較的リスクもリターンもバランスを取りながら、資産運用したい方向けのポートフォリオになります。

国内債券30% 
国内株式 25% 
外国(先進国)債券20% 
外国(先進国)株式15% 
外国(新興国)株式10%

先ほどのポートフォリオよりも、株式や外国への投資割合を増やし、国内と外国・債券と株式の割合が均等に近くなっています。

ハイリスクハイリターンのポートフォリオ

ハイリスクハイリターンのポートフォリオとは、リスクが高くてもリターンを見込みたい方向けのポートフォリオになります。

国内債券10% 
国内株式 35% 
外国(先進国)株式25%
外国(先進国)国債 10%
外国(新興国)株式20%

債券よりも株式の割合が多く、外国でも新興国の割合が比較的多いポートフォリオになります。
ハイリスクハイリターンの商品には、仮想通貨やFXなどがありますが、投資初心者にはリスクが高くなります。まずは本記事で挙げた金融商品の特徴を理解しながら、自分なりのポートフォリオを模索するとよいでしょう。

まとめ

10万円でも資産運用をする手段は、さまざまにあります。資産運用の目的や資産状況を一度見つめなおしてから、自分に合った金融商品・運用方法を選んで投資を始めてみましょう。その際には、分散投資・長期投資・積立投資を意識することで、安全な資産運用ができます。

特に、投資未経験の場合は、金銭信託のような低リスクな運用商品から選んでいくとよいでしょう。

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