資産形成の元手に「500円玉貯金」が有効な理由とは?

「なかなかお金が貯まらない」「元手がなくて資産形成に挑戦できない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、500円玉貯金です。地味ながら着実な貯蓄法の1つである一方で、継続するにはコツが必要です。そこで今回は、500円玉貯金を続けるコツや注意点、おすすめの資産形成方法についてご紹介します。

資産形成の元手に「500円玉貯金」が有効な理由とは?

500円玉貯金とは?

500円玉貯金とは?

500円玉貯金とは、500円玉を貯金箱に貯めていくシンプルな貯金法です。500円玉貯金と聞くと、「たった500円で資産形成の元手になるくらいのお金が貯まるの?」と疑問を抱く人もいるでしょう。もちろん、ほかの貯金法と同様に一定期間続けなければ十分な成果は得られないものの、年で20万円を貯められたというケースも珍しくありません。

難しい知識やテクニックが不要な500円玉貯金は、今までさまざまな貯金法を試したけれど続かなかった人にとってぴったりです。投資などと違ってリスクがなく、継続さえできれば確実にお金が貯まる貯金法です。ここでは、500円玉貯金を続けるためのコツや注意点についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

500円玉貯金成功のステップ

500円玉貯金成功のステップ

やり方がシンプルな500円玉貯金は始めやすい一方で、成功へ導くためには目標やルールを決めなければいけません。以下4つのステップを解説します。

①目的と目標金額を決める

まずは貯金の目的を明確にし、具体的な目標額を決めていきます。というのも、目的や目標金額があいまいであると、モチベーションの維持がしづらくなるためです。
500円玉貯金は、たくさんのお金を貯金するにはあまり向いていません。目標金額は、10~30万円程度に設定することをおすすめします。

始める前には、必ず「何のために」「どのくらいのお金」を貯めたいのか考えておくようにしましょう。その際、紙に書いて目につきやすい場所に貼っておくのも1つの手です。

②500円玉貯金用の貯金箱を選ぶ

目的と目標金額が決まったら、貯金箱を選びましょう。選び方のポイントとして、以下の4つがあります。

・簡単にお金を取り出せない構造のもの
・高価であるもの
・お金が溜まっていくのがみえるもの
・デザインが自分好みであるもの

出典 

100円ショップなどで売っている安価な貯金箱であれば、金欠になった際に壊してお金を使ってしまいがちです。「途中で貯金を使ってしまいそうで不安」という人は、少し奮発して高い貯金箱を選ぶようにしましょう。その際、簡単にお金を取り出せない構造なものに加えて、お金が溜まっていくのがみえるクリアタイプにするのも1つの手です。どのくらい貯まっているのか把握できるため、モチベーション維持に繋がります。

また、デザインが自分の好みであることも大切なポイントです。例えば、周囲のインテリアにそぐわない色や形、来客に見られると恥ずかしいデザインのものはやめたほうがよいでしょう。デザインが気に食わない結果、目の届かない場所にしまい込んでしまっては本末転倒です。いつでも気づいた時に500円玉を入れられるよう、生活の動線上の目のつきやすい場所に置いておくとよいでしょう。

③500円玉貯金を習慣化する

500円貯金を続けるためには、いかにその行動を習慣化できるかがカギになります。食事や入浴と同じように「毎日の習慣」にすることが大切です。例えば「家を出る前」や「寝る前」など、時間を決めてお財布の中をチェックし、500円玉があれば貯金箱に入れるといったルールを決めるとよいでしょう。

最初は忘れてしまうかもしれませんが、意識して続けることで1日の生活リズムに組み込めるようになります。

④目標金額に達成したら

目標金額に達成したら貯金箱から取り出し、目的に合った使い道を心がけましょう。

もし、用途がない場合、そのまま銀行口座に貯蓄をしようと考える人もいるかもしれません。しかし、昨今は超低金利時代であり、銀行に預けていても利息はほとんどつきません。貯金をしようと考えているのであれば、この際に資産形成を取り入れてみるのがおすすめです。とはいえ、資産形成にもさまざまな手法があります。おすすめの資産形成の方法については、後述しているので参考にしてみてください。

500円玉貯金のメリット

500円玉貯金のメリット

500円玉貯金をすることのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

貯めれば確実に目標金額に達する

500円玉貯金は短期間で大きなお金を貯められるわけではありませんが、投資のように元本割れのリスクがないのが大きな利点です。そのため、コツコツと続けることができれば、確実に目標金額に達することができるでしょう。

目に見えてお金が溜まっていく

500円玉そのものが貯まっていくので、貯金の成果が目に見えて分かるのも利点です。目の届く場所に置いておけば、量や重さで簡単に実感ができます。そのため、心が折れそうになった時も、「もう少し頑張ろう」と踏みとどまる機会が増えるでしょう。

気軽に始められる

「お金を貯めたい」と思ったタイミングで気軽に始められるのも500円玉貯金の魅力の1つです。貯金箱を用意するだけでスタートできるため、定期預金や貯金用の口座の作成などの手間がかかりません。また、1回が500円と少額なのも、始めるハードルが低いといえるでしょう。

