ファンドラップのデメリットに注意!他の資産運用との違いや魅力を解説

ファンドラップは、顧客の運用スタイル、リスク許容度に応じて、投資の専門家が資産運用を代行してくれるサービスです。この記事では、ファンドラップのデメリット・メリット、投資信託やロボアドバイザーなど他の資産運用方法との違いを解説します。ファンドラップの注意点や魅力を理解して、自分に向いている人は活用を検討してみてください。

ファンドラップのデメリットに注意!他の資産運用との違いや魅力を解説

ファンドラップとは?

ファンドラップとは?

シンプルにまとめると、ファンドラップとは、顧客一人ひとりの投資方針に基づき、投資信託(ファンド)を組み合わせた資産配分を提案し、運用代行してくれるサービスです。国内外の株式や債券などに投資する投資信託を組み合わせた複数のポートフォリオの中から、ヒアリングを元に専門家が顧客に合ったものを提案します。投資環境に合わせてファンドの組み入れ比率の変更や、運用成績に応じて組み入れファンドの見直しも行ってくれます。

顧客は金融機関と一任契約を締結し、資産運用に関する投資対象の選定や売買、定期報告などのサービスを受けます。投資一任契約とは、顧客が金融機関に有価証券の投資判断を全て託し、投資全般をまかせるための契約です。

ファンドラップのメリット

ファンドラップのメリット

ファンドラップのメリットは、大きく分けて4つあります。

初心者でも安心!投資のプロによる資産運用

ファンドラップは、投資の知識やノウハウのある専門家がヒアリングを行い、顧客一人ひとりに合った資産運用を提案してくれます。

退職金をもらいまとまったお金を運用したいけど、投資の経験がなく不安という方もいるでしょう。投資初心者が資産運用を始めるためには、まず基礎知識をつけなければなりません。大きなお金を運用するとなると失敗した時の損失も大きいので、なおさら慎重になります。

ファンドラップを利用して専門家に資産運用を任せることで、安心して資産運用をスタートできるでしょう。時間のない方は資産運用を全て代行してもらえる点もメリットですが、対面で提案内容や運用状況を聞くことができるので、投資の勉強にもなるでしょう。

自分に合った投資先を提案してもらえる

数多くある金融商品の特徴やリスクを把握し、選択するためには専門知識が必要であり、難しく感じる投資初心者も多いでしょう。金融商品や投資の勉強をしてみたものの、結局自分に合ったものが何か分からない……という方もいます。

ファンドラップを利用すれば、専門家がヒアリングに基づいて、自分の投資目的にあったポートフォリオを提案してくれます。一般的な知識を身に付けても、人によって投資目的は異なり、リスク許容度によって選ぶ金融商品も異なります。自分のリスク許容度にあった運用が期待できるでしょう。

投資の経験を積んで身に付く部分も大きいので、経験豊富な専門家にヒアリングしてもらい、提案から運用までお任せできるのはファンドラップのメリットでしょう。

分散投資・長期投資でリスクに備えた資産運用ができる

分散投資・長期投資では、リスクを抑えた運用が期待できます。資金を一つの金融資産に集中させると、大きな利益を狙える一方で、大きく損をしてしまう可能性があります。また過度にリスクを抑えた運用では、目標金額に達しない・目標金額に達しない・達するまでに時間がかかりすぎることもあるでしょう。

ファンドラップでは、専門家がさまざまな投資対象を組み合わせたポートフォリオを作成してくれるため、分散投資でリスク許容度にあった運用が期待できます。自分の投資方針に基づいた投資計画を立ててくれるので、長期的に資産形成したい方にもおすすめです。

遺産相続でまとまったお金を手にしたものの、すぐに使う予定がない方は、リスクを抑えながら長期的に資産を増やせたらいいですよね。銀行に預けて眠らせておくよりも、専門家に預けて運用してもらう方が資産が増える可能性は高まるでしょう。

「投資一任契約」でトータルサポートを行ってくれる

ファンドラップでは、投資一任契約を結びます。投資一任契約とは、顧客が運用に関する投資判断の全部又は一部を金融機関に一任するとともに、その判断に基づき売買を行う際に必要な権限を委任する契約のことです。利用開始後に行う手続きは基本的にはないため、時間も手間も節約でき、長期的に投資のサポートを受けることができます。

資産運用したいんだけど、知識もないし、勉強する時間もないから、全てお任せしたいという方にはぴったりです。もちろん、投資方針をヒアリングしたり、状況の報告を受けたりと最低限のやりとりは発生します。しかし、投資先を自分で考える必要はありません。運用状況に応じてリバランスも行ってくれます。
必要金融の知識や投資の経験が豊富なプロだからこそ、安心して資産運用をお任せできるのは、ファンドラップの大きなメリットでしょう。

ファンドラップのデメリット

ファンドラップのデメリット

ファンドラップのデメリットは、大きく分けて4つあります。

最低投資金額が高額

ファンドラップの最低投資金額は金融機関によって異なりますが、300万円程度からが一般的です。退職金や相続財産など、まとまった金額を得たタイミングなどで利用しやすいサービスといえるでしょう。
投資の初心者で、まずは少額から投資をしたい人には不向きなサービスです。