500円玉貯金の注意点とコツ

500円玉貯金の注意点とコツ

500円玉貯金をする際は、以下の5つのポイントに気を付けましょう。

一度に使える硬貨は20枚まで

お店で買い物をする際、一度に使える硬貨は20枚までと決まっています。これは、店側の保管や手間を考慮して定められた法律であり、たくさん貯まった500円玉を使う際には気を付けなくてはなりません。

500円玉の両替には手数料がかかる

目標金額を達成して金融機関の窓口で両替をする際、枚数によっては手数料がかかる点に注意が必要です。

手数料のかからない両替機を利用したり、紙幣に両替するのではなく銀行のATMに入金をするのがおすすめです。金融機関によって異なりますが、1回の手続きで100枚以内なら無料で預け入れができるケースも見受けられます。

大量の両替・預け入れをする場合は、金融機関の手数料について確認しておくようにしましょう。

500円玉のおつりが出るように意識する

何も考えずに買い物をしてしまうと、おつりとして500円玉を受け取る機会はぐんと減少します。そのため、1,000円札を出して500円玉でおつりをもらうようにするなど、買い物の際には意識することが大切です。また、500円玉をはじめとした小銭を把握しやすいようにお札の財布とは別に専用の小銭入れを用意しておくのもおすすめです。

キャッシュレス決済を使い分ける

昨今ではキャッシュレス決済が主流となってきているため、なかなか現金を使う機会が少ないと感じる人も少なくありません。キャッシュレス決済は、利用金額に応じたポイント還元がありお得である一方で、現金を受け取れなくなるため500円玉貯金を続けるのが困難となります。

そのため、キャッシュレス決済と現金支払いを上手く使い分けることがおすすめです。例えば、以下のようにルールを決めておきましょう。

・1,000円以上はキャッシュレス決済にする
・コンビニでは現金支払いにする

出典 

キャッシュレス決済と現金支払いの双方のメリットを逃さないように、支払い方法を工夫することができます。

500円玉を手に入れるために無駄使いしない

先述した通り、現金を受け取る機会が少ないと感じ、現金を崩す目的でわざわざ買い物をしてしまうケースもあるかもしれません。そうなってしまうと、無駄使いが発生してしまい、貯金をしている意味がなくなってしまいます。500円玉が用意できなければ貯金はできませんが、目的が500円玉を用意することになってしまわないように注意が必要です。

500円玉貯金をコツコツ継続する

500円玉貯金をする人のなかには「貯金をしていること」自体に満足してしまい、節約が疎かになる人も多いでしょう。しかし、500円玉貯金にお金をまわしたぶん、手元に残るお金が減ることに注意しなければなりません。

今までと同じ暮らしをしていると、貯金箱に入れるお金を捻出するのが難しくなる恐れがあります。もちろん、生活に影響が出るほどにストイックなやり方をする必要はありませんが、家計簿をつけたり、固定費や電気料金などの光熱費を削減する努力はできるでしょう。無理なく続けられる程度の貯金をコツコツ長続きさせることが大切です。

500円玉貯金が貯まったら、いざ資産形成!

500円玉貯金が貯まったら、いざ資産形成!

500円玉貯金をする目的が「お金を貯めること」である場合、資産形成を取り入れることをおすすめします。

500円玉貯金で資産形成の元手を貯めたい場合「お金が貯まったら、資産形成をしよう」という発想であると、なかなか始めるまでに時間がかかってしまいます。というのも、500円玉貯金はたくさんのお金を短期間で貯めるのには向いていません。そのため、「◯円貯まったら、資産形成をする」という発想で臨むことが大切です。500円玉貯金は続けられれば確実にお金が貯まるため、資産形成の元手を貯める目的として最適といえるでしょう。

おすすめの資産形成方法ですが、現行の「一般NISA」「つみたてNISA」はもちろん、2024年1月から「新NISA」がスタートします。新NISAでは「一般NISA」と「つみたてNISA」が一本化され、非課税保有期間が無期限となったほか、非課税投資限度額も大きく引き上げられました。

【現行のNISA制度と新NISA制度の違い】

500円玉貯金が貯まったら、いざ資産形成!

取り扱いの金融商品および毎月の最低積立金額は金融機関によって異なるものの、安いところでは100円から投資を始められます。そのため、500円玉貯金で貯まった金額を充てるには最適でしょう。ぜひこの機会に来年の新NISAでの運用を頭に入れながら、500円玉貯金を始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

思い立ったら誰でもすぐに始められる500円玉貯金は、継続ができれば確実にまとまったお金を貯めることが可能です。貯金箱に500円玉を入れるだけのシンプルな方法であるため、手間暇をかけずにスタートできるでしょう。簡単には中身が取り出せない構造の貯金箱を選んで目につく場所に置いたり、500円玉貯金を毎日の習慣にしたりするなどの工夫を凝らすことが成功へのカギとなります。

また、資産形成の資金を貯めたい人にもおすすめの貯金法です。その際は「資産形成の資金として●万円貯める」といったように、具体的な金額を掲げて取り組むことでモチベーションが維持しやすくなるでしょう。

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