信託報酬に加え、投資一任報酬が掛かる

ファンドラップの手数料は、投資する投資信託の管理費用(信託報酬)に加え、サービスの対価である投資一任報酬がかかります。

金融機関によって異なるものの、多くの場合、投資一任報酬は2種類から選択します。
・固定報酬型
・成功報酬型

固定報酬型における投資一任報酬の相場は、預けた資産の時価評価額の年率1.5〜2%前後です。

成功報酬型は、固定の報酬に加え、時価評価額の増加額に対し10~20%程度の成功報酬が掛かります。

固定報酬型と成功報酬型のどちらがお得とは、一概にいえません。金融機関ごとに異なりますが、一般的に、固定報酬型は成功報酬型に比べて投資顧問料が高く設定される傾向にあります。
ただし、運用成果が一定の水準を超えると成功報酬型の手数料総額の方が割高になるケースが多いようです。
ラップ口座は、年間単位で投資一任報酬を支払うことが一般的です。負担の時期は金融機関ごとに異なるので、前もって確認しておきましょう。

投資の方針や運用成績は担当者次第

ファンドラップには顧客のヒアリングを行い、ポートフォリオを提案する担当者と、ファンドを運用する担当者がいます。それぞれがその役割のエキスパートではあるものの、投資に対する考え方などには個人差があります。自分の投資方針に合った提案や運用を行ってもらうために、自分に合った担当者を見つける必要があるでしょう。

元本保証ではない

専門家による運用とはいえ、必ず利益が出るわけではありません。元本割れのリスクはあります。最低投資金額がある程度まとまった額となるため、より一層の注意が必要となります。

投資信託と比較したメリット・デメリット

投資信託と比較したメリット・デメリット

投資信託とは、顧客から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が国内外の複数の株式や債券等に投資・運用する金融商品を指します。投資信託を利用して資産運用する際には、自分で選定・売買するため、手間と時間が掛かります。
最低投資額の相場は1,000円前後です。手数料として、購入時の売買手数料、解約時の信託財産留保額のほかに、保有額に応じて日々支払う信託報酬が掛かります。

ファンドラップとは、顧客一人ひとりの投資方針に基づき、投資信託(ファンド)を組み合わせた資産配分を提案するサービスです。最低投資額の相場は300万円前後です。手数料として、サービスを受けるための投資一任報酬が年率1.5~2%前後掛かります。

ファンドラップを利用すると、投資信託の選定など資産運用の全てを専門家に任せることができます。投資信託と比較して、時間も手間も節約できるメリットがあります。
一方で、ファンドラップは最低投資額の相場が300万円前後であり、まとまった金額が必要です。少額から投資を始めたい人にとってはデメリットになるでしょう。また、サービスを受けるための投資一任報酬が掛かります。専門家に資産運用を一任できることよりも、手数料の安さを重視する人にとってはデメリットと感じるかもしれません。

ロボアドバイザーと比較したメリット・デメリット

ロボアドバイザーと比較したメリット・デメリット

ロボアドバイザーとは、人工知能(AI)が、顧客に合わせて投資信託を提案してくれるサービスです。提案がもらえるアドバイス型と、運用を任せる投資一任型があります。
最低投資金額の相場は1,000円前後です。手数料は、サービスに対する投資一任報酬と、サービスを通じて投資する信託報酬に大別されます。投資一任報酬の相場は、預けた資産の時価評価額に対して年率1%前後です。

ファンドラップが専門家と対面で相談しながら進めるのに対し、ロボアドバイザーはネット上で自分の情報や条件を回答する点が異なります。
また、ロボアドバイザーはあらかじめ決められた質問に答えるだけですが、ファンドラップは専門家に直接質問できるメリットがあります。

投資一任報酬の相場は預けた資産の時価評価額に対して、ロボアドバイザーが年率1%前後、ファンドラップが年率1.5~2%前後となります。専門家に直接相談できることよりも、手数料の安さを重視する人にとって、ファンドラップの手数料はデメリットと感じるかもしれません。また、ファンドラップは最低投資金額が高いため、少額から投資したい人にとっては向いていないでしょう。

ファンドラップが向いている人の特徴

ファンドラップが向いている人の特徴

ファンドラップは自分で運用・管理する手間が掛かりません。そのため、投資知識が少ない投資初心者や、投資以外のことに時間を使いたい人に向いています。

またファンドラップでは、投資環境に応じて、ポートフォリオの資産配分を変更してもらえます。投資に慣れている人でも、例えば退職金のようにまとまった資金をどのように投資したらいいのか、迷うこともあるでしょう。
ファンドラップを利用すると、資産状況や投資目的、リスク許容度にあった分散投資を専門家に相談したい方には向いています。

具体的にファンドラップのメリットを感じられる人は以下のような人です。
・退職金を手にしたため、老後のために資産形成をしたい
・相続金を運用して増やしておきたいが、資産運用の経験がない
・まとまったお金を投資して資産を増やしたいが、時間や手間が惜しい
・リスクを抑えて長期的に資産運用したいが、金額が大きく不安だ

金額が大きくなれば、資産運用に手間も時間も掛かります。ポートフォリオのバランスが崩れ、気づかぬうちに過大なリスクを取ってしまう可能性もあります。専門家に任せるのも一つの選択肢でしょう。

メリット・デメリットを踏まえてファンドラップを活用しよう

ファンドラップは、専門家に資産運用に関する投資対象の選定や売買、資産運用などを一任できるサービスです。専門家に会って直接資産運用について相談できる点は、投資信託やロボアドバイザーにはないメリットです。

一方で、最低投資金額が300万円前後など、ある程度まとまった資金が必要となります。退職金や相続財産などがある場合などにファンドラップの活用が考えられます。メリット・デメリットを踏まえて関心を持った人は、信託銀行など金融機関に相談してみてるとよいでしょう。

ご留意事項
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